2024年4月23日更新業種別M&A

電気工事会社の動向とM&Aのメリット!売却・買収事例40選や仲介会社の選び方も解説【2024年最新】

本記事では、電気工事会社のM&A・事業承継の事例から、買い手・売り手それぞれのメリット・デメリットを紹介します。電気工事会社のM&Aを成功させる秘訣は、専門家の活用です。電気工事会社のM&Aを検討している方は必見の内容です。

目次
  1. 電気工事会社とは
  2. 電気工事会社の現状
  3. 電気工事会社・業界の経営課題
  4. 電気工事会社のM&Aの現状と動向
  5. 電気工事会社のM&Aで仲介会社を選ぶ基準
  6. 電気工事会社のM&Aメリット
  7. 最新のM&A事例
  8. 一般・電気通信関連のM&A事例
  9. 送配電工事関連のM&A事例
  10. 電気事業・管理関連のM&A事例
  11. 太陽光・風力・再生エネルギー関連のM&A事例
  12. 海外(クロスボーダー)M&A事例
  13. 電気工事会社のM&A・売却・買収・事業承継まとめ

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電気工事会社とは

電気工事会社のM&Aについて述べる前に、まずは電気工事会社の定義や特徴を中心に基本情報をみていきましょう。

電気工事会社の定義

まず、電気工事業の正確な定義を確認します。総務省の日本標準産業分類によると、建設業の中に設備工事業という分類があり、この設備工事業に電気工事業が含まれます。

そして、この電気工事業は、一般電気工事業と電気配線工事業の2つに分類されています。

一般電気工事業とは

一般電気工事会社の業務には、送電線・配電線・電線路工事や各種電気設備工事などが該当します。具体的な定義は以下のとおりです。

  • 送電線、配電線工事(地中線工事含む)
  • 電気鉄道、トロリーカー、ケーブルカーなどの電線路工事
  • 海底電線路配線工事
  • 浚渫(しゅんせつ)船電路工事
  • 水力発電所、火力発電所の電気設備工事
  • 変電所変電設備工事
  • 開閉所設備工事
  • 変流所設備工事
  • 船内電気設備工事
  • 電気医療装置設備工事

電気配線工事業とは

電気配線工事会社の業務は、電灯や照明などの機器・設備の配線工事が中心です。具体的には以下です。

  • 建築物、建造物の屋内、屋側およびその構内外の電灯照明、電力、同機器の配線工事
  • 一般工場、事業場、会社、商店、住宅その他電灯照明電力機器の配線工事
  • 屋外照明、アーケード、道路照明などの照明設備配線工事
  • 一般電気使用施設の自家用受変電設備工事や配線工事
  • 空港などの配線工事
  • ネオン広告塔、電気サイン広告塔、ネオン看板、電気看板などの設備並びに配線工事

一般電気工事会社や電気配線工事会社も工事業に含まれるため、電気機械器具の小売業や卸売業などは行いません。あくまでも、電気関連工事のみを行う事業です。

マンション・ビル・工場向けの事業

電気工事会社は、マンションなどの集合住宅に対しては、コンセントや照明器具などの取り付け、電圧を下げる設備の設置、配管の工事など、戸建て住宅とは異なるサービスを提供しています。

また、ビル向けのサービスに該当するのは、照明・デスク周りの電源設備、床の中に配線や通信用のケーブルを通す工事、空調・エレベーターに電気を送るための配線工事、電圧を調節する設備の工事などです。

さらに、工場に対しては、照明の設置、設備に合わせた配線・各種機械を定められたオペレーションに沿って動作させるための施工などのサービスを提供しています。

電気機械器具製造・卸のM&A・事業承継事例については、下記の記事でも詳しく紹介しています。あわせてご覧ください。

【関連】電気機械器具製造・卸のM&A・事業承継事例13選!相談先のおすすめ、売却相場も紹介| M&A・事業承継の理解を深める

電気工事会社の現状

現在、多くの電気工事会社では、慢性的な人手不足が深刻化しており、他業種同様に後継者問題を抱える企業も少なくありません。好調に推移している業界であるものの、経営上の課題もあるのが現状です。

このようななか、それぞれの電気工事会社が抱える問題を解決する手法としてM&Aが用いられています。

電気工事会社の受注高推移

国土交通省「建設工事施工統計調査」を基に作成

出典:https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&layout=datalist&toukei=00600130&tstat=000001015...

上のグラフは、直近5年間における電気工事会社の受注高推移です。2016年から2018年まではほぼ横ばいで推移していましたが、2019年は東京オリンピックの開催に関する工事案件が多かったため、受注高は多くく増加しました。

また、国土交通省は各工事主要20社を対象に行った「令和5年1月分(速報)設備工事業に係る受注高調査結果 」を公表しており、それによれば2023年1月時点の電気工事受注高は1080億円となっています。

前年と比べると22.6%の減少であり、民間事業者からの発注は22.9%減、官公庁からの発注は18.4%減となりました。

前年度比では減少となった電気工事業ですが、今後もインフラ維持更新や首都圏都市再開発、リニア中央新幹線関連工事など、公共・民間の大型工事の需要が見込まれているため下支えするとみられます。

