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塗料・塗料卸売業界のM&Aの現状は?費用や相場、M&Aの事例を解説

塗料・塗料卸売業界のM&Aの現状は?費用や相場、M&Aの事例を解説

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この記事の監修専門家
M&A総合研究所 公認会計士
高谷 俊祐

目次

    塗料・塗料卸売業界のM&A

    M&Aは業界を問わず行われているものであり、今では大企業や中小企業、ベンチャー企業、規模を問わずにM&Aを行うケースが増えています。

    しかし、M&Aは業界の状況によって傾向や行われる目的が異なるものです。

    今回は塗料・塗料卸売業界のM&Aについてお伝えしていきます。

    塗料・塗料卸売業界は塗料や顔料を取り扱い塗料・塗料卸売業の業界ですが、その業界は現在どのようになっているのでしょうか?

    ぜひ参考にしてみてください。

    塗料・塗料卸売業界の現状

    塗料・塗料卸売業界の現状はどうなっているのでしょうか?

    塗料・塗料卸売業界は、その名の通り塗料や顔料の製造や販売を行う塗料・塗料卸売業の業界です。

    塗料・塗料卸売業の業態としては、塗料・顔料の製造メーカー、販売を行う卸売店、代理店に分かれています。

    塗料・顔料は自動車用、家庭用、建築用、印刷用など、様々な種類があり、メーカーの中でも、あらゆる塗料・顔料を扱う総合メーカーと特定の塗料・顔料を扱うメーカーに分かれています。

    そんな塗料・塗料卸売業界ですが、現状は決して芳しくありません。

    塗料・塗料卸売業界の市場はすでに成熟しており、それ以上の発展は見込めない状況になっています。

    それもあって、1990年以降、塗料・塗料卸売業界の売り上げは低下しています。

    そこに拍車をかけるように、少子化による人口減少の影響を受け、国内市場も縮小しています。

    そのため、何らかの施策を打たなければ塗料・塗料卸売業界はどんどん低迷していくでしょう。

    また、塗料・塗料卸売業界は石油の価格に左右されやすいという特徴があります。

    なぜなら塗料・顔料の原料は石油だからです。

    しかし石油価格は変動しやすく、変動次第では塗料・顔料の生産量に大きな影響を及ぼします。

    加えて塗料・顔料は顧客のニーズに合わせて様々な製品があり、それぞれの製品をバランスよく生産しなければならないため、利益率も高くありません。

    その結果、塗料・塗料卸売業界は海外に進出できるだけの余裕を持った大手の企業が市場を寡占する状態になっており、新しい企業の設立や異業種の参入が難しい状況になっています。

