ロングリストとは？意味や項目、M&Aにおける活用をご紹介

ロングリスト（英語：Long List）とは、M&Aの候補を集めた企業リストのことです。ロングリストには、一定の基準を満たした買収・売却候補などが記載されます。例えば、M&Aを実施した際にシナジー効果を期待できる企業などです。

ロングリストを精査にかけ、M&Aの候補先を決定します。ロングリストの中から一定条件で候補を絞ったショートリスト作成した後、M&Aの相手候補に接触していく流れです。

M&Aで、ロングリストはショートリストの前に作成されます。ロングリストを作成する段階で最も重要なポイントは、可能な限り多くの候補先を羅列することです。この過程はM&Aの候補先をリストアップするプロセスであり、なるべく多くの選択肢を確保する必要があります。

ロングリストを作成する段階では、リストを充実させることを念頭に置くべきです。候補先をリストアップしたら、それぞれの会社が独自に設定した評価項目をもとに候補先を絞り込んでいき、ショートリストを作成します。

ショートリストは、理想的なシナジー効果を得られる候補先をさらに絞り込むプロセスであり、ロングリストより詳細な条件設定が必要です。重視すべき評価基準を明確にし、緻密に調査しましょう。

ロングリストは、M&A以外の場面でも使用されることがあります。施設の設計や建築を事業者に依頼する場合が典型例です。依頼する事業者をロングリストでリストアップした後、それぞれの事業者の内実をもとにしてショートリストに絞り込みます。

人事採用の際に、試験を受けた応募者をロングリストに羅列した後、上層部や人事部が求める基準に合わせてショートリストを作成していく使用も可能です。「ロングリスト作成→ショートリスト作成」のターゲット・スクリーニングのプロセスは、経営戦略や業務依頼などで複数の候補先を選定する場面で役立ちます。

ターゲット・スクリーニングは、明確に設けた基準をベースに段階的に候補先を選定できるため、失敗するリスクを減らせます。M&A以外で使えそうな場面があったら、ぜひ実践してみてください。

ロングリストはM&Aの相手候補をある程度網羅的に抽出した書類であるのに対して、ショートリストはロングリストのうちさらに有力と思われる相手候補を絞り込んだ書類である点が相違しています。

M&A実務では、まずロングリストの作成が先で、その後にショートリストを作成し、当面の接触予定先とする流れです。ロングリストではM&A候補の企業をなるべく多く拾い上げるため、100社程度のリストになることもあります。

M&Aの第一歩となるロングリスト作成は、非常に重要なプロセスです。なぜなら、M&Aを行う相手企業の選定は、M&Aで得られるシナジー効果・利益・経営を左右するためです。ロングリスト作成時のポイントは、主に下記になります。

最近では、M&A仲介会社が候補を選定してくれるケースもあります。しかし、経営者自身がいかに候補を選び、ロングリストを作成していくかが大切です。

なぜなら、ロングリストを作成する際、経営者が掲げるM&Aの目的などにより、記載される企業が変わるためです。ロングリストを作成する際には、経営者の見通しが重要といえます。

M&A仲介会社などの専門家に相談するのも有効策です。しかし、専門家が有用なアドバイスをもらえるとは限りません。中には、ロングリストをもとにした経営戦略の構築に疎い人スタッフ・担当者もいます。ロングリストの作成を依頼するなら、信頼できる専門家を慎重に選びましょう。

M&A総合研究所は、最適な買収・売却候補をロングリストにまとめて提示し、最短3ヶ月での成約実績も有しています。ご相談は無料でお受けしておりますので、お気軽にお問い合わせください。

M&Aによって得られるシナジー効果を熟慮することも、ロングリスト作成で欠かせない作業です。M&Aを実施する際は自社の利益だけでなく、相手企業とのシナジー効果も考える必要があります。シナジー効果を検討する際、最も大切なのは経済合理性です。具体的には、以下の事柄について考える必要があります。