参考:国土交通省「令和5年1月分(速報)設備工事業に係る受注高調査結果」
 

リニューアル工事・環境関連工事の増加

近年はリニューアル工事が緩やかに増加しており、1980~90年代前半に建設されたビルや工場などが多数存在しているため、今後は電気工事会社や空調設備会社の需要が拡大すると考えられます。

新築工事はゼネコンに発注するケースがほとんどですが、リニューアル工事の場合は電気工事会社や空調設備会社などへ直接発注されるケースも多いです。利益率も新築工事より高く設定されていることが多いため、電気工事会社にとっては魅力が多いといえるでしょう。

また、今後は環境関連工事(ZEB)に関連した受注の増加にも期待できます。政府は「2030年には新築建設物平均でのZEB実現」を目標に掲げており、その後「2050年に温暖化ガスを実質ゼロとする」方針も発表しました。

それを受けてZEB市場は拡大が予想されますが、ZEBの実現には電気・空調の設備施工が必要であるため、おのずと電気工事会社の需要は増加すると考えられます。

参考:三井住友信託銀行 調査月報2021年1月号「 産業界の動き ~ 総合化を進める設備工事会社の将来像 1 総合化を進める設備工事会社の将来像 ~業界を跨いだ大規模な経営統合は実現するか~」

設備工事の総合化

前述したように、電気工事会社はリニューアル工事による需要増加が見込まれていますが、その一方で電気・空調等のワンストップソリューションが求められています。

ワンストップニーズに対応できればリニューアル工事の受注増にもつながるため、業界では設備工事の総合化を図るべく新規人材の採用や組織再編を進める企業が増えてきました。

しかし、自社努力のみでは難しいケースもみられ、効率的かつ効果的な実現のためにM&Aを積極的に活用する企業も増えてきています。

参考:三井住友信託銀行 調査月報2021年1月号「 産業界の動き ~ 総合化を進める設備工事会社の将来像 1 総合化を進める設備工事会社の将来像 ~業界を跨いだ大規模な経営統合は実現するか~」

電気工事会社・業界の経営課題

電気工事会社・業界の経営課題としては、以下の3つが挙げられます。

人手不足

経済産業省「電気保安人材の中長期的な確保に向けた課題と対応の方向性について」

出典:https://www.meti.go.jp/shingikai/sankoshin/hoan_shohi/denryoku_anzen/pdf/019_05_00.pdf

電気工事業は建設業に含まれ、人手不足は業界全体の慢性的な課題です。その要因としては若者離れや離職率の高さなどが挙げられ、若年層の人材は不足する一方で従業員の高齢化は進んでいます。

電気工事業の人手不足も深刻化しており、今後の需要が高まる可能性を考えると人材確保は喫緊の課題です。最近では、効率的に人材確保するためにM&Aを活用するケースも増えてきています。

新規採用をかけても若年層の人材を十分確保するのは難しい状況ですが、M&Aで電気工事会社を買収すればスキルやノウハウを持つ従業員を取り込むことが可能です。

後継者不足問題への対応

電気工事会社に限ったことではなく日本全国における中小企業の課題として、現在は後継者不足による事業承継問題が深刻化しています。

従来、親族など身内に事業承継してきた中小企業は、少子化の影響などにより後継者がいないケースも多く、身内や社内に後継者がいないことで廃業してしまう中小企業も少なくない状況です。

この事態を問題視した国と自治体は、M&Aによって第三者に事業承継する方策を広くPRし、支援する活動を行っています。

【関連】電気工事会社の事業承継マニュアル!承継の届出方法や相談先を解説!

競争力の強化

電気工事業の需要が増加している現状を受けて、電気工事会社間の競争が激化する可能性もあります。しかし、競争力の強化は短期間で実現できるものではありません。

そこで、効果的なのはM&Aによって電気工事会社としての競争力を強化する方法です。例えば、電気工事会社同士がM&Aを行えば、事業規模拡大が容易になります。

また、互いの技術やノウハウを融合できれば、競合他社への圧倒的なアドバンテージ獲得が可能です。特に大手の電気工事会社が、このような動きに出る可能性が高いと考えられます。

電気工事会社のM&Aの現状と動向

今後を見据えM&Aを活用する電気工事会社の電気工事会社も増えてきました。次は、電気工事会社のM&Aの現状と動向について解説します。

電気工事会社のM&Aの現状

電気工事会社のM&A動向としては、会社規模に応じた2つの潮流に分かれると考えられます。まず、中小企業の電気工事会社は、会社存続に関わる後継者問題を抱えている会社も少なくないため、会社の生き残り策としてM&Aを目指すケースが多いです。

中堅規模から大手の電気工事会社の場合は、市場動向をみながら競争力強化を中心課題とするケースが多く、企業価値向上と規模拡大が目的とする事例が増えています。

このような大手電気工事会社の動きは業界再編につながる可能性があるため、M&Aを検討している場合は動向を注視しておく必要があるでしょう。

以下の動画では、電気工事会社の現状や課題解決に向けたM&Aについて、当社アドバイザーがわかりやすく解説しています。ぜひご覧ください。

電気工事会社のM&A動向と予測

続いて、電気工事会社のM&Aにおける2021年以降の予測を紹介します。

事業総合化や内製化を図るM&Aの増加

今後は、事業総合化や内製化を狙ったM&Aの増加も予測されます。電気工事業では、安定して事業を継続していくためにはサービス拡充は不可欠ともいえるでしょう。

また、ワンストップサービスの展開することでリニューアル工事受注などでも有利になるため、今後はM&Aを活用し、会社・事業を買収して事業総合化や内製化を図る企業が増えると考えられます。

