2020年2月11日更新業種別M&A

デイサービスのM&Aの売却/買収事例とは?買う・売る方法、費用の相場を解説

デイサービスをはじめとした介護事業は、様々な問題を抱えており、それらを解決する手段としてM&Aは非常に有効的です。M&Aを実行する際には、デイサービスなど介護事業のM&Aに詳しい専門家のサポートを得ることが大切です。この記事では、M&A事例や費用などについて解説します。

目次
  1. デイサービスのM&Aとは?
  2. デイサービスのM&Aの現状と動向
  3. デイサービスのM&Aの相場と費用
  4. デイサービスを買収するメリット
  5. デイサービスを売却するメリット
  6. デイサービスのM&Aの事例
  7. まとめ
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デイサービスのM&Aとは?

デイサービスは介護事業の一種であり、それをどのように売買するかは、企業の業態によって異なっています。デイサービスを行っている企業が株式会社であれば、基本的にM&Aの手法は、他の株式会社と変わりません。

社会福祉法人のM&A手法

デイサービスを行なっている施設が、社会福祉法人である場合は注意が必要です。その理由は、社会福祉法人は、そもそも株式会社ではないため、M&Aの手法が通常と異なるためです。

社会福祉法人の経営権の獲得方法

株式会社が行う一般的なM&Aの手法は、株式譲渡のように株式を取得することによる経営権の獲得ですが、社会福祉法人は株式を持たないため、経営する理事長や理事会のメンバーを3分の2以上入れ替えることで経営権を獲得します。そのため、株式の取得プロセスがなく、また対価を必要としません。

社会福祉法人の事業譲渡

社会福祉法人のM&Aの手法は、事業譲渡や合併があり、それらの場合だとプロセスが異なっています。事業譲渡は事業、つまり法人の資産を売買する手法であるため、現金の対価が必要となります。

また、事業に伴う資産や従業員、労働契約などといった、引継ぎを行う際に様々な手続きが必要となるため、煩雑なプロセスになりがちです。

社会福祉法人の合併

合併は複数の社会福祉法人が1つになる手法ですが、所轄官庁が関与する中で行わなければならないなど、法的な拘束がかなり強くなります。

もし定められた手続きを違反するようなことがあれば、合併自体が無効化されてしまうなどといった恐れもあるため、注意しておくことが大切になってきます。

このように、デイサービスを有する社会福祉法人のM&Aは、株式会社が行う通常のM&Aとは異なる部分が多いため、実際に行う際には社会福祉法人のM&Aの経験がある、あるいは社会福祉法人のM&Aに特化した専門家の協力を得ることが重要です。

社会福祉法人のM&A経験がある専門家が在籍するM&A総合研究所に一度ご相談下さい。全面的なサポートをしますので、M&Aが成功する確率が引き上がります。また、M&Aを平均で3ヶ月の期間でクロージングに導くため、スピーディーにM&Aを進められるようにもなります。

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社会福祉法人の事業譲渡と合併

デイサービスのM&Aの現状と動向

デイサービスは、「通所介護」ともいわれるものであり、日帰りで施設に通いつつ、食事や入浴などといった日常生活の介護、レクリエーション、リハビリのような機能訓練などを受ける介護サービスのことをさします。

デイサービスのM&A増加の背景

デイサービスをはじめとした介護事業は、高齢化する現在社会において非常に高いニーズを得ており、要介護高齢者の増加が、介護事業全体、とりわけデイサービス市場の拡大を支えています。

デイサービスは、要介護1~要介護5の要介護高齢者のみが利用できる施設ですが、要介護高齢者の増加が利用者の後押しをしています。そのため、異業種が介護事業に参入するケースも増加しており、それに伴いデイサービスをはじめとした社会福祉法人のM&Aは増加しています。

ゼロからの立ち上げに伴う負担の低減

デイサービスのような介護事業は、一定の利用者数を確保すれば安定的に収益を上げることができますが、介護士や必要な設備の確保、所轄官庁からの許認可などが必要になるため、ゼロから立ち上げることは簡単ではありません。

M&Aで既存の事業所や社会福祉法人を買収すれば、それらのプロセスを省くことができるため、負担を大きく減らすことができます。

このメリットは社会福祉法人にも得られるものであり、事業の拡大を図る際に他の社会福祉法人を買収することで、介護士や設備の確保を確実に確保することができます。

介護報酬の改定に伴う利益低下

介護事業でM&Aが増加している背景には、介護事業が抱えている問題もあります。まず介護報酬の改定によって社会福祉法人が得られる利益が低下するという問題です。

そもそも、介護事業は零細規模の事業所が多く、そのような事業所は経営が不安定だったり、後継者が不在で存続が難しくなっているなど、様々な問題を抱えています。

しかし、デイサービスを始めとした介護事業は、公共性が高い事業であり、また利用者や地域への影響を考えると廃業することが難しい事業です。ただ、介護報酬の改定もあって経営者が事業を手離さざるを得ない状況に陥るケースが増えており、それもM&Aの増加の要因になっています。

このように、デイサービスを始めとする介護事業のM&Aの増加は、介護業界へのニーズに加え、買い手と売り手の立場、それぞれの意図が上手くかみ合っているからこそ発生しているものだといえます。

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介護施設事業のM&Aの手法や現状と動向・費用の相場、売却/買収の事例を解説

デイサービスのM&Aの相場と費用

株式会社がデイサービス事業を営んでいる場合、会社全体を買収するか、それとも事業のみを買収するか、そして売り手となる株式会社の規模それ自体によって費用は変わります。

