2021年4月21日更新節税

相続税の節税

事業承継を実施すると多額の相続税がかかるので、節税対策は必須ともいえるものです。相続税を節税するには、事業承継税制を活用したり財産を減らすなどの対策が有効です。また、生命保険を孫や子供にかけたり、非課税枠を活用することも有効です。

目次
  1. 相続税の節税
  2. 相続税の基礎知識
  3. 相続税を節税するための7つの方法とは?
  4. まとめ
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相続税の節税

相続税の節税

いずれ後継者に事業承継したいと考えている経営者の方は多いかと思います。その際に気を付けておきたいのが相続税です。

事業承継も一種の相続であるため、相続税が発生します。余計なコストをかけないためにも、節税対策が必要になります。今回は、事業承継に伴う相続税の節税対策の方法について紹介します。

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相続と事業承継

相続税の基礎知識

相続税の基礎知識

後継者に事業承継する場面で、相続税は発生します。そもそも、相続税は相続が発生してから10ヶ月以内に申告するように義務付けられています。相続税を節税したいならば、何らかの施策をその間に完了させる必要があります。

相続税は、法定相続される取得分の金額に課税されます。ちなみに、その課税対象となる取得分の金額には、事業承継を行う上で必要な株式や資産等も含まれます。

そして、相続税は、取得分の金額に一定の相続税率と控除額を含めて計算します。金額ごとに発生する税率と控除額の一覧は、2015年1月1日以降の相続に関しては以下の通りとなっています。

法定相続される取得分の金額 税率 控除額
1,000万円以下 10% なし
3,000万円以下  15% 50万円
5,000万円以下  20% 200万円
1億円以下   30% 700万円 
2億円以下 40% 1,700万円
 3億円以下 45% 2,700万円
6億円以下 50% 4,200万円
 6億円より上  55% 7,200万円 

 

例えば、法定相続される取得分の金額が1億円の場合は、以下の計算式になります。

  • 1億円×0.3―700万円=2,300万円

取得分の金額が1億円の場合、発生する相続税は2,300万円になります。

上記の通り、相続する取得分の金額が上がれば上がるほど、発生する相続税の金額は大きくなります。したがって後継者の負担を減らす上でも、相続税の節税対策は必須です。

節税対策には、ある程度長い時間が必要です。よって、相続を実施する前から準備を進めておく必要があります。

事業承継自体、相続税の節税のみならず、後継者の選定や育成、引き継ぎの手続き等様々なプロセスを経て実施します。いざ相続場面になって後継者が困らないように、しっかり準備しておきましょう。

※関連記事
事業承継とは?方法や事業承継税制・補助金、M&Aでの活用について解説

相続税を節税するための7つの方法とは?

相続税を節税するための7つの方法とは?

一般家庭で行われる相続税の節税と違い、会社の経営者だからこそ可能な相続税の節税方法があります。

政府も日本の会社の9割以上を占める中小企業向けに「事業承継税制」を実施する等、相続税の節税をしやすい状況を作っています。ここでは様々な相続税の節税方法をいくつかご紹介します。

⑴事業承継税制を使う

事業承継を実施する際に、「事業承継税制」を活用すると節税が可能です。厳密には、事業承継税制で設定されている「非上場株式に発生する相続税の支払い猶予・免除」制度を使います。この制度は、以下の条件を満たすと活用できます。

  • 中小企業法で設定されている中小企業に該当する会社である
  • 事業承継を実施した相続人が会社の代表になっている
  • 雇用の8割以上を保持しており、相続した非上場会社の株式を継続所有している

この制度を活用すれば、相続税の支払いを猶予または免除できます。課税されている金額の80%に相応する分の相続税が対象となります。支払い猶予は、先述した条件を満たしていれば使用可能です。

免除したい場合は、前述の条件に加えて以下の条件も満たす必要があります。

  • 後継者が死亡している
  • 相続税の申告期限から5年経過した後、次の後継者に猶予対象となる株式を生前に贈与した事によって、贈与税の納税猶予を受けている

相続税の免除の方が条件は厳しく、どちらかというと、猶予に重きを置いた制度です。また相続税猶予となっている場合、あくまでも「猶予」であって「免除」ではない点には注意が必要です。

加えて、相続税の猶予が続く期間は、所定の条件を完全に満たしている必要があります。条件を満たさないと猶予期間は終了し、利子を含めて全額あるいは一部を納付する義務が発生します。

雇用の8割維持など、変動しやすい条件には注意しましょう。また事業承継税制は手続きが煩雑であり、かなり手間取るものです。

通常相続税の手続きは、税務署だけで済みます。しかし、事業承継税制を活用する場合は、相続発生から8ヶ月以内に経済産業局に申請を出す必要があります。さらに、申告と同時に担保の提供も必要です。

5年間は1年ごとに税務署へ継続届出書、経済産業局に継続報告書を提出する義務も発生します。おまけに認定書面審査は2ヶ月もかかる等、時間がかかるのも難点です。事業承認税制を活用する際は、申告期限に注意しながら余裕を持って実施しましょう。

