2020年9月17日更新会社・事業を売る

フリーキャッシュフローとは?重要性、算出方法をわかりやすく解説

フリーキャッシュフローを把握することで、企業分析においては企業の価値を左右する財務状況を知ることができ、経営者としては将来的な成長見通しを立てることができます。フリーキャッシュフローは営業と投資の2つのキャッシュフローで構成され、分析の際は財務キャッシュフローも用います。

目次
  1. フリーキャッシュフローとは
  2. キャッシュフローの三大要素
  3. フリーキャッシュフローの算出方法
  4. フリーキャッシュフローのケーススタディ
  5. まとめ
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フリーキャッシュフローとは

フリーキャッシュフローとは

まずは、フリーキャッシュフローの意味や重要性についてお伝えしていきます。

フリーキャッシュフローとは

フリーキャッシュフロー(FCF)とは、会社が生み出した利益の中で資金提供者に自由に分配できる利益をさし、「会社が自由に使用できる資金」と言うとわかりやすいでしょう。フリーキャッシュフローは直接的な売上高に関連する指数として考えられることもありますが、フリーキャッシュフローは売上高そのものではありません。

しかし、フリーキャッシュフローはどこに支払うわけでもない会社に残しておける資金ですので、フリーキャッシュフローがプラスとなっている会社は基本的は、財務体質は良い会社といえます。

フリーキャッシュフローの重要性

フリーキャッシュフローを多く生み出せる会社は、単純に考えると資金に余裕がある会社であるといえますので、安定度の高い事業活動を行っていると分析できます。また、不測の事態が発生してもそれに対応できる体力があるともいえます。

一方で、フリーキャッシュフローを生み出せない、またはマイナスとなっている会社は余裕資金がないために資金繰りがうまくいきません。くわえて、思うように投資することができずに事業の安定化や拡大を行うことが難しくなります。

このように、フリーキャッシュフローには経営状態が顕著に表れます。そのため、できるだけ多くのフリーキャッシュフローを生み出している状態が理想であり、少なくともプラスになっていることが望ましいです。

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キャッシュフローの三大要素

キャッシュフローの三大要素

フリーキャッシュフローの算出・分析をするうえで、まずはキャッシュフローの基本を知らなくてはなりません。キャッシュフローは、以下の3つの要素で構成されます。

  1. 営業キャッシュフロー
  2. 投資キャッシュフロー
  3. 財務キャッシュフロー
これらの要素について見ていきましょう。

①営業キャッシュフロー

会社を経営するためには、それぞれの分野に特化した商品やサービスが必要です。営業キャッシュフローは、会社が提供する商品やサービスによっていくら儲けているかを表し、売上などのプラス金額から税金や仕入れなどのマイナス金額を引いた指数です。

通常の事業活動における指数であるため、営業キャッシュフローはプラスになっていることが望ましく、マイナスになっている会社は業績が良くないといえます。

 

②投資キャッシュフロー

投資キャッシュフローとは、会社が行った投資によってどのくらい資金の増減が発生しているかを表します。投資の対象となるのは有形の固定資産と無形の固定資産であり、通常は設備投資を行いながら事業を行っていきます。

投資を行ったことによる効果はすぐに反映されるわけではないため、基本的に投資キャッシュフローはマイナスとなります。しかし、過去に設備投資していたものを売却した場合はその分投資キャッシュフローをプラスにすることができます。

③財務キャッシュフロー

資金繰りや設備投資のために金融機関から借入して資金調達を行う会社もありますが、それを返済することで資金は減少します。また、増資を行うことで資金調達できますし、株主へ配当金を支払えば資金は減少します。

このように、営業活動を行っていくうえで必要となる資金調達やその支払いの増減を表すのが財務キャッシュフローです。

フリーキャッシュフローの算出方法

フリーキャッシュフローの算出方法

フリーキャッシュフローの算出は、営業キャッシュフローに投資キャッシュフローを足すことで求められます。たとえば、営業キャッシュフローがプラス100、投資キャッシュフローがマイナス50である場合、フリーキャッシュフローはプラス50となります。

冒頭でもお伝えしましたが、フリーキャッシュフローはプラスであることが望ましいため、この例の会社は自由に使用できる資金に余裕があることから業績が良い会社だといえます。一方で、この会社の投資キャッシュフローがマイナス150である場合には、余裕資金がなく財務体質に問題がある会社だといえます。

 

財務キャッシュフローは分析の際に活用

フリーキャッシュフローはプラスになっていることで、単純に業績が良い会社だといえます。しかし、ケースによってはフリーキャッシュフローが良いからといって必ずしも業績が良いとはいえない場合があります。

