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飲食店における事業売却とは?メリット・デメリットなどを解説

飲食店における事業売却とは?メリット・デメリットなどを解説

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この記事の監修専門家
M&A総合研究所 公認会計士
高谷 俊祐

飲食店における事業売却とは?メリット・デメリットなどを解説

M&Aは会社の発展から経営再建、事業承継の解決など様々な目的で使われる経営手法です。今では大企業のみならず、中小企業や零細企業も使うようになっています。しかし、業界・業種によってM&Aを行う動機や傾向は異なっており、それらを把握したうえでM&Aを行う必要があります。

今回は飲食店の事業売却にスポットを当ててお伝えしていきます。飲食店業界の動向にはどのような問題があり、どのようなM&Aが行われているのでしょうか?

飲食店業界の現状

最初に飲食店業界の現状についてお伝えしていきます。

市場規模は減少、一方で店舗数は横ばい

飲食店業界の市場規模はピークに達していた1997年の29兆円から年々減少しており、現在は25兆円程度にまで下がっています。他方で、店舗数は大きく変動せず、横ばいになっています。この状況は一体何を意味しているのでしょうか?

端的にいってしまうなら、この状況は「業界全体の売り上げが減っているのにライバルは増えている」ということを意味しています。そもそも飲食店は他の事業形態と比べて参入障壁が低く、設備投資も少ないため創業しやすい事業でもあります。そのため、競合相手が増えやすく、その分競争が激しくなります。

加えて昨今の日本は少子高齢化のために人口が減っており、飲食店業界が確保できるシェアも減りつつあります。今後は乱立する飲食店のシェアの奪い合いがより激化していくでしょう。

異業種との競争の激化

飲食店は業界内はもちろん、異業種との競争も激化しています。競合相手となる異業種として挙げられるのがコンビニ、スーパー、デパートです。

昨今はイートインを備えているコンビニが増加しており、食事をそこで済ませる人が増えています。さらに安価なプライベートブランドを充実させているコンビニも多いため、飲食店にとっては油断ならない相手だといえるでしょう。

またスーパーやデパートでもプライベートブランドの食品やオリジナルの総菜など魅力的な商品を揃えており、さらに不景気も相まって客に外食よりも内食を選ばせるような状況を作っています。これらの異業種に対して、いかに競争で勝てるかをちゃんと考えておかなければ、飲食店は苦境に立たされやすくなるでしょう。

赤字率と廃業率の高さ

飲食店において最も厄介な難点が「赤字率と廃業率の高さ」です。飲食店は新しく創業しやすいこともあって、実に7割が赤字経営だといわれており、黒字経営を実現している飲食店は一部だけです。さらに飲食店は廃業率も高く、3年以内で廃業してしまう飲食店が非常に多くなっています。

たとえ一時的に流行に乗って繁盛することができたとしても、一度でも経営が傾けば飲食店は回復することが難しくなります。これは全国にチェーンを持つ大手も同様であり、莫大な赤字を出してしまうケースも少なくありません。いかに赤字を脱却し、安定的な黒字経営を実現できるかが飲食店の課題だといえます。

人手不足

飲食店にとって人手不足も重要な課題の一つです。

そもそも飲食店はアルバイトやパートのような非正規雇用を多用することで人件費を抑えていましたが、昨今は最低賃金が引き上げられたのもあって従業員を多数確保することが難しくなった飲食店が増えています。加えて労働条件が悪く、過酷な現場も多いため、飲食店で働くことを嫌がる人も少なくありません。その結果、飲食店は人が少ないためにますます労働条件が悪化し、さらに人を雇う余裕がなくなっていくという悪循環に陥りやすくなります。

最近は注文システムを自動化することで従業員自体を減らし、人件費を抑えようとする飲食店が多いですが、それでも飲食店での客とのやり取りは人であった方がいい場面が多くあるものです。そのため、いかにまとまった数の従業員を確保できるかも飲食店にとって重要だといえるでしょう。