人手不足の解消を図るM&Aの増加

経済産業省の「電気保安人材の中長期的な確保に向けた課題と対応の方向性について」によると、しばらくは第2種・3種の電気主任技術者の不足はないとの予測です。しかし、保安業務を行う第3種の電気主任技術者は、2045年に約4,000人の不足が見込まれています。

そのため、電気の保安業務を外部へ委託する企業では人材不足の影響が及ぶと考えられ、第2種の電気主任技術者も2045年にかけて規模の大きい再生エネルギー設備が増加するため、第2種電気主任技術者の確保が難しくなるエリアが発生する可能性が高いでしょう。

そのような事態に備え、電気工事会社はM&Aによる人材確保が活発に行われると考えられます。

参考:経済産業省「電気保安人材の中長期的な確保に向けた課題と対応の方向性について」

海外企業とのM&A

国内需要の低下を見越し、海外市場で収入減を確保しようとする企業もみられます。特に東南アジアやインドは人口・経済ともに拡大しているため、設備工事需要の伸びが期待できるエリアです。

その足掛かりとしてのM&Aが活発化してきており、現地企業を買収するケースも増えてきました。海外では商習慣の違いに加え、総合設備企業としての力が日本以上にが求められるため、安定した成長を目指すためには電気・空調などの工事を一括受注できる体制構築が重要となっています。

【関連】電気通信工事・管工事業界のM&Aの動向は?買収・売却のメリットや事例を紹介!

電気工事会社のM&Aで仲介会社を選ぶ基準

M&A仲介会社は多くあるため、「どこにすれば良いのか」と悩む経営者も少なくないでしょう。ここでは、電気工事会社のM&Aで仲介会社を選ぶ基準を解説します。

①対象業界の専門知識・実績がある

電気工事会社のM&Aで仲介会社を選ぶときは、電気事業分野の専門的知識やM&A実績があるかどうか確認しましょう。電気事業に関する知識があれば、自社の希望や条件などを汲み取ってもらいやすいです。

また、電気工事会社のM&A実績があると、適切な譲渡価格での取引を期待でき、M&Aの成功率が高まります。

②自社と同じ案件規模・地域のM&A実績がある

M&A仲介会社によって、得意とする業種や案件規模はさまざまです。自社の規模と大きな乖離がある場合は、希望するM&Aを実現できなかったり、交渉相手がみつからなかったりすることも考えられます。

そのため、電気工事会社のM&Aでは、自社と同規模の案件を取り扱う仲介会社を選択することが大切です。相談前にホームページなどをチェックし、実績や案件規模を確認しておくとよいでしょう。

③M&Aに関する幅広い知識・経験がある

M&Aの成功には、マッチング・交渉・契約書の締結・手続きの代行・各種デューデリジェンス・M&A後のPMIなど、さまざまな専門的知識や経験が不可欠です。

専門知識が足りなかったり実務経験が乏しかったりすると、希望するM&Aに至らないことも考えられます。電気工事会社のM&Aを検討する場合は、M&Aに関する幅広い知識や経験があるM&A仲介会社に依頼しましょう。

④わかりやすい料金体系を採用している

M&A仲介会社によって、着手金・中間金・相談料の設定は異なります。報酬体系も、成功報酬型・時間制など、M&A仲介会社ごとの比較が必要です。

しかし、M&A仲介会社のなかにはWebサイトに記載していなかったり、複雑な料金制度だったりなど、料金体系の把握までに時間がかかるところもあります。

予期しなかった支払いが生じてしまったなどのトラブルがないよう、わかりやすい料金体系を採用している仲介会社を選ぶとよいでしょう。

⑤担当アドバイザーとの相性が良い

「M&Aの成功は、M&A仲介会社の担当スタッフが握っている」といえるほどに、担当アドバイザーとの相性は重要です。担当者の対応・相性が悪ければ、希望が聞き入れてもらえなかったり、適切な交渉先が紹介されなかったりするなど、M&Aのチャンスを逃してしまうかもしれません。

そのため、担当スタッフとの相性が良くないと感じた場合は、担当者を代えてもらうか他のM&A仲介会社に依頼することをおすすめします。

電気工事会社のM&AはM&A総合研究所へご相談ください

電気工事会社のM&Aをお考えの際は、ぜひM&A総合研究所へご相談ください。M&A総合研究所は、中小・中堅規模のM&A案件を主に取り扱っており、全国に案件に対応しています。

知識・支援実績豊富なアドバイザーが多数在籍しており、ご相談からクロージングまで丁寧にサポートいたします。 M&A総合研究所の料金体系は成約するまで完全無料の「完全成功報酬制」です。(※譲渡企業様のみ。譲受企業様は中間金がかかります)

