2021年6月11日更新業種別M&A

調味料でもM&A?食品製造業界を調査!売買の動きや過去事例なども紹介

調味料・食品製造業界は、将来的に市場が縮小していく可能性があります。そのため、調味料・食品製造業界の大手企業はM&Aによって競争力を高める動きがみられます。本記事では、調味料・食品製造業界の動向やM&A事例などを紹介します。

目次
  1. 調味料・食品製造業界とは
  2. 調味料・食品製造業界の現状と課題
  3. 調味料・食品製造業界のM&A・売買の動き
  4. 調味料・食品製造業界のM&A過去事例 
  5. 調味料・食品製造業界のM&Aをする際におすすめの相談先
  6. まとめ
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調味料・食品製造業界とは

調味料・食品製造業界とは

調味料・食品製造業界は、さまざまな外部環境の影響や業界特有の構造的問題によって、将来的に市場が縮小していく可能性があります。そこで、調味料・食品製造業界の大手企業のなかには、M&Aによって競争力を高める動きがみられます。

本記事では調味料・食品製造業界の動向やM&A事例などを紹介しますが、まずは調味料・食品製造業界の定義について解説します。

食品製造業界の定義

調味料・食品製造業界とは、原材料を加工業者へ販売している会社、または原材料を加工して食品や飲料の製造・販売を行う業界を指します。

調味料・食品製造業に該当するのは、水産素材・加工品や畜産素材・加工品、野菜・果実・農産物素材・加工品、糖類、精穀・製粉、パン・菓子、動植物油脂、調味料などです。

調味料の種類は多様化しており、砂糖や醤油、味噌、食酢といった昔ながらの調味料のほか、ソースやマヨネーズ、ドレッシング、だしの素、スープの素、カレー粉なども調味料に含まれます。

調味料・食品製造業界の現状と課題

調味料・食品製造業界の現状と課題

将来的には市場縮小が予測されている調味料・食品製造業界ですが、現状はどのようになっているのでしょうか。この章では、調味料・食品製造業界の現状と課題を解説します。

調味料・食品製造業界の現状

調味料・食品製造業界の現状には、以下のような特徴がみられます。

【調味料・食品製造業界の現状】

  • 国内需要が緩やかに回復も楽観視できない
  • 国内市場の縮小予測に海外進出が加速

国内需要が緩やかに回復も楽観視できない

調味料・食品製造業界は景気に大きく左右されにくいので、調味料・食品製造市場はほぼ横ばいで推移しています。

しかし、国内の調味料・食品製造市場は人口減少によって、中長期的には厳しくなっていく可能性があります。

調味料・食品製造業界は、魚の不漁による値段高騰、温暖化、穀物価格の高騰など、外部要因の変化にも大きく影響を受けます。

それ以外に、調味料・食品製造業界の構造的問題として、流通効率の悪さが挙げられます。調味料・食品製造業界は複数段階に渡って流通が行われるので、調味料・食品製造業者は利益率の低さに苦しめられています。

国内市場の縮小予測に海外進出が加速

国内の調味料・食品製造市場は、中長期的には縮小していく可能性があることから、調味料・食品製造業界の大手企業は次々と海外進出を図っています。

進出先としては、今後の伸び代が大きい東南アジアや中東への進出がみられます。特に、調味料分野で東南アジアと中東は、大きな成長が期待されています。

また、アメリカやヨーロッパではメディカルフードの成長余地が大きいので、メディカルフード分野での海外進出もみられます。メディカルフードとはメディカルフードとは、医薬品とサプリメントの中間のような食品です。

健康志向が高まり続けているアメリカやヨーロッパでは、メディカルフード市場が大きくなっています。調味料・食品製造業界の大手企業も波に乗り遅れないよう、M&Aなどによる参入がみられます。

調味料・食品製造業界の課題

前述のように、調味料・食品製造業界は流通システムに構造的問題を抱えているため、複雑な流通システムの改善が必要な状態です。

調味料・食品製造業界内でも、複雑な流通システム内を通さないことで、流通コストを抑える動きがみられるようになりました。

まだ調味料・食品製造業界全体のシステムが変わるまでには至っていませんが、今後はITの活用やM&Aによる業界再編によって、流通システムの問題は改善されていく可能性があります。

【関連】食肉卸業界のM&A成功/失敗事例5選!注意点や成功のポイントを解説

調味料・食品製造業界のM&A・売買の動き

調味料・食品製造業界のM&A・売買の動き

調味料・食品製造業界では、味の素ホールディングスのように、M&Aによって積極的に海外市場へ進出する動きがみられるようになりました。

まだM&Aによる海外進出を果たしていない企業でも、中期経営計画でM&Aの活用などにより海外市場への進出を図ろうとする大手企業もみられます。

また、健康志向の高まりから、M&Aによって健康食品分野遠強化するケースもみられます。さらに、M&Aによって調味料・食品製造業界から医薬品業界へ進出するケースもでてきています。

