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相続不動産の売却でかかる税金

相続不動産の売却でかかる税金

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この記事の監修専門家
M&A総合研究所 公認会計士
高谷 俊祐

目次

    相続不動産の売却でかかる税金

    遺産分割の際に、不動産を相続するケースは多く見受けられます。

    相続した不動産は、引き続き使用せずに売却する場合があります。

    相続した不動産を売却する際、どの様な税金がかかるのでしょうか?

    この記事では、相続不動産を売却した際に必要な税金をご紹介します。

    相続不動産の売却でかかる税金

    まず初めに、相続不動産の売却で必要な税金について解説します。

    ⑴印紙税

    相続した不動産を売却する際には、不動産の売買契約書を締結します。

    売買契約を取り交す為には、印紙税と呼ばれる税金が課されます。

    印紙税は現金を渡す形式で払う税金ではなく、「収入印紙」を購入し、不動産の売買契約書に貼り付ける形で納税します。

    印紙税の金額は、下記表の通り契約金額ごとに異なります。

    契約金額本則税率軽減税率
    100万円超〜500万円以下2千円1千円
    500万円超〜1千万円以下1万円5千円
    1千万円超〜5千万円以下2万円1万円
    5千万円超〜1億円以下6万円3万円
    1億円超〜5億円以下10万円6万円
    5億円超〜10億円以下20万円16万円
    10億円超〜50億円以下40万円32万円
    50億円超〜60万円48万円


    平成32年3月31日までに作成された不動産の売買契約書に関しては、軽減税率が適用されます。

    ⑵譲渡所得税・住民税

    相続不動産の売却により得た代金は「譲渡所得」と見なされ、所得税と住民税が課税されます。

    この点は株式の譲渡所得と同様ですが、不動産の場合には保有期間で税率が異なります。

    相続人ではなく、被相続人が当該不動産を取得した日から保有期間を計算する点には注意が必要です。

    相続不動産の保有期間により、下記の通り税率が異なります。


    所有期間所得税住民税
    長期譲渡所得5年超15%5%
    短期譲渡所得5年以下30%9%


    つまり不動産の保有期間が5年を超えると、長期譲渡所得となり税率がほぼ半分となります。

    平成49年までは、上記に加えて基準所得税額のうち2.1%を復興特別所得税として納税します。

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    相続不動産の売却でかかる税金の計算

    次に、相続不動産の売却でかかる税金について、具体的な計算方法をお伝えします。

    ⑴印紙税

    印紙税については、前述通り不動産の売却金額に基づいて金額が決まる為、特段計算が必要となることはありません。

    例えば7,000万円で相続不動産を売却する場合には、3万円の印紙税がかかります。

    ⑵譲渡所得税・住民税

    譲渡所得税(住民税)については、売却代金ではなく譲渡所得に対して課税されます。

    譲渡所得とは、相続不動産の売却代金から取得費や譲渡費用を差し引いた金額です。

    不動産における取得費には、登録免許税や土地造成費用、測量費等が該当します。

    不動産の購入費用も当然取得費に該当しますが、減価償却費(建物の価値減少分)を差し引いた価額を用いる点には注意しましょう。

    購入時の価格が思い出せない場合には、売却代金の5%を概算取得費として適用可能です。

    算出した譲渡所得に対して、前述した税率を掛けることで納税額を計算します。

    つまり譲渡所得税や住民税は、下記計算式により算出します(復興特別所得税は簡略化のため省略)。

    • 納税額(長期譲渡所得の場合)=譲渡所得(売却代金−諸費用)×20%(所得税15%、住民税5%)
    • 納税額(短期譲渡所得の場合)=譲渡所得(売却代金−諸費用)×39%(所得税30%、住民税9%)

    相続不動産の売却価格が取得費と譲渡費用の合計よりも安い場合には、譲渡所得が発生しません。

    譲渡所得が発生しないケースでは、短期譲渡所得か長期譲渡所得かに関係なく、納税は不要となります。

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    相続不動産の売却で活用できる取得費加算の特例

    相続時には多額の税金がかかるにも関わらず、追加で税金がかかると負担が増してしまいます。

    相続に要する費用を削減する為にも、節税を図る必要があります。

    これ以降は、相続不動産の売却で活用可能な特例を3つご紹介します。

    まず初めに、「取得費加算の特例」からお伝えします。

    ⑴取得費加算の特例とは

    不動産を短期的に売却すると、多額の相続税に加えて通常よりも過大な譲渡所得税が課される恐れがあります。

    短期的に相続不動産を売却する際には、「取得費加算の特例」を活用することで税金の負担を軽減できます。

    取得費加算の特例とは、納税した相続税のうち一定金額を取得費に加算できる特例です。

    通常よりも取得費が増加する為、譲渡所得税の負担が軽くなります。

    取得費加算の特例を活用する為には、相続発生日の翌日から3年10カ月以内に不動産を売却する必要があります。

    短期譲渡所得に該当しない場合ならば、純粋に納税額を減らす効果が期待できます。

    短期譲渡所得に該当するケースでも、多少税金の負担を減らす事が出来ます。

    ⑵取得費に加算可能な相続税の計算方法

    相続税のうち、どの程度の金額を取得費に加算できるのでしょうか?

