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物流事業の事業売却とは?売却事例などを紹介

物流事業の事業売却とは?売却事例などを紹介

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この記事の監修専門家
M&A総合研究所 公認会計士
高谷 俊祐

物流業界の現状

物流業界は約25兆円の産業で、労働者も約254万人が従事していると言われています。トラック運送業においては、市場規模は14兆5,449億円、事業者数は62,176件となっており、そのうち中小企業率は99.9%で、188万人が中小企業で従事しているとされています。

物流業界は、インターネットを利用した通信販売などが盛んに行われており、個人向けの配送が多くなっています。しかし、共働きの影響もあり、在宅率が低く再配達が多くなるなど配達の効率が悪くなってきています。そのため、ドライバーの拘束時間が長くなるといった問題も抱えており、どのように長時間労働を改善していくかが課題となっています。

人材不足と高齢化

物流業界は個人向け配送が増える一方で、慢性的な人材不足に陥っており、荷物を配達するドライバーの不足、それぞれのドライバーを管理する役割を持つ人材の不足などが取りざたされています。人材不足は需要が高いことの表れでもありますが、人材不足を解消するためのドライバーの賃金値上げに伴って、配送料も値上げするといった措置もとられています。

労働環境は長時間運転や重い荷運びなど、思っているよりも重労働となることが多く、一方で利用者のサービス向上などで安さ、速さが求められる傾向があり、ドライバーに負担が大きくなっています。そのため、ドライバーは給料が安くて仕事がキツイと言うイメージが蔓延しており、若い年齢層でドライバーになりたいという人が少なくなっている現状があります。

若い年齢でドライバーになろうとする人材が少なくなっている結果、ドライバーの高齢化も進んでいます。物流業界で道路貨物輸送業に従事している人の年齢を見ると、40歳代から50歳代の割合が高く、44.8%を占めています。20歳代は全体の9.4%に過ぎず、今後も高齢化が進んでいくことが予測されます。

過剰なサービス

大手ネット販売を行っているAmazonは、他社との差別化を図るために、「より早く、小口でも配送無料」を実施していますが、その負担を受けるのは物流会社となっています。配送される荷物は、どんどん小口化されて配送先が多くなる現状があり、「早く注文すれば、明日には届く」、さらに「何時までの注文なら今日お届け」などのサービスによって、物流業界はさらなる負担を強いられているのです。

さらにもう一つ加えるとすれば、再配達の制度によって不在宅に何度も荷物を配送しなければならないという負担もあり、いくら最短ルートで効率よく配達をしようと思っても、不在の家庭があれば、再度訪問しなければならない事態となっています。

このような過剰なサービスは、実現しなければライバル会社との競争に勝つのが難しいという理由もあり、事態を改善したくても改善できない状況となっているのです。

物流事業の事業売却におけるメリット・デメリット

物流業界に限らず、中小企業間の事業売却は増加傾向にあり、業界再編の流れも活発になっています。これらの事業売却は、運送サービスの向上やお客様の要望に多く応えられるような業務水準の向上を目的としています。例えば、事業のノウハウがない企業や業務量が制限される中小企業は、すでにノウハウがあり業務量が多い中小企業へ事業を売却することで業務水準の向上や規模のメリットが発揮され、より大きな事業への成長と安定を実現することが可能となります。

事業売却のメリット

後継者問題の解消

全国の多くの中小企業が後継者不在の問題を抱えており、業績がよく売上高も好調なのに後継者がいないことを理由に、廃業や休業を選択せざるを得ない状況に陥っている傾向があります。しかし、事業売却によって運営している事業を買収してくれる会社に譲り渡せば、後継者問題を解消することができるのです。事業売却によって、すでに経営スキルを持った人材が事業を引き継ぐことになれば、事業はそのまま存続し、業務を続けていくことが可能になるのです。

従業員の雇用の引継ぎ

物流会社が、後継者不在や経営者の高齢化を理由に廃業や休業となった場合は、そこで働いている従業員は、職を失うことになります。物流会社の多くは、従業員も高齢化が進んでおり、会社の廃業に伴って従業員を解雇することになると再雇用のサポートを実施する場合がありますが、年齢が中高年齢層になると再雇用をサポートすることも難しくなります。

