2021年1月22日更新業種別M&A

SaaS業界におけるM&Aの売却/買収事例とは?買う・売る方法、費用の相場を解説

SaaSの多様化に伴い、今後もさまざまなニーズを見据えたM&Aが盛んに実施されると見られます。SaaS業界でM&Aを考える際は、業界動向・M&A事例を分析しつつ今後の展望を見据えて検討しましょう。今回は、SaaS業界のM&A買収・売却事例を中心に紹介します。

目次
  1. SaaS業界とは
  2. SaaS業界のM&A・買収・売却・譲渡動向
  3. SaaS業界のM&A・買収・売却・譲渡の成功ポイント
  4. SaaS業界のM&A・買収・売却・譲渡で注意したいポイント
  5. SaaS業界のM&A・買収・売却・譲渡の相場
  6. SaaS業界でM&A・買収・売却・譲渡を行うメリット
  7. SaaS業界でM&A・買収・売却・譲渡を行うデメリット
  8. SaaS業界のM&A・買収・売却・譲渡の成功事例6選
  9. SaaS業界のM&A・買収・売却・譲渡の失敗事例
  10. SaaS業界の積極買収企業一覧
  11. SaaS業界のM&Aまとめ
  • 今すぐ買収ニーズを登録する
  • 公認会計士がM&Aをフルサポート まずは無料相談

【※メルマガ限定】プレミアムM&A案件情報、お役立ち情報をお届けします。

Banner magazine
SaaSのM&A・事業承継

SaaS業界とは

SaaS業界とは

近年では事業の強化・拡大や新規事業への参入などを目的に、さまざまな業界でM&Aが活発化しています。この傾向はSaaS業界も例外ではなく、さまざまな目的のもとでM&Aを検討する企業が増加中です。

具体例を挙げると、双方の技術・ノウハウを活かしてサービス体制の強化を図るケースや、新しい技術を取り入れて新分野へ参入するケースなど、各企業の目的に応じてM&Aが実施されている状況です。本記事では、SaaS業界のM&A動向を整理するにあたり、まずはSaaS業界の特徴や動向から紹介します。

そもそもSaaS(Software as a Service)業界とは、ネットワークを経由してソフトウェアを利用できるサービスを提供する企業群のことです。従来は各自でパソコンにソフトウェアをインストールしてサービスを利用していましたが、SaaSを用いればネットワーク経由でサービスを利用できます。

このシステムは、サーバーがインターネットを経由してサービスを提供するという仕組みです。利用者からすると、ネットワーク環境さえあれば手軽にサービスを利用できます。

SaaSが発展した理由

SaaSでは、ソフトウェアの保守・点検などはサービス提供者が行います。利用者は基本的にネットワーク経由でサービスを利用するだけであり、ソフトウェアの保守・点検を自身で行う必要はありません。

また、ソフトウェアの更新やアップデートなどの手間もかからず、常に最新状態でソフトウェアを利用できるため、特に企業からすると非常にメリットが大きいです。企業が自社でソフトウェアの保守・点検などを行う必要がないため、設備に関するコストを大幅に削減できます。

そして、ソフトウェアの利用に関する手間が大きく減少するため、企業の労働生産性が向上します。これらのメリットによって、SaaSは個人・企業の双方で大きなニーズを抱えている状況です。ニーズの増加に伴い、近年のSaaS業界ではサービス内容が多様化するなど飛躍的な発展が目立っています。

SaaS業界の特徴

SaaSを利用すれば、企業は労働生産性を向上させられます。そのため、特に業務効率化が求められるビジネス領域において、SaaSのニーズが急速に高まっている状況です。これに伴い、SaaS事業を行う会社では、各ビジネス領域に特化したサービスを提供して需要の取り込みを進めることが急務とされています。

現在、SaaS業界が提供するサービスは、財務会計・人事・データ分析などさまざまなビジネス領域に特化しています。SaaS事業を行う会社は、それぞれのビジネス分野に特化したサービスを通じて、企業側にソリューションを提供しているのです。

SaaS業界の最新動向

最近のSaaS分野では、ネットワークでの情報共有・コミュニケーションを行う「グループウェア」や、顧客の一元管理を自動化する「マーケティングオートメーション(MA)」などのニーズが上昇しています。

