M&Aとは?意味や動向とM&Aを行う目的・メリットなどをわかりやすく解説!
2025年11月6日公開事業承継
リフォーム会社の事業承継とは?承継方法や流れ・成功のポイントを徹底解説!
近年、住宅をリフォームして長くすみ続ける人が増加している影響で、リフォーム業界の需要が増加していますが、少子化の影響での職人不足や後継者問題で事業承継が難しいと考えている経営者が増加しています。この記事では、リフォーム業界での事業承継について解説します。
目次
リフォーム業の事業承継動向
リフォーム業界では、人手不足と原材料費の高騰による経営悪化や、後継者問題などにより、事業承継が難しいと考える経営者が増加傾向にあります。この記事では、リフォーム業界での事業承継動向と、事業承継の方法や流れについて詳しくみていきましょう。
リフォーム工事の需要
近年、リフォーム工事に対する需要は増加傾向にあります。住宅リフォームの売上高の変化をみてみると、2010年には約6兆円だったのが、新型コロナ禍であった2020年でも約6.5兆円、2022年には7.3兆円と、2010年から1兆円以上も増加しています。
今後も、住宅リフォームの需要は緩やかな増加傾向を続けると予想されており、リフォーム会社に対する需要は今後も続くことでしょう。
参考:矢野経済研究所「住宅リフォーム市場に関する調査を実施(2023年)」
新設住宅着工数は減少傾向
住宅リフォームと比較すると、住宅の新設着工数は減少傾向にあります。住宅新設着工数は2013年には約98万戸でしたが、2020年には約81.5万戸、2022年には約85.9万戸でした。
2020年と比較すると、2022年は新型コロナからの経済回復の影響で若干増加傾向が見られますが、2013年と比較すると10万戸以上も親切着工件数が減少していることがわかります。
参考:業界動向「住宅業界の動向や現状、ランキング&シェアなど」
新築にこだわる消費者が減少傾向
近年、新築住宅の需要が減少し、リフォームの需要が増加している背景には、住宅価格の高騰があります。都市部でのマンションの購入価格は、ここ10年で5割程度上昇しており、マンションでも一戸建てでも安価な中古物件に人気が集まっています。
また、中古物件を安く購入して、余った費用は自分の好きなようにリフォームやリノベーションをして快適な暮らしを手に入れたいという人も増加しているようです。
さらに、以前なら老朽化して建て替えていた一戸建てを、リフォームして長く住もうという需要も増加していることもリフォーム業界の需要が高まっている理由となっています。
後継者選出・人員確保が難しい
リフォーム会社への需要は高まっていますが、後継者不足や人手不足で、会社の将来が見通せないというリフォーム会社も増えています。
経営者の親族に適切な後継者がいない、建設業界全般で若い人が入ってこない、入ってきてもすぐに辞めていく、という人手不足が深刻化しており、多くのリフォーム会社で会社の存続が危うくなっている状況です。
リフォーム会社の事業承継が重要な理由
リフォーム会社で事業承継が重要な理由です。
後継者不在問題を解決できる
事業承継は、経営者の身内に後継者がいなければできないと考えている人も多いようですが、身内ではない従業員に承継させる方法や、M&Aで他社に売却する方法でも事業承継は可能です。
従業員承継やM&Aを選択することで、後継者問題を理由とした廃業を回避して、事業を継続することができます。
従業員の雇用を守れる
後継者問題などでリフォーム会社を廃業することになると、従業員は全員解雇することになります。解雇された従業員の中には、再就職できなくて路頭に迷ってしまう人も出てしまうかもしれません。
事業承継に成功すれば従業員の雇用は継続されるので、従業員や家族の生活を守ることができるでしょう。
倒産時や廃業時におけるリスクを軽減できる
倒産や廃業ということになれば、会社の株の価値はゼロになり資産価値がなくなります。また、従業員への退職金の支払いや設備などの処分費用は、経営者が負担しなければいけません。
