赤字になったら会社はつぶれる?赤字経営のメリット・デメリット、赤字決算について解説
2021年1月5日更新会社・事業を売る
のれん償却とは?会計処理や期間、メリット・デメリットを解説
M&Aで発生した「のれん代」は、一定期間内にのれん償却する必要があります。のれん償却の期間は、投資回収を考慮し最長20年以内に設定しましょう。会計基準にIFRSを採用し、のれん償却しない選択も1つの策です。のれん償却と非償却のメリット・デメリットも紹介します。
目次
のれんとは
のれんとは
M&Aで発生するのれんとは、売り手会社の超過収益力を表す概念であり、営業権とも呼ばれます。
簡単にまとめると、売り手会社の純資産(資産−負債)と買収価格の差額分が、のれんに該当します。このときの差額がマイナスとなる場合には、「負ののれん」と呼ばれるのです。
ここからは、M&Aにおいて「のれん」が計上される理由を紹介します。貸借対照表には現金や土地など有形固定資産のみが原則として記載されますが、M&Aではブランド力・顧客情報・無形固定資産も評価したうえで買収価格を決定するケースが一般的です。
しかし、このブランド力や顧客情報には決まった価値がなく、貸借対照表には記載されていません。そこでM&Aでは、買い手側の判断にもとづいてのれん代として買収価格に上乗せされるのです。
ブランド力・顧客情報といったのれんは、買収後に企業を成長させる収益源となるので、将来的な超過収益力とされています。
当然、のれんは売り手会社の状態によって決まります。もしも自社にとって理想的な売り手を見つけたいのであれば、M&A総合研究所のM&Aプラットフォームをご活用ください。
M&A総合研究所では日本最大規模のM&Aプラットフォームを保有しており、買収ニーズを登録するだけで、独自のAIを使いながら理想的な売り手とのマッチングを実現しております。
減価償却とは
減価償却とは
減価償却とは、時間が経過するに連れて価値が目減りする資産について、価値の減少分を毎期費用として計上する会計処理です。価値を減少させることで、帳簿上の資産価値に妥当性を持たせる目的で行われます。
具体例として、A社が50年の耐用年数を持つ建物(事務所用)を5億円で購入したケースを想定します。減価償却する場合には、建物を購入するために支払った5億円はその会計年度に一括計上せず、50年間にわたって毎年分割し費用計上していくのです。
仮に減価償却を行わない場合、A社に膨大な赤字の計上が求められ、債務超過に陥るケースも珍しくありません。しかし実際には、A社は経営危機に陥ったわけではなく、会社の将来的な利益を見越して投資を行ったに過ぎません。
上記の事情を踏まえて、適正な投資により企業が赤字化するのを回避するために、減価償却を行うのです。減価償却の実施により費用の計上は複数年にわたって分割されるため、決算書は企業の業績を適正に反映した内容となります。
のれん償却とは
のれん償却とは
ここでは、のれん償却(のれんを減価償却する行為)が持つ意味合いについてまとめました。M&Aで計上するのれんも、特許権・ソフトウェアなどの無形固定資産と同様に、減価償却して毎期にわたり費用を計上する必要があります。
とはいえ、のれんは基本的に価値が減少しないため、固定資産とは考え方が異なります。ブランド力や顧客情報といったのれんは、消費する(使用する)ことで、むしろ利益増大やシナジー効果の獲得につながるのです。
いいかえると、のれんが持つ付加価値(信用力・ブランド力・技術・ノウハウ)は、資することで初めて会社利益に貢献するという使命を果たします。そのため、のれん償却は、利益獲得のために費やした付加価値を表す処理だといえるのです。
なお、のれんは抽象的な概念であるため、実際に算定する際は専門家の協力が必要不可欠となります。もしも、依頼する専門家選びでお悩みでしたら、M&A総合研究所にご相談ください。
M&A総合研究所では、M&Aに関する豊富な知識・経験を持つアドバイザリーがM&Aをフルサポートしており、M&Aにおけるのれんの算定にも手厚く対応いたします。相談料は無料ですので、お気軽にお問い合わせください。
M&A総合研究所は全国のM&A案件を取り扱っており、中小企業のM&Aも実現させられる仲介会社です。最近では規模の小さい企業がM&Aを実施するケースも多いですが、こうした案件にも丁寧に対応しております。
のれん償却における仕訳と会計処理
のれん償却における仕訳と会計処理
この項ではのれん償却の仕訳や、日本と諸外国間での会計処理の違いを中心に解説します。