グループウェアとはメールやファイルなどの共有ツールのことで、情報共有やコミュニケーションを効率的に進める際に必要不可欠です。また、マーケティングオートメーションは見込み顧客に関する情報を一元管理できるため、多くの顧客を抱えている企業の作業効率を格段に向上させられます。

いずれも日常業務の効率化に大きく貢献する分野であり、多くの企業ではこれらのサービスを提供するSaaSの導入が進んでいます。また、今後はあらゆるサービスのクラウド化も予想されており、ニーズの高まりに合わせてSaaS市場はますます成長する見とおしです。

実際に、株式会社富士キメラ総研の調査によると、国内におけるSaaSの市場規模は、2017年時点の3,871億円から2022年度には6,412億円(65.6%増)にまで拡大すると予測されています。

【関連】ソフトウェア業界のM&A・会社売却・買収の動向/相場/メリットを解説【事例あり】

SaaS業界のM&A・買収・売却・譲渡動向

SaaS業界のM&A・買収・売却・譲渡動向

SaaS業界では、ニーズの高まりを踏まえて、サービス体制の強化・新分野への参入を目的とするM&Aの実施が増加しています。例えば、同業者同士のM&Aにより、双方の技術・ノウハウを活かす形でサービス体制を強化するといった事例が典型的です。

特にIT関連分野ではニーズの傾向が目まぐるしく変わるため、市場の動向や需要の増加などについて自社ですべてに対応することは難しいです。こうした状況では、他社とのM&Aにより事業の強化・拡大につなげて需要の取り込みを進めるという選択肢が効果的です。

なお、新分野へ参入したい場合、自社でゼロから事業に着手すれば多くの時間・手間がかかります。そのため、特定分野ですでに事業を軌道に乗せている企業とM&Aして、比較的短期間で新規参入を果たして需要の取り込みを狙うケースも増加中です。

ニーズの動向に合わせて、今後のSaaS業界ではM&Aが加速する可能性があります。

【関連】パッケージソフト開発会社のM&A・事業承継事例10選!積極買収企業も紹介!

SaaS業界のM&A・買収・売却・譲渡の成功ポイント

SaaS業界のM&A・買収・売却・譲渡の成功ポイント

多くの企業がM&Aの実施を検討していますが、成功させるにはポイントを押さえて実践しなければなりません。本章では、SaaS業界のM&A・買収・売却・譲渡の成功ポイントについて、売却・買収という2つのケースに分けて取り上げます。

売却を行うケース

売却を成功させるには、相手に自社の魅力を十分にアピールしなければなりません。買い手側から見て魅力的な事業やサービスを自社が手掛けていれば、多くの企業が買収に名乗り出る可能性があります。希望どおりの条件で売却するためにも、自社の魅力・強みをわかってもらう必要があるのです。

特にSaaS業界の場合、新分野への参入やサービス体制の強化を目的にM&Aを行うケースが目立っています。そのため、魅力的なサービス体制や技術などを有していれば、多くの買い手が見つかりやすいです。具体的には、自社が特化する事業やエリアなどの魅力・強みをわかりやすく伝える準備を進めましょう。

買収を行うケース

SaaS業界では、双方の技術・ノウハウを活かす形でシナジー効果の創出を図るM&Aが多く見られます。こうした目的を持つ買収を成功させるには、自社が強化すべき事業や分野を事前に整理したうえで、いかなる企業を買収するべきかを慎重に検討しなければなりません。

このとき、強化したい分野などの目的がはっきりしていれば、適切な相手企業を探しやすくなります。ニーズの動向も踏まえながら、「いかなる部分を強化するべきか」「いかなる分野に進出するべきか」といったポイントを再確認して買収するべき企業を検討しましょう。

以上、売却・買収という2つのケースに分けて成功するためのポイントを取り上げました。そのほか、売却・買収を問わず、M&Aでは専門家のサポートを得ながら手続きを進めることも成功ポイントのひとつです。

M&Aを進めるには税務・財務・法務だけでなく、SaaS業界特有の専門知識も求められます。希望どおりの条件で取引するには交渉能力も必要となるため、経営者のみで進めるとリスクが大きいです。そのため、M&A仲介会社などの専門家に依頼して、手続きをサポートしてもらうと成功確率を高められます。

