赤字になったら会社はつぶれる?赤字経営のメリット・デメリット、赤字決算について解説
2020年11月30日更新会社・事業を売る
M&Aでの中間金とは?相場、税務上の取り扱いを紹介
M&A仲介会社を利用するとさまざまな手数料が発生しますが、中でも中間金は発生のタイミングや料金体系が分かりづらく、仲介会社に相談する際のネックとなることがあります。そこで本記事では、M&Aの中間金とは何かについて、相場や税務上の取り扱いなどを解説します。
M&Aでの中間金とは
M&Aは、積極的な買収を繰り返しているごく一部の企業を除いて、多くの経営者にとって初めてのことであり、多くの場合人生で一度のことです。
しかも、M&Aは手続きが複雑で相手との交渉など精神的負担も大きいので、不安や戸惑いを覚える経営者も多いでしょう。
M&Aで戸惑う要因の一つに、料金体系の分かりにくさがあります。M&Aの料金体系は成功報酬や相談料・着手金など多くの種類があり、いくらかかるのか、どの時点で発生するのかなど、初めての方には分かりにくい部分があります。
M&Aの料金の中でも、中間金は特に分かりにくいものの一つだといえます。まず料金が発生する時点が分かりにくいですし、料金体系もM&A仲介会社によってばらばらです。
しかも、M&A仲介会社の中には中間金を無料にしているところも多く、それならなぜわざわざ中間金のあるM&A仲介会社を選ぶことがあるのかという疑問も出てきます。
M&A仲介会社を選ぶ際は、中間金について知識を得ておくことが大切です。
M&Aとは
M&Aとは、会社や個人事業を買収・売却したり、合併・分割などの組織再編を行うことです。英語で合併のことを「Merger」、買収のことを「Acquisition」というので、頭文字をとってM&Aと呼ばれています。
会社を買収するとは、一般にはその会社の株式を買い占めることだといえます。株式には株主総会の議決権があるので、多くの株式を買い占めることで会社の意思決定権を得ることができます。
一般にM&Aで会社を買収する時は、事実上の経営権が得られる過半数の株式を取得します。必ずしも100%買い占めるわけではなく、個々の事情や目的によって取得割合は違ってきます。
M&Aの手法はいろいろあり、まとめると以下に示した図のようになります。まず大枠として資本提携と業務提携があり、さらに資本提携が買収・合併・分割に分かれ、それぞれにいくつかの手法が分類されます。
【M&Aの種類】
- 株式譲渡
- 第三者割当増資
- 株式交換
- 株式移転
- 事業譲渡
- 合併
- 分割
- 業務提携

M&Aの中間金について
M&Aの中間金は、成功報酬や着手金に比べると、やや分かりにくい部分があります。
特に、M&Aの中間金が発生するタイミングや、成功報酬を取るのになぜ中間金が必要なのかといったことは、M&A仲介会社を利用する経営者にとって疑問になりやすい点です。
そこでこの節ではこれらの疑問に加え、M&Aの中間金について注意しておきたい点を解説します。
M&Aの中間金が発生するタイミング
M&Aの中間金が発生するタイミングは、基本合意書の締結時が一般的で、M&A仲介会社によっては、トップ面談の時点や意向表明書の受領時、デューデリジェンスの実施時に設定しているところもあります。
ここで基本合意書とは、買い手と売り手の経営者が面談して、大まかな合意内容が固まった時に締結する書面で、M&Aの手続きの流れとしてはちょうど中間くらいにあたります。
意向表明書は、買い手が売り手に対して本格的な交渉に入る意思を示す書面で、基本合意書より前の段階で提出されます。
トップ面談は買い手と売り手の経営者同士が実際に会って話し合うことで、順序としては意向表明書を提出する前になります。
そしてデューデリジェンスとは、買い手が売り手の財務や税務などを調査することで、基本合意書が締結された後に実施します。
まとめると手続の順番としては、トップ面談・意向表明書・基本合意書・デューデリジェンスとなります。
中間金は金額ばかり気にしてしまいがちですが、どのタイミングで料金が発生するかをチェックすることも大切です。
【M&Aの中間金が発生するタイミング】
- トップ面談の時点
- 意向表明書の受領時
- 基本合意書の締結時
- デューデリジェンスの実施時
仲介会社への中間金は必要か?
