M&Aとは?意味や動向とM&Aを行う目的・メリットなどをわかりやすく解説!
2024年11月19日更新業種別M&A
造船業・重機・プラント業界のM&A・事業承継の動向!事例や案件例も解説
本記事では、造船業・重機・プラント業界の最新動向、M&A・事業承継の成功ポイント、メリットとデメリットまで解説します。この業界は、M&A・事業承継は活発に行われている経営戦略です。造船業・重機・プラントのM&A・事業承継を検討している方は必見です。
目次
- 造船業・重機・プラント業界の最新動向
- 造船業・重機・プラント業界のM&A・事業承継の背景
- 造船業・重機・プラント業界のM&A・事業承継の案件例
- 造船業・重機・プラント業界のM&A・事業承継の成功事例
- 造船業・重機・プラント業界のM&A・事業承継の失敗事例
- 造船業・重機・プラント業界のM&A・事業承継の成功ポイント
- 造船業・重機・プラント業界のM&A・事業承継における注意点
- 造船業・重機・プラント業界がM&A・事業承継を行うメリット
- 造船業・重機・プラント業界がM&A・事業承継を行うデメリット
- 造船業・重機・プラント業界のM&A・事業承継の相場
- 造船業・重機・プラント業界のM&A・事業承継に関する相談先4選
- 造船業・重機・プラント業界のM&A・事業承継まとめ
造船業・重機・プラント業界の最新動向
造船業界はさまざまな船舶の製造を担っています。かつて日本の造船業は世界シェア50%を誇り、造船大国として知られていましたが、現在では韓国と中国に次ぐ第3位に位置しています。受注は回復傾向にありますが、韓国・中国企業が再編によって競争力を強化し、積極的な受注拡大に取り組んでいるため、競争は激化しています。この影響で、国内外の造船業界では再編が一層進んでいます。
海外では韓国の現代重工業が2019年6月に韓国の大宇造船海洋を買収し、世界シェアの約20~30%を占める巨大造船グループが誕生しました。また、2023年5月には、韓国のハンファグループが約2100億円で大宇造船海洋を買収し、「ハンファオーシャン」として新たにスタートしました。
造船業・重機・プラント業界の市場規模
日本造船工業会のデータによると、2023年に日本の新造船竣工量は970万総トンで、前年から1%増加し、4年ぶりに前年比での増加となりました。世界全体では6,350万総トン(前年比14%増)であり、日本のシェアは15.2%(前年比2.0ポイント減)です。
世界の造船市場は縮小傾向にあり、過剰設備が課題となっていますが、韓国は政府の金融支援を受けて積極的に受注拡大を図り、中国は国営造船会社を統合し、巨大企業の設立を推進しています。
造船業・重機・プラント業界のM&A・事業承継の背景
造船業・重機・プラント業界では、経営戦略として既存事業の強化・拡大や新規事業への参入などを図る際にM&Aを検討する企業が増えています。今後の市場動向に不透明感が見られる中で、M&Aによる事業の強化・拡大や新分野への参入の実現には大きなメリットがあるからです。
たとえば、新分野の事業を開始する場合、自社のみでゼロから事業を始めると時間や手間・コストがかかりますが、特定事業に強みを持つ企業を買収すれば、短期間での新規参入ができます。
また、同業者同士のM&Aであれば、双方のノウハウやサービス体制などを生かす形で事業の強化・拡大につなげることも可能です。M&Aにより実現できる目的は、現在の造船業・重機・プラント業界の動向を踏まえると、非常に大きな意義を持っています。
なお、業界の大手企業がM&Aを積極的に行っている点も、造船業・重機・プラント業界のM&A動向に見られる大きな特徴です。
電気機械器具製造・卸のM&A・事業承継については、下記の記事でも詳しく紹介しています。あわせてご覧ください。
造船業・重機・プラント業界のM&A・事業承継の案件例
弊社M&A総合研究所が取り扱っている東南アジア重機リース業として、東南アジアの重機リース業をご紹介します。50年以上の歴史を持つ重機リース会社であり、大手建設会社含む多数の顧客を持っています。特定の顧客への取引依存度は5%以下です。
エリア | 海外 |
売上高 | 25億円〜50億円 |
譲渡希望額 | 希望なし |
譲渡理由 | 後継者不在(事業承継) |
造船業・重機・プラント業界のM&A・事業承継の成功事例
ここでは、造船業・重機・プラント業界の企業が実際に行ったM&A事例を紹介します。
三井E&S造船による三井造船昭島研究所の子会社化
