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2019年7月11日公開
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株式の確定申告とは?節税のポイントや注意点を解説

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この記事の監修専門家
M&A総合研究所 公認会計士
高谷 俊祐

株式にかかる税金は、譲渡益課税と配当課税に分けることができます。株式に関する税金については、確定申告が必要なケースと不要なケースがあります。それぞれの口座の特徴や確定申告の仕組みも踏まえ、総合的に検討する必要があります。

目次
  1. 株にかかる税金の種類
  2. 株の確定申告における節税
  3. 株における確定申告の注意点
  4. まとめ

株にかかる税金の種類

株にかかる税金は、特に株式投資において注意すべきポイントとなります。

様々な手法がある投資の中でも、株式投資について聞いたことがある方は多いでしょう。株式投資とは、字の通り「株式に投資する」という意味で、企業が発行する株式を売買して利益を得るという投資手法です。簡単に言えば、株式を安く買って高く売ることができれば、その差額が利益になるわけです。

ただし、その差額分の利益を得ると、税金がかかります。また、株式を保有していると配当金を得ることができますが、配当金を受け取った場合にも税金が発生します。株式投資を行う場合、こうした税金が発生することに注意しなくてはなりません。

以下、株にかかる税金の種類とその仕組みについて、詳しくご紹介します。

譲渡益課税

株式を安く買って高く売った場合の、その差額分の利益を「譲渡益」といいます。譲渡益を得ることは株式投資の目的の一つですが、この譲渡益には税金が発生します。この仕組みを「譲渡益課税」といいます。

さて、個人が譲渡益を得た場合、発生する税金は所得税(住民税含む)となります。一方、譲渡益に対しては、他の所得とは区別して税金を計算するという「申告分離課税」が適用されます。また、その税率は20.315%(所得税15.315%、住民税5%)となります(復興特別所得税が適用される場合)。

譲渡益課税の仕組みをさらに詳しく

譲渡益課税の仕組みは少々複雑なので、以下、細かい部分も含めて整理しておきます。

まず、課税対象となる譲渡益を算出する必要がありますが、これは「総収入金額(譲渡価額)-必要経費(取得費+委託手数料等)」という計算式で算出されます。また、「上場株式」と「一般株式」で別々の申告分離課税となりますが、いずれの場合も、譲渡益は「総収入金額(譲渡価額)-必要経費(取得費+委託手数料等)」で算出できます。

譲渡益を算出したら、それに対して所定の税率を乗じ、課税額を算出するという流れになりますが、税率については注意が必要です。譲渡益に対する税率は「譲渡益の20%(所得税15%、住民税5%)」が基本となりますが、2013年から2037年までは復興特別所得税が別途発生し、各年分の基準所得税額の2.1%を所得税と併せて申告・納付する必要があるのです。そのため、所得税15%の場合であれば、15%×2.1%で15.315%の税率になるわけです。

先ほど、税率で「20.315%(所得税15.315%、住民税5%)」とご紹介したのは、こうした復興特別所得税が適用される場合となります。

配当課税

次に、配当金を得た場合の税金について整理しておきます。

株式を保有していると、配当金を得ることができます。株式投資においては、株式の売買によってリターンを得るケースだけでなく、安定した銘柄の株式を長く保有し、配当金を得るといった選択肢もあります。一方で、配当金を得ると、譲渡益と同様に所得税・住民税が発生します(配当課税)。

ただ、配当金を得る場合は、原則として源泉徴収課税となります。そのため、税金が天引きされる形で配当金を受け取ることになります。その際の源泉徴収税率は、上場株式が20.315%(所得税及び復興特別所得税15.315%、住民税5%)、一般株式が20.42%(所得税及び復興特別所得税のみ)となります。

上場株式については、先ほどご紹介した譲渡益の税率と同じです。一方で、一般株式の場合は住民税が含まれない形となっています。

株の確定申告における節税

株式の売買によって利益を得た場合、原則として確定申告が必要となります。株式投資を行う以上、確定申告の仕組み、さらには節税のポイントなど、詳しく知っておくことが大切です。

