M&Aとは?意味や動向とM&Aを行う目的・メリットなどをわかりやすく解説!
2024年10月13日更新業種別M&A
サイバーセキュリティ業界のM&A・事業承継の動向!注意点と事例を解説
近年、サイバー攻撃からコンピューターやサーバーを守るサイバーセキュリティはますます重要度が増してきており、M&A・事業承継も活発化しています。本記事では、サイバーセキュリティのM&A・事業承継の動向について、積極買収企業も含めて解説します。
目次
サイバーセキュリティ業界の現状
まず、サイバーセキュリティ業界の現状を解説します。
サイバー攻撃の増加
総務省「令和5年 情報通信白書」によると、2022年のNICTERが運用する大規模なサーバー攻撃観測網が観測したサイバー攻撃に関連した通信数は約5,226億パケットでした。約5,226億パケットの通信数がどのくらいかというと、17秒に1回各IPアドレスに攻撃関連通信が行われたことに相当します。
また、2015年の約632億パケットと比較すると約8.3倍になっており、多くの攻撃関連通信が続いている状態です。
近年ではランサムウェアによるサイバー攻撃被害が国内外の企業や医療機関等で続き、生活や社会経済に影響が出る事例も発生しています。
サイバーセキュリティ業界の市場規模
総務省「令和5年版 情報通信白書」によると、世界のサイバーセキュリティ市場は売上高が2022年9兆3,495億円、前年比38.7%増になると予測されています。
上図のグラフからも、世界のサイバーセキュリティ市場の売上高が2018年以降、右肩上がりで推移していることがわかります。
日本国内の情報セキュリティ製品市場も4360億1500万円、前年比16%増と増加傾向です。要因として新型コロナウィルスの拡大に伴いリモートワークが広がったため、セキュリティ需要が拡大したと考えられます。今後もサイバーセキュリティの市場は拡大していくものと予測されます。
サイバーセキュリティ業界のM&A・事業承継の動向
この章では、近年のサイバーセキュリティ業界のM&A・事業承継を取り巻く環境を解説していきます。
サイバーセキュリティ業界のM&A規模
サイバーセキュリティのコンサルティング会社であるMomentumの調査によると2021年のサイバーセキュリティのM&Aは286件、取引金額は775ドルでした。これは前年を大きく上回る数値でした。
上記は海外の値になりますが、日本国内においても「改正個人情報保護法」が2020年に可決・成立し2022年に全面施行されました。新たな規制強化により、今後もサイバーセキュリティ業界のM&Aは活発に行われていきます。
今後ますます需要が伸びると予測される
サイバー攻撃の手口は年々巧妙化しており、多くの企業や個人が被害に逢っている現状があります。さらに今後は、IoT化によってサイバー攻撃の標的となる機器がさらに増えてくるので、サイバーセキュリティの需要はますます伸びると予想されます。
業界再編を思わせるほど動きが活発
海外のサイバーセキュリティ業界では、IBMによるレッドハットの買収など、数兆円規模の大型買収が行われています。国内でもサイバーセキュリティの需要増加により、大手企業による業界再編を思わせる活発なM&Aが展開されています。
大手IT企業は率先してサイバーセキュリティ企業を買収
大手IT企業ではサイバー攻撃対策が急務とされていますが、ゼロから自社内にサイバーセキュリティを構築するのはコストや技術面で困難な場合もあります。
そこで、低コストで素早くサイバーセキュリティのシステムを確立するために、率先してサイバーセキュリティ企業を買収する事例が増加しています。
サイバーセキュリティ業界がM&Aされる理由
この章では、サイバーセキュリティがM&A業界で注目されている理由を解説していきます。
自衛のため
以前は、サイバーセキュリティに関しては専門企業に外注するケースが多くありましたが、最近では大手を中心として自社内で対策する企業が多くなりました。
近年では日本の政府機関や地方自治体、企業のホームページなどをピンポイント標的にするサイバー攻撃が増加しています。そのためM&Aによりサイバーセキュリティ企業を買収、自社のセキュリティ対策に活かすケースがみられます。
顧客や取引相手の信頼のため
日本の政府機関や地方自治体、企業のホームページへのサイバー攻撃により大量の個人情報流出が問題となっています。顧客や取引先などからの信頼を得るためサイバーセキュリティ企業を買収するというケースもあります。