従業員承継やM&Aで事業承継することができれば、会社の株は資産価値を保ったまま売却することができて、従業員も設備も引き継ぐので、廃業時に負担するコストも必要ありません。
資金の入手・債務や担保の解消
事業承継に成功すれば、経営者は経済的な余裕も手に入れることができます。従業員承継やM&Aであれば、承継者に会社の株式を売却するので、経営者の元にはまとまった売却益が入ります。
また、会社の債務も承継者に引き継いでもらえるので、経営者は個人保証の負担からも解放されるので、引退するのであれば、金銭的な余裕を持った引退生活をおくることができるでしょう。
リフォーム会社の事業承継の方法とその流れ
リフォーム会社を事業承継する方法には、経営者の子や孫など親族に承継させる親族承継、会社の役員や従業員に承継させる従業員承継、第三者に会社を売却するM&Aの3つの方法があります。それぞれの方法についてみていきましょう。
親族や従業員へ事業承継をする場合
親族承継と従業員承継は同じ流れで進めます。
- 親族承継の必要性の認識
- 事業の見直しと改善
- 事業承継計画の策定
- 事業承継計画の実行
まずは、経営者自身が事業承継の必要性を認識することから始まります。承継者が引き継ぎたいと思える会社か、事業内容や実績を見直して、必要に応じて経営改革を行います。
また、いつ、誰に、何を、どのように承継するのかをまとめた事業承継計画を策定して、後継者を選定して育成し、適切な時期がきたら、資産や経営権の譲渡を進めましょう。
事業承継計画の策定や実行は、経営者だけでは難しいので、事業承継の専門家のサポートを受けることをおすすめします。
第三者へ事業承継をする場合
M&Aでの事業承継の流れは次のとおりです。
- M&Aの専門家への相談
- 売却先探し
- トップ面談と交渉
- 基本合意書締結
- デューデリジェンス(買収側による売却側のリスク調査)
- 最終交渉と最終契約書締結
- クロージング(経営権の引き渡し)
M&Aの流れも複雑なので、専門家のサポートを受けることをおすすめします。
リフォーム会社の事業承継を成功させるポイント
リフォーム会社の事業承継を成功させるための注意ポイントです。
計画を立てて準備を進める
事業承継には長い時間が必要です。親族承継と従業員承継では、後継者の育成に5年から10年必要です。M&Aでも、専門家への相談からクロージングまで1年以上、場合によっては数年単位で時間が必要になることもあります。
経営者の引退時期から逆算して、適切な時期に準備を始められるようにしっかりとした計画を立てましょう。
自社の強みをアピールできるよう分析しておく
どの方法を選択する場合でも、事業承継を成功させるためには、承継者が承継したいと思ってくれる会社であることが大切です。
そのためには、自社の強みを磨いておくようにしましょう。必要があれば経営改善を行い、アピールポイントを整理しておくことが重要です。
事業承継先の選定を行う
親族承継や従業員承継であれば、従業員や取引先が納得する人物を選定することが重要です。M&Aでは、従業員が働きやすく、シナジー効果を得られる会社を選ぶことが重要です。
承継者の選定を間違えると、会社の将来が危うくなってしまいます。どの事業承継方法でも、承継先選びは慎重に行いましょう。
事業承継完了前に情報が漏えいしないよう注意を払う
特に、M&Aの場合は、最終契約書締結までに従業員や取引先に、会社売却の情報が漏れないように注意しましょう。事前にM&Aの情報が漏れると、不安が広がり、従業員の退職や取引先からの取引停止を招く恐れがあります。
情報漏洩は、M&Aについての電話の会話を聞かれるなど、ちょっとしたことで起こります。M&Aについての会話や資料の置き場所にはよく注意しましょう。
M&Aの専門家に相談を行う
事業承継計画の策定やM&Aの相手先探し、デューデリジェンス対策は事業承継が未経験の人にはとても難しいものです。
M&Aの専門家なら、事業承継全般に詳しいので、ぜひ事業承継を考え始めたら、まず専門家へ相談して、サポートしてもらうことをおすすめします。