のれん償却の仕訳
ここでは、のれん償却の仕訳について順を追って解説します。
①のれん計上
大前提ですが、のれんを計上するのは、M&Aにおける買い手側企業であるという点を留意しましょう。
M&Aを実行する際、純資産額と買収金額の差額を「のれん」として資産の部に計上します。例えば、資産500,000円・負債100,000円の会社を1,000,000円で買収したというケースでは、下記のようにのれんが計算されます。
- のれん=1,000,000円−(500,000円−100,000円)=600,000円
上記のケースでは、600,000円をのれんとして資産に計上します。
②のれん償却費の算出
資産計上したのれんは、一定期間内に減価償却を完了させる必要があります。
例えば、前述のケースにおいて10年間でのれん償却を完了させる場合、下記のように毎期の「のれん償却費」が算出されます。
- のれん償却費=600,000円÷10年=60,000円
上記のケースでは、10年間にわたって毎期60,000円ずつ、のれん償却費を計上しましょう。
のれん償却の具体例
ここでは、上記のケースを発展させて、より具体的な仕訳方法を紹介します。ここでは、資産500,000円(現金:300,000円+貸付金:200,000円)、負債(買掛金)100,000円のA社を1,000,000円で買収したケースを想定して確認しておきましょう。
上記のケースでは、A社の資産価値は、資産から負債を差し引いて400,000円と算出されます。このA社を1,000,000円で買収するとなると、600,000円がのれんとして計上されるのです。このときの計上方法を以下にまとめました。
借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
現金 | 300,000 | 買掛金 | 100,000 |
貸付金 | 200,000 | 当座預金 | 1,000,000 |
のれん | 600,000 |
ここでは、上記で計上されたのれん600,000円を、10年間で減価償却させるケースを想定します。10年間で償却を行う場合に初年度の決算期に起こす仕訳は、以下のとおりです。
借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
のれん償却 | 60,000 | のれん | 60,000 |
上記の処理により償却されたのれんは、以下の形で連結損益計算書の特別損失として計上しましょう。
前事業年度 | 当事業年度 | |
特別損失 | ◯◯ | ◯◯ |
減損損失 | ◯◯ | ◯◯ |
固定資産廃棄損 | ◯◯ | ◯◯ |
買収関連費用 | ◯◯ | ◯◯ |
組織再編関連費用 | ◯◯ | ◯◯ |
のれん償却額 | 60,000 | 60,000 |
その他 | ◯◯ | ◯◯ |
特別損失合計 | ◯◯ | ◯◯ |
なお、M&AによりA社の資産価値よりも安価で買収できた場合には、負ののれん発生益の科目を用いて仕訳を起こします。ここからは、同じく資産価値400,000円のA社を300,000円で買収できたケースを想定します。
借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
現金 | 300,000 | 買掛金 | 100,000 |
貸付金 | 200,000 | 当座預金 | 300,000 |
??? | 100,000 |
貸方に何らかの項目で100,000を計上しないと借方貸方のバランスが崩れてしまうため、ここで「負ののれん発生益」の科目を登場させます。
借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
現金 | 300,000 | 買掛金 | 100,000 |
貸付金 | 200,000 | 当座預金 | 300,000 |
負ののれん発生益 | 100,000 |
負ののれん発生益は、以下の形で連結損益計算書の特別利益として計上します。
前事業年度 | 当事業年度 | |
特別利益 | ◯◯ | ◯◯ |
固定資産売却益 | ◯◯ | ◯◯ |
投資有価証券売却益 | ◯◯ | ◯◯ |
負ののれん発生益 | 100,000 | 100,000 |
その他 | ◯◯ | ◯◯ |
特別利益合計 | ◯◯ | ◯◯ |
のれん償却の会計処理における日本会計基準とIFRSの違い