現在は大手企業が特に注目されています。しかし、今後は中堅企業や中小企業でも信頼性を左右するひとつとしてセキュリティ対策をしているかが重要になってくると考えられます。
交渉材料になる
サイバーセキュリティ業界は売り手優位です。そのため、M&Aや資金調達の交渉が行いやすいです。
大手企業の資金力など経営リソースを活用するため、サイバーセキュリティ企業からM&Aのアプローチするケースも見られます。
助成金が得られるため
国は2018年6月から2020年3月31日まで、サイバーセキュリティ対策が講じられているIoT機器など設備投資促進を目的として、コネクテッド・インダストリーズ税制を制度化していました。
サイバーセキュリティ企業をM&Aする目的の1つとして、今後もIoTの促進とサイバーセキュリティの強化を国が推進していく可能性が高いことが挙げられます。
サイバーセキュリティ会社のM&A・事業承継のメリット
サイバーセキュリティ会社をM&A・事業承継するメリットを解説します。
人材不足の解消
サイバーセキュリティをはじめとするIT業界の課題の一つに、人材不足が挙げられます。M&Aによって優秀な人材を獲得し、人材不足を解消させる動きが見られます。優秀な人材を求め、海外の企業を買収するケースがあるほどです。
売却益の獲得
株式譲渡の場合は経営者が株式の売却益、事業譲渡の場合は会社が事業の譲渡益を獲得することができます。おおよそですが、営業利益の数年分を獲得することができるため、老後の資金にしたり、新規事業への投資に使ったりできます。
経営の安定化
M&Aにより資本力のある企業へ譲渡することで、経営の安定化につながるでしょう。また、大手企業に入ることで多重下請けから脱却し経営を行うことができるでしょう。
後継者不足の解消
M&Aによって後継者問題を解消できることもM&Aの大きなメリットです。中小企業は高齢化が進んでいますが、会社を継いでくれる子どもや社内の人材がいないケースが増えています。廃業を避けられるためM&Aによる事業承継は活発化しています。
サイバーセキュリティのM&A・事業承継の流れ
サイバーセキュリティ会社のM&A・事業承継の大まかな流れを解説します。
M&Aの検討・相談
M&Aを検討し始めたら、まずはM&Aの専門家へ相談をしましょう。M&Aをした方がよいのかという内容から、M&Aに必要な目的や戦略などまで無料で丁寧に相談に乗ってくれます。M&A専門家と相談していきながら現実的なM&A戦略を定めることが大切です。
M&A売却候補への打診
サポートを依頼する専門家を決定したら、アドバイザリー契約をしM&Aの候補企業を探します。M&Aアドバイザーへ事前に希望を伝えることで、数十社ほどリストアップしてくれるため、そこから相手企業を絞り込みます。
相手企業を絞り込む際は売却価額や条件だけでなく、どのようなシナジー効果が期待できるのかも考慮しながら絞り込みを行います。
トップ面談
交渉相手を決め、買い手企業も意思が固まったらトップ面談を行います。この場では売り手・買い手の双方のトップが顔を合わせM&Aの経緯や会社のビジョン、風土などを話し合います。トップ面談では信頼関係を構築することが目的のため、価額や条件の交渉は行いません。
基本合意書の締結
トップ面談により、M&Aを進めていくことを決めたら交渉を行います。価額や条件など大筋合意した後に基本合意書を締結します。
基本合意書ではM&Aのスキームや売却の金額、守秘義務、独占交渉権などが記載されます。しかし一般的に独占交渉権以外の項目に法的拘束力はかけません。
デューデリジェンス実施
デューデリジェンスとは買い手企業が売り手企業に対してリスクがないかを把握するために行われる調査のことです。具体的には、M&Aに精通した弁護士や会計士など専門家や士業が売り手企業を訪問し、帳簿を閲覧や書面では把握できない会社状況をチェックします。
デューデリジェンスで発生する専門家への手数料は、一般的に買い手が負担します。
最終契約書の締結
基本合意書をもとにデューデリジェンスの結果から最終的な価額、条件、スケジュールなどの交渉が行われます。デューデリジェンスの結果によって、大幅な減額や破談になることもあります。
その後、売却価格や条件に問題がない場合、最終契約書の締結となります。最終契約書には法的拘束力があるため、内容をしっかり確認し、不明点などは事前に解消しておきましょう。
クロージング
クロージングは、売り手企業の経営権を買い手企業へ移転し、M&A対価の支払いを行う一連の手続きです。クロージングの実行には最終契約で取り決めた前提条件(クロージング条項)を売り手側が満たしていなければなりません。