常石造船は、グループ会社である三井E&S造船が、三井造船昭島研究所の全株式を取得したと発表しました。常石造船は船舶建造や修繕を手がけ、三井E&S造船は設計・エンジニアリングを行っています。
三井造船昭島研究所は流体力学の研究施設で、自動・自律運航技術の研究や水槽・風洞試験の実施が可能です。この買収により、常石グループは流体設計力を強化し、洋上風力発電や係留解析技術といった新分野への展開も視野に入れ、競争力向上を目指します。
セイカダイヤエンジンによる田中造船の株式取得
西華産業の子会社、セイカダイヤエンジンは、FRP船舶の製造や修理を行う田中造船の株式を取得するため、株式譲渡契約を締結しました。セイカダイヤエンジンは、舶用エンジンの販売やメンテナンス、関連機器の提供などを手掛けています。
本件の目的は、セイカダイヤエンジンが造船事業に進出することで、海事関連の事業範囲を拡大し、顧客の多様なニーズに対応するためのサービス向上を図ることです。また、これにより事業拡充による相乗効果が期待されています。
日立造船の子会社によるドイツ企業の子会社化
2022(令和4)年2月、日立造船の完全子会社でスイスのHitachi Zosen Inova AGは、ドイツのSteinmüller Babcock Environment GmbHの全株式を取得し完全子会社化しました。取得価額は公表されていません。
日立造船は、ごみ焼却発電施設、海水淡水化プラント、上下水・汚泥再生処理プラント、舶用エンジン、プレス、プロセス機器、精密機械、橋梁、水門、防災関連機器などの設計・製作などを行っています。
Hitachi Zosen Inova AGは、ごみ焼却発電施設・バイオガス施設の設計・建設・保守・運営などを行っている企業です。
Steinmüller Babcock Environment GmbHは、ヨーロッパで廃棄物発電施設の設計・調達・建設・メンテナンス、 火力発電所など向け排ガス処理設備の設計・調達・建設などを行っています。
日立造船としては、市場や製品セグメントが相互補完でき、高いシナジー効果も見込めることからM&Aを実施しました。
商船三井によるグループ会社の完全子会社化
2022年1月、商船三井は、子会社のダイビルと宇徳の2社について、完全子会社化を目的にTOB(Take Over Bid=株式公開買付)を実施しました。TOBの結果は、ダイビルの株式を82.60%、宇徳の株式を95.05%取得しています。取得総額は約862億7,720万円です。
今後は、株式売渡請求や株式併合などのスクイーズアウト手続きが行われ2社は完全子会社化されます。商船三井は、バルク船・油送船・LNG船などによるエネルギー輸送サービス、自動車船・コンテナ船・フェリー・ターミナルなどによる製品輸送サービスなどを行っている企業です。
ダイビルは、不動産の所有・経営・管理・賃貸借を行っています。宇徳は、港湾運送事業、海上運送事業、一般貨物自動車運送事業、貨物利用運送事業、倉庫業、通関業、建設業、不動産業などを行っている企業です。
商船三井としては、グループの経営資源をより強固な形で結集させ、グループ経営の強化を図る目的で2社の完全子会社化を行いました。
ベステラによる矢澤の子会社化
2021(令和3)年12月、ベステラは、矢澤の全株式を取得し完全子会社化しました。取得価額は公表されていません。ベステラは、プラント解体事業、3D計測サービス事業、人材サービス事業を行っている企業です。
矢澤は、アスベスト・ダイオキシン対策工事、内装解体工事事業を行っています。ベステラとしては、プラント解体事業において矢澤の持つ技術やノウハウは高いシナジー効果を発揮すると判断しました。
今治造船とパワーエックスの資本業務提携
2021年12月、今治造船とパワーエックスは資本業務提携契約を締結しました。資本提携の内容は、今治造船からパワーエックスへの10億円の出資です。資本の移動を伴う資本提携は、広義のM&Aとされています。
今治造船は、国内複数箇所に拠点を持ち造船業を行っている企業です。パワーエックスは、⼤型蓄電池の製造・販売、電気運搬船の開発・製造を行っています。
業務提携の内容は、船舶用電池の開発・製造における協業と、2025(令和7)年末を目標に「Power ARK」プロトタイプ船の共同開発・建造を行うことです。
ニューホライズンキャピタルによる岩田産業の買収
2020年10月、ニューホライズンキャピタルは、岩田産業の全株式を取得し完全子会社化すると発表しました。買収価額は公表されていません。