今後国内では、健康食品や医薬品に関連したM&Aが増えていくものと考えられます。

一方、中小企業は経営者の高齢化による事業承継問題から、M&Aを活用した事業承継が増えてきました。

しかし、事業承継問題を抱えているオーナー経営者はまだまだ多く存在していることから、今後M&Aによる事業承継の数は加速的に増えていく可能性があります。

【関連】小売業界の事業譲渡・株式譲渡のポイントとは?動向/事例/相談先も紹介

調味料・食品製造業界のM&A過去事例 

調味料・食品製造業界のM&A過去事例

本章では、調味料・食品製造業界のM&A過去事例から10例を紹介します。

【調味料・食品製造業界のM&A過去事例】

  1. マルハニチロによるサイゴンフード社へのM&A
  2. ホッカンホールディングスによる真喜食品へのM&A
  3. 日清食品ホールディングスによる湖池屋へのM&A
  4. 昭和産業によるサンエイ糖化へのM&A
  5. 丸大食品によるトーラクへのM&A
  6. ブルドックソースによるサンフーズへのM&A
  7. フジッコによるフーズパレットへのM&A
  8. 三井製糖によるSIS’88社へのM&A
  9. 21LADYによるあわ家惣兵衛へのM&A
  10. 味の素によるキャンブルック社へのM&A

1.マルハニチロによるサイゴンフード社へのM&A

マルハニチロによるサイゴンフード社へのM&A

マルハニチロ

出典:https://www.maruha-nichiro.co.jp/

調味料・食品製造業界のM&A過去事例1件目は、マルハニチロによるサイゴンフード社へのM&Aです。

マルハニチロは2021年、ベトナムで水産・食品加工販売業を営む、Sai Gon Food Joint Stock Company(サイゴンフード社)を株式譲渡契約により子会社化することを発表しました。

サイゴンフード社は、現在急成長しているベトナムで、冷凍食品やレトルト食品をブランド展開しています。

マルハニチロは、2017年からサイゴンフード社と取引をしてきましたが、さらにグローバルなブランド力を得る目的でサイゴンフード社へのM&Aを実施しています。

2.ホッカンホールディングスによる真喜食品へのM&A

ホッカンホールディングスによる真喜食品へのM&A

ホッカンホールディングス

出典:http://www.hokkanholdings.co.jp/

調味料・食品製造業界のM&A過去事例2件目は、ホッカンホールディングスによる真喜食品へのM&Aです。

ホッカンホールディングスは2020年、新潟県で食品製造販売業を営む真喜食品を、子会社を通して株式譲渡契約により孫会社化することを発表しました。

真喜食品は鍋やおでん用のスープ製造に強みを持った会社です。ホッカンホールディングスの連結子会社であり、飲料受託充填事業を営む日本キャンパックは、真喜食品の子会社化により新たな食品分野へ事業拡大を図っています。

3.日清食品ホールディングスによる湖池屋へのM&A

日清食品ホールディングスによる湖池屋へのM&A

日清食品ホールディングス

出典:https://www.nissin.com/jp/about/nissinfoods-holdings/

調味料・食品製造業界のM&A過去事例3件目は、日清食品ホールディングスによる湖池屋へのM&Aです。

日清食品ホールディングスは2020年、関連会社である湖池屋の株式を追加取得し、子会社化することを発表しました。

日清食品ホールディングスは2011年に湖池屋と業務・資本提携を結んだ後、2012年には株式を追加取得し関連会社化していました。

日清食品ホールディングスは、湖池屋を子会社化することで、協業している事業をさらに強化していくとしています。

4.昭和産業によるサンエイ糖化へのM&A

昭和産業によるサンエイ糖化へのM&A

昭和産業

出典:https://www.showa-sangyo.co.jp/

調味料・食品製造業界のM&A過去事例4件目は、昭和産業によるサンエイ糖化へのM&Aです。

昭和産業は2020年、糖化品・乳酸菌の製造販売を営むサンエイ糖化を株式譲渡契約により子会社化することを発表しました。

昭和産業グループは2025年までの長期戦略として、基盤事業の安定と成長事業の育成を進めています。

昭和産業グループは、高い技術力と競争力を持つサンエイ糖化を子会社化することで、糖化製品のさらなる安定供給を図っています。

5.丸大食品によるトーラクへのM&A

丸大食品によるトーラクへのM&A

丸大食品

出典:http://www.marudai.jp/

調味料・食品製造業界のM&A過去事例5件目は、丸大食品によるトーラクへのM&Aです。

丸大食品は2020年、乳加工食品の製造販売を行なっているトーラクを、株式譲渡契約により子会社化することを発表しました。

トーラクは「神戸プリン」や「らくらくホイップ」といったブランド力のある商品を持っています。

丸大食品グループは、近年デザート分野に注力しており、トーラクを子会社化することで事業シナジーの獲得を図っています。

6.ブルドックソースによるサンフーズへのM&A

ブルドックソースによるサンフーズへのM&A

ブルドックソース

出典:https://www.bulldog.co.jp/

調味料・食品製造業界のM&A過去事例6件目は、ブルドックソースによるサンフーズへのM&Aです。

ソースやその他調味料の製造販売を営むブルドックソースは2019年、広島県でお好み焼きソースなどの調味料製造業を営むサンフーズの株式を取得し子会社化したことを発表しました。

