M&Aとは?意味や動向とM&Aを行う目的・メリットなどをわかりやすく解説!
2024年1月28日更新業種別M&A
web制作会社の事業譲渡と株式譲渡の違いを解説【事業譲渡案件一覧あり】
近年、web制作会社が事業譲渡や株式譲渡を行うケースが多いです。しかし、事業譲渡と株式譲渡は特徴が異なるM&Aスキームで、実施時は正しい知識を持っておく必要があります。今回は、web制作会社の事業譲渡・株式譲渡の特徴や違い、案件例を解説します。
目次
web制作会社の事業譲渡と株式譲渡(会社譲渡)
web制作会社とは
web制作会社とは、webサイトやホームページの制作を主な業務とする会社のことです。web制作会社の業務の全容を簡単に説明すると、「ディレクターがクライアントにヒアリングを行ったうえで、その要望に見合うwebサイトを設計し、提供すること」です。
とはいえ、web制作会社では、webサイトの制作以外のサービスを提供しているケースも多くあります。例えば、webサイトの運用方法やメンテナンス・昨今注目されているAIに関するソリューションの提供・webメディアの運営などを行っているweb制作会社が多いです。
今後もweb制作会社の業務の多様化は進むと考えられており、IT技術の発展に伴い新たなサービスや事業を開発する業者が増えていく可能性が高いです。
事業譲渡と株式譲渡(会社譲渡)とは
ここでは、事業譲渡と株式譲渡の概要を順番に解説します。
- 事業譲渡とは
- 株式譲渡とは
事業譲渡とは
事業譲渡とは、会社の事業を売買するM&Aスキームのことです。事業のみを売却・買収するため、事業譲渡を実施した後でも会社の独立性が失われることはありません。この点が、後述する株式譲渡と大きく異なっています。
事業譲渡は消費税が発生する契約であり、なおかつ承継する内容を選定できるなど独特なスキームです。事業のみを売買するため、事業譲渡はノンコア事業の整理などにも採用されています。
株式譲渡とは
株式譲渡とは、M&Aで最も多く使われているスキームのことです。大企業だけでなく、中小企業のM&Aでも株式譲渡を行うケースは広くみられます。一般的にイメージされる「買収」は、この株式譲渡をさすケースが多いです。
株式譲渡は株式を売買することで経営権を移動させる手法であり、非常に簡潔かつスピーディーに実行できます。株式の買収のみで完結できるスキームであるため、会社の規模によっては個人でも実行することが可能です。
web制作会社の事業譲渡と株式譲渡の違い
ここでは、web制作会社の事業譲渡と株式譲渡の違いをメリット・デメリットを含めて紹介します。
web制作会社を事業譲渡するメリット・デメリット
web制作会社を事業譲渡する主なメリット・デメリットを順番に取り上げます。
事業譲渡のメリット
事業譲渡は事業を会社の資産として売買するため、会社の独立性を保ったままM&Aを実施できます。承継する内容を契約により選択できるため、承継したい資産・したくない資産を柔軟に設定することが可能です。
包括的承継である株式譲渡などの手法では、基本的に買い手は売り手の会社のすべてを引き継ぐため、リスクや不要な資産なども引き継いでしまうおそれがあります。しかし、事業譲渡であれば、こうした事態を回避可能です。
web制作会社の場合、webサイト単体の売買も事業譲渡に該当します。「アクセス数が高い」「魅力的なコンテンツを提供している」などの特徴を持つwebサイトであれば、数千万円単位で売買されるケースも珍しくありません。
そのため、webサイトを制作し、一定以上の収益を出せるようにしたうえで、売却するケースも多くみられます。
事業譲渡のデメリット
事業譲渡の大きなデメリットは、手続きが煩雑な点です。そもそも事業譲渡では許認可や各種契約が承継されないため、再取得や再契約を実施しなければなりません。しかし、これらの手続きをすべて実行するとプロセスが煩雑になり、完遂するまでに多くの時間やコストを要します。