ニューホライズンキャピタルは、事業承継・カーブアウト・成長支援・事業再生投資などを手掛ける日本有数のPE(プライベートエクイティ)ファンドです。
1911(明治44)年に岩田鉄工所として創業した岩田産業は、もともと畜産関係の機械器具の製造販売を行っていた会社で、現在は建設業に進出しています。また、近年では浄水場プラント工事を主業として業容を拡大してきました。
そのほか、長年にわたる工事実績の積み重ねと高い施工品質から、東京都下水道局・東京都水道局より優良工事業者として表彰されるなど顧客からの評価が高い企業です。
本件M&Aの目的は、建設業界の共通課題である人手不足問題の解消にあります。買収後、ニューホライズンキャピタルでは人材採用強化・ガバナンスの充実を図るなどバリューアップ戦略に着手している状況です。
造船業・重機・プラント業界のM&A・事業承継の失敗事例
造船業・重機・プラント業界のM&A・事業承継動向を見ると、現段階で大きな失敗事例は報告されていません。しかし、優秀な従業員の離職を起こした会社は少なからず存在します。
所属企業の変更に伴う待遇・環境などの変化に不満を持った従業員が離職する事例は、造船業・重機・プラント業界のM&A・事業承継では珍しくありません。また、買収後に売り手企業側の簿外債務や偶発債務が発覚して、裁判や慰謝料請求への対応を求められた企業も見られます。
こうしたトラブルは、経営者からすると、M&A・事業承継で期待していたメリットが得られず、事業運営が困難になるデメリットを引き起こしかねません。
人材流出を防ぐには、M&A・事業承継後の経営統合(PMI)において、待遇をはじめとする条件面・就労環境面などに十分に配慮する必要があります。そして、買収後のトラブルを回避するには、デューデリジェンスの徹底が不可欠です。
造船業・重機・プラント業界のM&A・事業承継の成功ポイント
M&Aはさまざまな背景のもとで実施されていますが、本章では造船業・重機・プラント業界におけるM&A・事業承継を成功につなげるポイントについて、売却・買収それぞれのケースに分けて取り上げます。
造船業・重機・プラント業界の売却を行うケース
造船業・重機・プラント業界のM&Aにおいて売却を成功させるには、自社の魅力・強みをわかりやすく伝える必要があります。
特に既存事業の強化や新規事業への参入事例も多い造船業・重機・プラント業界のM&Aでは、「買い手が必要とする事業を売り手が展開していること」は大きなアピールポイントです。
事業内容をわかりやすく伝えて相手企業のニーズとマッチすれば、売却を成功に導けます。そのためにも、自社の事業・強みを事前に整理し、十分にアピールできる準備をしておくとよいでしょう。
造船業・重機・プラント業界の買収を行うケース
造船業・重機・プラント業界のM&Aでの買収によって事業の強化・新規事業の開始などを実現したい場合、自社の事業との親和性が高い売り手を探さなければなりません。
その際には、「自社が強化したい事業は何か」、「新しく開始したい分野はどこか」などの点を整理して、相手企業を絞っていく必要があります。
今後の造船業・重機・プラント業界の動向を踏まえると、新たな需要の取り込みを図る事業戦略は必須であり、その一環として買収は効果的な手法です。
買収を成功させるためにも、相手企業の事業内容・サービス体制・実績などを分析したうえで、自社の目的に合った企業を見つけるようにしましょう。
造船業・重機・プラント業界のM&A・事業承継における注意点
本章では、造船業・重機・プラント業界のM&A・事業承継で注意したいポイントとして、以下3つの項目を取り上げます。
- 目的をはっきりさせること
- M&Aの対象は丁寧に選ぶこと
- 専門家のサポートをしっかりと受けること
①目的をはっきりさせること
M&Aが活発化しているといっても、やみくもなM&Aの実行では事業の成長は望めません。自社を成長させるには、「M&Aによって何を実現したいか」という目的を明確にする必要があります。
M&Aの目的がはっきりしていれば、その目的に沿った戦略が策定でき、自社にとって最適なスキームのもとでM&Aを実行できるでしょう。これとは反対にM&Aの目的が曖昧であれば、M&A戦略・スキームなどが漠然と決定されてしまいます。
もしも自社に適さない戦略・スキームのもとでM&Aが行われれば、メリットどころかかえって損失が発生しかねません。これではM&A費用がかさむだけで、メリットは全く得られないのです。