M&Aを依頼する側からすれば中間金はないほうがありがたく、支払うメリットというのは特にありません。しかしM&A仲介会社からみると、中間金を請求するのはある程度の必要性があります。
もし中間金が無料で成功報酬だけだと、例えばデューデリジェンスで問題が見つかって、成約寸前でM&Aが破談になった場合、M&A仲介会社は一円も報酬をもらえず、今までの仕事が全て無駄になってしまいます。
初期相談から相手探し、そしてトップ面談からデューデリジェンスまで進むための労力は非常に大きく、これらを全て無料で行うことになるかもしれないのは、M&A仲介会社にとって大きなリスクです。
そこで中間金として一部だけでも報酬を受け取れば、M&A仲介会社としても安心して本腰を入れてサービスを提供することができます。
M&Aの中間金の注意点
M&Aの中間金は、最終的にM&Aが成約しなかったとしても返金されることはありません。中間金は、無駄なコストになってしまう可能性があるのが注意点だといえます。
成功報酬に料率を掛けて中間金の額を決める場合は、大規模なM&Aになるほど中間金が高額になるのも注意したい点です。
例えば、レーマン方式の成功報酬を採用しているM&A仲介会社で、中間金が成功報酬の10%だとします。
この料金システムで譲渡価格1億円のM&Aを行うと、成功報酬が500万円となり、中間金は500万円の10%で50万円です。一方で譲渡価格が10億円なら、成功報酬は4,500万円となり、中間金は450万円となります。
このように、譲渡価格が大きいM&Aだと、中間金が思わぬ高額になることがあるので注意が必要です。
【M&Aの中間金の注意点】
- 成約しなくても返金されない
- 思わぬ高額になる可能性もある
M&Aでの中間金の相場
M&Aでの中間金は仲介会社によって違いますが、ではその相場はどれくらいになっているのでしょうか。
下の表は、主要なM&A仲介会社を10社ピックアップして、料金体系と中間金の額を示したものです。
この表を見ると、中間金が無料の仲介会社が10社中6社となっており、過半数となっていることが分かります。この10社に限らす、最近は全体的な傾向として、中間金を取らないM&A仲介会社が増えてきています。
中間金が有料の会社は3社ありますが、M&Aキャピタルパートナーズが成功報酬の10%、経営承継支援と名南M&Aがそれぞれ100万円、50万円~200万円です。
中間金は成功報酬から一定の料率をかけて算出するシステムと、成功報酬に関わらず定額のシステムがあります。
相場としては、料率の場合は成功報酬の10%前後、定額の場合は100万円前後に設定しているM&A仲介会社が多いです。
基本的に中間金は成功報酬の一部の前払いの形をとり、成約時は成功報酬から中間金を引いた額を支払うことになります。
【主要なM&A仲介会社の中間金】
仲介会社 | 料金体系 | 中間金の額 |
M&A総合研究所 | 成功報酬のみ | 無料 |
日本M&Aセンター | 着手金・成功報酬 | 無料 |
ストライク | 非公表 | 非公表 |
山田コンサルティンググループ | 着手金(業務委託手数料)・成功報酬 | 無料 |
M&Aキャピタルパートナーズ | 中間金・成功報酬 | 成功報酬の10% |
経営承継支援 | 中間金・成功報酬(譲渡企業側) | 100万円 |
インテグループ | 成功報酬のみ | 無料 |
名南M&A | 着手金・中間金(基本合意着手金)・成功報酬 | 50万円〜200万円 |
フォーバル | 着手金・成功報酬 | 無料 |
クラリスキャピタル | 成功報酬のみ | 無料 |
M&Aでの中間金の税務上の取り扱い
M&Aで仲介会社へ支払った手数料が、税務上どのような扱いになるのかを把握しておくことは大切です。手数料の税務は、譲渡企業と譲受企業で分けて考え、さらに最終的に成約したかどうかでも分けて考える必要があります。
まず譲渡企業の場合は、中間金は損金算入することができます。そして譲受企業の場合は、中間金が不随費用とみなせる場合は株式の取得価額に含め、みなせない場合は損金算入となります。
中間金は基本合意時に発生するものなので、M&Aで株式を取得する意思が固まっていると考えられます。よって不随費用となり取得価額に含まれることになります。
そして、中間金を支払ったあとM&Aが成約しなかった場合は、株式は取得していないので損金算入することができます。