これまで解説してきたのれん償却は、日本会計基準にもとづく会計処理の方法です。
「国際財務報告基準」として世界各地で用いられているIFRSでは、のれん償却が発生しません。つまり、一度計上された「のれん」の価値は減少せずに残り続け、毎期にわたる費用計上は行わないのです。
IFRSでは、のれん償却がない代わりに、毎期にわたり、のれんがキャッシュフロー獲得に貢献しているかを厳密にチェックします。チェックの結果、貢献していないと判断されれば、のれんの価値を一気に減少させる会計処理を行わなければなりません。
この会計処理によって生じる費用は、「減損損失」と呼ばれます。減損損失は、日本会計基準でも発生する概念です。
キャッシュフロー計算書におけるのれん
キャッシュフロー計算書におけるのれん
損益計算書に計上されているのれん償却費は、税金等調整前当期純利益に費用として含まれます。
これはキャッシュフローを伴わない費用であるため、非資金損益項目として営業活動によるキャッシュフローの区分において、税金等調整前当期純利益に含まれている分を戻す処理を行います。
注意すべきポイントは、のれんの償却分だけ、貸借対照表ののれん(資産)が減少する点です。のれん償却費(余剰金の減少)とのれんの減少(資産の減少)の組み合わせ取引であるため、現金に影響はありません。
- 当期P/L:のれん償却費150(費用の発生(資本の減少))→現金支出-150
のれん償却・非償却のメリット・デメリット
のれん償却・非償却のメリット・デメリット
日本会計基準ではのれん償却・IFRSではのれん非償却を採用していますが、それぞれ異なるメリットとデメリットがあります。この項では、のれん償却と非償却のメリット・デメリットをまとめました。
のれん償却におけるメリット・デメリット
日本企業による大型M&Aが増えてきている昨今では、会計ルールを日本基準からIFRS(後ほど詳しく説明します)に移行する会社も増えつつあります。
とはいえ、最近ではIFRSでものれん償却の検討が進んでおり、今後も会計処理において変化が見られる可能性があるため注意が必要です。
まずは一般的にいわれる、のれんの償却のメリット・デメリットについて見ていきましょう。
①のれん償却のメリット
のれん償却を実施すると、のれんの非永続性を反映可能です。ブランド力といったのれんは、原則として価値が下がりにくいものの、何らかのきっかけで価値が減少するおそれもあります。そのため、非永続性を反映できる点は、のれん償却におけるメリットのひとつです。
また、減損時の影響を抑制できる点も、メリットといえます。さらに、償却する場合は事務処理のみ発生するため、減損テストは行わずに済み、それほど手間がかかりません。
現在の日本の会計ルールではのれんの減損は特別損失として扱われますが、今後の改正によってIFRS基準同様に営業費用として処理されるルールに変わる可能性があります。
目先のP/L値を重視するならのれんは非償却、将来における突然の巨額な損失を回避するならのれんは償却するといった選択が理想的だといえるでしょう。
なお、のれん償却は毎期にわたって資産価値を少しずつ減少させるため、仮に減損処理が発生しても下げ幅を小さく抑えられます。
②のれん償却のデメリット
のれん償却最大のデメリットは、のれん償却期間中は利益が圧迫される点にあります。毎期にわたり償却費用分だけ利益が減少してしまうことを理由に、M&A実行に対して消極的な姿勢を見せる企業も少なくありません。
また、利益圧迫だけでなく、のれん償却の会計処理に恣意性が入りやすいという点もデメリットです。一定期間以内であれば、のれん償却の期間は任意に設定できます。
大型M&Aを進める日本企業がIFRSへ移行する背景としては、のれんの償却そのものよりも、単純に買収金額が高いために買収時の計画によりシナジー効果がうまく発揮されなかったことが理由となるケースが多いです。
設定期間次第で利益が大きく変動するため、資金繰りを理由に恣意的な設定を図る企業も見られます。
のれん非償却におけるメリット・デメリット
次に、のれん非償却におけるメリット・デメリットについて説明します。
①のれん非償却のメリット
のれん非償却最大のメリットは、M&Aの活発化です。のれん償却を実行しないため、利益圧迫の心配が不要となります。
利益が圧迫されないことから、多くの企業がM&Aを積極的に実施できるようになるのです。実際にM&Aを活発に活用している企業の多くは、日本会計基準ではなくIFRSを適用しています。