    塗料・塗料卸売業界のM&Aの動向

    塗料・塗料卸売業界は業界全体が伸び悩んでおり、市場も徐々に縮小しつつあります。

    その状況を打開するうえで用いられるのがM&Aです。

    塗料・塗料卸売業界の場合、M&Aによる海外進出が積極的に行われています。

    塗料・塗料卸売業界はすでに国内市場が成熟しており、これ以上の進展が望めない状況です。

    そのため、海外の市場を獲得するケースが増えています。

    しかし、海外の市場への進出は決して簡単ではありません。

    海外進出を実現するには現地に拠点を設置し、人材を集める必要がありますが、それには時間もコストもかかります。

    加えて現地での取引先の確保をしなければなりませんが、現地に人脈やネットワークを有していなければ、それも簡単ではないでしょう。

    何より、進出する国や地域の知識も必要となります。

    海外は、言語はもちろん、法律、税制、規制、文化、商慣習などが日本と異なっており、拠点の経営のやり方自体も変えていかなければなりません。

    そこで用いられるのがM&Aです。

    M&Aであれば、現地にある既存の企業を買収することによって、拠点をゼロから構築する手間やコストが省けます。

    加えてその企業が持っている人材や取引先、ネットワーク、顧客なども引き継げるため、海外の市場への参入がよりスムーズに進むようになります。

    実際、塗料・塗料卸売業界の大手は続々と海外進出を果たしており、海外市場のニーズを取り込むことで利益を挙げています。

    とりわけM&Aが行われるのは新興国です。

    世界的に見ると、どの先進国も塗料・塗料卸売業界は頭打ちになっており、伸び悩んでいる状況です。

    そのため新しいシェアを獲得するには新興国への進出を重視する必要があります。

    しかし、すでに塗料・塗料卸売業界の大手が次々と新興国へ進出しているため、その競争は激化しています。

    この動きは世界規模で展開されており、いうなれば世界規模で塗料・塗料卸売業界の業界再編が進んでいるといっても過言ではないでしょう。

    また、塗料・塗料卸売業界の大手同士がM&Aによって経営統合を行い、さらにシェアを拡大する動きも見られています。

    とりわけ塗料・塗料卸売業界で世界トップのオランダのアクゾ・ノーベルや、アメリカのシャーウィン・ウィリアムズなどは同業を次々と買収することが規模を拡大しています。

    さらにトップクラスの企業同士でM&Aの話が持ち上がるなど、M&Aに対して積極的な姿勢はどの企業にも見られています。

    いずれ、塗料・塗料卸売業界は世界的な市場でシェアを維持できる大手に占められるような形になると予想されます。

    そのため、日本の塗料・塗料卸売業界は更なる海外進出と、グローバル化を見据えた経営戦略が求められるようになるでしょう。

    塗料・塗料卸売業界のM&Aの費用と相場

    塗料・塗料卸売業界のM&Aの費用と相場はどうなっているのでしょうか?

    塗料・塗料卸売業も、一般的な企業と同様に、その企業の規模や設備、売上などによって取引価格が決定されるため、一概に平均的な相場を設定することは難しくなっています。

    ただ、さきほどもお伝えしたように塗料・塗料卸売業界のM&Aは海外進出を目的としたものが多く、海外の企業の買収に際してはかなり高額な取引価格が設定されるケースが多いです。

    その場合、数十億円以上は当たり前、塗料・塗料卸売業界トップクラスの大手同士のM&Aだと数兆円単位の取引価格が設定されることは珍しくありません。

    塗料・塗料卸売業界のM&Aは海外進出に加えて、大手同士の経営統合を目的としたものも増えており、その費用や相場はかなり高額に上がることはあり得るでしょう。

    塗料・塗料卸売業界のM&Aで買い手が得られるメリット

    塗料・塗料卸売業界のM&Aで買い手が得られるメリットには、どのようなものがあるのでしょうか?

    塗料・塗料卸売業界のM&Aで買い手が得られるメリットは、その目的によってわかれます。

    海外進出を目的としたM&Aの場合

    海外進出を目的としたM&Aの場合、やはり得られるメリットは「海外進出の効率化」だといえるでしょう。

    さきほどもお伝えしたように、海外進出は手間やコストがかかるものであり、ゼロから顧客や取引先を開拓することは決して楽ではありません。

    しかし、M&Aであれば海外進出にかかる手間やコストを省くことができるようになり、スムーズに海外進出を実現させられるようになります。

    塗料・塗料卸売業界は新興国に進出することが多いですが、その国の市場のシェアを独占できれば、多大な利益を獲得できます。

    また、世界的に見て塗料・塗料卸売業界はグローバル化が進んでおり、M&Aを用いて各国のシェアを次々と獲得していくことが今の主流です。

    そのため海外進出を目的としたM&Aのノウハウや知識は、塗料・塗料卸売業界にとって必要不可欠なものになりつつあります。

    企業の規模拡大を目的としたM&Aの場合

    塗料・塗料卸売業界の大手同士が行うような、企業の更なる規模拡大を目的としたM&Aの場合にも、買い手にとっては様々なメリットがあります。

    大手の企業同士のM&Aであれば、互いの顧客や販路を使えるだけでなく、優れたノウハウや従業員を合わせることによって、新たな事業の立ち上げもできるようになります。

    また企業の規模を拡大することは、海外進出するうえで重要なポイントになります。

    さきほどもお伝えしたように、元々塗料・塗料卸売業界は石油価格の変動の影響を受けやすく、海外進出を実現すれば各国の政治情勢や金融情勢により、経営に支障が生じる可能性もあるでしょう。