⑵財産を減らす

一般的な相続税の節税方法といえば、「財産を減らす」方法です。

例えば、相続税の評価が有利になるように、現金を不動産等に変えることで財産を減らします。その結果、相続税の対象となる法定相続される取得分の金額それ自体を減らせます。ほかにも、財産を減らすために以下の対策が有効です。

  • 墓石、仏壇等の相続税がかからないものを購入する
  • 生命保険に加入して非課税限度額を利用する

また生前贈与の形で、あらかじめ財産を減額する方法もあります。

ある程度の金額の財産を所持している経営者なら、より効果的に実施できます。「財産を減らす」のは、相続税節税の中でも最もメジャーな方法です。相続税の節税と聞いて、まずこの方法を考える人が多いです。

※関連記事
事業承継税制とは?事業承継税制の要件やメリット・デメリットを解説

⑶基礎控除を増やす

養子縁組等の活用により、基礎控除を増額して相続税を節税する方法です。基礎控除とは、相続人の数だけ発生する相続税控除を指し、以下の算式で計算します。

  • 3,000万円+(財産の相続人の数×600万円)=基礎控除

裏を返せば相続人が多ければ多いほど基礎控除が増え、相続税を節税できます。つまり、養子縁組を活用すれば、相続税を節税できます。

しかし、養子縁組は何人でもできるわけではありません。実子がいる場合は1人まで、いない場合でも2人までしか養子縁組は実施できません。また、孫養子は、逆に相続税を2割も増やしてしまいます。この方法で基礎控除を増やすのは、あくまで最終手段と考えましょう。

⑷債務やお葬式などの支出を増やす

これもやや極端な方法ですが、債務やお葬式の支出を増やせば、相続税を節税可能です。債務やお葬式等の支出は、相続税の課税対象となる財産から差し引かれます。その結果、相続税を節税できます。

しかし、お葬式等の支出はあくまで常識的な範囲に限定されています。非常識な出費は対象にならない可能性が高いです。

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事業承継とはを税理士に相談するメリット

⑸子供や孫に生命保険をかける

子供や孫に生命保険をかけることで、相続税を節税することができます。

一般的には、子供や孫の生命保険料は親や祖父母が支払っているケースが多くみられますが、その場合は生命保険の相続税に対する評価額は解約返戻金扱いとなります。

ここでいう解約返戻金とは、仮に生命保険を解約した場合に返戻される金額のことです。また、生命保険の解約返戻金といえば、契約時は低額なのが一般的です。

これは、後々解約返戻金の額が上がっていく仕組みなのですが、もともと生命保険は低年齢であれば保険料は低額という特徴があります。そのため、子供や孫に生命保険をかけておけば、解約返戻金額が低い状態で相続させることも可能で、結果的に節税に繋がるというわけです。

⑹生命保険金等の非課税枠を上手に活用する

相続税の節税は、生命保険の非課税枠を上手に活用することでも可能です。具体的な金額は、次の公式に当てはめて算出します。

  • 法定相続人の人数 × 500万円

そして、生命保険金の金額から、上記の公式で算出した金額を差し引いて相続税を計算していきます。

例えば、法定相続人が3人いれば、「3人×500万円」で1,500万円です。そして、生命保険金が6,000万円だとした場合、「6,000万円-1,500万円」で4,500万円という金額が相続税として課税されることとなります。

ちなみに、生命保険金が500万円を下回る場合は、相続税は課税されません。つまり、生命保険金の額を非課税枠で調整するなどして、上手に活用すれば相続税の節税につながります。

⑺生命保険金を一時所得として受け取る

生命保険金を一時所得として受け取れば、相続税の節税につながります。

そもそも、生命保険の金額は、受取人と負担者の関係によって課税される税金が異なってきます。それでは、母親が被保険者で子供が受取人というケースでみていきましょう。

母親が生命保険の被保険者となり、子供が受け取る保険料を三者が負担していたケースを想定します。このときの課税される税金の種類は下図のとおりです。

被保険者 保険料の負担者 保険料の受取人 税金
母親 母親 子供 相続税
母親  子供 子供 所得税
母親 父親 子供 贈与税

上図をみれば分かると思いますが、保険料の受取人と負担者が同じ場合は一時所得となり、所得税が課税される仕組みとなっています。このようにして、生命保険金を一時所得として受け取れば、相続税が節税できます。

※関連記事
生命保険を活用した相続税対策

まとめ

まとめ

事業承継する上で、相続税は思わぬコストとなり得ます。そのため、何かしらの節税対策を実施するのは、経営者にとって重要な課題の一つです。

税理士等の専門知識に長けているエキスパートに相談しながら、自分の会社に合った相続税の節税方法を実践しましょう。要点をまとめると下記になります。

・相続税の算出
→法定相続される取得分の金額ごとに一定の税率をかけ、控除額を差し引く

・相続税の節税対策 
→生前から準備するのがベター

・相続税の節税方法
→事業承継税制の活用、財産を減らす、基礎控除を増やす、債務やお葬式等の支出を増やす 

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