なお、もしも専門家選びでお悩みでしたら、M&A総合研究所にお任せください。M&A総合研究所には、M&Aに関する知識・経験が豊富なアドバイザーが在籍しており、SaaS企業のM&A手続きをフルサポートしております。

国内最安値水準の手数料体系に強みがあるほか、完全成功報酬制を採用しておりますので、成約に至らない限り費用は一切発生いたしません。相談料は無料となっておりますので、SaaS企業を対象とするM&Aを検討している場合にはお気軽にお問い合わせください。

M&A・事業承継ならM&A総合研究所

SaaS業界のM&A・買収・売却・譲渡で注意したいポイント

SaaSのM&A・事業承継
SaaSのM&A・事業承継
SaaS業界のM&A・買収・売却・譲渡で注意したいポイント

M&Aにあたっては、「目的を明確にすること」「対象企業を丁寧に選ぶこと」の2点に特に注意しましょう。目的が明確化していれば、具体的なM&A戦略のもとで適切なM&Aスキームを検討できるため、方向性が定まります。

一方で目的が不明確であれば、M&A実施後に想定していた効果が得られない可能性が高まります。こうしたトラブルを防ぐには、「M&Aにより実現したいこと」をはっきりさせると良いでしょう。また、M&Aにより売却・買収を行う以上、対象となる企業は丁寧に選ぶ必要があります。

そもそもM&Aでは、売却であれば経営を任せることになる一方で、買収であれば企業を傘下に迎えます。いずれの場合でも、相手企業には信頼できる企業を選ばなければなりません。具体的には、相手企業の事業内容・方針などを分析したうえで、自社との相性を慎重に判断する必要があります。

そして、相応しい相手企業が見つかったら、アプローチを早めに行うと良いでしょう。アプローチを早期に行うと、他の企業に先を越されるリスクを回避できます。

【関連】M&Aのリスクとは?売り手・買い手のリスクやリスクマネジメント方法を解説

SaaS業界のM&A・買収・売却・譲渡の相場

SaaS業界のM&A・買収・売却・譲渡の相場

SaaS業界では、技術やシステムの多様化や需要の動向などに応じて、M&A事例が多様化しています。そのため、M&Aの相場・費用を一概に判断することは困難です。とはいえ、M&Aに際して相場・費用をまったく考慮しないとなると、想定外の費用が発生しかねません。

こうした事態を防ぐためにも、自社と類似する企業のM&A事例を分析したうえで、相場・費用の目安を付けておく必要があります。具体的には、M&A事例の目的・M&A当事者となる会社の規模・対象事業の規模・会社の業績・従業員の数・M&Aスキームなどを確認して、自社の状況と類似する事例を徹底的に分析すると良いでしょう。

【関連】M&Aの相場とは?決め方や注意点を紹介【事例付き】

SaaS業界でM&A・買収・売却・譲渡を行うメリット

SaaS業界でM&A・買収・売却・譲渡を行うメリット

基本情報を把握したところで、SaaS業界でM&Aを行うメリットについても把握しておきましょう。SaaS業界におけるM&Aは、当事会社双方にさまざまな効果を与えます。ここでは、SaaS業界でM&Aを行うメリットをまとめました。はじめに紹介するのは、譲渡側のメリットについてです。

譲渡側のメリット

SaaS業界のM&Aにおける譲渡側のメリットは、主に以下のとおりです。

  • 売却によりEXITを果たせる(スタートアップ企業など)
  • 事業を存続させられる
  • 後継者不在の問題を解決できる
  • 従業員の雇用を維持できる
  • 売却利益をもとにリタイアを実現できる

上記にメリットを感じる経営者の方は、自社であるSaaS企業の譲渡を検討すると良いでしょう。

譲受側のメリット

SaaS業界のM&Aにおける譲受側のメリットには、主に以下のような項目が挙げられます。

  • 将来性の高いアイデア・事業を取得できる
  • 関連事業とのシナジー効果を獲得できる
  • 活況のSaaS市場に新規参入できる
  • 事業成長のための時間を短縮できる
  • 売り手が繰越欠損金による節税対策を講じられる
  • 自社の弱点を補強できる
  • 人材・特許・ノウハウなど技術力を吸収できる
  • ライバル企業を取り込める