事業譲渡を検討する際は、手続きの手間や時間を見込んでスケジューリングを行わなければなりません。事業譲渡では、従業員との雇用契約が承継されません。もしも事業譲渡に反対する従業員がいたら、離職しやすい状況を作ってしまう点もデメリットの1つです。
web制作会社を株式譲渡するメリット・デメリット
続いて、web制作会社が株式譲渡を行うメリット・デメリットを順番に紹介します。
株式譲渡のメリット
株式譲渡は、簡潔かつスピーディーにできる点に最も大きなメリットがあります。株式比率を自由に設定できるため、経営統合後の組織体制を柔軟に設定可能である点もメリットです。
これらの理由も相まって、株式譲渡がM&Aで最も多く使われるスキームとされています。買い手からすると、対象企業のすべてを手中に収められる点も大きなメリットです。
web制作会社の場合、事業そのものだけでなく優秀な人材やwebサイトも承継できるため、その収益システムをまるごと獲得できます。ノウハウの吸収に成功すれば、既存のwebサイトや情報システムの強化も実現可能です。
株式譲渡のデメリット
株式譲渡の大きなデメリットは、包括的承継が発生してしまう点です。包括的承継とは買い手が売り手の会社のすべてを受け継ぐことであり、ここにはリスクや買い手にとって不要な資産などが含まれます。
事業譲渡と異なり、株式譲渡では買い手側で承継する内容を選べず、すべてをそのまま引き継ぎます。この点が原因で、M&Aが失敗に終わってしまうケースも少なくありません。最悪のケースでは、買い手に巨額の損失が発生し、経営に支障をきたすこともあります。
web制作会社の事業譲渡と株式譲渡の違いまとめ
事業譲渡と株式譲渡の主な違いは、「売買する内容が事業であるか、会社であるか」です。会社を売買する株式譲渡では売り手企業の独立性が失われる一方で、事業譲渡では独立性が保持されます。
売買する内容が事業か会社であるかによって、課税の仕組みも異なります。事業を売買する事業譲渡では資産の売買として扱われるため、消費税が課されます。これに対して、株式譲渡では法人税や所得税が課されるので、事業譲渡と株式譲渡では税務の内容が大きく異なる点を把握しておきましょう。
web制作会社の事業譲渡・株式譲渡の案件一覧
本章では、web制作会社の事業譲渡・株式譲渡案件を紹介します。
- webサイト運営会社の株式譲渡案件
- webメディア運営会社の譲渡案件
- 女性向け総合情報発信メディア運営会社の株式譲渡案件
- 【ストック型/月間営業利益10M】WEBメディア(アミューズメント系)の事業譲渡案件
- 【無借金】IT、WEB業界特化の人材派遣会社の譲渡案件
- 【大手事業会社から直接受注/関東地方】自己資本比率70%以上の映像、グラフィック、WEB制作業の譲渡案件
- 【実態利益率30%以上】WEB制作事業×補助金利用に関するコンサルティング事業の譲渡案件
- 【無借金/若手エンジニア多数】首都圏のWEB制作事業の譲渡案件
webサイト運営会社の株式譲渡案件
1つ目は、webサイト運営会社の株式譲渡案件です。この会社は、著名なwebサイトを中心に合計13のwebサイトを運営しており、さまざまな会社とのつながりを持っています。しかし、財務的な問題を抱えているほか、事業存在の不安や戦略の見直しを迫られており、その一環として株式譲渡を考えました。
これは、「競合が多く中小規模では経営が難しい」状態に陥っているケースの典型例です。この会社のように、事業の先行きを不安視している場合、M&Aは取るべき選択肢の1つとして検討できます。
webメディア運営会社の譲渡案件
2つ目は、エンタメ情報を取り扱うwebメディア運営会社の譲渡案件です。この会社は独自でドメインを取得し、オリジナルのwebメディアを運営しています。高度なSEO対策スキルを持ち合わせており、良質な記事をこれまで提供してきた実績もあります。