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リフォーム業界で事業譲渡を適切に行うには、各業界に精通した専門家によるサポートを受けるのがおすすめです。
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リフォーム業の事業承継事例5選
リフォーム会社で事業承継を実施した事例を紹介します。
ニッソウが総合リフォーム工事のヤナ・コーポレーションを事業承継した事例
2023年3月16日に、東京都世田谷区に本社があるリフォーム請負業の株式会社ニッソウが、埼玉県所沢市で塗装工事やリフォームを行う株式会社ヤナ・コーポレーションの全株式を取得して、子会社化することを発表しました。
この事業承継により、ニッソウとしては首都圏におけるリフォーム事業の事業拡大を図り、グループシナジーの一層の追求ができるとしています。
インターネットインフィニティーが住宅リフォーム工事の正光技建を事業承継した事例
2022年9月26日に、東京都品川区に本社があり、高齢者向け介護予防サービス店舗を展開している株式会社インターネットインフィニティーが、広島県の住宅リフォーム会社である株式会社正光技建の全株式の取得と子会社化を発表しました。
インターネットインフィニティーでは住宅リフォームを手掛ける子会社を持ち、正光技建と営業基盤や顧客基盤の共有などのシナジー効果などを期待できるとしています。
大丸エナウィンが住宅リフォームのクサネンを事業承継した事例
2022年6月29日に、大阪市に本社がありLPガスなどの石油製品の販売やリフォーム事業などを手掛ける大丸エナウィン株式会社が、滋賀県草津市に本社がありLPガス販売や住宅リフォームなどを手掛ける株式会社クサネンを子会社化することを発表しました。
大丸エナウィンがクサネンの発行済株式の59.39%を取得します。
この事業承継により、大丸エナウィンとしては滋賀県における戦略的な事業エリア拡大と強化を図ることができるとしています。
日本リビング保証がリフォーム工事子会社の横浜ハウスを事業承継した事例
2022年6月20日に、東京都新宿区に本社がある住宅設備保障会社の日本リビング保証株式会社が、連結子会社である神奈川県横浜市のリフォーム会社である横浜ハウス株式会社の全株式を、不動産業などを営む株式会社三春情報センターへ譲渡することを発表しました。
日本リビング保証では、2020年に横浜ハウスを取得してシナジーを模索してきましたが、授業の方針転換により今後の横浜ハウスとのシナジーを発揮することが難しくなったとして、連結子会社から外して譲渡することになったとのことです。
サンセイランディックが注文住宅・リフォーム工事のOne's Lifeホームを事業承継した事例
2022年3月24日に、東京都千代田区の不動産会社である株式会社サンセイランディックが、同社の連結子会社であるリフォーム会社の株式会社One's Lifeホームの全株式を、株式会社相川スリーエフへ譲渡することを発表しました。
One's Lifeホームは2005年にサンセイランディックが設立した会社ですが、当初想定していた相乗効果を発揮することができませんでした。今後のOne's Lifeホームの成長のためには相川スリーエフのサポートを得ることが適切だと判断しての株式譲渡だとのことです。
リフォーム業の事業承継まとめ
後継者問題などで会社の将来に不安を感じているリフォーム会社の経営者も多いようですが、事業承継できずに廃業してしまうと、従業員を路頭に迷わせるかもしれない、株の資産価値がなくなる、といった大きなデメリットがあります。
会社の将来に不安があるのであれば、まずは事業承継やM&Aの専門家に事業承継の可能性について相談してみることからはじめてみることをおすすめします。
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株式会社日本M&Aセンターにて製造業を中心に、建設業・サービス業・情報通信業・運輸業・不動産業・卸売業等で20件以上のM&Aを成約に導く。M&A総合研究所では、アドバイザーを統括。ディールマネージャーとして全案件に携わる。