上記にメリットを感じる経営者の方は、SaaS企業の譲受を積極的に検討すると良いでしょう。

【関連】M&Aのメリットとは?買い手・売り手のメリットやM&A戦略策定・手法別のメリットを紹介

SaaS業界でM&A・買収・売却・譲渡を行うデメリット

SaaS業界でM&A・買収・売却・譲渡を行うデメリット

SaaS業界のM&Aではさまざまな恩恵が得られるものの、その一方でデメリットも少なからず存在するため注意が必要です。本章では、譲渡側・譲受側に分けて詳しく取り上げます。

譲渡側のデメリット

SaaS業界のM&Aにおける譲渡側のデメリットは、主に以下のとおりです。

  • M&Aに不満を抱いた従業員が離職するリスク
  • 従業員の待遇や雇用条件が悪化するおそれ
  • 経営から離脱し肩書を消失する

上記のデメリットは、主として相手企業との交渉プロセスにおける失敗が原因となり生じます。交渉をスムーズに成功させるためにも、M&Aによる譲渡の際は専門家のサポートを得ると良いです。

譲受側のデメリット

SaaS業界のM&Aにおける譲受側では、主に以下のようなデメリットが問題となります。

  • 想定していたシナジー効果が得られないリスク
  • 生産性が低下するうえに買収費用ばかりがかさむ可能性
  • 譲渡側企業の人材流出が起こるおそれ

上記のデメリットは、主にマッチングおよび経営統合プロセス(PMI)の失敗が原因となり発生します。自社が譲受するに相応しい企業を見つけるため、そして経営統合をスムーズに進めてメリットを最大限に獲得するためにも、譲渡側と同様に専門家のサポートを得ると良いでしょう。

【関連】M&Aで子会社化する方法とは?メリット・デメリット、子会社とグループ会社の違いを解説

SaaS業界のM&A・買収・売却・譲渡の成功事例6選

SaaS業界のM&A・買収・売却・譲渡の成功事例6選

本章では、SaaS業界のM&A・買収・売却・譲渡の成功事例として、以下の6ケースを取り上げます。

  1. 日立製作所によるFusionex International PlcのSaaS事業取得
  2. Siderによるオプトベンチャーズを引受先とした第三者割当増資
  3. SAPによるQualtricsの買収
  4. 凸版印刷によるMonoposの子会社化
  5. ビットアイルによるAXLBITの子会社化
  6. KDDIによるServisionの子会社化

これらの成功事例のポイントを掴んで、自社のM&A戦略の策定に役立てましょう。

①日立製作所によるFusionex International PlcのSaaS事業取得

日立製作所

日立製作所

出典:https://www.hitachi.co.jp/

2020年4月、日立製作所は、Fusionex International PlcのSaaS事業を承継した新会社を完全子会社化しました。本件買収価格は非公開です。買収側の日立製作所は日本の電機メーカーであり、日立グループの中核企業です。世界有数の総合電機メーカーとして知られています。

対する売却側のFusionex International Plcはマレーシアに主な拠点を持つ企業で、AI・ビッグデータのマーケットリーダーとしてアジア地域を中心にAIやデータアナリティクスのSaaS型サービスを提供しています。

本件M&Aの目的は、データサイエンティストやAI開発・構築エンジニアといったデジタル人財の獲得などによる、フロント機能およびデリバリー機能の強化にあります。

なお、日立製作所は、従来より2021中期経営計画において社会イノベーション事業のグローバルリーダーを目指して、ITセクターでは北米・アジアを重点地域として積極的な成長投資を行う計画を掲げており、今回の投資はその一環であると発表されています。

②Siderによるオプトベンチャーズを引受先とした第三者割当増資

Sider

Sider

出典:https://sider.review/ja

2019年2月、コードレビュー自動化ツールの「Sider」を運営するSiderは、ベンチャーキャピタル事業などを行うオプトベンチャーズを引受先として第三者割当増資を実施しました。同時に、GitHub Enterpriseに対応したオンプレミス版のSider Enterpriseの正式リリースも発表しています。

今回の資金調達により、Siderは世界各地への普及や大手企業への普及を目指すと発表しています。Siderは、ソフトウェアエンジニアがプログラミングに集中できるように作業を効率化するという点に焦点を置きながら事業を展開する企業です。

具体的には、ソフトウェア開発者の業務の15%以上を占めるコードレビューを自動化して、レビュー業務の時間削減・ソフトウェアの品質向上につなげました。こうしたコードレビュー自動化ツールが、「Sider」です。

