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デイサービスのM&Aの売却/買収事例とは?買う・売る方法、費用の相場を解説

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この記事の監修専門家
M&A総合研究所 公認会計士
高谷 俊祐

デイサービスを初めとした介護事業は様々な問題を抱えており、それらを解決する手段としてM&Aは非常に有効的です。ただ、M&Aは決して簡単なものではないため、デイサービスなどといった介護事業のM&Aに詳しい専門家のサポートを得ることがおすすめです。

目次
  1. デイサービスのM&Aとは?
  2. デイサービスのM&Aの現状と動向
  3. デイサービスのM&Aの相場と費用
  4. デイサービスを買収するメリット
  5. デイサービスを売却するメリット
  6. デイサービスのM&Aの事例
  7. まとめ

デイサービスのM&Aとは?

デイサービスのM&Aはどのようなものなのでしょうか?
冒頭でお伝えしたように、デイサービスは介護事業の一種であり、それをどのように売買するかは企業の業態によって異なっています。
デイサービスを行っている企業が株式会社であれば、基本的にM&Aの手法は他の株式会社のそれと変わりません。 ただ、デイサービスを行っているのが社会福祉法人である場合は注意が必要です。
ただ、社会福祉法人はそもそも株式会社ではないため、M&Aの手法が通常と異なっています。
株式会社が行う一般的なM&Aの手法は株式譲渡のように株式を取得することによる経営権の獲得ですが、社会福祉法人は株式を持たないため、経営する理事長や理事会のメンバーを3分の2以上入れ替えることで経営権を獲得するという手法がとられます。
そのため、株式を取得するというプロセスがなく、また対価を必要としません。 ただ、社会福祉法人のM&Aの手法は事業譲渡や合併があり、それらの場合だとプロセスが異なっています。 事業譲渡は事業、つまり法人の資産を売買する手法であるため、現金の対価が必要となります。
また、事業に伴い資産や従業員、労働契約などといった引継ぎを行う際に様々な手続きが必要となるため、煩雑なプロセスになりがちです。
一方の合併は複数の社会福祉法人が一つになる手法ですが、所轄官庁が関与する中で行わなければならないなど、法的な拘束がかなり強くなります。
もし定められた手続きを違反するようなことがあれば、合併自体が無効化されてしまう恐れもあるので注意しておきましょう。
このようにデイサービスを有する社会福祉法人のM&Aは株式会社が行う通常のM&Aとは異なる部分が多いため、実際に行う際には社会福祉法人のM&Aの経験がある、あるいは社会福祉法人のM&Aに特化した専門家の協力を得ることが重要です。

デイサービスのM&Aの現状と動向

デイサービスのM&Aの現状や動向はどうなっているのでしょうか?
そもそもデイサービスは「通所介護」ともいわれるものであり、日帰りで施設に通いつつ、食事や入浴などといった日常生活の介護、レクリエーション、リハビリのような機能訓練などを受ける介護サービスのことを指します。 デイサービスを始めとした介護事業は、高齢化する現在社会において非常に高いニーズを得ています。 とりわけ要介護高齢者の増加が社会福祉法人におけるニーズを支えています。
デイサービスは要介護1~要介護5の要介護高齢者のみが利用できるものですが、要介護高齢者の増加はその利用者の増加にもつながるでしょう。
それもあって、異業種が介護事業に参入するケースも増加するなど、介護事業はめまぐるしく変化しています。 それもあってデイサービスを始めとした社会福祉法人のM&Aは増加しています。
デイサービスのような介護事業は一定の利用者数を確保すれば安定的に収益を上げることができますが、介護士や必要な設備の確保、所轄官庁からの許認可などが必要になるため、ゼロから立ち上げることは簡単ではありません。
しかし、M&Aで既存の事業所や社会福祉法人を買収すれば、それらのプロセスを省くことができるため、負担を大きく減らすことができます。
このメリットは社会福祉法人にも得られるものであり、事業の拡大を図る際に他の社会福祉法人を買収することで、介護士や設備の確保を確実に確保することができます。
ただ、介護事業でM&Aが増加している背景には介護事業が抱えている問題もあります。 まず介護報酬の改定によって社会福祉法人が得られる利益が低下するという問題です。
そもそも介護事業は零細規模の事業所が多く、そのような事業所は経営が不安定だったり、後継者が不在で存続が難しくなっているなど、様々な問題を抱えています。
しかしデイサービスを始めとした介護事業は公共性が高い事業であり、また利用者や地域への影響を考えると廃業することが難しい事業です。
ただ、介護報酬の改定もあって経営者が事業を手離さなければならない状況の陥るケースが増加しており、それもM&Aの増加の要因になっているわけです。
このように、デイサービスを始めとする介護事業のM&Aの増加は、介護業界へのニーズに加え、買い手と売り手の立場それぞれの意図が上手くかみ合っているからこそ発生しているものだといえます。