    取得費に加算できる相続税額は、下記計算式により算出できます。

    • 取得費に加算できる相続税額=特例適用者の相続税額×{相続税算出の基礎となる売却資産の価額÷(特例適用者の相続税の課税価額+特例適用者の債務控除額)}

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    相続不動産の売却で活用できる3,000万円控除の特例

    次に、3,000万円控除とも呼ばれる特例をお伝えします。

    ⑴3,000万円控除の特例とは

    3,000万円控除の特例とは、相続した居住用不動産(所謂マイホーム)を売却した際に、譲渡所得から最大で3,000万円控除できる特例です。

    つまりこの特例を活用することで、譲渡所得3,000万円までの不動産売却では課税が発生しません。

    3,000万円を超えるケースでは、超えた部分に対して譲渡所得課税が発生します。

    最大で3,000万円も控除される為、相続不動産を売却する際には積極的に活用すべき特例です。

    ⑵特例の利用条件

    3,000万円控除の特例を活用する為には、いくつかの条件をクリアしなくてはいけません。

    相続不動産に住まなくなってから、3年経った日の属する年度末までに売却する事が条件となります。

    実家で被相続人と同居していたケースでは、その居住用不動産を相続して名義変更すれば、3,000万円控除を適用できます。

    この特例を利用すれば、残された家族の老後生活資金を確保できます。

    相続不動産の売却で活用できる空き家売却の特例

    最後に、相続空き家売却に関する特例をご紹介します。

    ⑴空き家売却の特例とは

    近年は高齢化に伴い空き家問題が深刻化しています。

    一昔前まで3,000万円控除の特例は、相続後に空き家となった不動産には適用不可能でした。

    売却するメリットがない為に相続した不動産を放置する事例が増加し、結果として空き家が増加してしまいました。

    空き家問題が深刻化した現状を踏まえて、平成28年からは相続した空き家を売却するケースでも、3,000万円控除の特例を活用できる様になりました。

    ⑵特例の利用条件

    空き家売却の特例を活用する為には、下記要件を満たさなくてはいけません。

    • 相続開始直前において、被相続人が一人で居住していた
    • 売却価額が1億円以下である
    • 相続開始日から3年を経過する日の年末迄に売却する
    • 売却対象の家屋は昭和56年5月31日以前に建築されたものである
    • 売却対象の家屋はマンション等の区分所有建物ではない
    • 相続時から売却時まで、事業や貸付、居住の用に供されていない
    • 家屋を取り壊して売却する
    • 家屋を取り壊さず売却する時は、その不動産が新耐震基準に適合する

    上記特例を満たしていれば、譲渡所得から3,000万円控除する事が出来ます。

    この特例を活用する場合には、取得費加算の特例は活用できないので注意が必要です。

    空き家売却の特例と取得費加算の特例のうちいずれかしか利用出来ないので、税金額が有利となる方の特例を選択しましょう。

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    まとめ

    今回は、相続不動産の売却でかかる税金について解説しました。

    相続不動産の売却では、印紙税や譲渡所得税(住民税)が課税されます。

    印紙税は固定なので簡単に算出できますが、譲渡所得税の計算は面倒です。

    相続不動産の売却では多額の税金がかかるので、出来る限り特例を活用しましょう。

    特例の活用により、相続不動産の売却で生じる税負担を大幅に軽減できます。

    各特例ごとに条件が設定されているので、活用する際には条件を確認した上で、入念な準備を行いましょう。

    要点をまとめると下記になります。

    • 相続不動産の売却で必要な税金

    →印紙税、譲渡所得税・住民税

    • 相続不動産の売却でかかる税金の計算
    1. 登録免許税→契約金額に基づき決まる為、特段計算の必要がない
    2. 譲渡所得税・住民税→(売却価格−取得費−譲渡費用)×所得税率等
    • 相続不動産の売却で活用できる特例(取得費加算の特例)
    1. 取得費加算の特例とは→納税した相続税のうち一定金額を取得費に加算できる特例
    2. 取得費に加算可能な相続税の計算方法→特例適用者の相続税額を基に計算する
    • 相続不動産の売却で活用できる特例(3,000万円控除の特例)
    1. 3,000万円控除の特例とは→相続した居住用不動産を売却した際に、譲渡所得から最大で3,000万円控除できる特例
    2. 特例の利用条件→相続不動産に住まなくなってから、3年経った日の属する年度末までに売却する
    • 相続不動産の売却で活用できる特例(空き家売却の特例)
    1. 空き家売却の特例とは→平成28年以降は、相続した空き家を売却する際にも3,000万円控除の特例を活用可能となった
    2. 特例の利用条件→売却価格や家屋に関する条件がいくつか設定されている

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