• 経営資源の補完関係が成り立っているか
• 互いのノウハウや技術が事業に役立つか 
• 企業を規模拡大ができるか

上記の項目がM&Aを成功させ、想定どおりのシナジー効果を得る秘訣です。当事者同士の感情も、シナジー効果を発揮するうえで疎かにできません。M&Aは一般化していますが、依然として抵抗感を持っている企業もみられ、しかたなく会社売却を実行する経営者もいます。

M&Aは異なる企業文化が統合する場面です。企業の従業員内で軋轢が発生する可能性も考慮しなければいけません。従業員同士の摩擦についてリスク対策を講じることも重要です。

ロングリストの作成を含めた対象企業の選定プロセスをターゲット・スクリーニングと呼びます。ここでは、ロングリスト作成を含め、ターゲット・スクリーニングを解説します。

まずは、ロングリスト作成やターゲット・スクリーニングを実施する際の基準を設定します。買収側・売却側に関係なく、M&Aの希望価格や獲得したいシナジー効果に関する精査が必要です。

基準を設定したら、これをもとにロングリストを作成します。ロングリスト作成の際は、企業情報データベースを活用したり、M&A仲介会社に依頼したりして企業情報を収集します。各企業が公表している情報をベースに設定基準に沿って選定するのが一般的です。必要があれば、公表されている情報以外のデータも活用しましょう。

ロングリストを作成する際、設ける項目に特別な決まりはありません。あくまでも会社の都合に合わせて設定しておけば十分です。ロングリストの一般的な項目は、候補先の会社名・住所・URL・エリア・担当者・メールアドレスなどです。

ロングリストはショートリスト作成の前段階であり、作成後に候補先を絞り込む際の調査がスムーズになるよう工夫する必要があります。候補先の調査や連絡の際に戸惑わないようにわかりやすく整理しておきましょう。

候補先の詳細な情報を記載する項目はショートリストを作成する段階で記載し、ロングリストでは詳細な項目を設ける必要はありません。実際に使用できるロングリストの雛型はインターネットで流通しており、検索エンジンで検索すれば容易に入手できます。

ただし、流通している雛型の書式が実用的でないこともあるため、使いづらい部分は修正しましょう。

ロングリストが完成したら、さらにふるいをかけてショートリストを作成する流れです。ショートリストでは、M&Aの目的との適合性や成功する可能性などを考慮し、ロングリストでピックアップした企業をさらに絞り込みます。結果として、ショートリストはより詳細かつ綿密なリストになります。

ショートリストの作成後は、ピックアップした企業をもとにアプローチする優先順位を決定します。その際も、目的との適合性や成功する可能性などを考慮しましょう。決定後は、優先順位をもとに交渉を開始します。

M&Aでロングリストを作成する際、M&A仲介会社が仲介業務の一環でロングリストを作成するケースも少なくありません。クライアントは作業の負担を減らせるため、スピーディーにM&Aを進行可能です。

しかし、M&A仲介会社が作成するロングリストをそのまま受け入れると、クライアントの不利益につながるおそれがあります。すべてのM&A仲介会社に当てはまるわけではありませんが、中にはクライアントよりも自社の利益を追求する業者もあります。

シナジー効果を考慮せずにM&Aを進めることがあるので、M&A仲介会社に依頼する場合は決してすべてを任せきりにせず、自社の意向が反映されているかをチェックしましょう。M&A仲介会社が作成したロングリストを確認する際は、積極的に意見を交換しましょう。

M&Aをご検討の際は、ぜひM&A総合研究所にご相談ください。M&A総合研究所には経験豊富なアドバイザーが在籍しており、M&Aをフルサポートいたします。料金体系は成約するまで完全無料の「完全成功報酬制」です（※譲渡企業様のみ。譲受企業様は中間金がかかります）。

無料相談をお受けしておりますので、M&Aをご検討の際はどうぞお気軽にお問い合わせください。

ロングリストの作成は、M&Aの候補を決めるターゲット・スクリーニングの中でも序盤に位置し、非常に重要なプロセスです。M&Aの希望価格や獲得したいシナジー効果をふまえてリストを作成しましょう。

M&A仲介企業にロングリスト作成を依頼する際は、自社の意向に沿った選定が行われているかを確認する必要があります。ロングリストを適切に活用すればM&Aの成功率が高まります。