無料相談を随時お受けしておりますので、M&Aをご検討の際はお電話・Webよりどうぞお気軽にお問い合わせください。

M&A・事業承継ならM&A総合研究所

電気工事会社のM&Aメリット

電気工事会社のM&Aメリットは売却側・買収側とで変わり、主なものには以下があります。
 

買収側のメリット 売却側のメリット
・技術や有資格者の人材確保
・既存の事業と組み合わせサービスの拡充
・シェアを向上させ、認知度を上げる
・安定した工事受注
・従業員の雇用を維持
・借入金の個人保証や担保の解消
・創業者利益の獲得
・後継者問題の解決

電気工事会社のM&A・買収のメリット

「電気工事会社の人手不足を一挙に解消したい」「事業領域・規模を大きく広げたい」「業界内で競争が激化した際にライバル会社に勝ちたい」などが最重要課題であれば、M&Aを検討すべき段階といえます。

一般的に、M&Aは完了までに半年以上の期間がかかる行為です。また、成功率は決して高くなく、交渉候補が1社見つかっても、破談して別の相手を探さなければならなくなる場合もあります。M&Aの目的が重要な課題であれば、実施に向けてスピーディーに行動を起こすことをおすすめします。

技術や有資格者の人材確保

電気工事会社など建設業界は慢性的な人材不足であり、なかでも技術の高い人材や有資格者は新規採用だけでは十分な確保が難しくなります。

現在行っている工事だけでなく将来的な需要も考え、十分な人材を確保しておくことは企業にとって重要です。M&Aであれば売却側の人材をそのまま引き継ぐことができる点は、買収側の大きなメリットといえます。

既存の事業と組み合わせたサービスの拡充

M&Aはシナジー効果の創出に期待して実施されるケースが多く、事業の親和性が高いほど効果が見込めます。売却側・買収側のリソースを相互活用し、自社の既存事業と組み合わせることでサービスの拡大・拡充が可能です。

さらに、シナジーが十分に発揮されれば新たなサービスによる売り上げ拡大を見込むこともできます。

シェアを向上させ、認知度を上げる

買収側はM&Aによって、売却側のもつシェアをそのまま引き継ぐことになります。自社のシェアが拡大すれば認知度の向上につながる可能性が非常に高いです。

自社の事業内容やサービスの認知度があがれば、新規工事の受注機会も増え、売上増加が見込めるだけでなく新規人材の採用もしやすくなります。

電気工事会社のM&A・売却のメリット

身内や社内に後継者がいなければ、M&Aによる事業承継を積極的に考えましょう。廃業すると、面倒な手続きが求められるうえに、基本的にメリットがありません。その一方で、M&Aによる事業承継が実現すれば、会社は存続し、伝統も残ります。

安定した工事受注

M&Aの場合、買収側は中堅または大手企業であるケースが多いため、グループ傘下となることで安定した工事受注が見込めます。

また、経営基盤が安定するだけでなく、自社のみでは難しかったワンストップサービス体制の構築も実現が可能です。

従業員の雇用を維持

もし何らかの理由で廃業を選択した場合、自社の従業員は解雇しなければなりません。長年ともに働いてきた従業員の生活を守りたいと考える経営者は非常に多いものです。

M&Aで自社を売却すれば雇用契約は買収側へそのまま引き継がれるため、従業員の雇用を維持することができます。

借入金の個人保証や担保の解消

電気工事会社にかぎらず、中小規模の企業は経営者が借入金の個人保証や担保を負っているケースがほとんどです。M&Aで自社を売却すれば、個人保証や担保などの負債も買収側が引き継ぎます。

もし借入金の個人保証や担保の解消を負ったまま引退すれば、当然リスクを背負い続けることになり、場合によっては自己資産を明け渡す必要もでてくるかもしれません。

M&Aによる売却で借入金の個人保証や担保が解消されることは、経営者にとって金銭面・精神面ともに大きなメリットとなります。

創業者利益の獲得

M&Aによって創業者利益が獲得できることも売却側の経営者のメリットです。株式譲渡の場合、譲渡対価(現金)は、経営者(株主)が受け取ります。

まとまった利益を得ることができるので、ハッピーリタイアメントの実現や、新たな事業への挑戦も可能です。

後継者問題の解決

中小企業は後継者問題を抱えているケースも多く、電気工事会社も例外ではありません。後継者がいないために廃業を選択する企業もみられますが、M&Aは事業承継の手段としても活用することができます。

経営者の子や親族などに後継者候補がいない場合でも、M&Aであれば第三者(買収側企業)を後継者として事業承継することが可能です。

最新のM&A事例

公表されている電気工事会社関連のM&Aのほとんどは上場企業の事例であるため、中小企業にとってはあまり現実味がないかもしれません。しかし、大手企業の動きはやがて業界内に波及するため、こうした観点から事例を分析しておくとよいでしょう。

①蒲原設備工業による北陸電気工事へのM&A

2022年12月、蒲原設備工業の発行済みの全株式を北陸電気工事へ売却しました。北陸電力グループ傘下の北陸電気工事は、電力関連工事業・電気通信工事業・電気設備工事業などを行っています。

蒲原設備工業は、管工事・土木工事・消防施設工事を行う企業です。北陸電気工事は買収理由について、新潟エリアへの事業進出および商圏の拡大としています。さらに中期経営計画「アクションプラン2023」達成につながると判断し、買収に至りました。