その一方、この会社は少人数で運営されており、規模が小さく資金面で問題を抱えているため、M&Aの実施に乗り出しました。中小規模の会社は成長が伸び悩みやすく、たとえ独立性を失っても大手の資本の傘下に入った方が良いケースもあります。このケースは、日本ではまだ馴染みがないものの、欧米では一般的です。
女性向け総合情報発信メディア運営会社の株式譲渡案件
3つ目は、女性向け総合情報発信メディア運営会社の株式譲渡案件です。この運営会社も優れたSEO対策スキルを有しており、さまざまな記事を発信してきました。ただし、現状の規模ではこれ以上の発展が難しいと判断し、大手の傘下に入ることを望んで株式譲渡を考えています。
この事例は、前向きな成長を望んでM&Aを行っているケースの典型例です。大手の傘下に入ることでさらなる成長を狙っているケースでもあります。大手企業側でも優れたノウハウを持つ中小企業を積極的に買収していることが多く、これにより事業の拡充を図っています。
【ストック型/月間営業利益10M】WEBメディア(アミューズメント系)の事業譲渡案件
こちらはweb制作会社の事業譲渡・株式譲渡の案件ではありませんが、関連業界の案件であるため、参考情報として掲載します。まずは、WEBメディア(アミューズメント系)の事業譲渡案件です。
所在地 | 東京都 |
売上高 | 1億円〜2億5,000万円 |
営業利益 | 1億円〜2億5,000万円 |
譲渡希望価格 | 2億5,000万円〜5億円 |
譲渡の理由 | 事業の選択と集中 |
【無借金】IT、WEB業界特化の人材派遣会社の譲渡案件
続いて紹介するのは、IT、WEB業界特化の人材派遣会社の譲渡案件です。
所在地 | 東京都 |
売上高 | 10億円〜25億円 |
営業利益 | 1億円〜2億5,000万円 |
譲渡希望価格 | 20億円前後 |
譲渡の理由 | 事業存続に対する不安、単体での事業発展に限界を感じたため |
【若手人材多数在籍 】 福岡・東京のシステム開発/WEB制作業の譲渡案件
続いて紹介するのは、 福岡・東京のシステム開発 /WEB制作会社の譲渡案件です。
所在地 | 関東・甲信越 |
売上高 | 1億円〜2.5億円 |
営業利益 | 〜1000万円 |
譲渡希望価格 | 1000万円〜5000万円 |
譲渡の理由 | 戦略の見直し |
日本最大級規模の恋愛WEBメディア運営会社の譲渡案件
次に紹介するのは、恋愛WEBメディア運営会社の譲渡案件です。
所在地 | 関東・甲信越 |
売上高 | 1億円〜2.5億円 |
営業利益 | 1000万円〜5000万円 |
譲渡希望価格 | 1億円〜2.5億円 |
譲渡の理由 | 戦略の見直し |
【大手事業会社から直接受注/関東地方】自己資本比率70%以上の映像、グラフィック、WEB制作業の譲渡案件
次に紹介するのは、自己資本比率70%以上の映像、グラフィック、WEB制作業の譲渡案件です。
所在地 | 関東地方 |
売上高 | 1000万円〜5000万円 |
営業利益 | 1000万円〜5000万円 |
譲渡希望価格 | 1億円〜2.5億円 |
譲渡の理由 | 後継者不足(事業承継) |
【実態利益率30%以上】WEB制作事業×補助金利用に関するコンサルティング事業の譲渡案件
次に紹介するのは、WEB制作事業と補助金利用に関するコンサルティング事業を手がける企業の譲渡案件です。
所在地 | 関東・甲信越地方 |
売上高 | 5000万円〜1億円 |
営業利益 | 〜1000万円 |
譲渡希望価格 | 1億円〜2.5億円 |
譲渡の理由 | 事業の成長と創業者利益の獲得 |
【無借金/若手エンジニア多数】首都圏のWEB制作事業の譲渡案件
最後に紹介するのは、無借金で若手エンジニアを多数抱えている、首都圏のWEB制作会社の譲渡案件です。
所在地 | 関東・甲信越 |
売上高 | 1億円〜2.5億円 |
営業利益 | 〜1,000万円 |