デイサービスのM&Aの相場と費用

デイサービスのM&Aの相場と費用はどうなっているのでしょうか? デイサービス事業を営んでいるのが株式会社の場合、会社全体を買収するか、それとも事業のみを買収するか、そして売り手となる株式会社の規模それ自体によって費用は変わります。
基本的にデイサービスのM&Aは純資産価値にのれん代を追加した形で価格が算定されます。
ただ、デイサービスは事業の性質上、施設の規模が大きくなり、設備もある程度揃える必要がでてくるため、M&Aを行う際の費用が一定以上大きくなることは認識しておきましょう。
また、買収するデイサービスが社会福祉法人の場合、理事長と理事会のメンバーの入れ替えだけで経営権が獲得できるため、対価は必要ありません。
強いて言うなら、退職する理事長や理事会のメンバーへの退職金が対価となるでしょう。
ただ、社会福祉法人のデイサービス事業を事業譲渡で買収する場合は、株式会社との事業譲渡と同様の費用が発生します。
社会福祉法人と合併を行う場合、買収と同様に経営権の獲得に費用は発生しませんが、合併は買収より手間がかかるため、プロセスを完了させる過程でコストが発生します。
そのため、買収よりコストがかかると考えた方がいいでしょう。

デイサービスを買収するメリット

デイサービスをはじめとした介護事業はM&Aによるスケールメリットの享受と非常に相性が良いものです。 そのため、デイサービスを買収することによって事業を拡大していけば、その分顧客も増えるため、利益が得られやすくなります。 何よりM&Aはゼロから新たな施設を建築したり、介護士や設備を確保するよりもスピーディーに事業の展開を可能にします。 どんどん事業を拡大させたいと考えている経営者であれば、デイサービスの買収は合理的な方法だといえるでしょう。
さきほどもお伝えしましたが、ニーズが高まっている福祉業界に異業種が進出したいのであれば、デイサービスの買収は非常に有効的です。 ゼロからデイサービスを立ち上げる手間やコストが省けることはもちろん、買収したデイサービスの顧客をそのまま引き継ぐことができるので、新規顧客の開拓を積極的に行う必要がなります。 そもそもデイサービスは一定以上の顧客がいれば安定的に収益を得られるため、買収した直後から一定の利益を挙げられるようにもなるでしょう。 そのため、立ち上げたデイサービスが軌道に乗るまで苦心する必要がなくなります。

デイサービスを売却するメリット

やはりデイサービスを売却する経営者にとって、獲得し得る最大のメリットは経営基盤の強化でしょう。
大規模な株式会社や社会福祉法人から買収されれば、莫大な資本を得られるため、経営基盤を強化し、事業を立て直すことができるようになります。
とりわけ零細規模のデイサービスは経営が不安定であるため、M&Aを行えば経営を回復させられる可能性が高まります。
そもそもデイサービスのような介護事業は公共性が非常に高く、その地域にとって重要な役割を担っているものです。
しかし経営が不安定だと事業の存続が困難となり、利用者に損害を与えるだけでなく、従業員の雇用が失われることになりかねません。
そのため、デイサービスを売却すれば利用者や従業員の雇用を守ることができるようになります。

デイサービスのM&Aの事例

ツクイ×ヒューマンライフ・マネジメント

ツクイはデイサービスを含めた通所介護サービスや人材派遣などを行っている会社ですが、2018年にヒューマンライフ・マネジメントの株式取得を行い、提携を強化しています。 元々ツクイはデイサービスや人材派遣のみならず、介護用品のインターネット通販、福祉車両や福祉機器のリースなどといった幅広いサービスを行っています。 そこに在宅医療支援や訪問介護を行っているヒューマンライフ・マネジメントとの連携を強化することにより、サービスのさらなる拡大と医療機関との連携を実現し、デイサービス事業の更なる発展に成功させています。 これはデイサービス事業を行っている会社が事業の拡大、発展のために他の事業を取り込んだ好例だといえます。 デイサービス事業は他の介護事業や医療事業と連携できるものであり、ツクイの取り組みは介護事業の更なる発展を目指すうえで参考になるでしょう。

幸和製作所×パムック+アップル

2018年に介護用品や福祉用具の製造や販売を行っている幸和製作所は、2018年にデイサービスを事業や福祉用具のレンタル・販売を行っているパムックとあっぷるを買収しています。 これにより、幸和製作所はデイサービス事業への進出を円滑に達成させただけでなく、パムックとあっぷるそれぞれのノウハウを取り入れることにより、より良い介護用品や福祉用具の開発に着手しています。 さらにテリトリーが近い両社を買収することによって、効率的な経営の実現にも成功しており、合理的な事業の拡大も行っています。 幸和製作所は今後もM&Aを積極的に行って事業の拡大を行う方針を発表しており、経営資源の補完に取り組んでいます。

まとめ

デイサービスを初めとした介護事業は様々な問題を抱えており、それらを解決する手段としてM&Aは非常に有効的です。
ただ、M&Aは決して簡単なものではないため、デイサービスなどといった介護事業のM&Aに詳しい専門家のサポートを得ることがおすすめです。
 

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