Siderは今回の資金調達で販売活動の拡大などを加速化させるとも発表しており、「Sider」のさらなる普及が期待されています。

③SAPによるQualtricsの買収

SAP

SAP

出典:https://www.sap.com/index.html

これは海外企業のM&A事例です。2018年11月、ドイツに本社を構えるヨーロッパ最大級のソフトウェア会社のSAPは、オンライン調査サービスなどを手掛けるQualtricsの買収を発表しました。SaaS企業の買収としては最大規模の80億ドルでの買収となり、翌年1月にQualtricsの買収を完了させています。

SAPは、企業がデスクトップ環境やモバイル環境などで効率的な協業や的確なビジネス判断を行うために幅広いソリューションを提供する企業です。世界各国で約42万5,000社の企業がSAPのアプリケーション・サービスを利用しており、ヨーロッパ最大級のソフトウェア会社としてさまざまな事業を展開しています。

対する売却側のQualtricsは、エクスペリエンスマネージメントソフトウェア分野の世界的なパイオニアとして知られる企業です。QualtricsをSAPが買収したことで、SAPソフトウェアの業務データとQualtricsのエクスペリエンスデータが融合し、エクスペリエンス経済の活性化が進むとされています。

④凸版印刷によるMonoposの子会社化

凸版印刷

凸版印刷

出典:https://www.toppan.co.jp/

2018年8月、総合印刷大手の凸版印刷は、ECシステムの提供などを手掛けるMonoposを買収しました(買収価格は非公開)。 Monoposは、IROYAが持つリアル店舗とオンラインサイトを統合するオムニチャネルの導入支援サービスである「Monopos」事業が分割される形で2018年8月1日に設立された企業です。

本件買収は、凸版印刷がIROYAと合意したことで実現しました。凸版印刷とMonoposは、凸版印刷のデジタルマーケティング分野における企画力・ノウハウと、Monoposのオムニチャネル化のノウハウなどを活かして、リテールテックサービスの普及や顧客価値の向上などを目指すとしています。

⑤ビットアイルによるAXLBITの子会社化

エクイニクス

エクイニクス

出典:https://www.equinix.co.jp/

2013年2月、ビットアイル(後のビットアイル・エクイニクス:2017年にエクイニクス・ジャパンに合併して解散)は、SaaSプラットフォームサービスを提供するAXLBITの子会社化を発表しました。買収価格は非公開です。

ビットアイルは総合ITアウトソーシング事業を通じて、データセンターサービス・クラウドサービス・アプリケーション開発支援サービスなどを展開する企業です。多様化するニーズへの対応としてクラウドコンピューティング分野でのサービス強化を進めており、この取り組みの中でAXLBITを子会社化しています。

対する売却側のAXLBITは、クラウド活用のコンサルティングやSaaSプラットフォームサービスの提供などを手掛けており、高い支援実績に強みがあります。AXLBITの子会社化により、ビットアイルはグループの強みとAXLBITの技術・ノウハウを融合し、良質なサービスの提供・開発スピードの向上などを図っています。

なお、本件M&Aが生み出したシナジー効果は、ビットアイルを合併したエクイニクス・ジャパンにも受け継がれていると考えられています。

⑥KDDIによるServisionの子会社化

KDDI

KDDI

出典:https://www.kddi.com/

2007年4月、KDDIは、ホスティングサービス「CPI」の運営を行うServisionの子会社化を発表しました(買収価格は非公開)。 当時、ICT環境は大きく進化しつつある状況で、ICTソリューションプロバイダーにはプラットフォームの提供に加えて幅広いサービスやソリューションの提供などが求められていました。

こうした状況の中で、KDDIによるServisionの子会社化は実施されています。レンタルサーバー事業者であるServisionは、国内最大規模のICTリテラシーの高い代理店網を整えていた企業です。

Servisionの子会社化により、KDDIは自社の携帯電話サービスなどのICTソリューション力を強化し、より魅力的なサービスの展開につなげました。

【関連】IT業界のM&Aの現状は?IT業界の動向や実際にあったM&A事例を紹介!