サンフーズはソース類や食酢を中心とした液体調味料メーカーとして、広島県で高いブランド力を持つ老舗企業です。

ソースなどの液体調味料で高いブランド力を持つブルドックソースは、サンフーズを子会社化することでブランド力と競争力の強化を図っています。

7.フジッコによるフーズパレットへのM&A

フジッコによるフーズパレットへのM&A

フジッコ

出典:https://www.fujicco.co.jp/

調味料・食品製造業界のM&A過去事例7件目は、フジッコによるフーズパレットへのM&Aです。

フジッコは2019年、中華惣菜の製造販売を行っているフーズパレットを株式譲渡契約により子会社化することを発表しました。

フーズパレットは「四陸(フォールー)」や「チャイナチューボー」といった中華惣菜ブランドを展開しています。

フジッコは惣菜製品事業も自社の主力事業のひとつであることから、フーズパレットを子会社化することでシナジー効果を発揮できると判断し買収に至っています。

8.三井製糖によるSIS’88社へのM&A

三井製糖によるSIS’88社へのM&A

三井製糖

出典:https://www.mitsui-sugar.co.jp/

調味料・食品製造業界のM&A過去事例9件目は、三井製糖によるSIS’88社へのM&Aです。

三井製糖は2018年、精製糖の販売事業を営むSIS’88社の株式を、株式譲渡契約により取得しました。

アジアや中東では、生活レベルの上昇に伴って、甘味需要の多様化が進んでいます。三井製糖は、シンガポールとUAEで高いブランド力を持っているSIS’88社を子会社化することで、アジアと中東での事業展開を強化しています。

9.21LADYによるあわ家惣兵衛へのM&A

21LADYによるあわ家惣兵衛へのM&A

21LADY

出典:https://www.21lady.com/

調味料・食品製造業界のM&A過去事例9件目は、21LADYによるあわ家惣兵衛へのM&Aです。

21LADYは2018年、子会社である洋菓子のヒロタを通じて、あわ家惣兵衛の株式を取得しました。

21LADYは主事業の2事業に加えて、新たな事業の発掘を模索していました。一方、あわ家惣兵衛は東京都で和菓子を中心に製造販売している会社です。

21LADYは、同じく菓子食品を取り扱っている子会社の洋菓子のヒロタが和菓子の製造機械も保有していることから、シナジー効果を見込んでM&Aに至っています。

10.味の素によるキャンブルック社へのM&A

味の素によるキャンブルック社へのM&A

味の素

出典:https://www.ajinomoto.co.jp/

調味料・食品製造業界のM&A過去事例10件目は、味の素によるキャンブルック社へのM&Aです。

味の素は2017年、味の素ノースアメリカ社を通じて、アメリカの医療食品会社であるキャンブルック社を子会社化しました。

キャンブルック社は医療食品を開発製造し、アメリカやヨーロッパなどで展開しています。

味の素はこれまで医療食品市場向けに素材としてアミノ酸を販売してきましたが、キャンブルック社を買収することで医療食品市場に本格参入を図っています。

【関連】【2020年最新】食品製造業界のM&A動向と未来予想!【事例あり】

調味料・食品製造業界のM&Aをする際におすすめの相談先

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調味料・食品製造業界の将来的な市場規模縮小により、M&A・事業承継を検討する機会もでてくるかもしれません。M&A・事業承継を成功させるためには、専門家によるサポートが不可欠です。

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電話・メールによる無料相談は随時受け付けておりますので、調味料・食品製造業界のM&Aをご検討の際は、M&A総合研究所までお気軽にご相談ください。

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まとめ

まとめ

調味料・食品製造業界は、外部環境の影響や業界特有の構造的問題によって、将来的に市場が縮小していく可能性があります。

大手企業のなかにはM&Aによって海外進出を図る動きもみられ、中小企業においては後継者問題を解決する手段としてM&Aが活用されるケースも増えてくると考えられます。

【調味料・食品製造業界の定義】

  • 原材料を加工業者へ販売している会社、または原材料を加工して食品や飲料の製造・販売を行う会社がぞくする業界

【調味料・食品製造業界の現状】
  1. 国内需要が緩やかに回復も楽観視できない
  2. 国内市場の縮小予測に海外進出が加速
【調味料・食品製造業界の課題】
  • 流通システムに構造的問題を抱えているため改善が必要な状態

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