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2019年11月26日更新
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民事再生とは?流れとメリット・デメリットをわかりやすく解説

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この記事の監修専門家
M&A総合研究所 公認会計士
高谷 俊祐

「民事再生」と「破産」は何かと混同されがちですが、破産は会社を倒産させることに対し、民事再生はあくまで会社を再生させることを目的としています。経営難によって事業の継続が難しいと判断された際に行われる民事再生ですが、その目的はあくまで会社の再建に置かれています。

目次
  1. 民事再生
  2. 民事再生の意味
  3. 民事再生の手続きと流れ
  4. 民事再生における裁判所や弁護士費用について
  5. 民事再生のメリット・デメリット
  6. 会社更生法と民事再生法との違い
  7. まとめ

民事再生

民事再生とは

民事再生とは、経営が傾いた会社が現状を回復するために行う手続きです。

経営破綻に陥った会社が民事再生の手続きを行った、というニュースを聞いたことがあるという人は多いでしょう。

民事再生と破産を混同している人も多く、民事再生の正確な意味を知っている人は意外と少ないものです。

今回は民事再生の意味や手続きの流れ、民事再生を行うメリット・デメリットについてお伝えしていきます。

民事再生の意味

民事再生の意味

まずは民事再生の意味についてお伝えします。

民事再生は債務によって経営難に陥った会社の事業・経済生活を、債権者などから多数の同意を得た現経営者が指導して再生計画を策定し、それを実行していく中で再建を図るというものです。

経営難に陥った会社が行うということで「民事再生」と「破産」は何かと混同されがちですが、破産は会社を倒産させることに対し、民事再生はあくまで会社を再生させることを目的としています。

民事再生はどんな企業で行われる?

基本的に民事再生は中小企業で使われるケースが多いですが、個人でも適用されますし、大企業が民事再生を行った事例もあります。

経営難によって事業の継続が難しいと判断された際に行われる民事再生ですが、その目的はあくまで会社の再建に置かれています。

そのため破産と比べるとポジティブなイメージがあるといってもいいかもしれません。


民事再生をする3つの方法

民事再生を細分化すると、主に以下の3つの方法に分けられます。

 

  1. 自力再建型
  2. プレパッケージ型
  3. スポンサー型

 

それぞれ資金の調達方法などが異なりますが、再生計画の提出や手続きに関しては基本的に同じです。

自社の債務状況や企業内部の情勢に応じて使い分けましょう。

1.自力再建型

自力再建型は、もっともスタンダードな民事再生方法です。

民事再生後、自社の資本・利益のみで借金の返済を行います。

外部の資金を借りずに自力で再建を図ることから「自力再建型」と呼ばれます。

2.プレパッケージ型

プレパッケージ型は、民事再生を行う以前に自社で見つけたスポンサーに再生計画への同意を行ってもらい、その同意を基に再生手続きを申請することで事業再建を進める方法です。

再建計画がある上でスポンサーからの援助を受けるため、スムーズに事業の立て直しが可能な点が特徴となります。

3.スポンサー型

スポンサー型は、民事再生手続きを行なったのちにスポンサーとなる企業を探していく方法です。

スポンサー企業と再生計画について話し合うのは民事再生手続きを進めるフェーズ以後のため、前述のプレパッケージ型に比べると同意・進行までに時間がかかる点が特徴です。

スポンサー企業がなかなか見つからないケースも多々あるため、事前にスポンサー企業が見つかる目処がある場合はプレパッケージ型がおすすめです。

 

他方で、最近は民事再生をする前にM&Aを行うという選択肢もあります。

その際にはM&A総合研究所にご相談ください。

M&A総合研究所では、M&Aに豊富な知識と経験を持つプロがM&Aをフルサポートいたします。

相談は無料ですので、お気軽にお問い合わせください。

また、費用に関しても国内最安値水準ですのでご安心ください。

M&A総合研究所は全国のM&A案件の取り扱いをしており、中小企業のM&Aも実現させる仲介会社です。

規模の小さい企業がM&Aを実施することが考えられますが、そのような案件にも対応しています。

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民事再生の手続きと流れ

民事再生の手続きと流れ

民事再生の手続きは破産と同様に裁判所を通じて行いますが、その流れは破産とは大きく異なっています。

民事再生の手続きの流れは以下の通りです。

 