また、のれん償却が発生しないために、会計処理が簡素化する点もメリットです。
②のれん非償却のデメリット
のれん非償却では、減損処理が発生したときのダメージが非常に大きいです。のれん償却していない分も減少するため、減損発生時のダメージがより一層大きくなってしまいます。
また、買収後に発生した自社の無形固定資産との区別ができない点も、のれん非償却のデメリットといえます。つまり、たとえ買収後にのれん価値が減少しなかったとしても、要因には買収後に自社の力で構築した新たなのれんが加わったことが背景にあるという可能性も考えられるのです。
のれん償却期間
のれん償却期間
ここでは、のれん償却の期間をお伝えします。M&Aで発生したのれんは、最長20年以内で自由に償却期間を決められます。
つまり、20年以内であれば何年間かけてのれん償却しても問題ありません。とはいえ、基本的には自由に設定可能ですが、はっきりした理由もなく決めてしまえば営業利益に悪影響が及ぶおそれもあります
もともとのれん償却費は、販売費・一般管理費として計上し、計上した金額が利益を圧縮します。そのため、償却期間を1年 ・2年など短期間に設定すると、多額の費用が一気に計上されてしまい資金繰りが大幅に悪化するおそれがあるのです。
のれん償却の期間は1度決定すると後から変更できないため、慎重に決定しなくてはいけません。基本的にのれん償却期間は、「M&Aに費やした費用を何年間で回収可能か?」という視点から決定すると良いでしょう。
例えば、5年間でM&Aへの投資金額を回収できると見込まれる場合、のれん償却期間も5年間に設定します。つまり、償却期間を決める際は、M&A費用の投資回収期間の予想が重要です。予想を大幅に外してしまうと、のれん償却に大きな悪影響が及びます。
M&Aを実行する際には、のれん償却と投資回収を同時に検討しましょう。
のれんの税務上の取り扱いについて
のれんの税務上の取り扱いについて
税務上では、のれんは「資産調整勘定」、負ののれんは「差額負債調整勘定」と呼ばれています。
基本的に、のれんと資産調整勘定・負ののれんと差額調整勘定はそれぞれ対応していますが、会計上と税務上の資産や負債には違いがあるため、その分のずれは生じます。
税務上ののれんは償却されるの?
税務上では、資産調整勘定や差額負債調整勘定の償却は5年で行われます。そのため、5年間にわたって法人の換金を算入可能です。
ただし、先ほど説明したとおり、会計上の処理とは差異が見られます。また、従来では5年間の均等償却でしたが、平成29年度税制改正によって、2017年4月以降は月割での計算となっているため注意が必要です。
IFRS基準でののれんの処理方法
IFRS基準でののれんの処理方法
日本会計基準とIFRS(International Financial Reporting Standards)では、のれん償却の処理方法が異なります。
IFRSとは国財財務報告基準のことであり、会計基準の国際的な決まりです。海外企業とのM&Aの場合には、IFRSが適用されることもありますので気をつけてください。
IFRSと日本基準におけるのれんの主な違いは、会計処理の方法です。IFRS基準では、のれんの償却を行いません。ただし、それではのれんが貸借対照表に計上されたままなので、のれんの価値が著しく低下したときに減損処理を行う決まりです。
そのため、毎年減損テストを行って、のれんの価値を評価する手続きを行わなければなりません。
とはいえ、日本会計基準におけるのれん償却では、投資が思っていた効果を産んだとしても、のれんが費用として収益を圧迫するおそれがあるというデメリットがあります。収益が悪化すると、将来のM&A戦略に悪影響が及ぶケースもあるのです。
上記の理由より、近年の傾向を見ると、M&Aを積極的に行う会社は、IFRS基準によりのれんを規則的に償却しない方法を採用するケースが目立っています。
IFRS基準で処理の例①
まずは、3億円ののれんを計上していたケースを想定します。決算時におけるのれんの価値が5,000万円と評価される場合には、2億5,000万円の減損処理を行わなければなりません。
その結果、貸借対照表に計上されるのれんは5,000万円となるのです。
IFRS基準で処理の例②
次に、5億円ののれんを計上していたケースを想定します。決算時におけるのれんの価値が1億円と評価される場合には、4億円の減損処理が必要です。
結果として、貸借対照表に計上されるのれんは、1億円となります。