しかし、事業売却によって事業が継続することになれば、買収元の会社に雇用を引き継ぐことができ、雇用を守ることが可能となります。買収をした会社にとっても、すでに仕事のノウハウを持っている従業員がいることで、新たに教育をする必要がないので、教育コストが削減できるのです。

対価の獲得

事業売却をすると言うことは、その対価を経営者が得ることになります。その資金をもとに経営改善を図ることもできますし、経営自体を安定させることもできます。事業売却のケースでは、10店舗を運営していた状態から、そのうちの5店舗を事業売却して経営を立て直した事例もあります。このようにして、運営している事業所のうち、いくつかの事業所を事業売却して、その対価を得て経営を立て直すというケースも多くあります。

買収をした会社にとっても、すでに設備などが整っている事業所を譲り受けることができるので、一から始めるよりもコストがかからず、すぐに事業を開始することが可能になります。

事業売却のデメリット

時間がかかる可能性がある

事業売却を希望していても、すぐに買収してくれる会社が現れるとは限りません。事業売却をすればその対価を得ることができますが、それは買収してくれる会社が見つかって、すぐに交渉を始めることができた場合のみです。実際にはすぐに買収してくれる会社がなかなか見つからないというケースも多いでしょう。

そうすると、経営の立て直しを事業売却の資金で行おうと考えていた場合は、その資金が得られるタイミングが遅くなり、事業を売却する前に会社自体が倒産してしまう、という可能性も十分あります。できるだけ早く買収してくれる会社を見つけたい時は、M&A仲介会社などを利用することが選択肢の一つとして考えられます。

税金がかかる

事業売却によって得た対価については、法人税がかかります。事業売却を成立させた後に、納付する義務が発生するので、事業売却によって得た収益から税金を納付できるように準備をしておく必要があります。事業を買収した会社にも消費税が発生するので、そのことも念頭において買収の交渉を進める必要があるでしょう。

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物流事業の事業売却における注意点

事業売却によって、会社が経営改善を目指す場合もあり、中小規模の物流会社では事業売却を検討する会社も増えつつあるようです。事業売却の手法は、M&Aに含まれM&A仲介会社が仲介して実施されることも多くあります。

事業売却で得られるメリットもありますが、デメリットもあるので注意しなければならないことも念頭において、検討する必要があります。適切な方法で事業売却ができれば、会社や従業員にとってよい効果を得ることもできるので、しっかりと計画を立て進めていくことをおすすめします。

事業売却成立までの期間

事業売却は、事業売却しようとしている会社とその事業を買おうとする会社がなければ成立しません。会社の運営状況や事業状況によっては、事業売却が成立するまでに長い期間がかかるケースもあります。

また、事業売却について希望の条件を提示する場合もあり、希望の条件に合わないために事業売却が進まない場合もあります。希望の条件については、譲歩できるところとそうでないところを精査して、事業売却がスムーズに進むように検討しておきます。例えば、従業員の雇用は守って欲しいというものや希望の売却価格についてもしっかり検討しておきます。

M&A仲介会社を活用すれば、事業売却する事業価値の算出をしてくれるので売却価格の参考になるでしょう。買収をしてくれる会社が見つかっても、すぐに売買が成立するのではなく、引き継ぎなどに時間がかかります。事業売却で得た対価を経営の立て直しに使おうと考えているのであれば、できるだけ早く事業売却ができるように計画を立てておくと良いでしょう。

情報漏洩に注意

事業売却は、事業承継に伴って実施されることもありますが、経営の立て直しに活用する場合もあります。いずれの場合も、事業売却の情報が従業員や取引先などに漏れないように注意する必要があります。事業売却の計画が従業員に知られてしまうと、リストラに合うのではないか?人員整理をするのではないか?などの憶測を与えることになり、従業員が会社を辞めてしまう可能性があります。

会社の要となっている従業員が辞めてしまうと、事業売却した後に人員を集めなければならなくなるので、情報が漏れないように注意しましょう。物流業界は、なり手が少なくドライバー不足が問題となっているのでドライバーが辞めてしまうと、大きな痛手になる可能性があります。

また、取引先などにも情報が漏れると経営状態が悪いのではないか?などの不安を与えることになり、取引ができなくなってしまう可能性が出てきます。どのような場合でも、事業売却の情報は漏れないように注意して、具体的に内容が決まってから開示するようにしましょう。