もともとM&Aはさまざまなメリットを享受できる手法ですが、失敗しないためには目的を明確にしたうえで最適なスキームによるM&Aを実施しなければなりません。
②M&Aの対象は丁寧に選ぶこと
M&Aによる売却は買い手に経営を任せる行為であり、M&Aによる買収は相手企業を傘下に迎える行為です。いずれの場合でも、M&A相手には信頼できる企業を選択しなければなりません。M&A後のトラブルを防ぐためにも、相手は慎重に見極めましょう。
ここでは、相手企業の事業内容・事業方針・経営状況などさまざまな視点から総合的に判断して丁寧に選ぶことが大切です。そして、ふさわしい相手企業が見つかったら、他の企業に先を越される前にアプローチを早めに行うようにしましょう。
③専門家のサポートをしっかりと受けること
M&Aの手続きを進める際は、法務・税務・財務などの専門知識のほか、相手企業との交渉力も必要です。M&Aの専門的な手続きを自社のみで進めることは非常に難しく、トラブルの発生につながるおそれもあります。
手続きを問題なくスムーズに進めていくためにも、M&A仲介会社・M&Aアドバイザリーをはじめとする専門家のサポートがおすすめです。ただ、昨今はM&A仲介会社も急増しており、専門家選びで迷ってしまうかもしれません。
そのような場合には、一度、M&A総合研究所にご連絡ください。M&A総合研究所には、M&Aに関する知識・経験が豊富なアドバイザーが在籍しており、これまでに培ってきたノウハウを活かしてM&Aをフルサポートいたします。
料金体系は成約するまで完全無料の「完全成功報酬制」です(※譲渡企業様のみ。譲受企業様は中間金がかかります)。相談料は無料となっておりますので、造船業・重機・プラント業界でのM&Aを検討される際には、お気軽にお問い合わせください。
造船業・重機・プラント業界がM&A・事業承継を行うメリット
本章では、造船業・重機・プラント事業を手掛ける企業がM&A・事業承継を行うメリットについて、当事会社それぞれの立場に分けて取り上げます。
造船業・重機・プラント業界の譲渡側のメリット
造船業・重機・プラント業界M&Aにおける譲渡側のメリットは、主に以下のとおりです。
- 従業員の雇用を維持できる
- 後継者不足問題を解決できる
- 経営基盤の強化により安定経営を実現できる
- 売却・譲渡利益を獲得できる
- 個人保証・担保などを解消できる
これらのメリットを得るには、M&Aのマッチングプロセスにおいて自社の魅力を十分に評価してくれる買い手企業を探し出す必要があります。マッチングで自社にふさわしい相手企業を見つけてM&Aの成功につなげるためにも、M&Aの専門家からサポートを受けましょう。
造船業・重機・プラント業界の譲受側のメリット
次に、造船業・重機・プラント業界M&Aにおける譲受側の主なメリットは以下のとおりです。
- 従業員確保により人手不足を解消できる
- 異業種へ進出するための地盤を獲得できる
- グループ規模での事業強化が可能となる
- 顧客・取引先・ノウハウなどの経営資源を吸収できる
- 事業規模やエリアを拡大できる
造船業・重機・プラント業界がM&A・事業承継を行うデメリット
ここでは、造船業・重機・プラント事業を手掛ける企業がM&A・事業承継を行うデメリットについて、当事会社それぞれの立場に分けて取り上げます。
造船業・重機・プラント業界の譲渡側のデメリット
造船業・重機・プラント業界のM&Aにおける譲渡側のデメリットには、主に以下の項目が挙げられます。
- 不満を抱いた従業員の離職に伴う人材流出のリスク
- 従業員の待遇や雇用条件が悪化するおそれ
- 希望どおりの条件で譲渡できるとは限らない
- 買い手企業が見つからないおそれ
これらのデメリットの多くは、M&Aにおけるマッチングおよび交渉プロセスにおける失敗が原因となり生じます。マッチング・交渉をスムーズに成功させるためにも、造船業・重機・プラント業界のM&Aで譲渡を行う際は専門家のサポートを得ましょう。
造船業・重機・プラント業界の譲受側のデメリット
次に、造船業・重機・プラント業界M&Aにおける譲渡側のデメリットとして、以下の項目を紹介します。
- 想定していたシナジー効果やメリットが得られないリスク
- 生産性が低下するうえに買収費用ばかりがかさむ可能性
- 譲渡側企業において人材の大量流出が発生するおそれ
- 簿外債務・偶発債務の発覚に伴うトラブルの発生