減損テストについて
IFRSにおける減損テストとは、のれんの価値を客観的に検証し、計上されている価値と比較する行為です。
M&A時にのれんは資産として計上されますが、計上されているのれんに価値が残っているのかを定期的に審議し、仮に価値が下がっていると判断すれば、減損処理という資産の評価を下げる処理を行います。
IFRS基準の見直しについて
償却を行わないIFRS基準ですが、今後はのれん費用の計上を義務付ける方向で議論が進んでいます。
2021年を目標に結論が出される見とおしですが、今後もしもIFRSの基準が変わればM&A戦略としてFRS基準を採用している企業に大きな影響を与えます。IFRS基準の情報はこまめにチェックすると良いでしょう。
次に、近年のIFRSの動向について少し解説します。
2019年3月12日 IFRS財団の評議会で新しい理事を指名
国際会計基準審議会(IASB)のガバナンスおよび監修について責任を負うIFRS財団の評議会は、Tadeu Ferreiraと鈴木理加氏をIASB理事に指名しました。
今後のIFRS基準も徐々に決定される見込みなので、こまめにチェックしておきましょう。
IFRSを採用している会社
最後に、IFRSを採用している日本企業の一例を紹介します。
会社名 | コード | 業種分類 | 採用時期 |
住友商事 | 8053 | 卸売業 | 2011年3月期 |
日本たばこ産 | 2914 | 食料品 | 2012年3月期 |
ディー・エヌ・エー | 2432 | サービス業 | 2013年3月期 第1四半期 |
第一三共 | 4568 | 医薬品 | 2014年3月期 |
ヤフー | 4689 | 情報・通信業 | 2015年3月期 第1四半期 |
KDDI | 9433 | 情報・通信業 | 2016年3月期 第1四半期 |
じげん | 3679 | 情報・通信業 | 2017年3月期 |
リクルートホールディングス | 6098 | サービス業 | 2018年3月期 第1四半期 |
日清食品ホールディングス | 2897 | 食料品 | 2019年3月期 第1四半期 |
まとめ
今回は、のれん償却に関して解説しました。M&Aで発生した「のれん代」は、一定期間内にのれん償却する必要があります。のれん償却の期間は、投資回収を考慮し最長20年以内で設定しましょう。会計基準としてIFRSを採用し、のれん償却を実行しない選択肢もひとつの手です。
のれん償却と非償却は、一長一短の関係にあります。どちらの会計基準を採用するかによって、M&A後における「のれん」の扱いは大幅に変わる仕組みです。いずれにせよ長期的な視野を持って、のれん償却を実施してください。本記事の要点をまとめると、以下のとおりです。
・のれんとは
→売り手会社の超過収益力を表す概念
・減価償却とは
→時間が経過するに連れて価値が目減りする資産について、価値の減少分を毎期費用として計上する会計処理
・のれん償却とは
→利益獲得のために費やした付加価値を表す処理
・のれん償却期間
→最長20年以内で自由に償却期間を決められる
・のれんの税務上の取り扱い
→のれんは資産調整勘定、負ののれんは差額負債調整勘定として扱う
M&A・事業承継のご相談なら24時間対応のM&A総合研究所
M&A・事業承継のご相談は完全成功報酬制(成約まで完全無料)のM&A総合研究所にご相談ください。
M&A総合研究所が全国で選ばれる4つの特徴をご紹介します。
M&A総合研究所が全国で選ばれる4つの特徴
- 業界最安値水準!完全成功報酬!
- 経験豊富なM&Aアドバイザーがフルサポート
- 最短3ヶ月という圧倒的なスピード成約
- 独自のAIシステムによる高いマッチング精度
M&A総合研究所は、M&Aに関する知識・経験が豊富なM&Aアドバイザーによって、相談から成約に至るまで丁寧なサポートを提供しています。
また、独自のAIマッチングシステムおよび企業データベースを保有しており、オンライン上でのマッチングを活用しながら、圧倒的スピード感のあるM&Aを実現しています。
相談も無料ですので、まずはお気軽にご相談ください。
あなたにおすすめの記事
M&Aとは?M&Aの意味から手続きまでをわかりやすく解説!【図解あり】
M&Aとは、「合併と買収」という意味を表す言葉です。昨今、M&Aは経営戦略として人気を集めており、実施件数は年々増加しています。経営課題解決のために、前向きにM&Aを考えてみてください。M&A仲...