物流事業の事業売却事例3選

物流事業を運営している会社の事業売却は業界全体で増加傾向にあり、中小規模の物流会社が大手物流会社の傘下になることも珍しいことではなくなっています。中小規模間の事業売却については、情報が開示されることが少なく事例として紹介できるものが少ないですが、物流業界の会社で実施された事業売却の事例を紹介します。

① 運送会社持ち分を譲渡

売却した会社名、所在地は非公開となっていますが、従業員50人以下、希望譲渡価格5,000万円から1億円で、後継者がいないことを理由に会社の売却を希望していた会社です。

この会社は、50社以上の固定受注先があり売買を実施した後も、安定した売り上げが見込める状態にありました。そこが強みとなって、買収する会社が現れ売買が成立しています。固定受注先のほかにも新規顧客斡旋も増加傾向にあったため、さらに売り上げが見込めるとして売買が成立したものです。

② 一部事業を譲り受け

両備ホールディングス株式会社がタカラ物流システム株式会社の水宅配事業を譲り受けしており、2016年3月1日から事業を運営しています。タカラ物流システムは、岡山県内で水宅配事業を運営しており、実績を持っています。

両備ホールディングスは、経営拠点を同一にする中国地方で採取できる希少性がある天然水を扱うことで地域の発展に寄与できるとして、事業拡大に取り組むとしています。タカラ物流システムは、水宅配事業を売却することで自社にドライバー不足をはじめ、経営環境の改善に努めるとした売買になります。

③ アシックス物流が丸紅ロジスティクスへ譲渡

株式会社アシックスの物流子会社であるアシックス物流株式会社の株式のすべてを丸紅株式会社の子会社である丸紅ロジスティックに譲渡しています。2015年3月3日に実施された取引で、アシックスは外部委託することになりました。

アシックス物流が使っていた物流施設はそのまま引き継がれ、東日本の基幹センターであるつくば配送センターは、丸紅の関連会社が取得しています。この取引によって、物流コストの変動費化を実現するものとしています。

物流事業の事業売却はM&A仲介会社の専門家に相談

物流事業において、事業売却の件数は増加傾向にあるとされていますが、現経営者が事業売却をして、経営の立て直しなどを図ろうと検討しても、自分自身だけで考えているだけで、実際に実行できない、という場合もあるようです。事業売却を実行するには、買収してくれる会社を探す必要もありますし、事業売却に伴う手続きも伴います。何をどのように進めればいいのか分からない時は、M&A仲介会社を活用すると良いでしょう。

まずは事前相談

M&A仲介会社は、M&Aの仲介を実施している会社です。事業売却についても、M&A取引に含まれるので専門家に相談することができます。事業売却について、検討を始めたら経営者だけの力では解決できないことも多くあります。何をどのようにすればいいのか迷ったり不安があったりする時は、まずはM&A仲介会社の事前相談を利用すると良いでしょう。

M&A仲介会社には、弁護士、会計士、税理士などの士業の資格を取得しているスタッフが在籍しているので、専門家の知識を利用して事業売却の準備を始めることができます。経営者が抱えている悩みや不安の内容にかかわらず、相談に応じてくれるのでまずは事前相談に行ってみましょう。

大手と地元密着型

M&A仲介会社は、近年の中小企業のM&A取引が増加している傾向があり、たくさんのM&A仲介会社があります。その中から自分の希望に合ったM&A仲介会社を選択すると良いでしょう。東証一部を果たしており、全国に支店や営業所を構える大手M&A仲介会社もありますし、地元に密着した形で地域性を活かした中堅・小規模のM&A仲介会社もあります。

大手M&A仲介会社は、M&Aの成約件数も多くたくさんの案件を保有しているので、事業売却についても、買収元の候補となる会社とのネットワークを多く所有している可能性があります。地方の会社でも対応が可能な会社が多くあり、地方で事業売却を検討していても相談が可能です。地元密着型のM&A仲介会社は、地元の案件を多く持っており、地域性を活かした取引が可能となっています。

まとめ

物流事業は、慢性的なドライバー不足などが問題となっており、運営が難しくなっている中堅・小規模の会社が増加している傾向があります。そのような中で、事業売却をして後継者不足の解消や経営の立て直しを図ろうとする動きも活発になっているようです。どのように進めていくかをしっかりと検討していく必要があります。経営者自身が悩みや不安を感じている時は、M&A仲介会社にまずは相談してみるとよいでしょう。

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