基本的に、デイサービスのM&Aは、純資産価値にのれん代を追加した形で価格が算定されます。ただ、デイサービスは事業の性質上、施設の規模が大きくなり、設備もある程度揃える必要がでてくるため、M&Aを行う際の費用が一定以上大きくなることは認識しておきましょう。

また、買収するデイサービスが社会福祉法人の場合、理事長と理事会のメンバーの入れ替えだけで経営権が獲得できるため、対価は必要ありません。

強いて言うなら、退職する理事長や理事会のメンバーへの退職金が対価となるでしょう。ただ、社会福祉法人のデイサービス事業を事業譲渡で買収する場合は、株式会社との事業譲渡と同様の費用が発生します。

社会福祉法人と合併を行う場合、買収と同様に経営権の獲得に費用は発生しませんが、合併は買収より手間がかかるため、プロセスを完了させる過程でコストが発生します。そのため、買収よりコストがかかると考えた方がいいでしょう。

デイサービスを買収するメリット

訪問介護 デイサービスのM&A・事業承継
訪問介護 デイサービスのM&A・事業承継

デイサービスをはじめとした介護事業は、M&Aによるスケールメリットの享受と非常に相性が良いものです。そのため、デイサービスを買収することによって事業を拡大していけば、その分顧客も増えるため、利益が得られやすくなります。

何よりM&Aはゼロから新たな施設を建築したり、介護士や設備を確保するよりもスピーディーに事業の展開を可能にします。どんどん事業を拡大させたいと考えている経営者であれば、デイサービスの買収は合理的な方法だといえるでしょう。

さきほどもお伝えしましたが、ニーズが高まっている介護・福祉業界に異業種から進出したいのであれば、デイサービスの買収は非常に有効的です。

ゼロからデイサービスを立ち上げる手間やコストが省けることはもちろん、買収したデイサービスの顧客をそのまま引き継ぐことができるので、新規顧客の開拓を積極的に行う必要がなくなります。

デイサービスは、一定以上の顧客がいることで、安定的な利益を獲得しやすいため、買収直後から一定の利益を上げやすくなり、新規立ち上げとの比較では懸念事項が限定されます。

デイサービスを売却するメリット

やはり、デイサービスを売却する経営者にとって、獲得し得る最大のメリットは、経営基盤の強化でしょう。大規模な株式会社や社会福祉法人から買収されれば、莫大な資本を得られるため、経営基盤を強化し、事業を立て直すことができるようになります。

とりわけ零細規模のデイサービスは、経営が不安定であるため、M&Aを行えば経営を回復させられる可能性が高まります。そもそもデイサービスのような介護事業は公共性が非常に高く、その地域にとって重要な役割を担っているものです。

しかし、経営が不安定だと事業の存続が困難となり、利用者に損害を与えるだけでなく、従業員の雇用が失われることになりかねません。そのため、デイサービスを売却すれば利用者や従業員の雇用を守ることができるようになります。

デイサービスのM&Aの事例

ここでは、デイサービスのM&Aの事例をお伝えします。以下の3つの事例は全て成功事例ですので、内容を確認しながら、デイサービス業界のM&Aのイメージを具体化していきましょう。

①ケアサービス×ひだまり

2019年に、東京都内で在宅ケアサービスを展開するケアサービスは、江東区で居宅介護支援事業と訪問介護事業を展開する株式会社ひだまりの全株式を取得し、完全子会社化しました。

ケアサービスは、在宅介護事業において、東京23区を中心としたドミナント戦略を展開しており、M&Aにより、ひだまりと近隣の自社デイサービスとの相互活性化を図るとともに、江東区とその隣接地域における深耕拡大の足掛かりとして、在宅介護事業の強化を図っています。
 

②ツクイ×ヒューマンライフ・マネジメント

ツクイは、デイサービスを含めた通所介護サービスや人材派遣などを行っている会社であり、2018年にヒューマンライフ・マネジメントの株式取得を行い、提携を強化しています。

元々ツクイは、デイサービスや人材派遣のみならず、介護用品のインターネット通販、福祉車両や福祉機器のリースなどといった幅広いサービスを行っています。

そこに在宅医療支援や訪問介護を行っているヒューマンライフ・マネジメントとの連携を強化することにより、サービスのさらなる拡大と医療機関との連携を実現し、デイサービス事業の更なる発展に成功させています。

これはデイサービス事業を行っている会社が、事業の拡大、発展のために他の事業を取り込んだ好例だといえます。デイサービス事業は他の介護事業や医療事業と連携できるものであり、ツクイの取り組みは介護事業の更なる発展を目指すうえで参考になるでしょう。

③幸和製作所×パムック、あっぷる

介護用品や福祉用具の製造や販売を行っている幸和製作所は、2018年にデイサービス事業や福祉用具のレンタル・販売を行っているパムックとあっぷるを買収しています。

これにより、幸和製作所はデイサービス事業への進出を円滑に達成させただけでなく、パムックとあっぷるのそれぞれのノウハウを取り入れることにより、より良い介護用品や福祉用具の開発に着手しています。

さらにテリトリーが近い両社を買収することによって、効率的な経営の実現にも成功しており、合理的な事業の拡大も行っています。幸和製作所は、今後もM&Aを積極的に行って事業の拡大を行う方針を発表しており、経営資源の補完に取り組んでいます。

まとめ

デイサービスをはじめとした介護事業は様々な問題を抱えており、それらを解決する手段としてM&Aは非常に有効的です。ただ、M&Aは決して簡単なものではないため、デイサービスなどといった介護事業のM&Aに詳しい専門家のサポートを得ることをおすすめします。
 

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