譲渡希望価格 | 希望なし |
譲渡の理由 | 後継者不足(事業承継) |
web制作会社の事業譲渡・株式譲渡案件を探す方法
web制作会社の事業譲渡・株式譲渡案件を探す方法として、最近ではM&Aのマッチングサイトの利用が拡大しています。M&Aのマッチングサイトとは、インターネット上のシステムを活用し、M&Aの売り手と買い手を引き合わせるサービスのことです。
web制作会社をM&Aにより譲受したい場合、マッチングサイトを利用することで、幅広い案件からニーズに沿った候補先を探せます。マッチングサイトによっては、M&Aプロセスの進行に関して不安がある場合、専門家にサポートを別途依頼することも可能です。
web制作業界を取り巻く環境
web制作業界を取り巻く環境には、主に以下3つのような特徴があります。
- 業務の幅が広がっている
- 競合が多く中小規模では経営が難しい
- アプリ制作なども行う企業も増加
①業務の幅が広がっている
昨今、web制作会社の業務は多様化しており、その幅が広がっています。顧客のニーズも多様化しており、単純なweb制作だけでなく、さまざまなサービスを求めるようになっている状況です。
webサイトやホームページ制作のみでweb業界を生き残ることは難しくなっています。昨今はIT技術の発展も目覚ましく、さまざまな最先端技術が登場しています。しかし、最先端技術は扱える人材は少ないため、それを使い込なせるプロフェッショナルが常に求められている状況です。
web制作会社でも積極的に最先端技術の導入を図り、事業を多角化していかなければ顧客のニーズに対応することは難しいです。
②競合が多く中小規模では経営が難しい
昨今のweb業界は競争が激しく、さまざまな会社が統合や淘汰を繰り返しています。特に中小規模のweb制作会社では、生き残る術を常に模索しなければなりません。そもそも中小規模の会社は資金や設備規模の限界から成長が頭打ちになりやすく、魅力的な事業があったとしても規模の拡大が難しい傾向にあります。
ただし、事業譲渡や株式譲渡などのM&Aを行い、大手の傘下に入れば経営基盤を強化できるため、さらなる成長を期待可能です。昨今はM&Aにより大手の傘下に入ることを経営戦略に組み込んでいる会社が多く、欧米ではM&Aありきで創業されたベンチャー企業も少なくありません。
③アプリ制作なども行う企業も増加
事業の多角化の一環で、アプリ制作などの新事業を立ち上げるweb制作会社も増えています。昨今はスマートフォンやタブレットがハードの主流であり、web会社を含めたさまざまなIT企業がアプリ制作などに注力しています。
ただし、アプリ制作に限らず新事業を立ち上げるには資金・ノウハウ・人材などが必要で、ゼロベースから実施することは決して容易ではありません。そこで最近は、M&Aを通じて新事業の立ち上げを行うケースが増えています。M&Aであれば、立ち上げたい新事業と同じ事業を営む会社を買収し、必要なコストを省くことが可能です。
web制作会社を事業譲渡や株式譲渡する理由
web制作会社が事業譲渡や株式譲渡を行う際の理由としては、主に以下の項目が挙げられます。
- 後継者問題の解決案
- 従業員の雇用先の確保
- 別事業へ注力する
- 競合が多く将来性が不安
- 譲渡益を手にするため
①後継者問題の解決案
事業譲渡や株式譲渡は、後継者問題の解決案として活用可能です。高齢化や体調不良などの理由で経営者が引退を考えていても、後継者が不在で事業承継ができない問題は業界・業種を問わず、多くの会社が抱えています。なかには後継者問題が解決しないまま、経営者の引退と同時に廃業せざるを得ない会社もあります。
しかし、事業譲渡や株式譲渡であれば、他の会社に事業・会社の経営を委託できるため、後継者不在でも会社を存続させられる可能性が高いです。多くの会社が後継者問題を解決したうえで事業承継を実現させるべく、事業譲渡・株式譲渡を行っている状況です。