そのため、フリーキャッシュフローと財務キャッシュフローから対象会社の分析する必要があります。財務キャッシュフローも用いて分析することで、フリーキャッシュフローだけではわからない会社の状況を予想できるようになります。

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フリーキャッシュフローのケーススタディ

フリーキャッシュフローのケーススタディ

ここで、フリーキャッシュフローの分析について、ケーススタディを通して解説していきます。

業績好調である一般的な状態

まずは業績が良好なケースを見ていきましょう。業績が良好な会社は、営業キャッシュフローと財務キャッシュフローがプラスであることが多く、投資キャッシュフローが適度にマイナスとなっています。これにより、通常の営業活動でしっかりと利益を確保していることが見えます。

そして、営業活動に必要な投資も適度に行っており、借入による資金調達をしていても返済が財務を圧迫していないことが予想できます。経営においては、このケースが理想的な形だといえるでしょう。

キャッシュフローがひっ迫している状態

次に、営業キャッシュフローと投資キャッシュフローがマイナスで、財務キャッシュフローがプラスになっているケースを分析してみます。このケースでは、営業キャッシュフローがマイナスになっていることから、本来の営業活動において思うように利益を得られていないことがわかります。

そして、投資キャッシュフローがマイナスではなくプラスになっていることから、投資をしたのではなく反対に設備などを売却したのでは、という予想ができます。また、設備などを売却したことで現金が得られ、それに伴って財務キャッシュフローがプラスになっているとも予想できます。

営業キャッシュフローがマイナスになっていることからも業績は良くないと予想できますが、設備などの資産を売却しなければならないほど財務状況が悪い会社である可能性があると推測されま。

過大投資を実施している状態

次に、営業キャッシュフローと財務キャッシュフローがプラスであり、投資キャッシュフローが大幅にマイナスになっているケースを分析してみます。このケースでは、一見すると理想的なフリーキャッシュフローの形だと思ってしまいます。

しかし、投資キャッシュフローが大幅にマイナスになっていることは、会社の規模に対して大きすぎる投資を行った可能性があります。このケースでは、プラスになっている財務キャッシュフローの数値も大きくなっていることもあります。

財務キャッシュフローも大幅にプラスになっている場合、大きすぎる投資を行うために高額な借入を行ったと予想できます。つまり、大きな投資を行ったことの効果を注意深く見ていかなくてはならない会社であり、結果次第では今後の営業キャッシュフローや財務キャッシュフローが悪化する可能性があります。

長期的成長が見込みにくい状態

最後に、営業キャッシュフローはプラスであり、投資キャッシュフローがゼロ、財務キャッシュフローが大幅にマイナスとなっているケースを分析します。このケースでは、通常の営業活動では利益を得られているが、適切な投資ができていないと判断できます。

また、財務キャッシュフローが大幅なマイナスになっていることで、借入による返済が財務を圧迫していると予想できます。そのため、今後も投資を行うことが難しく、会社としての成長性は低いといえます。

複数経年分の分析が望ましい

ここまで、いくつかのケースを挙げて分析してきましたが、実際に会社の分析を行う際は数年分で行うことが望ましいです。会社の業績は毎年変わるものであり、大幅に改善することもあれば大幅に悪化することもあります。

そのため、1年だけのキャッシュフローで分析しても本来の姿を知ることは難しいです。できるだけ詳細に分析するためには、少なくとも3年分は分析しましょう。また、多くの年数を分析することで会社の安定性も把握できるようになります。

まとめ

まとめ

フリーキャッシュフローは会社の財務状況を知るうえで重要な指数であり、基本的にはプラスであることが望ましいです。しかし、単にフリーキャッシュフローがプラスになっているからといって、必ずしも業績好調な会社であると言い切ることはできません。

財務キャッシュフローを用いて、その会社の財務体質についてより詳細な分析をする必要があります。キャッシュフロー分析は、将来的な経営の見通しを立てる際にも役立ちますので、経営者は算出方法や分析方法を把握するようにしましょう。最後に、要点をまとめると下記になります。

・フリーキャッシュフローとは
→会社が生み出した資金提供者に自由に分配できる資金

・キャッシュフローの三大要素
→営業キャッシュフロー、投資キャッシュフロー、財務キャッシュフロー

・営業キャッシュフロー
→会社の儲け

・投資キャッシュフロー
→投資による資金の増減

・財務キャッシュフロー
→資金調達や返済などによる資金の増減

・フリーキャッシュフローの算出方法
→営業キャッシュフロー+投資キャッシュフロー

・フリーキャッシュフローの分析
→財務キャッシュフローも用いて複数経年分で分析する

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