クロージング条項には手続きに時間を要する内容が含まれるため、最終契約から一定期間を空けてクロージング実行予定日を設定するケースが多いです。クロージングの際には混乱が生じることが予想されるため、計画書を作成しておきましょう。
サイバーセキュリティ会社のM&A・事業承継の注意点
サイバーセキュリティ会社のM&A・事業承継を行う際の注意点を解説します。
情報漏洩
M&Aを進めていることが、従業員や取引先などへ漏れてしまいM&Aの相手企業との交渉が破談になるケースがあります。売り手は自社がM&Aを検討していることが漏れないよう、M&Aに関する電話や資料には注意を払いましょう。
M&Aのスピード
サイバーセキュリティなどをはじめとするIT企業のM&Aは成約までの期間が他の業種と比べ比較的早い傾向があります。そのため、M&A候補の選定〜クロージングまでのスピード感を意識しておくのがよいでしょう。
買い手、売り手に大きな相違がない場合、トップ面談からクロージングまで最短で3ヶ月のケースもあります。
サイバーセキュリティ業界のM&A・事業承継を成功させるポイント
サイバーセキュリティのM&A・事業承継を成功させるポイントは以下の5つです。
①自社の強み・技術力をまとめる
サイバーセキュリティの技術は年々進化しており、今後もサイバー攻撃の巧妙化に合わせて柔軟に変化していくことが期待されます。
サイバーセキュリティのM&A・会社売却を成功させるには、独自の技術を持っているなど、自社の強み・技術力を洗い出してまとめておくことが重要です。
②サイバーセキュリティに関する情報をまとめておく
サイバーセキュリティのM&A・会社売却では、サイバーセキュリティに関する新しい技術や、新種のマルウェアの情報などをまとめておき、業界動向を把握しておくことが重要です。
③技術者が離職しないように計画的に行う
サイバーセキュリティはそれを担う技術者の役割が非常に重要なので、M&A・会社売却の際に離職してしまわないよう計画を立てておく必要があります。
技術者にM&A・会社売却の計画を伝えるのは、基本的には最終契約を締結した後にするのがセオリーです。交渉中にM&A・会社売却の情報が漏れてしまうと、不安に感じた技術者が離職してしまう可能性があります。
④M&A・会社売却の目的を明確にする
サイバーセキュリティのM&A・会社売却では、目的を明確にしておくことが重要です。
シナジー効果の獲得・経営者の高齢化・大手の傘下に入って基盤を得るなど、買い手側企業にはっきりと目的を伝えられるようにしておきましょう。
⑤M&A・会社売却の専門家に相談する
サイバーセキュリティのM&A・会社売却では、サイバーセキュリティの動向とM&Aに関する知識の両方が求められます。サイバーセキュリティ会社の経営者が、本業の傍ら自力で成約までこぎつけるのは困難です。
サイバーセキュリティのM&A・会社売却を実施するには、M&A仲介会社などの専門家に相談するのがベストです。
サイバーセキュリティ業界のM&A相場価格
実際に会社の売却や買収を検討されている方は、自社がいくらくらいで売れるのか、譲渡価格が気になることでしょう。ここでは、M&Aの譲渡価格の相場について解説します。
M&Aの相場価格
サイバーセキュリティ業界の譲渡価格は売り手と買い手の条件交渉により最終的に決定します。サイバーセキュリティ業界の譲渡額は会社規模に対して比較的高めに設定される傾向はありますが、一概に〇〇円という金額を出すことは難しいです。
しかし、建設的な話し合いを進めるためにも適正価格を知っておくことは大切です。
簡易的な算定方法である以下の計算式は話し合いのベースになっていきます。
M&A相場=時価純資産額+過去3年間の平均営業利益額×3~5年
企業価値評価の方法
M&Aの相場価格は企業価値評価で決まります。企業価値評価の代表的な算出方法には以下の3つがあります。
コストアプローチは、貸借対照表の純資産価値に着目して評価を行う手法です。評価額算出方法には、簿価純資産法、時価純資産法、営業権を加えた時価純資産法などがあります。
マーケットアプローチは類似企業や類似業種の株価に着目した評価方法です。評価額算出方法には、市場株価法やマルチプル法、類似取引比較法などがあります。
インカムアプローチは企業が将来生み出すと予測される利益・キャッシュフローに着目した評価手法です。評価額算出方法には、DCF法や収益還元法、配当還元法などがあります。
サイバーセキュリティ業界のM&A・事業承継の案件例