【M&Aの中間金の税務上の取り扱い】
M&Aが成立 | M&Aが不成立 | |
譲渡企業(売り手) | 損金算入 | 損金算入 |
譲受企業(買い手) | 取得価額に含める | 損金算入 |
中間金が不要なM&A仲介会社を選ぶ際のポイント
最近は中間金が不要なM&A仲介会社のほうが多数派となってきていますが、中間金が不要ならどこでもよいというわけにはいきません。その中からより良いM&A仲介会社を選ぶことが、満足いくM&Aを行うポイントとなります。
中間金が不要なM&A仲介会社を選ぶ際は、下に示した2点を押さえておくようにしましょう。
【中間金が不要なM&A仲介会社を選ぶ際のポイント】
- 着手金と月額報酬の有無をチェック
- むやみに成約を目指すM&A仲介会社は注意
1.着手金と月額報酬の有無をチェック
中間金が不要なM&A仲介会社を選ぶ動機としては、もし成約できなかった時に、無駄な手数料を払いたくないというのが大きいです。
しかしたとえ中間金が不要でも、着手金や月額報酬が必要な仲介会社なら、依然として無駄な手数料を払うかもしれないリスクがあります。
よって、中間金が不要なM&A仲介会社を選ぶ際は、着手金と月額報酬の有無をチェックしておくことが大切です。
月額報酬を設定しているM&A仲介会社はかなり少ないですが、着手金を採用しているところは多いので、中間金とともにチェックしておくようにしましょう。
なお、相談料も不成約でも支払う手数料の一つですが、一般に相談料は着手金や中間金に比べて金額が非常に低いので(数千円から1万円程度)、コスト面ではあまり負担にならないと考えられます。
2.むやみに成約を目指すM&A仲介会社は注意
最近のM&A仲介会社では、中間金だけでなく相談料や着手金などが全て無料で、成功報酬だけを支払うシステム(完全成功報酬制)が増えてきています。
これは相談を持ちかける側にとっては、不成約時の無駄な手数料を払うリスクがなく安心ですが、逆にM&A仲介会社からすると、成約まで持ち込まなければ一円の利益にもならないというリスクがあります。
そのため、完全成功報酬制のM&A仲介会社の中には、成功報酬を取るために、売り手が納得していないのにむやみに成約を目指すところもあるといわれています。
中間金が不要なM&A仲介会社を選ぶ際は、売り手の立場で親身になってサポートしてくれるところを選ぶことが大切です。
中間金が不要のおすすめのM&A仲介会社
M&A総合研究所は、相談料・着手金・中間金全て無料で、成功報酬だけをいただく完全成功報酬制のM&A仲介会社です。成約に至らなければ料金が一切かからないので、安心して相談することができます。
当社にはさまざまな業種でM&A実績があるアドバイザーが在籍しており、親身になってクロージングまでフルサポートさせていただきます。
むやみに成約を目指すのではなく、本当の譲渡金額や譲渡可能性を正直に話し、会社をより魅力的に見せるためのアドバイスもさせていただいております。
無料相談を随時受け付けていますので、中間金が不要のM&A仲介会社をお探しの経営者様は、電話かメールで気軽にお問い合わせください。
まとめ
本記事では、M&Aの中間金について解説しました。M&Aの中間金は、発生のタイミングや料金体系が分かりにくいことがあるので、M&A仲介会社に相談する際はよく確認しておくことが大切です。
【M&Aの種類】
- 株式譲渡
- 第三者割当増資
- 株式交換
- 株式移転
- 事業譲渡
- 合併
- 分割
- 業務提携
- トップ面談の時点
- 意向表明書の受領時
- 基本合意書の締結時
- デューデリジェンスの実施時
- 成約しなくても返金されない
- 思わぬ高額になる可能性もある
M&Aが成立 | M&Aが不成立 | |
譲渡企業(売り手) | 損金算入 | 損金算入 |
譲受企業(買い手) | 取得価額に含める | 損金算入 |
【中間金が不要なM&A仲介会社を選ぶ際のポイント】
- 着手金と月額報酬の有無をチェック
- むやみに成約を目指すM&A仲介会社は注意
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株式会社日本M&Aセンターにて製造業を中心に、建設業・サービス業・情報通信業・運輸業・不動産業・卸売業等で20件以上のM&Aを成約に導く。M&A総合研究所では、アドバイザーを統括。ディールマネージャーとして全案件に携わる。