参考:北陸電気工事株式会社「株式取得(子会社化)に向けた株式譲渡契約締結のお知らせ」

②新エネルギー流通システムによる高島へのM&A

2022年12月、新エネルギー流通システムは発行済みの全株式を高島へ売却しました。太陽光発電・オール電化システムの関連工事を手掛ける新エネルギー流通システムは、全国に13支店を持つ福岡県の企業です。

多角的専門商社である高島は、建材事業や電子・デバイス事業、産業資材事業を手掛けています。近年は再生可能エネルギーの普及に向け、蓄電池やV2H(家庭で電気自動車などに蓄えた電力を活用できる仕組み)などを独自の組み合わせで顧客へ提供しています。

高島はエネルギーソリューション分野の工事施工機能を強化を目的として本買収に至りました。

参考:高島株式会社「新エネルギー流通システム株式会社の株式取得による子会社化に関するお知らせ」

③スカルトによる北陸電気工事へのM&A

2022年10月、スカルトは発行済みの全株式を北陸電気工事へ売却しました。北陸電気工事は、電力関連工事業・電気設備工事業・電気通信工事業などを手掛ける企業です。

スカルトは、新潟県を中心とする北陸エリアで電気工事・土木・建築・通信工事まで幅広い事業を展開しています。北陸電気工事は、
北陸エリアでのさらなる商圏拡大が可能になるとし、スカルトのグループ傘下入りを決定しました。

参考:北陸電気工事株式会社「株式取得(子会社化)に向けた株式譲渡契約締結のお知らせ

④阿久澤電機によるJESCOホールディングスへのM&A

2022年9月、阿久澤電機は発行済みの全株式をJESCOホールディングスへ売却しました。群馬県の阿久澤電機は、電気・電気通信工事業を主軸とし、防犯カメラの賃貸借事業も行う企業です。

JESCOホールディングスは、電気設備工事や通信インフラ工事における総合エンジニアリングサービス事業を行っており、システム考案・施工・メンテナンスまでワンストップで提供しています。

JESCOホールディングスは子会社のJESCO SUGAYAが群馬県にあり、阿久澤電機の子会社化が群馬県および近隣県での営業展開を強化につながると判断しました。

参考:JESCOホールディングス株式会社「阿久澤電機株式会社の株式の取得(完全子会社化)に関するお知らせ」

⑤オリックスによるHEXEL Worksの買収

2022年4月、オリックスはHEXEL Works(ヘクセルワークス)の発行済み株式を過半数取得とを発表しました。集合住宅向け(マンションなど)の総合電気設備工事業を行うHEXEL Workは、集合住宅と米軍施設分野では業界トップクラスの実績です。

また、国内15か所と海外2箇所に拠点があり、安全工事に関する教育プログラムを約200社の協力企業と共同実施するなど、独自ネットワークを構築しています。

オリックスは、グループの事業ノウハウや法人営業ネットワークによってHEXEL Worksの安定的な成長に寄与していくとし、本M&Aに至りました。

参考:オリックス株式会社 「集合住宅向け総合電気設備工事「HEXEL Works」へ出資」

一般・電気通信関連のM&A事例

ここでは、一般・電気通信関連M&Aの21事例を紹介します。

①アイテックによるアウトソーシンググループへの売却

2021年2月、電気通信工事などを手掛けるアイテックは、アウトソーシングの連結子会社であるアウトソーシングテクノロジーへ、全発行済株式を売却しました。本M&Aの使用スキームは株式譲渡、譲渡価額は非公表です。

これにより、アウトソーシングは、アイテックが保持する顧客基盤のシナジーを通じて、グループ全体の事業成長や事業ポートフォリオの拡大を狙っています。

参考:株式会社アウトソーシング「株式会社アイテックの株式取得(子会社化)に関するお知らせ」

②オーウイルによるメビウスのM&A

2020年12月、オーウイルはメビウスが手掛ける電気工事業の譲受しました。本M&Aは、オーウイルが100%子会社としてアクセルテックを新設、その後に吸収分割を行ってメビウスの電気工事業を譲り受けたかたちです。

オーウイルは電気工事業の譲受することにより、グループ内でのシナジー効果の創出および業容の拡大を図るとしています。

参考:株式会社オーウイル「新会社設立及び事業譲受に関するお知らせ」

③中央電機工事によるTOKAIへの売却

2020年8月、TOKAIホールディングスは、子会社のTOKAIが中央電機工事を連結子会社化したと発表しました。本M&Aの使用スキームは株式譲渡、取得価額は非公表です。

これにより、TOKAIホールディングスでは、経営資源やノウハウを共有し、両社がより事業を広げることを狙っています。

参考:株式会社TOKAIホールディングス「中央電機工事株式会社の株式取得(連結子会社化)に関するお知らせ」

④サノヤスホールディングス子会社サノヤスMTGがハピネスデンキを買収

2020年1月、サノヤスホールディングスの完全子会社で、グループ内の駐車装置・建設機械・遊戯機械・製造用乳化装置・産業用機械部品の製造販売および各種設備工事業を統括する大阪のサノヤスMTGは、東京のハピネスデンキの全株式を取得し子会社化しました。