弊社M&A総合研究所が取り扱っているサイバーセキュリティ業界のM&A・事業承継の案件例として、海外/アジアトップレベルの認知度を誇るサイバーセキュリティ事業をご紹介します。
300社以上のクライアントを持っています。アジア各国の大手銀行や保険会社、政府関連機関等を顧客に抱えている状況です。
エリア | 海外 |
売上高 | 10億円〜25億円 |
譲渡希望額 | 応相談 |
譲渡理由 | ファンドのExit戦略 |
サイバーセキュリティ業界のM&A・事業承継の成功事例
この章では、サイバーセキュリティ業界のM&A・事業承継の成功事例を紹介します。
InteraktによるSealcube Secopsの買収
2024年7月2日、Interakt(東京都渋谷区)は、インドのサイバーセキュリティ会社Sealcube Secops Pvt.Ltd.を買収しました。
Interaktは、ブロックチェーン、AI、IoTに特化したコンサルティング・システム開発を行い、インドにオフショア開発拠点を持つ企業です。一方、Sealcube Secops Pvt.Ltd.は、チャネル専用のサイバーセキュリティを提供しています。
今回の買収の背景には、サイバー攻撃の増加とその手法の複雑化があり、これに対応するため、セキュリティ強化が求められています。M&Aにより、両社は次世代デジタル技術におけるセキュリティ向上と、安全で信頼性の高いソリューションの提供を目指します。
リコージャパンによるデジタルデータソリューションとの資本業務提携
2024年5月20日、リコージャパン株式会社とデジタルデータソリューション株式会社は、サイバーセキュリティ事業の拡大を目的とした資本業務提携契約を締結しました。
リコージャパンは、中小企業向けのDXサポートを提供し、IT知識を持つエンジニアが企業のデジタル化を支援しています。デジタルデータソリューションは、セキュリティ対策やデータ復旧を手掛けており、今回の提携では、同社の「DDH BOX」を活用した「RICOH サイバーセキュリティパック」を提供。これにより、マルウェアの侵入防止や、万一の情報漏えい時の対応をワンストップで行います。
日本国内でのサイバー攻撃が増加する中、リコージャパンとデジタルデータソリューションは、体制を強化し、セキュリティサービスのさらなる普及を目指します。
チェンジホールディングスによるデジタルアーツコンサルティングの子会社化
2024年2月、デジタルアーツの子会社であるるデジタルアーツコンサルティングを子会社化することを発表しました。
チェンジホールディングスは技術と人の力でビジネスや組織に変化をもたらす会社です。事業としては人材育成やDX支援、ITサービスを行っております。
デジタルアーツコンサルティングは、深い専門知識と豊富な実績を持つサイバーセキュリティ人材が所属している会社です。
デジタルアーツコンサルティングの参加により、DXとセキュリティ対策の両面をカバーした事業戦略を提供できるようになります。また、サイバーセキュリティ製品の導入・運用実績を活かし、当社グループとして先進的かつ実践的なソリューションを提供していくとしています。
GMOインターネットによるイエラエセキュリティの子会社化
2022年1月、GMOインターネットグループは、イエラエセキュリティの株式を取得し、サイバーセキュリティ事業に参入することを決定しました。
これにより、GMOインターネットグループは、電子証明書発行サービスや電子契約サービス「電子印鑑 GMOサイン」を中核とした電子認証事業に本格参入することができるとしています。
イエラエセキュリティは、ラウドセキュリティ診断、クラウドセキュリティ・アドバイザリーを提供するサイバーセキュリティ企業であり、技術力に優れています。
GMOインターネットグループがサイバーセキュリティ事業に参入することで、電子認証事業において、より高度なセキュリティ対策を提供することができるようになるとしています。
ラックと野村総合研究所との資本業務提携
2022年1月、ラックは野村総合研究所との間で本資本業務提携契約に基づく資本業務提携を締結することを決議したと発表しました。
本資本業務提携により、ラックは更なる成長を目指し、社会に貢献していくことを目指しています。
具体的には、野村総合研究所との資本業務提携契約を締結し、KDDI株式会社を割当予定先とする第三者割当の方法による新株式の発行を行う予定です。また、中期経営計画においては、グループ全体での収益力の向上や、新規事業の創出、社会的責任の遂行などを目指しています。今後も、当社はお客様や社会のニーズに応えるため、積極的な取り組みを行っていくとしています。