キャッシュレスの導入

昨今は仮想通貨や電子マネーを利用する人が増えており、多くの業界でキャッシュレスの波が押し寄せています。飲食店業界も例外ではなく、キャッシュレスの導入をいかに行っていくかが重要な課題となりつつあります。

キャッシュレスの導入は支払いをする客のメリットの方が大きいイメージがありますが、実は飲食店にとってもかなりメリットがあるものです。キャッシュレスにするだけで現金の際に発生する様々な作業が減るため、従業員への負担を軽減できるだけでなく、より効率的な経営を実現できるようになります。

他方でキャッシュレスを導入するにはそれなりのコストや時間がかかりますし、キャッシュレスを使うことでいくらかの手数料も取られるようになります。そのため、経営が厳しい状態の飲食店ではなかなかできないことでもあります。

独自のサービスの導入

独自のサービスを導入することも飲食店がさらに発展していくうえで重要なファクターだといえます。それは魅力的な商品(料理)の提供はもちろん、料金を定額制にする、インスタ映えなどSNSを意識したメニュー作り、料理以外で提供できるサービスの充実など、独創的なサービスを導入することで一気に売り上げが伸びる可能性はあります。また独自のサービスは他の飲食店との差別化にも効果があるため、業界内でも生き残りやすくなるでしょう。

昨今はUber Eatsのように飲食店と提携することで新たなサービスを提供する業者もあるため、他の業者と提携して独自のサービスを実現するのも一つの手です。

飲食店の事業売却におけるメリット・デメリット

飲食店の事業売却にはどのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか?

飲食店の事業売却のメリット

飲食店の事業売却のメリットは買い手・売り手によって異なります。

買い手のメリット

飲食店の事業売却において、買い手はスケールメリットが享受できることが最大のメリットだといえます。単純に新たな飲食店を買収して経営統合すれば、その分収益の増加を増やすことができますし、仕入れや販路を一本化することでコストを抑えられるようになります。通常新たな店舗を設置するとなると、人員や不動産、新たな設備、顧客の確保など様々な手間やコストがかかりますが、事業売却のようなM&Aを活用すればそれらを省くことができます。

また、新たに進出したい地域がある場合にもM&Aであればスピーディーに実行できるでしょう。加えて人手不足の解消においてもM&Aは有効的です。新たに従業員を確保するとなると、採用や研修の手間がかかるものですが、事業売却であればすぐに即戦力を手に入れることができます。

売り手のメリット

売り手の事業売却のメリットは以下のようなものがあります。

更なる事業の成長の実現
事業売却を行い、買い手に買収されることができれば更なる事業の成長を実現できる可能性が高まります。

飲食店は個人事業からスタートすることが多いですが、店舗を増やしたいと思っても資金の限界もあってなかなか実現しないものです。しかし事業売却を通じて大手の資本の傘下に入ることができれば、潤沢な資金の注入を受け入れられるため、さらなる事業展開が実現できるようになるでしょう。

また、大手の商品やノウハウ、システムなどを導入できるようになれば、競争力も引き上げられるようになります。

経営再建
赤字経営に陥りやすい飲食店ですが、事業売却が経営再建の契機になることもあります。

さきほどお伝えしたように、大手の資本の傘下に入れば経営再建ができる可能性も高まります。買い手となった大手の資金が注入されれば、赤字状態から回復しやすくなりますし、労働条件を改善する機会にもなります。

事業承継
後継者不在に悩んでいる飲食店であれば、事業売却は事業承継にも役立ちます。

昨今は中小企業や零細企業を中心に後継者不在が深刻化しており、事業承継ができないケースが増えています。後継者不在の経営者にとって、事業売却のようなM&Aは非常に有効的なものだといえます。中小規模・零細規模の飲食店だと経営者が引退すると同時に廃業することも多いですが、長年地域の人々に愛されていたような飲食店だと廃業を惜しむ声も多く上がるでしょう。そのため、経営は引退するがお店の存続は図りたいと考えている場合は事業売却による事業承継は選択肢に含めてもいいでしょう。