後継者問題解決を目的とするM&Aは全国的に増加しており、日本でM&A件数が急増している一因と考えられています。日本では少子高齢化により後継者問題を抱える会社が今後も増加すると考えられており、これに比例して後継者問題を解決するためのM&Aが多くなると予測されています。
②従業員の雇用先の確保
従業員の雇用先を確保するために、事業譲渡・株式譲渡を行うケースもあります。経営者にとって従業員の雇用は守らなければなりませんが、経営不振や資金の都合で従業員の雇用を継続することが難しくなる場面も想定されます。
しかし、事業譲渡・株式譲渡を通じて大手の傘下に入れば経営基盤を強化できるため、従業員の雇用を維持できます。労働条件を改善することで、定着率を引き上げることも可能です。
③別事業へ注力する
これは事業譲渡を行う理由の代表例ですが、別事業に注力するためにM&Aを行うケースも想定されます。ノンコア事業や不採算事業を整理し、コア事業に集中できる体制を作ったり、現在の事業を手離して新たな事業を設立したりする際に、事業譲渡を活用することが可能です。
経営者にとって従業員の雇用は維持しなければならないもので、別事業に注力したいからといって現在の事業を放棄できません。しかし、M&Aであれば、経営者は事業や会社を存続させたまま事業を手離すことが可能です。
④競合が多く将来性が不安
web制作業界は競合が多く、生き残ることは決して容易ではありません。たとえ斬新な事業や優れたノウハウを有していたとしても、資金繰りの悪化などで生き残れなくなる会社は多いです。経営者としても、自分の会社が業界で生き残れるかどうかわからず、将来性に不安を覚えている方は少なくありません。
こうした現状を打破するうえで、事業譲渡・株式譲渡は有効的な手段です。確かにM&Aは自身の事業や会社を売却する行為であり、独立性が損なわれるおそれがあります。
しかし、その一方で、大手の傘下に入ったり、別の会社と経営統合したりすることで、他社のノウハウや資金を生かしながら事業や会社のさらなる発展につなげられる可能性が高いです。実際、ベンチャーのなかには、あえて大手の傘下に入り、自社単体では成し遂げられなかった成長を実現させたケースが多くあります。
大手企業側でも優れたノウハウや専門的な技術を持つベンチャーを求めており、積極的にM&Aに応じてくれるケースもあります。もしも単独での経営に将来性を感じなくなったら、事業譲渡や株式譲渡を積極的に検討するのも良いでしょう。
⑤譲渡益を手にするため
譲渡益を獲得するために、事業譲渡や株式譲渡を実行するケースもあります。譲渡益はM&Aを実行すると経営者もしくは会社に入りますが、これの使い道はさまざまです。別事業の創業資金や運営資金に転用することができるほか、赤字の補填にも使用可能です。
「ハッピーリタイアメント」の実現のためにM&Aを行うケースもあります。ハッピーリタイアメントとは、経営者が40代~50代の時期に引退し、悠々自適な引退生活を送ることです。M&Aを活用することで、会社を存続させつつ、譲渡益を生活資金に運用できます。
ハッピーリタイアメントは欧米ではポピュラーであり、日本でも徐々に広まっています。もともと経営者は重責がかかる仕事であるため、解放されたいと願う人も少なくありません。そんな経営者によって、ハッピーリタイアメントは選び得る将来の1つの決断だといえます。
web制作会社を事業譲渡や株式譲渡する際のポイント
web制作会社を事業譲渡や株式譲渡するのであれば、以下の5つのポイントを意識しておきましょう。
- 事業や会社を譲渡する際は長時間かかる
- 他社とは違うアピールポイントを持つ
- 譲渡の目的が明確にある
- 自社にあった手法選びをする
- 事業譲渡・株式譲渡の専門家に相談する
①事業や会社を譲渡する際は長時間かかる