  1. 申し立て・保全処分決定
  2. 監督委員の選任と監督命令
  3. 民事再生手続開始決定
  4. 債券届出・財産評定・財産状況の報告
  5. 債券認否書・債券調査機関
  6. 再生計画案の作成・決議と認可・遂行

①申し立て・保全処分決定

民事再生は裁判所に申し立てをすることから始まります。

会社の場合、申し立ては日本国内に事業所・営業所、あるいは財産があればできます。

申し立てを行い、同時に保全処分の申し立ても行います。

保全処分とは申し立て者が申し立て日前日までに発生した債務の弁済を禁止する処分です。

これを行うと債務者の財産の仮差し押さえや仮処分ができなくなります。

保全処分は申し立てを行うと申し立て日のうちに決定されます。

②監督委員の選任と監督命令

民事再生を進めていくうえで、経営者は財産の管理処分権を持つことができます。

しかし管理処分権は自由に扱えるものではなく、裁判所が選任された監督委員の監督を受けることになります。

監督委員は1人、あるいは数人が弁護士から任命され、管理処分権を持つ経営者を監督する権限を持っています。

経営者は裁判所が指定している行為を行う際に、監督委員の同意を得なければなりません。

③民事再生手続開始決定

申し立てを行ってから2週間程度で民事再生手続の開始が決定されます。

しかし特定の要件を満たしている民事再生手続が棄却される可能性があります。

要件は以下の通りです。

  • 民事再生の手続きを行う費用の予納がない。
  • 裁判所に破産手続または特別清算手続が係属しており、それらの手続の方が債権者の一般の利益になる。
  • 再生計画の作成、あるいは可決の見込み、再生計画の認可の見込みがないことが明らかになっている。
  • 不当な目的で申し立てがなされた、あるいは申し立てが誠実にされたものではない。

④債権届出・財産評定、財産状況の報告

民事再生を行う会社の再建者は、民事再生の手続きに参加するために債権届出を行います。

その後、民事再生の手続きが開始される段階での財産価額の評定を行い、財産目録、貸借対照表、財産状況を伝える報告書を裁判所に提出します。

このプロセスは、民事再生の再生計画を立案していくうえで最も重要な過程です。

ただ、このプロセスを経営者だけで行うのは難しいため、公認会計士と行うケースが多いです。

⑤債権認否書・債権調査機関

民事再生を行う会社は、債権者から届け出された債権についての認否を行うことができます。

認否を行った後、民事再生を行う会社は認否を行った結果を認否書にまとめて提出します。

⑦再生計画案の作成・決議と認可・遂行

いよいよ再生計画案の作成に入ります。

再生計画案は、民事再生を行う会社の債務をどうやって返済していくかを計画したものです。

民事再生において再生計画案は非常に重要であり、民事再生を行う会社は債権届出帰還が満了した際に裁判所が定めた期間内に再生計画案を提出します。

提出された再生計画案は債権者集会で決議を受けます。

再生計画案の認可条件は以下の2つです。

  1. 債権者の過半数が再生計画案の内容に同意している
  2. 債券総額の2分の1以上を有する債権者の同意がある

再生計画案が可決されると、裁判所はすぐに再生計画案を認可し、それが確定することによって再生計画の効力が発生します。

そして再生計画に従って民事再生を進めていきます。

最初の3年間は監督委員が監督していきます。

民事再生における裁判所や弁護士費用について

民事再生における裁判所・弁護士費用について

民事再生を行う際には一定の費用がかかります。

民事再生の際には必要な費用を用意できていなければ手続きを行うことができません。

民事再生の費用は大きく分けて以下の3つあります。

 

  1. 裁判所の予納金
  2. 弁護士への費用
  3. 運転資金や退職金

 