SaaS業界のM&A・買収・売却・譲渡の失敗事例

SaaS業界のM&A・買収・売却・譲渡の失敗事例

SaaS業界のM&Aにおいては、現段階で目立った失敗事例は報告されていません。しかし、優秀な従業員の離職を起こしてしまったSaaS企業は少なからず存在します。所属企業が変更になり待遇・環境などに変化が生じたことで不満を持った従業員が離職するケースは、SaaS業界のM&Aにおいて珍しくありません。

こうしたトラブルは経営者からすると、M&Aで期待していたメリットが得られないだけでなく、人手不足に陥ってしまい事業運営が困難になりかねないというデメリットを引き起こします。人材流出を防ぐには、M&Aにおいて、待遇をはじめとする条件面・就労環境面などに十分に配慮しなければなりません。

加えて、自社と相性の良い相手企業を選ぶことも大切です。具体的には、意思決定のスピード感・志の高さ・組織の雰囲気などが同じ方向を向いている企業を選ぶと、M&A後に従業員から不満があがりにくくなります。企業文化や経営者同士の人間的な相性も吟味したうえで、最適なM&A相手を選びましょう。

【関連】M&A失敗例から学ぶ成功のポイント

SaaS業界の積極買収企業一覧

SaaS業界の積極買収企業一覧

本章では、SaaS業界の積極買収企業を5社紹介します。これらの企業はSaaS業界のM&Aにおいて有力なパートナー候補に位置づけられるため、概要を把握して自身のM&A戦略策定に役立てましょう。

企業名 事業概要 アピールポイント
ナレッジスイート 中堅中小企業向けCRM/SFAクラウドサービス「ナレッジスイート」などのSaaSを提供するDX事業および、システム開発やIT技術者派遣を行うBPO事業を展開 ・中小企業に的を絞ったCRM/SFAの導入や構築をサポートすることで安定した業績を実現可能
・M&Aのほか、出資、事業提携も含めて迅速に判断可能
ウィクレソフト・ジャパン Microsoft社のクラウドサービス導入コンサルティングのほか、構築サービスを行う「MS事業」、会計/生産管理/販売管理などシステム開発を行う「SI事業」、エンジニア派遣の「SES事業」などを展開 ・世界23拠点のネットワークを持つWicresoftグループの日本法人
・グループ力を生かしたエンジニアリソースやノウハウが特長
・WicresoftはMicrosoft社とパートナー関係を構築
グッドパッチ ・サービスや事業のUI/UXデザインを手掛け、戦略策定からソフトウェア開発まで一気通貫でサポート
・クラウドソーシング、キャリア支援などデザイン領域のさまざまなニーズに対応する自社プロダクトも展開
・国内では希少なデザイン専門人材が約200名在籍
・デザインの力で顧客開拓、単価向上、サービス品質向上による価値提供が可能
・広報、組織デザイン、上場準備の面でも経験にもとづく知見を保有
NHN テコラス ・創業から20年間にわたり、ITインフラ・ソリューションを提供
・パブリッククラウドと物理サーバーのいずれにも精通したプロフェッショナルとして、顧客のビジネスに新たな価値を提供
過去3,000社以上、10,000台を超えるサーバーを運用してきた実績とノウハウ
イグニション・ポイント ・戦略、企画から実行までを手掛けるコンサルティングのほか、AI/クラウド/ビッグデータ/IoTなどの先端テクノロジーを活用した自社事業展開を行う"ハイブリッド"スタートアップ ・「働きがいのある会社」ベストカンパニーに4年連続で選出
・6期連続で売上前年比150%超えのイノベーションファーム
・マッキンゼー、BCG、ATカーニー、アクセンチュアなどグローバルファーム出身者が集う

【関連】サイバーセキュリティーのM&A・会社売却事例10選!積極買収企業も紹介!

SaaS業界のM&Aまとめ

SaaS業界のM&Aまとめ

企業の労働生産性の向上につながるSaaSは、近年さまざまなビジネス領域で導入されています。あらゆる分野における業務効率化を目的として、今後ともSaaSの需要はますます増加していく見込みです。

こうした動向の中、M&Aによって事業の強化・拡大やサービス体制の強化などを実現して、需要の取り込みを図るSaaS事業会社が増加しています。M&Aを用いれば、両社の技術・ノウハウを活かす形で事業の発展につなげられるため、さまざまなニーズへの対応力強化も期待可能です。