    しかし規模を拡大した企業であれば、企業としての体力がつくため、石油価格の変動や政治情勢、金融情勢の影響にそこまで振り回されなくなります。

    また、塗料・塗料卸売業界は特定の用途の塗料・顔料に特化したメーカーも多くあります。

    新たな種類の塗料・顔料を扱いたい企業が、そのメーカーを買収すれば、簡単に事業の幅を広げられるようになります。

    塗料・塗料卸売業界のM&Aで売り手が得られるメリット

    塗料・塗料卸売業界のM&Aで、売り手が得られるメリットは、買い手のメリットと一部重なっています。

    中小の場合、海外進出がしたくとも、資金や人材に限界があって実現できないというケースは少なくありません。

    しかし、塗料・塗料卸売業界の大手に買収されれば、豊富な資金や人材を取り入れられるため、経営基盤が強化され、海外進出が実現する可能性が高まります。

    もちろん経営不振に陥っていたとしても、大手のノウハウを得られれば経営の立て直しもスムーズに進むでしょう。

    また、様々な中小企業が抱えている事業承継の問題もM&Aで解決できることがあります。

    昨今は中小企業を中心に、後継者不在の企業が増えており、高齢化で経営者が引退した際に廃業するケースも少なくありません。

    しかし、後継者不在で事業承継が出来ない企業でも、M&Aによって第三者に経営を委託することができれば、経営者が引退した後にも企業が存続できるようになります。

    塗料・塗料卸売業界のM&Aの事例

    ここでは塗料・塗料卸売業界のM&Aの事例をお伝えしていきます。

    シャーウィン・ウィリアムズ×バルスバー

    アメリカ大手のシャーウィン・ウィリアムズは、2016年にアメリカの同業他社であるバルスバーを買収しました。

    これにより、シャーウィン・ウィリアムズは自社が専門としている建築用塗料の分野と、バルスバーが専門としている商品容器塗料の分野を合わせることにより、高い製品補完性を獲得しました。

    また、バルスバーが持つ販売網、欧州事業やアジア事業を獲得することにより、海外進出の道を切り開きました。

    シャーウィン・ウィリアムズのM&Aは海外進出や販路拡大など、塗料・塗料卸売業界で行われるM&Aの模範的な事例だといえます。

    これにより、シャーウィン・ウィリアムズは、翌年の2017年に世界第三位から世界第二位に浮上するなど、シェアの拡大に成功しています。

    日本ペイント×アクサルタ

    これはM&Aに失敗した事例です。

    日本の塗料・塗料卸売業界でトップクラスのシェアを誇る日本ペイントですが、世界第7位アメリカのアクサルタを買収しようとしましたが、失敗に終わりました。

    アクサルタとのM&Aが実現しなかった理由は、デューデリジェンスの際に提供される情報の不足や、各国でのシェアの重複、アクサルタが抱える有利子負債など様々な問題があります。

    また、アクサルタがアクゾ・ノーベルとのM&Aも検討していたことも失敗の大きな理由だといえるでしょう。

    日本ペイントは結局アクサルタの買収を断念しましたが、今後もM&Aによる規模拡大の道を模索していくといわれています。

    この事例は失敗に終わったとはいえ、世界トップクラスの大手がM&Aに積極的であることを如実に示しています。

    アクゾ・ノーベル×GIC+カーライル・グループ

    オランダの塗料・塗料卸売業界のトップであり、同時に世界トップの大手であるアクゾ・ノーベルはこれまで何度もM&Aを行い、その規模を拡大してきました。

    アクゾ・ノーベルは特殊化学薬品部門を持つなど、事業を多角化していましたが、2018年にシンガポールの政府系投資会社のGICとアメリカの投資会社カーライル・グループに特殊化学薬品部門を売却しました。

    アクゾ・ノーベルは株主価値を高めるために特殊化学薬品部門の独立を画策しており、このM&Aもその一環だと思われます。

    また、このM&Aによってアクゾ・ノーベルは塗料の事業に特化した組織体制を持つようになりました。

    世界トップクラスのアクゾ・ノーベルのM&Aは、塗料・塗料卸売業界や化学品業界の組織再編につながり得るほどの影響力を持っています。

    加えて、アクゾ・ノーベルは日本ペイントが買収しようとしていた、アクサルタとのM&Aの交渉を行うなど、M&Aに積極的な姿勢を見せています。

    まとめ

    塗料・塗料卸売業界は国内市場の低迷もあって、今後は海外進出や大手の規模拡大、組織再編のM&Aが重要になってきます。

    そのため、塗料・塗料卸売業界に身を置く企業は、海外進出を想定した経営戦略が求められるようになるでしょう。

    元々塗料・塗料卸売業界は新規の参入が難しい業界であるため、この傾向はしばらく続く可能性が高いでしょう。

    とりわけ世界規模の大手の動きは今後も注視すべきものです。

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