詳しく解説していきますね。

①裁判所の予納金

民事再生は裁判所に申し立てをすることで手続きが開始されますが、その際に予納金を支払う必要があります。

予納金は裁判所によって設定されている金額が異なっており、債務の総額によって変動します。

予納金は5000万円未満~1000億円以上の範囲で数百万円~数千万円で推移します。

さらに加えて1万円の収入印紙3880円の郵券を納付する必要があります。

②弁護士への費用

民事再生は弁護士の協力を得て行う手続きであるため、弁護士への費用も必要になります。

弁護士への費用は大きく分けて「着手金」「成功報酬」の2つがあります。

まず着手金を払い、民事再生を終えた後に成功報酬を支払うといった形です。

弁護士にかかる費用は弁護士事務所によって異なります。

ただ、着手金は民事再生を行う会社の債務総額に応じて高くなる傾向があります。

加えて弁護士の多くは相談料を設けているところが多く、相談の時間に応じて料金が発生します。

一方で成功報酬を求めない弁護士もいるため、様々な法律事務所の報酬体系をチェックしておくことがおすすめです。

その際、なるべく報酬基準が明確な法律事務所を選ぶようにしましょう。

民事再生は財産評定などを行うプロセスがありますが、こちらでは公認会計士や税理士の協力が必要になります。

この場合も彼らに支払う報酬が発生するので留意しておきましょう。

③運転資金や退職金

民事再生を行うにあたり、会社の運営資金を確保しておかなければなりません。

この際に気を付けておきたいのが仕入れや光熱費などの代金です。

民事再生を行っていると仕入れ代金が後日決済から現金払いになるため、一定以上の現金を常に確保しておかなければなりません。

加えて民事再生中は従業員のリストラや退職などが発生する可能性が高くなるため、それに応じて退職金を用意しておかなければなりません。

これらの点を踏まえ、民事再生を行う際には最低でも数カ月は会社を経営していけるだけの運転資金を用意しておきましょう。

民事再生のメリット・デメリット

民事再生のメリット・デメリットについて

民事再生にはネガティブなイメージがあるかもしれません。

しかし、企業によってはあえて民事再生を選ぶ企業もあるほどメリットの大きな選択なのです。

ここでは民事再生のメリット・デメリットをお伝えしていきます。

①民事再生のメリット

民事再生のメリットとして、以下の5つが挙げられます。

  1. 事業の継続が可能になる
  2. 経営陣の維持が可能
  3. 手元に資金が残せる
  4. 債権を減額することができる
  5. 弁済期間を最大10年間延長できる

 

順番にみていきましょう。

事業の継続が可能になる

やはり民事再生の一番のメリットは事業の継続が可能になるという点です。

冒頭でもお伝えしたように民事再生はあくまで会社の再建を目的としているものであり、事業の継続は前提となっています。

再建の過程でリストラや規模縮小など痛みを伴う可能性はありますが、破産のように会社を倒産させずに事業の継続ができるという点は経営者にとって一番嬉しい点だといえるでしょう。

経営陣の維持が可能

民事再生は経営陣を刷新する必要がないため、経営陣は引き続き会社の経営を行うことができます。

監督委員がいる以上、以前より経営陣の権限は弱められている一面がありますが、経営自体は続けることができます。

手元に資金を残せる

民事再生を行うと、金融機関が口座の預金に対して相殺ができなくなります。

そのため、残った資金をそのまま再建に活用できるのです。

債権を減額することができる

民事再生を行うにあたって、担保権のない債券の支払い義務が無くなります。

同様に最低弁済額もありませんので、忘れずにコストカットをしましょう。

一方で、民事再生の再生計画案を通すためには債権者の認可が必要です。

あまりにも大きすぎる減額は債権者からの同意が得られない可能性がありますので、注意をしてくださいね。

弁済期間を最大10年間延長できる

民事再生を行うと、弁済期間を最大10年間延長することが可能です。

②民事再生のデメリット

民事再生のデメリットには以下の4点が挙げられます。

 

  1. 社会的な信頼が低下する
  2. 経営陣の維持が逆効果になることもある
  3. 担保による財産回収をされる
  4. 債務免除益課税が発生する

 