以下、株の確定申告と節税について、具体的な仕組み・ポイントをご紹介します。

株の確定申告の仕組み

まず、そもそも株式における確定申告とは何か、整理しておきましょう。

株式の売買によって譲渡益を得ると、原則として確定申告を行う必要があります。これは会社員の場合も同様です。株式の譲渡益は、年末調整の対象となる会社員の給与所得とは異なります。年末調整の対象外であるなら、自分で確定申告をしなくてはならないのです。

一方で、上場株式などの譲渡益は、特定口座を設けて「源泉徴収あり」とした場合、確定申告は不要となります。この場合、譲渡益から税金が天引きされ、証券会社が納税する形になるので、原則として確定申告が不要となるわけです。確定申告が不要なケースについて、詳しくは後述します。

株の確定申告で節税するポイント

こうした株の確定申告ですが、確定申告を行うことで節税を図ることができます。
以下、確定申告が節税につながるケースについてご紹介します。

①譲渡損失の繰越控除

株式の譲渡によって損失が発生した場合を考えてみましょう。損失が出ても、基本的に確定申告の必要はありません。一方で、一定の要件を満たす場合、確定申告をすることによって、翌年以降3年間にわたって譲渡益や配当金から繰越控除ができます。

簡単に言うと、翌年以降3年以内に譲渡などで利益が出た場合、相殺することができるという意味です。相殺によって利益の金額が減ると、それだけ節税につながるというわけです。また、繰越控除をしている間は、毎年確定申告をしなくてはなりません。

このように、損失が発生した場合でも、節税のために確定申告を行うというケースがあるのです。

②上場株式の譲渡損失と配当金との損益通算

上場株式の場合、確定申告を行うことで、譲渡損失と配当金とで損益通算をすることも可能です。確定申告をしないと、配当金に関する税金が源泉徴収されることになります。一方で、確定申告によって譲渡損失と配当金とで損益通算を行えば、それだけ利益が減ることになり、節税につなげることができます。

③複数の証券会社の特定口座(源泉徴収あり)における損益通算

特定口座(源泉徴収あり)については、後ほど「株において確定申告が不要なケース」で詳しく説明しますが、確定申告による節税としても重要なポイントなので、簡単な仕組みについて触れておきます。

特定口座は、上場株式に関する口座となります。その中で「源泉徴収あり」を選択すると、確定申告が不要となります。一方で、複数の証券会社の特定口座(源泉徴収あり)がある場合に、確定申告を行うと、複数の証券会社の損益を通算できます。損益通算によって利益額が減少すれば、節税につながります。こちらも、原則的に確定申告が不要でも、節税のために確定申告を行うというケースになります。

株において確定申告が不要なケース

ここまで、株にかかる税金の種類や確定申告についてご紹介しました。
次に、株において確定申告が不要なケースについて、さらに詳しく見ていきましょう。
最初に整理しておくと、株における確定申告が不要なケースは、以下の2つが代表的です。

1.特定口座で「源泉徴収あり」にする場合
2.譲渡損失が発生している場合


一方で、他にも確定申告が不要となるケースもあります。
以下、それぞれ特徴を整理しておきます。

特定口座で「源泉徴収あり」にする場合

株式投資を行うには証券会社で口座を開設しますが、その口座には、特定口座(「源泉徴収あり」または「源泉徴収なし」)、一般口座があります。このうち、特定口座を設けて「源泉徴収あり」にすると、確定申告が不要となります。

以下、そもそも特定口座とは何かという点も踏まえ、確定申告が不要となる仕組みについて整理しておきましょう。

①特定口座とは?

特定口座は、上場株式の譲渡益の計算などを証券会社が行うことで、個人投資家の申告・納税手続きを簡略化するという制度です。上場株式などの譲渡益を得ると、本来は確定申告が必要になりますが、その計算や手続きは複雑です。そこで、特定口座を活用することで、申告・納税手続きの負担を減らすことができるのです。

②特定口座の「源泉徴収あり」と「源泉徴収なし」の違い

特定口座には「源泉徴収あり」と「源泉徴収なし」があります。このうち「源泉徴収あり」を選択すると、投資家の代わりに証券会社などが納税するため、原則として確定申告は不要になります。一方で、「源泉徴収なし」の場合、証券会社などが投資家の代わりに計算をしてくれますが、確定申告自体は必要となります。

「源泉徴収なし」の特定口座は、「年間取引報告書」が証券会社から発行され、これをもとに簡単に申告を行うことができるという仕組みです。そのため、確定申告そのものが不要になるわけではありません。