FFRIセキュリティによるシャインテックの株式取得
2021年5月、株式会社FFRIセキュリティが株式会社シャインテックを子会社化することを発表しました。
FFRIセキュリティは国内でサイバーセキュリティの研究・開発を実施している会社です。サイバー領域における安全保障問題を受けて国家セキュリティへの注力を強化しています。
一方、シャインテックは第三者評価やプロジェクトマネジメント支援、ソフトウェア開発を行っています。
今後、FFRIセキュリティのサイバー・セキュリティ技術を提供し、幅広いサービスを提供することでシナジーを発揮していくとしています。
フーバーブレインによるGHインテグレーションの完全子会社化
2021年3月、フーバーブレインはGHインテグレーションを完全子会社化することを発表しました。
フーバーブレインはサイバーセキュリティソリューションとして、ICTを悪用した外部からのマルウェア攻撃への防御、内部関係者によるデータベースへの不正アクセスや情報漏えいの防止、業務効率改善と働き方分析の支援を提供しています。安全なプラットフォームにより、生産性向上とクオリティオブライフ向上をサポートし、第4次産業革命に向けた成長を促進します。
GHインテグレーションはSI事業者で、ネットワーク・インフラ、5G、IoT、AI領域のエンジニア人材に精通し、国内大手通信事業者やSIerのプロジェクトで活躍しています。主要取引先から高い評価を受け、今後も需要が維持される見込みです。独自の韓国ITスクールや日本語×IT専攻大学部とのネットワークを通じて、安定したエンジニア人材の確保を行っています。
成長の基盤として、既存のエンジニアと円滑なコミュニケーションが可能な即戦力エンジニアを確保し、GHインテグレーションを通じて今後の5G市場へのアプローチを強化します。また、産業・社会分野の基盤となる5Gや次世代の「Beyond 5G(6G)」に関する先端情報の収集も可能で、新たな領域への進出に有力な情報源となることを期待しているとしています。
アステックコンサルティングによるインサイトの株式取得(連結子会社化)
2021年1月、株式会社アステックコンサルティングが、株式会社インサイトの全株式を取得し、子会社化することを決定したことを発表しました。
インサイトは大阪府豊中市に本社を構え、制御系システム開発、オープン系システム開発、アプリケーション開発、エンジニア派遣サービス(SES)、受託システム開発・販売を主要な事業としています。多数の経験豊富なシステムエンジニアが在籍し、豊富な開発実績と大手ソフトハウスとの長年にわたる取引実績を持つ優れた企業です。
インサイトの全株式を取得し子会社化することで、コンサルティング事業における生産性向上、リードタイム短縮、コストダウンなどのサービスに、ソフトウェア面からの強力なサポート体制を提供でき、顧客に大きな成果を提供できる体制を構築できると期待しています。
イー・ガーディアンによるジェイピー・セキュアの完全子会社化
2020年10月、イー・ガーディアン株式会社がジェイピー・セキュア社の株式取得(完全子会社化)を決議したことを発表しました。
これにより、サイバーセキュリティ分野でのトータルソリューション提供と、同分野での事業成長を加速させることができます。
ジェイピー・セキュア社は、WAF製品「SiteGuardシリーズ」をはじめとする、高度なセキュリティ技術を持つ企業です。
イー・ガーディアン株式会社は、この買収により、サイバーセキュリティ分野での競争力を強化し、顧客ニーズに応えることができるようになります。今後は、両社の技術やノウハウを統合し、より高度なセキュリティソリューションを提供していく予定です。
サイバーセキュリティクラウドによるソフテックの子会社化
2020年12月、株式会社サイバーセキュリティクラウドが株式会社ソフテックを子会社化することを決定したことを報告しています。
両社は、技術力強化やビッグデータ活用、販売チャネルの拡大などを通じて、より強固な会社基盤の構築を目指しています。
株式会社ソフテックは、脆弱性に係るコンテンツの作成から脆弱性の管理ツールの提供までの包括的なソリューションを提供しています。Webセキュリティ事業においては、脆弱性情報を活用しWebサイトやWebサーバーに対してのサイバー攻撃を可視化、遮断しています。