それでは、順番に解説していきます。

社会的な信頼が低下する

会社再建が目的とはいえ、会社への社会的な信頼の低下は防げません。

民事再生を行っているとなれば、株主からの信頼の低下やブランドイメージの低下なども発生することも充分に考えられます。

経営陣の維持が逆効果になることもある

現経営陣が「民事再生を必要するまでの経営難を引き起こした」というイメージは否めないものです。

そのため債権者が反発し、再生計画を却下する可能性が高くなります。

民事再生は再生計画が可決・認可されなければできないものであり、もし再生計画が却下されれば民事再生ではなく破産や会社更生を行うことになってしまいます。

担保による財産回収をされる

会社の財産を融資の担保にしていた場合は財産を回収される可能性があります。

金融機関は、民事再生の通知をすれば預金や財産の相殺はできなくなりますが、担保権つきの債権に関しては権利行使が可能です。

そのため担保にしていた財産を取られてしまう可能性があります。

もし財産を取られてしまうと会社再建が難しくなってしまう恐れがあります。

債務免除益課税が発生する

民事再生を行うにあたって、債務の免除を受けると「債務免除益課税」という税金が発生します。

税額は免除された債務額によって変動するため、免除額と照らし合わせてよく確認しましょう。

債務免除益は過去7年間の損金との相殺が可能なため、追加の徴収が行われないケースもあります。

計算が複雑なため、免除額や追徴に関して弁護士と慎重に相談することをおすすめします。

会社更生法と民事再生法との違い

会社更生法と民事再生法の違い

民事再生法とよく似たものに会社更生法というものがあります。

ここでは、よく似た2つの法律について解説していきます。

会社更生法は民事再生法と同様に会社再建を目指しているものですが、その最大の違いは現経営陣が経営に一切関われなくなり、裁判所が任命した管財人が再建を行っていくという点です。

会社更生法が適用されると債権者が勝手に財産を競売にかけるようなことはできなくなりますが、代わりに管財人が全ての財産を厳密に管理し、処分していくことになります。

その過程で資本金が100%減資されてしまうこともあり、民事再生法に比べるとかなり厳粛に、かつ時間をかけて進められます。

会社更生法は、会社をリセットしたうえで会社再建を行うもの、と考えた方がいいでしょう。

ただ会社更生法は大企業で適用されることが多く、中小企業は利害関係者が少ないため民事再生法を使うことが一般的です。

会社更生より民事再生をするべきケース

会社更生より民事再生をするべきケースは、以下の2点を満たしている場合です。

 

  1. 担保債権が少ない
  2. 経営陣の刷新を行いたくない

 

民事再生において、担保付き債権は民事再生手続きの影響を受けません。

つまり、担保付き債権は手続きの有無に関わらず権限を行使されてしまうということです。

それでは民事再生を行う旨味が薄くなってしまいます。

また、会社更生法において手続き後に再生計画を立案するのは、選任された管財人であり経営陣ではありません。

現行の経営陣で再建を図る場合には、民事再生がおすすめです。

民事再生で会社・社長個人の両方の債務を減額するには?

会社と社長の両方の債務を減額する方法とは、「個人再生」を行うことです。

個人再生とは、個人を対象にした民事再生を使うこと。

個人再生は一定の財産(家など)を残したまま債務が整理できるものであり、上手く使えば債務の負担を大幅に減らすことができます。

また、ギャンブルで作ったような債務でも対象となったり、自己破産するよりも使いやすい点もメリットです。

しかし個人再生は「住宅ローンを除いた債務の総額が5000万円以下でなければならない」のような条件を満たす必要があります。

他にも、債務は原則3年以内で返すなど複数のルールがあるため、ある程度計画性を持った上での利用をおすすめします。

まとめ

民事再生のまとめ

民事再生は会社再建を目的に置いたものです。

民事再生は会社再建を行うための計画を綿密に練らなければいけません。

また、債権者からの理解も必要であるなど、ハードルは決して低くありません。

この点は充分に留意して民事再生を進めましょう。

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