このように、「源泉徴収あり」と「源泉徴収なし」のいずれも、個人投資家の申告・納税手続きを簡略化するための仕組みですが、「源泉徴収あり」の場合は確定申告そのものが原則不要となる点に特徴があります。

③特定口座(源泉徴収あり)でも確定申告を行うケース

先ほどご紹介した譲渡損失の繰越控除や損益通算によって節税につなげたい場合は、特定口座(源泉徴収あり)でも確定申告を行う必要があります。繰越控除や損益通算は、確定申告が前提となる制度だからです。一方で、特定口座(源泉徴収あり)に配当を入れ、その口座内の譲渡損失と損益通算をしたい場合は、確定申告は不要となります。

譲渡損失が発生している場合

次に、譲渡損失が発生しているケースについてです。先ほども少し触れましたが、株式の譲渡によって損失が発生しても、確定申告をする必要はありません。ただし、こちらも繰越控除や損益通算を利用したい場合は、確定申告が必要です。

確定申告が不要となるその他のケース

上記の他にも、確定申告が不要となるケースがあります。

例えば、給与の支払いを一ヶ所から受けている場合で、その年間収入金額が2,000万円以下であり、給与所得・退職所得以外の所得が20万円以下である場合、確定申告は不要となります。こちらも、特定口座(源泉徴収あり)と譲渡損失のケースと合わせ、確定申告が不要となるケースとして知っておきましょう。

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株における確定申告の注意点

株における確定申告の注意点は、特定口座と一般口座に分けて考えるとわかりやすいです。
以下、ここまでご紹介したポイントも踏まえ、注意点を整理しておきます。

特定口座に関する注意点

株における確定申告は、その仕組みが少々複雑になります。確定申告の手間をかけたくないのであれば、やはり特定口座を開設した方が便利です。特定口座の「源泉徴収あり」では確定申告が不要となるので、手間を一気に省くことができます。また、「源泉徴収なし」の場合でも、確定申告は格段に簡単になります。

ただし、特定口座(源泉徴収あり)の場合、給与所得・退職所得以外の所得が20万円以下である場合でも納税されてしまいます。本来納める必要のない税金も源泉徴収されてしまうので、この場合は確定申告をしなくてはなりません。また、繰越控除や損益通算によって節税を図るケースなどで、確定申告が必要な場合があることも忘れてはいけません。

一般口座に関する注意点

一般口座の場合、給与所得・退職所得以外の所得が20万円以下なら納税されないというメリットがあります。また、特定口座は上場株式を対象とした制度ですが、一般口座では、上場していない未公開の株式も扱っています。特定口座の対象外となる商品を扱っているという点でも、一般口座にはメリットがあるわけです。

ただし、一般口座の場合、自分で年間取引報告書を作成し、確定申告をする必要があります。特定口座の「源泉徴収なし」の場合でも確定申告は必要ですが、こちらは証券会社が年間取引報告書を発行するため、手続きは格段に楽になります。一般口座の場合、こうしたサービスがないため、年間取引報告書の作成も含めて自分で手続きを進めなくてはなりません。特定口座の対象外となる商品を扱っていることなど、確かに魅力も多いですが、確定申告については十分に注意する必要があるのです。

まとめ

株式にかかる税金は、譲渡益課税と配当課税に分けることができます。個人が譲渡益や配当を得ると所得税・住民税が発生し、所定の税率によって計算が行われます。また、株式に関する税金については、確定申告が必要なケースと不要なケースがあります。

一番わかりやすい例としては、特定口座で「源泉徴収あり」を選択すると、確定申告が原則不要になるという点が挙げられます。特定口座で「源泉徴収なし」にすると、手続きは簡略化されますが、確定申告自体は必要になります。また、一般口座の場合、年間取引報告書の作成も含めて自分で確定申告をしなくてはなりません。

一方で、特定口座(源泉徴収あり)の場合でも、節税のために確定申告を行うケースもあります。例えば繰越控除や損益通算を利用したい場合には、基本的には確定申告をする必要があるのです。

このように、確定申告の有無については、口座の種類のほか、節税も踏まえて考えるとイメージしやすくなります。それぞれの口座の特徴や確定申告の仕組みも踏まえ、総合的に検討する必要があります。

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