買収とは?意味やメリット・デメリット、M&A手法や買収防衛策を解説します
買収には、友好的買収と敵対的買収とがあります。また、買収には「株式を買収する場合」「事業を買収する場合」の2種類があります。この記事では、買収の意味やメリット・デメリット、M&A手法や買収防衛策...

現在価値とは?計算方法や割引率、キャッシュフローとの関係をわかりやすく解説
M&Aや投資の意思決定をするうえで、現在価値の理解は欠かせません。現在価値とは今後得られる利益の現時点での価値を表す指標であり、将来の利益を期待して行う取引・契約・投資で重要な概念です。今回は、...

株価算定方法を解説します
株価算定方法は、多種多様でそれぞれ活用する場面や特徴が異なります。マーケットアプローチ、インカムアプローチ、コストアプローチといった株価算定方法の種類、株価算定のプロセスについて詳細に解説します...
赤字になったら会社はつぶれる?赤字経営のメリット・デメリット、赤字決算について解説
法人税を節税するために、赤字経営をわざと行う会社も存在します。しかし、会社は赤字だからといって、必ず倒産する訳ではありません。逆に黒字でも倒産するリスクがあります。赤字経営のメリット・デメリット...
関連する記事
M&Aで違約金が発生する条件とは?基本合意や最終契約の注意点を解説
M&Aは契約書の内容に違反した場合、違約金が生じることがあります。成約までに締結する契約は数多く、細かい発生条件は契約の種類や法的拘束力の有無によって違います。今回は、M&Aで違約金や発生する条...
M&Aキャピタルパートナーズの最低仲介手数料は?報酬体系や相場を解説
M&Aキャピタルパートナーズは中堅・中小企業を対象にM&A仲介を手掛ける会社です。豊富な実績を持つ会社ですが、最低手数料はどうなっているのでしょうか。本記事では、M&Aキャピタルパートナーズの最...
M&Aの増加理由!買い手のリスクは?注意点なども解説
M&Aを行う理由や目的はさまざまですが、近年のM&Aブームや中小企業庁によるM&A支援の影響を受けて、M&A増加が顕著となっています。本記事では、M&A増加理由や買い手のリスク、買い手と売り手の...
再生型M&Aの基本的な手続きやスケジュールは?再生型M&Aを取り入れるメリットも
再生型M&Aとは、業績が悪化して自力での再生が難しい状態の企業を一部清算することも視野に入れながら、M&Aを活用して事業再生を図る手法です。本記事では、再生型M&Aの基本的な手続きやスケジュール...
M&Aブーム!今回の特徴は?過去のブームとの違いなどまとめ
近年、社会を取り巻く環境の変化の影響でM&Aブームが到来しつつあります。その特徴から、一過性のものではなく持続性があるものという見方もされています。本記事では、今回のM&Aブームの特徴や過去のブ...
事業再生の手法まとめ!M&Aを利用する方法も?手続きとメリットなども解説
事業の業績悪化が続く場合、事業再生により健全化を図ることがあります。M&Aを活用する手法もあるので、最善手を見極めるためには各手法の特徴を押さえておく必要があります。本記事では、事業再生の手法や...
M&A(国内)の現状!市場規模や課題は?対策と今後の展開などを考察
不況による市場の縮小や経営者の高齢化、さらには新型コロナウイルスの影響などにより、M&A(国内)の現状は不透明さが増しています。本記事では、M&A(国内)の市場規模や課題といった現状を解説し、そ...
500万円で買える会社・M&A案件!買収するメリット・デメリット
M&Aでは500万円以下の少額案件も多く、500万円で買える会社なら資金の少ない個人でも買収できます。本記事では、500万円で買える会社のM&A案件についてメリット・デメリットを解説するとともに...
信用組合にM&A・事業承継は相談できる?信金キャピタルの評判とは
信用組合とは、地域密着型の会員制金融機関です。また、信金キャピタルは、中小企業向けにM&A・事業承継支援や投資育成を行っています。本記事では、信用組合や信用金庫、信金キャピタルにM&A・事業承継...
株式会社日本M&Aセンターにて製造業を中心に、建設業・サービス業・情報通信業・運輸業・不動産業・卸売業等で20件以上のM&Aを成約に導く。M&A総合研究所では、アドバイザーを統括。ディールマネージャーとして全案件に携わる。