ハピネスデンキは、電気機械器具製造業および電気工事業の会社です。特に動力制御盤や分電盤などは全国各地の施設への納入実績があります。

サノヤスMTGにとっては、ハピネスデンキのグループ入りによって、同グループにおける事業基盤の拡大を意図したM&Aです。

参考: サノヤスホールディングス株式会社「ハピネスデンキ株式会社の株式の取得(子会社化)に関するお知らせ」

⑤マクセルホールディングスと日本政策投資銀行による泉精器製作所の買収

2019年1月、マクセルホールディングスは、日本政策投資銀行とともにマクセル特別目的株式会社を介し、泉精器製作所を連結子会社化しました。

これにより電設工具事業へ参入し、住生活・インフラ部門の事業領域やシェアを広げ収益を得ることを狙っています。

参考:マクセルホールディングス株式会社「共同投資による株式会社泉精器製作所の株式取得(子会社化)に関するお知らせ」

⑥ミライト・ホールディングスによる塚田電気工事の買収

2018年10月、ミライト・ホールディングスの子会社「TTK」は、株式交換の手法を用いて塚田電気工事を買収しました。

これにより、TTKと塚田電気工事は互いのノウハウや技術力、得意とする事業分野を活かし、事業領域の拡大を進めるとしています。

参考:株式会社ミライト・ホールディングス「塚田電気工事株式会社の株式取得(子会社化)に関するお知らせ」

⑦コムシスホールディングスによるNDSの買収

2018年5月、電気通信工事など社会のインフラ事業を行うコムシスホールディングスは、NDSを含む3社と株式交換契約を結びました。

本M&Aは簡易株式交換によって行われ、NDSは上場廃止となっています。このM&Aは、インフラ通信設備のサービスを拡充させ、両社が安定した人材交流を図ることが目的です。

参考:コムシスホールディングス株式会社「コムシスホールディングス株式会社とNDS株式会社の 経営統合に関する株式交換契約締結のお知らせ」

⑧協和エクシオによるシーキューブの買収

2018年5月、情報通信インフラの構築事業を主に手掛ける協和エクシオは、シーキューブを含む3社と株式交換を行いました。簡易株式交換のスキームが用いられています。

本M&Aは、互いの技術や営業力の強みを活用して得意領域を共有することで、事業の拡大および企業の成長を図ることが目的です。

参考:株式会社協和エクシオ「株式会社協和エクシオとシーキューブ株式会社の 経営統合のための株式交換契約(簡易株式交換)の締結のお知らせ」

⑨九電工によるエルゴテックの買収

2018年3月、九州の電力工事関連会社により設立した九電工は、エルゴテックの株式を追加で得て連結子会社化しました。本M&Aの使用スキームは株式譲渡、取得価額は非公表です。

これにより、互いの経営資源を補って活用しシナジーを高めることを狙っています。

参考:株式会社九電工「エルゴテック株式会社の株式追加取得(子会社化)に関するお知らせ」

⑩四電工による有元温調の買収

2018年2月、四国電力系で建築設備工事・電力供給設備工事などを行う香川の四電工は、冷暖房設備工事・給排水工事・各種配管工事・冷凍機器工事などを行う兵庫の有元温調の全株式を取得し子会社化しました。

四電工は今後の業務拡張・事業規模拡大に向けて100億円規模のM&A予算を組んでおり、その第一弾となるM&Aです。

四電工におけるM&A時点での受注業務は9割が四国地域の売上構成で、それを変革するべく京阪神で長く事業を行う有元温調をグループに加えました

⑪ミライト・テクノロジーズによる西日本電工の買収

2017年8月、情報通信エンジリニアリングを主に手掛けるミライト・テクノロジーズは、西日本電工の株式を取得し買収しました。なお、取得価額は非公表です。

今回の子会社化で、ミライト・テクノロジーズは、施工体制の強化やビル・エネルギー分野の事業拡大を狙っています。

参考:株式会社ミライト・ホールディングス「西日本電工株式会社の株式取得(子会社化)に関するお知らせ」

⑫中電工による早水電機工業の買収

2016年9月、中国電力系の電気設備工事会社である広島の中電工は、総合電気設備工事業で兵庫の早水電機工業の全株式を取得し子会社化しました。

これにより、中電工は1945年創業の早水電機工業が持つ確かな技術力と人材を獲得し、京阪神地区の事業領域拡大も達成しています。

参考:株式会社中電工「早水電機工業株式会社の株式取得(子会社化)に関するお知らせ」

⑬関電工による佐藤建設工業の買収

2016年9月、電気設備工事など各種設備工事を行う関電工は、佐藤建設工業の株式を取得して子会社化しました。関電工は今回の子会社化で送電線工事分野での体制強化、顧客ニーズへの対応強化・体制構築を進める狙いがあります。

参考:株式会社関電工「送電線工事会社の子会社化に関するお知らせ」

⑭中電工による杉山管工設備の買収

2016年8月、総合設備事業を手掛ける中電工は、杉山管工設備の全株式を取得して買収しました。使用スキームは株式譲渡、取得価額は非公表です。

これにより、対象会社の人材・顧客を獲得し首都圏における電気工事や空調管工事を広げることを狙っています。

参考:株式会社中電工「 杉山管工設備株式会社の株式取得(子会社化)に関するお知らせ 」

⑮スズキ太陽技術による大香電工の買収

2016年2月、スズキ太陽技術は、株式譲渡の手法により大香電工の株式を取得して買収しました。使用スキームは株式譲渡、取得価額は300万円です。電気工事のノウハウを共有し、事業領域を広げる狙いです。