この取引により、株式会社サイバーセキュリティクラウドは、株式会社ソフテックの技術力や販売チャネルを活用し、より高度なサイバーセキュリティソリューションを提供することができます。両社は今後、更なるサービス体制の向上を図っていく予定です。
アレクソンによるNo.1への株式譲渡
2020年5月、エフティグループの連結子会社であるアレクソンの株式が、株式会社No.1に譲渡されることが決定しました。
アレクソンは、ネットワークセキュリティ関連機器や情報漏えい対策といったアプリケーションの企画開発・製造・販売及び OEM/ODM 供給、環境医療機器の企画・製造・販売を行っています。
今後の相乗効果を高めるために、急速に変化するネットワークセキュリティ分野で柔軟に新商品・新サービスを提供する必要があります。そのため、ネットワークセキュリティ関連機器の販売において、トップの企業であるNo1社にアレクソンを譲渡する決定をしました。これにより、より顧客のニーズに合致した商品の企画・開発が可能となり、新たなアイデアで生み出された商品を販売することができるとしています。
サイバーセキュリティ業界のM&A・事業承継に積極的な企業
サイバーセキュリティの需要は年々高まっており、関連企業を積極的に買収する企業も増えています。この章では、サイバーセキュリティを積極的に買収する企業の中から、8社をピックアップしてご紹介します。
①BlackBerry
ブラックベリー社はカナダに本社がある通信機器メーカーで、かつてはモバイルメール端末「BlackBerry」が主力事業でした。しかし近年はスマホの普及とともにBlackBerryのシェアが落ち、現在は端末の自社生産から撤退しています。
ブラックベリーはアメリカのサイバーセキュリテ企業であるサイランス社を14億ドルで買収するなどして、積極的にサイバーセキュリティ企業を買収しています。
②LINE
LINEはコミュニケーションアプリ「LINE」の運営などを手がけるIT関連企業で、韓国のネイバーの子会社です。
LINEは、韓国のサイバーセキュリティ企業GrayHash社を子会社化するなどして、積極的にサイバーセキュリティ企業の買収を行っています。
③ビジネスブレイン太田昭和
ビジネスブレイン太田昭和は、経営会計コンサルティングや会計パッケージの販売、経理財務のアウトソーシングサービスなどを手がける会社です。
ビジネスブレイン太田昭和は、サイバーセキュリティ対策サービスを提供するグローバルセキュリティエキスパート株式会社を完全子会社化するなどして、積極的にサイバーセキュリティ企業の買収を行っています。
④NTTセキュリティ
NTTセキュリティは、NTTグループが培ってきたセキュリティ技術を集約した、セキュリティ専門会社です。
NTTセキュリティは、アメリカのアプリケーションセキュリティサービス会社であるWhiteHat Security, Inc.を子会社化するなどして、積極的にサイバーセキュリティ企業の買収を行っています。
⑤GFA
GFAは、ファイナンシャルアドバイザリーと投資事業を営む会社です。
GFAは、ITセキュリティ製品の販売およびセキュリティコンサルティングを営むネクスト・セキュリティを子会社化するなどして、積極的にサイバーセキュリティ企業の買収を行っています。
⑥セグエグループ
セグエグループは、情報セキュリティシステムやソフトウェア販売会社の持株会社です。
セグエグループは、セキュリティ製品の開発・販売を行うファルコンシステムコンサルティングを子会社化するなどして、積極的にサイバーセキュリティ企業の買収を行っています。
⑦ラック
ラックは、セキュリティソリューションやシステムインテグレーションを手がける情報通信企業です。
ラックはKDDIとの合弁でKDDIデジタルセキュリティを設立するなど、サイバーセキュリティ企業の積極的なM&Aを行っています。
⑧イー・ガーディアン
イー・ガーディアンは、掲示板や投稿のウェブ監視などを営む会社です。
イー・ガーディアンは、セキュリティ製品の開発などを営むグレスアベイルを子会社化するなどして、積極的にサイバーセキュリティ企業の買収を行っています。
サイバーセキュリティ業界のM&A・事業承継まとめ
サイバーセキュリティ業界は、今後活発なM&A・事業承継が行われていくと予想されます。M&A・事業承継に関する知識を深め、動向を把握しておくことが重要です。
サイバーセキュリティのM&A・事業承継の成功を目指す際は、M&A仲介会社などの専門家に相談するのがベストといえるでしょう。
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