飲食店の事業売却のデメリット

飲食店の事業売却のデメリットは、事業売却の手法である事業譲渡それ自体にあるといえます。事業譲渡は契約の範囲内で承継する資産や負債などを選択することができる融通が利きやすい手法です。しかし、事業譲渡は実行すると様々な契約や事業の許認可が白紙になったり、不動産を承継する際に名義変更の手間がかかるなど、何かと煩雑なプロセスになりがちです。そのため、飲食店の経営者にとっては事業売却を行うことが負担になる恐れがあります。

飲食店の経営者は勤務時間が長くなりやすい傾向があり、仕入れや閉店作業などで空き時間を作れないことも多いです。そのためしっかり買い手を探したり、交渉を行う時間を取り辛く、事業売却にじっくり取り組めないことがあります。それだと事業売却が成功する確率が下がってしまうため、実行する際にはあらかじめスケジュールをたて、余裕をもって取り組むようにしましょう。

飲食店の事業売却における注意点

飲食店の事業売却における注意点は「リスク」です。
これはどちらかというと売り手が重視すべき注意点ですが、経営上、業務上のリスクがあると買い手は買収を渋るようになります。リスクに該当するものとしては、負債や訴訟などが挙げられますが、他にも従業員の能力やサービスの傾向など、買い手は様々な観点からリスクを精査してきます。

何らかのリスクが発見されるようなことになれば、買い手はそれを理由に買収価格を安くしようとしてきますし、最悪事業売却自体が破談してしまう恐れがあります。もし事業売却を成功させたいのであれば、売り手はリスクを少しでも減らしておいた方がいいでしょう。

飲食店の事業売却の事例

ここでは実際にあった飲食店の事業売却の事例についてお伝えします。

海帆×弥七

2019年に居酒屋や油そば屋などを経営する株式会社海帆は、株式会社弥七が持つ立ち喰い焼肉の「治郎丸」を事業売却を通じて買収しました。これにより、海保は治郎丸という新たなブランドの飲食店を獲得し、成長戦略に役立てていっています。海帆のM&Aは新たなカテゴリーの飲食店の創業をスピーディーに行うと同時に、事業展開をよりスムーズに実現するうえで有効的な戦略だといえます。

飲食店の事業売却はM&A仲介会社の専門家に相談

実際に事業売却を行うのであれば、M&A仲介会社のような専門家に相談することがおすすめです。

業界・業種に限らず、M&Aは半年から1年半以上時間がかかるばかりでなく、成功率も3割~5割程度だといわれています。さらに手法に限らず、M&Aはデューデリジェンスやバリュエーションといった法務・税務・財務などといった専門的な知識が必要なプロセスをこなさなければなりません。交渉や契約締結の場面でも経験が必要になるため、なるべくM&A仲介会社のような専門家の力を借りるようにしましょう。

M&A仲介会社は経験も知識も豊富なアドバイザーがサポートするため、M&Aの成功率が引き上がります。また、最近のM&A仲介会社は中小企業や零細企業が行うスモールM&Aを積極的に引き受けてくれるだけでなく、報酬もリーズナブルになっていることも多いです。そのため、事業売却を行う際サポートを気軽に依頼できるようになっています。

ただ、悪質な業者が多いことには注意しておきましょう。M&A仲介会社の中には自社の利益を優先するために、利益が少ないM&Aを強引に勧めてきたり、他のM&A仲介会社に依頼させないようにしてくる傾向があります。当然悪質な業者のサポートを受けても事業売却が成功することはないでしょう。そのような悪質な業者を避けるには、セカンドオピニオンを活用することがおすすめです。

まとめ

飲食店は赤字になりやすいうえに、廃業率も高く、競争相手も多い事業です。飲食店業界の市場規模が減少している今、今後も業界内ではシェアを巡って競争が激化していくでしょう。そんな飲食店業界で生き残るうえで、事業売却は有効的な手段になり得ます。実際に事業売却を行う際はM&A仲介会社のような専門家の協力を借りつつ、計画的に行うようにしましょう。

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