参考:スズキ太陽技術株式会社「有限会社大香電工の株式の取得(子会社化)に関するお知らせ」

⑯U-NEXTによるアルテリア・ネットワークスのM&A

2016年2月、光インターネット回線や動画配信事業などを行うU-NEXTは、アルテリア・ネットワークスにより集合住宅向けの固定ブロードバンド回線事業を譲り受けました。これにより、サービスの多様化を狙っています。

参考:アルテリア・ネットワークス株式会社「個人向け任意加入型インターネット接続サービスの事業譲渡に関するお知らせ」

⑰サンテックによるシステック・エンジニアリングのM&A

2015年1月、サンテックは、システック・エンジニアリングの全保有株式を同社に譲渡しました。自社のみで工事請負できる体制を構築し、東京電力との取引にあたることを狙っています。

なお、2016年、システック・エンジニアリングは親会社の佐藤建設工業が関電工の連結子会社となったため、現在は関電工のグループ企業です。

⑱アドテックによるバディネットのM&A

2015年1月、アドテックは、電気通信工事事業などを行うバディネットの株式を取得し、簡易株式交換(完全親会社をアドテック、完全子会社をバディネット)を実施しています。これにより、新規事業への参入による収益の拡大・基盤の強化などを狙っています。

参考:株式会社アドテック「株式会社バディネットとの株式交換契約の締結に関するお知らせ 」

⑲ラックランドによるニイクラ電工の買収

2013年7月、店舗や食品工場などの企画などを行うラックランドは、ニイクラ電工の株式を取得し買収しました。これによって、電気工事事業の強化を通じて、サービスがより良くなることを狙っています。

参考:株式会社ラックランド「ニイクラ電工株式会社の株式の取得(子会社化)に関するお知らせ」

⑳綜合警備保障による綜警電気工事のM&A

2013年6月、綜合警備保障は、綜警電気工事を吸収合併しました。これにより、品質を上げて効率化をより進めることを狙っています。

参考:綜合警備保障株式会社「子会社の合併(簡易吸収合併 (簡易吸収合併)に関するお知らせ )に関するお知らせ」

㉑大日本塗料によるニッポ電機のM&A

2012年9月、塗装工事事業などを行う大日本塗料は、ニッポ電機と株式交換契約を結びました。株式交換のスキームは簡易株式交換です。

これにより、生産・販売・開発体制を強め、グループにおける照明機器事業の経営効率を上げることを狙っています。

参考:大日本塗料株式会社「大日本塗料株式会社によるニッポ電機株式会社の株式交換による 完全子会社化に関するお知らせ」

送配電工事関連のM&A事例

次に紹介するのは、送配電工事関連M&Aの2事例です。

①北陸電力による北陸電気工事の買収

2015年3月、北陸電力は、公開買付けの手法により北陸電気工事の株式を取得し買収しました。取得価額は約39億円です。

このM&Aは、電力の小売り全面自由化・送配線電設備の改修工事に対応することを木目的に行われました。

参考:北陸電力株式会社「北陸電気工事株式会社株式に対する公開買付けの開始について」

②北陸電話工事による光道路のM&A

2013年3月、通信設備基盤工事事業などを行う北陸電話工事は、持分法の適用関連会社である光道路の株式を一部譲渡しました。譲渡先は非公表となっており、譲渡価額は約300万円です。

これにより、北陸電話工事の光道路における議決権比率は24.4%から10%まで下がっています。素早い意思決定と管理業務を効率化するために、このM&Aを実施しています。

電気事業・管理関連のM&A事例

次は、電気事業・管理関連のM&A事例4選をを紹介します。

①オーテックによるフルノ電気工業の買収

2016年8月、空調制御システムの工事などを手掛けるオーテックは、株式譲渡の手法によりフルノ電気工業を買収しました。オーテックは、道北エリアの受注工事を得ること、工事資格を持つ人材を有効活用することを狙っています。

参考:株式会社オーテック「フルノ電気工業株式会社の株式取得(子会社化)に関するお知らせ 」

②神田通信機による日神電子のM&A

2015年3月、情報通信システム事業などを手掛ける神田通信機は、株式取得により日神電子を買収しています。関連事業でシナジーを獲得し、効率的な経営体制を目指すことを狙っています。

③日東工業による日東テクノサービスの買収

2013年4月、電気・情報のインフラ事業を行う日東工業は、完全子会社の日東テクノサービスと吸収合併を実施しました。本M&Aの目的は、グループにおける経営資源の集中と選択です。

参考:日東工業株式会社「子会社の吸収合併(簡易合併・略式合併)に関するお知らせ 」

④太平工業と日鉄エレックスのM&A

2012年9月、鍛造や素材加工などを行う太平工業は、日鉄エレックスと合併を実施しています。吸収合併の手法を用い、太平工業が存続会社で日鉄エレックスが消滅会社です。これにより、鉄鋼業界の変化に対応することを狙っています。