今後はSaaSの多様化に伴い、さまざまなニーズを見据えたM&Aが加速する可能性があります。SaaS業界でM&Aを考える際は、業界動向やM&A事例を分析しながら、今後の展望を見据えた検討を進めましょう。本記事の要点をまとめると、以下のとおりです。

・SaaS業界とは
→ネットワークを経由してソフトウェアを利用できるサービスを提供する企業群のこと

・SaaS業界のM&A・買収・売却・譲渡動向
→ニーズの高まりを受けてサービス体制の強化や新分野への参入を目的とするM&Aが増加

・SaaS業界のM&A・買収・売却・譲渡の成功ポイント
→自社が特化する事業やエリアなどの魅力や強みをわかりやすく伝える(売却側)、自社が強化すべき事業や分野を事前に整理したうえで、いかなる企業を買収するべきかを慎重に検討する(買収側)

・SaaS業界のM&A・買収・売却・譲渡で注意したいポイント
→目的を明確にすること、対象企業を丁寧に選ぶこと

・SaaS業界のM&A・買収・売却・譲渡の相場
→自社と類似する企業のM&A事例を分析したうえで相場と費用の目安を付けておく

・SaaS業界でM&A・買収・売却・譲渡を行うメリット
→EXITを果たせる など(譲渡側)、関連事業とのシナジー効果を獲得できる など(譲受側)

・SaaS業界でM&A・買収・売却・譲渡を行うデメリット
→M&Aに不満を抱いた従業員が離職するリスク など(譲渡側)、想定していたシナジー効果が得られないリスク など(譲受側)

M&A・事業承継のご相談なら24時間対応のM&A総合研究所

M&A・事業承継のご相談は完全成功報酬制(成約まで完全無料)のM&A総合研究所にご相談ください。
M&A総合研究所が全国で選ばれる4つの特徴をご紹介します。

M&A総合研究所が全国で選ばれる4つの特徴

  1. 業界最安値水準!完全成功報酬!
  2. 経験豊富なM&Aアドバイザーがフルサポート
  3. 最短3ヶ月という圧倒的なスピード成約
  4. 独自のAIシステムによる高いマッチング精度
>>M&A総合研究所の強みの詳細はこちら

M&A総合研究所は、M&Aに関する知識・経験が豊富なM&Aアドバイザーによって、相談から成約に至るまで丁寧なサポートを提供しています。
また、独自のAIマッチングシステムおよび企業データベースを保有しており、オンライン上でのマッチングを活用しながら、圧倒的スピード感のあるM&Aを実現しています。
相談も無料ですので、まずはお気軽にご相談ください。

>>【※国内最安値水準】M&A仲介サービスはこちら

【※メルマガ限定】プレミアムM&A案件情報、お役立ち情報をお届けします。

Banner magazine

あなたにおすすめの記事

M&Aとは?M&Aの意味から手続きまでをわかりやすく解説!【図解あり】

M&Aとは?M&Aの意味から手続きまでをわかりやすく解説!【図解あり】

M&Aとは、「合併と買収」という意味を表す言葉です。昨今、M&Aは経営戦略として人気を集めており、実施件数は年々増加しています。経営課題解決のために、前向きにM&Aを考えてみてください。M&A仲...

買収とは?意味やメリット・デメリット、M&A手法や買収防衛策を解説します

買収とは?意味やメリット・デメリット、M&A手法や買収防衛策を解説します

買収には、友好的買収と敵対的買収とがあります。また、買収には「株式を買収する場合」「事業を買収する場合」の2種類があります。この記事では、買収の意味やメリット・デメリット、M&A手法や買収防衛策...

現在価値とは?計算方法や割引率、キャッシュフローとの関係をわかりやすく解説

現在価値とは?計算方法や割引率、キャッシュフローとの関係をわかりやすく解説

M&Aや投資の意思決定をするうえで、現在価値の理解は欠かせません。現在価値とは今後得られる利益の現時点での価値を表す指標であり、将来の利益を期待して行う取引・契約・投資で重要な概念です。今回は、...

株価算定方法を解説します

株価算定方法を解説します

株価算定方法は、多種多様でそれぞれ活用する場面や特徴が異なります。マーケットアプローチ、インカムアプローチ、コストアプローチといった株価算定方法の種類、株価算定のプロセスについて詳細に解説します...