これらのデメリットの多くは、M&Aにおける経営統合プロセスにおける失敗が原因となり発生します。経営統合を成功させてスムーズに事業運営を推進させるためにも、造船業・重機・プラント業界のM&Aで譲受を行う際は専門家のサポートを受けましょう。
造船業・重機・プラント業界のM&A・事業承継の相場
造船業・重機・プラント業界では対象事業・企業規模が幅広い傾向にあり、M&A・事業承継事例が多様化しています。今後の市場動向を踏まえて新たな需要の取り込みを目指すM&A・事業承継が加速化すると考えれば、これまで以上に事例は多様化していくでしょう。
したがって、M&A・事業承継の相場・費用を一概に把握することは困難です。ただし、ある程度の相場・費用の目安を付けておかないと、想定外の費用の発生といったトラブルにつながるおそれがあります。
こうした事態を防ぐには、自社の状況と類似する事例を詳しく分析して、相場・費用の目安をつけなければなりません。具体的には、以下の内容などを整理したうえで、自社と似ている事例は徹底的に分析して相場・費用を判断するとよいでしょう。
- M&Aの目的
- M&A当事者となる会社の規模
- 対象事業の規模・業績・従業員数
- M&Aスキーム
造船業・重機・プラント業界のM&A・事業承継に関する相談先4選
造船業・重機・プラント業界のM&A・事業承継の相談先としては、以下のような候補があります。
- M&A仲介会社
- 士業事務所
- 金融機関
- 公的機関
①M&A仲介会社
造船業・重機・プラント業界のM&Aの相談先として最も有力な候補は、専門業者であるM&A仲介会社です。M&A仲介・アドバイザリーを専門に行っているわけですから、これ以上の専門家はいません。M&Aのあらゆるシーンで頼りになる存在です。
②士業事務所
8士業のうち公認会計士、税理士、弁護士、司法書士などは、M&Aの何らかのプロセスに業務上、関わることもあって、昨今はM&Aの仲介自体を行う士業事務所も増えてきました。それぞれ専門資格を持つエキスパートですから相談先としては申し分ないでしょう。
ただし、M&Aの仲介実績という点では、M&A仲介会社よりも乏しいのが実情です。業務を依頼する場合は、どの程度のM&A支援実績があるか確認してから決めましょう。
③金融機関
企業は融資を受けている金融機関に対して、よく経営相談もしています。その中には事業承継やM&Aの相談もよくあることから、昨今では、M&Aを仲介する部門を設けて、本格的にM&Aの支援を行う金融機関も増えてきました。
金融機関特有の本支店間のネットワークを通じて、M&A仲介会社が持っていない案件情報が得られる可能性もあり、相談先として有望です。ただし、やはりM&Aの支援実績という点では、M&A仲介会社に分があります。
④公的機関
商工会・商工会議所、よろず支援拠点、事業承継・引継ぎ支援センターなどの公的機関は、後継者不在の中小企業に対し、M&Aによる事業承継の支援を行っています。
したがって、中小企業や個人事業主のM&Aの相談先として適してはいるのですが、造船業・重機・プラント業界各社の事業規模から考えると、M&Aの相談先としては不向きです。また、公的機関ではM&Aの仲介業務を行っていません。
造船業・重機・プラント業界のM&A・事業承継まとめ
造船業・重機・プラント業界には今後の成長が期待される分野も存在しており、業界で活躍する多くの企業がさまざまな事業戦略を策定しています。
そのような状況下、M&A・事業承継を検討する企業も増えており、既存事業の強化や拡大、新規事業の開始などの目的を実現するためのM&Aが活発化している状況です。
特に、同業者同士のM&A・事業承継により、双方のノウハウなどを生かして事業を強化・拡大するといったケースが代表例になります。また最近では、比較的、短期間で新規分野への参入を実現するために、M&A・事業承継を活用する企業も見られるようになりました。
こうしたM&A・事業承継は業界大手の企業が積極的に実施しており、今後の業界動向にも注目が集まっています。造船業・重機・プラント業界のM&A・事業承継を考える際は、業界動向も踏まえながら事例を分析しつつ検討を進めるとよいでしょう。
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株式会社日本M&Aセンターにて製造業を中心に、建設業・サービス業・情報通信業・運輸業・不動産業・卸売業等で20件以上のM&Aを成約に導く。M&A総合研究所では、アドバイザーを統括。ディールマネージャーとして全案件に携わる。