参考:新日本製鐵株式会社「太平工業㈱と㈱日鉄エレックスの合併に向けた基本合意について」

太陽光・風力・再生エネルギー関連のM&A事例

次は、太陽光・風力・再生エネルギー関連のM&A事例を2つ紹介します。

①スズキ太陽技術によるTAKグリーンサービスの買収

2015年11月、太陽光発電システムなど住宅設備の販売・施工管理を手掛けるスズキ太陽技術は、高島からTAKグリーンサービスの株式を取得し子会社化しました。株式取得価額は約873万円です。

これにより、販売に関するノウハウを得ること、首都圏に事業エリアを広げることを狙っています。

参考:株式会社スズキ太陽技術「TAKグリーンサービス株式会社の株式の取得(子会社化)に関するお知らせ」

②関電工による銚子風力開発の買収

2012年10月、総合設備事業を手掛ける関電工は、日本風力開発が保有する銚子風力開発の株式を取得し買収しています。

これにより、関電工は銚子風力開発の発行株式90%を保有しました。本格的に再生可能エネルギーの発電事業へ参入することが、このM&Aの目的です。

参考:株式会社関電工「再生可能エネルギー発電事業への進出について」

海外(クロスボーダー)M&A事例

最後に、海外(クロスボーダー)M&A事例を6つ紹介します。

①ミライト・ホールディングスによるYL Integrated Pte Ltdの買収

2020年4月、電気通信工事・電気工事・建築工事事業などを手掛けるミライト・ホールディングスは、シンガポールの子会社Lantrovisionを通じて、シンガポールの電気工事会社YL Integrated Pte Ltdの株式85%を取得させ子会社化しました。

これにより、ミライト・ホールディングスは、東南アジアにおける事業展開を強めることを狙っています。

参考:株式会社ミライト・ホールディングス「YL Integrated Pte Ltd の株式取得(子会社化)に関するお知らせ」

②協和エクシオによるLeng Aik Engineering Pte Ltd グループの買収

2018年10月、情報通信・環境・社会インフラの構築事業などを行う協和エクシオは、シンガポールの企業Leng Aik Engineering Pte Ltdグループの全株式を取得しました。

これにより、アジアでの事業・事業領域の拡大・顧客基盤の強化と市場の拡大を狙っています。

参考:株式会社協和エクシオ「協和エクシオ、シンガポールの電気・総合設備工事会社 Leng Aik Engineering Pte Ltd グループの全株式を取得」

③きんでんによるANTELEC LIMITEDの買収

2017年11月、きんでんは、インド企業であるAntelec Limitedの発行済株式を取得し買収しています。きんでんは本件買収により、多くのインド企業や国外の企業が持つ顧客網を得て、海外での事業体制を築くことを狙っています。また、営業網を広げることも見込んでいます。

④中電工と日本政策投資銀行によるRYB ENGINEERING PTE. LTD.の買収

2017年10月、中電工は、日本政策投資銀行との共同出資により、シンガポールで電気工事業を手掛けるRYB Engineering Pte. Ltd.を連結子会社化しています。

中電工は、人材の育成を目的とした投資を行っており、そのためにRYB社のM&Aを実施しました。RYB社をグループに入れることで、東南アジアでの優秀な人材や優良顧客を得て事業拡大につなげることを狙っています。

参考:株式会社中電工「シンガポールの電気工事会社の株式取得(子会社化)に関するお知らせ 」

⑤アウトソーシングによるアメリカンエンジニアコーポレイションの買収

2017年4月、国内外でアウトソーシング事業を手掛けるアウトソーシングは、米国企業であるアメリカンエンジニアコーポレイションの全発行株式を買収しました。

景気の影響を避け収益安定を図るため、国内外の米軍基地へ事業を広げることが、このM&Aの目的です。

参考:株式会社アウトソーシング「アメリカンエンジニアコーポレイションの株式の取得(子会社化)に関する基本合意書締結のお知らせ」

⑥ミライト・ホールディングスによるLantrovisionの買収

2016年6月、ミライト・ホールディングスは、シンガポールの子会社を通じて、LAN配線設計などを手掛けるLantrovisionを、スキーム・オブ・アレンジメント(シンガポール法における株式の取得手続き)の手法を用いて買収しました。これにより、海外に拠点を置いて顧客基盤を広げることを狙っています。

参考:株式会社ミライト・ホールディングス「Lantrovision(S)Ltd の株式取得(完全子会社化)に向けた 買収手続開始の合意に関するお知らせ 」

電気工事会社のM&A・売却・買収・事業承継まとめ

電気工事会社にとって最大の関心事は、将来的に市場規模が縮小するかどうかです。もしも縮小するとしても、その程度も重要点だといえます。大手の電気工事会社の中には、すでに市場縮小を見越した動きをする企業もみられます。

具体例を挙げると、国内でのシェアの維持もしくは拡大を意図した業界再編的なM&A、海外市場進出を目指した海外の電気工事会社とのM&Aなどです。

中小規模の電気工事会社の場合は、大手と同じ行動は取れません。しかし、業界動向には注意深くアンテナを張ることをおすすめします。

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