赤字になったら会社はつぶれる?赤字経営のメリット・デメリット、赤字決算について解説

赤字になったら会社はつぶれる?赤字経営のメリット・デメリット、赤字決算について解説

法人税を節税するために、赤字経営をわざと行う会社も存在します。しかし、会社は赤字だからといって、必ず倒産する訳ではありません。逆に黒字でも倒産するリスクがあります。赤字経営のメリット・デメリット...

関連する記事

老人ホームM&Aの動向!最近のトレンドは?買い手と売り手のメリットも

老人ホームM&Aの動向!最近のトレンドは?買い手と売り手のメリットも

日本の高齢化社会が進むにつれ、老人ホームの需要が高まると予想されています。同業種だけでなく異業種からの参入も増えており、業界内のM&Aが活性化しています。本記事では、老人ホームM&Aの動向や買い...

障害福祉M&A!買い手と売り手のメリットとデメリットは?注意点なども解説

障害福祉M&A!買い手と売り手のメリットとデメリットは?注意点なども解説

障害福祉業界とは、介護を必要とする身体・知的・精神障害者の生活支援サービスを行う業界を指します。本記事では、障害福祉サービス事業者がM&Aを行う場合の買い手と売り手のメリットとデメリット、M&A...

グループホームは廃業するより売るべき?売り手と買い手のメリットを比較!

グループホームは廃業するより売るべき?売り手と買い手のメリットを比較!

新型コロナウイルス感染症の影響により、認知症高齢者グループホームなど、多くの介護事業所で経営が悪化し、廃業の危機に直面している所もあります。本記事では、グループホームを廃業するよりM&Aによる売...

調味料でもM&A?食品製造業界を調査!売買の動きや過去事例なども紹介

調味料でもM&A?食品製造業界を調査!売買の動きや過去事例なども紹介

調味料・食品製造業界は、将来的に市場が縮小していく可能性があります。そのため、調味料・食品製造業界の大手企業はM&Aによって競争力を高める動きがみられます。本記事では、調味料・食品製造業界の動向...

介護事業を買いたい!買い手が注意するポイントは?過去事例と共に紹介

介護事業を買いたい!買い手が注意するポイントは?過去事例と共に紹介

高齢化で介護事業が市場拡大しており、買いたいと思っている経営者も多いと考えられます。本記事では、介護事業を買いたい時に注意すべきポイントを解説します。また、実際に行われた介護事業のM&A事例や、...

調剤薬局の身売りは全て大手に?理由は?他の買い手のメリットも調査

調剤薬局の身売りは全て大手に?理由は?他の買い手のメリットも調査

調剤薬局業界では中小の薬局が大手に身売りするケースが多く、徐々に寡占化が進んでいます。本記事では調剤薬局の身売りについて、大手が主な買い手となる理由や、最近の大手薬局のM&A動向、身売りを検討す...

食肉卸業界のM&A成功/失敗事例5選!注意点や成功のポイントを解説

食肉卸業界のM&A成功/失敗事例5選!注意点や成功のポイントを解説

日本の食肉需要量は高く推移していますが、消費者のニーズが変化してきたにより多様な食肉生産が求められるようになってきています。本記事では、食肉卸業界でM&Aをする際の注意点や成功のポイント、M&A...

美容雑貨製造業界のM&A・事業承継!動向・注意点・相場を解説【事例有】

美容雑貨製造業界のM&A・事業承継!動向・注意点・相場を解説【事例有】

近年、美容雑貨製造業界のM&Aが活発になっています。特に、インバウンド需要の拡大や海外製品の輸入増加が影響しており、対応力をつけるためにM&Aを実行するケースも増えています。今回は、美容雑貨製造...

空調機器製造業界のM&A情報!メリット・デメリットや注意点を解説

空調機器製造業界のM&A情報!メリット・デメリットや注意点を解説

空調機器製造業界とは、エアコン、空気清浄機、冷凍機、送風機器、換気扇などの空調設備を製造している業界であり、現在は変化の時期を迎えています。本記事では、空調機器製造業界でM&Aを行うメリット・デ...

記事検索
M&Aコラム
人気の記事
最新の記事
セミナー・イベント

【※メルマガ限定】プレミアムM&A案件情報、お役立ち情報をお届けします。

Banner magazine
SaaSのM&A・事業承継
ご相談はこちら
(秘密厳守)