まず意識しておきたいのが、「事業譲渡や株式譲渡の完遂には時間がかかる」点です。株式譲渡は簡潔かつスピーディーなM&Aスキームですが、それでも6カ月〜1年程度の時間はかかります。何も準備をしていなければ、無駄に時間を浪費してしまいかねません。
これに対して、事業譲渡は株式譲渡以上に手続きが煩雑であり、より時間がかかる可能性が高いです。手続きが難航すれば1年以上も時間がかかるケースもあります。交渉を続ける体力が続かなくなる場合もあるため、スケジュール管理には十分に注意しておきましょう。
②他社とは違うアピールポイントを持つ
事業譲渡や株式譲渡を行う際、他社とは違うアピールポイントを持ちましょう。M&Aは事業や会社を売買する行為であるため、買い手は売り手を買収する価値の有無を重視します。もしも自社以上に魅力的な会社が他にみつかれば、買い手の興味が向かなくなります。
ほかの会社と差別化するうえでも、自社の魅力を伝えられるアピールポイントを持っておくことは、M&Aを成功させるうえで欠かせません。ただし、アピールポイントの設定では、自社の詳細な分析や正確なデータが必要です。企業評価に強い専門家の力を借りながら行うことが望ましいです。
③譲渡の目的が明確にある
譲渡の目的を明確化しておきましょう。事業譲渡(あるいは株式譲渡)の手段を用いる理由を明確にしておかなければ、譲渡を踏まえた経営戦略を策定できません。買い手との交渉でも、相手の共感を得られにくくなります。
従業員を説得するうえでも、譲渡の目的の明確化は重要です。事業承継や株式譲渡などのスキームは会社の環境を大きく変えるものであり、反発する従業員が出てくるリスクがあります。従業員を説得できなければ、大量離職を招きかねません。これを防ぐためにも、譲渡の目的を明確化し、従業員を説得できるだけの確度を持たせましょう。
④自社にあった手法選びをする
M&Aスキームは、自社の状況に合わせて選びましょう。事業譲渡と株式譲渡はまったく異なる手法であり、それぞれメリット・デメリットも違います。これらの手法に優劣はなく、あくまでも用いる会社の内情によって選ぶことが大切です。いずれの手法を選ぶかにより、期待されるシナジー効果は変動します。譲渡益の金額のみで選ぶと失敗するリスクが高いです。
⑤事業譲渡・株式譲渡の専門家に相談する
事業譲渡や株式譲渡を行うのであれば、専門家に相談しましょう。事業譲渡・株式譲渡はそれぞれ専門的な知識が必要とされる場面があり、交渉でも経験やスキルが問われます。しかし、経営者が日々の業務をこなしながら、すべてを網羅することは不可能に近いです。
事業譲渡・株式譲渡は、専門家のサポートを得ながら進めることが望ましいです。むしろ専門家の協力なしで成功させることは難しいです。専門家の協力を得られれば、事業譲渡・株式譲渡のプロセスを円滑に進められるだけでなく、費やす時間を短縮できる可能性も高まります。
専門家に依頼する場合は、相性・報酬体系・実績などを十分にチェックしておく必要があります。特に報酬体系は専門家によってまったく異なっており、リーズナブルに抑えたい場合は丹念に調べておかなければなりません。
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web制作会社の事業譲渡と株式譲渡の違いまとめ
web制作会社にとって事業譲渡や株式譲渡は、将来的に採択される可能性が高い選択肢だといえます。ただし、業界の動向・事業譲渡・株式譲渡の特徴などを把握せずに実行すれば、失敗する可能性が高いです。実際に事業譲渡や株式譲渡を行う場合は、専門家のサポートを受けつつ、入念な準備を進めておきましょう。
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株式会社日本M&Aセンターにて製造業を中心に、建設業・サービス業・情報通信業・運輸業・不動産業・卸売業等で20件以上のM&Aを成約に導く。M&A総合研究所では、アドバイザーを統括。ディールマネージャーとして全案件に携わる。