2020年4月7日更新会社を売る

M&Aにおける会計処理(仕訳)とは?会計に強いM&A仲介会社やM&A会計に関するおすすめの本をご紹介

M&Aにはさまざまな手法が存在しますが、手法ごとに会計処理が異なるため、しっかりと理解したうえで実行する必要があります。また、M&Aの手法がどのような仕組みであるかについても理解する必要があるでしょう。今回は、M&Aにおける会計処理について解説します。

目次
  1. M&Aにおける会計処理とは
  2. M&Aにおける会計処理の種類
  3. M&Aにおける会計処理のスキーム
  4. M&Aの会計処理に関するおすすめの書籍3選
  5. M&Aの会計処理に強い仲介会社3選
  6. まとめ
【※メルマガ限定】プレミアムM&A案件情報、お役立ち情報をお届けします。

M&Aにおける会計処理とは

M&Aには、合併や買収などの手法があり、近年さまざまな業界で活発化しています。一方で、合併や買収の際は会計処理が必要となり、それぞれの手法によって会計処理が異なるため注意が必要です。

したがって、M&Aの際には、それぞれの取引形態によって、会計処理の全体像から各スキームの処理方法までを体系的に理解することが重要になってきます。

今回は、M&Aにおける会計の種類やスキーム、仕訳についてご紹介していきます。また、M&A関係に関するおすすめの本や、M&A会計に強いM&A仲介会社についても合わせてご紹介します。ぜひ参考にしてみてください。

※関連記事
M&Aとは?M&Aの意味から手続きまでをわかりやすく解説!
M&Aの種類とは?契約書や専門家の種類を解説

M&Aにおける会計処理の種類

M&Aの会計処理については、以下の3つに分けて考える必要があります。

  1. 個別会計
  2. 連結会計
  3. 税務会計
合併や買収などの手法ごとに会計処理は異なりますが、会計には上記の3種類があることを理解しておきましょう。3つのうちどの会計に当てはまるのか、それぞれのケースごとに考える必要があります。

①個別会計

個別会計とは、対象となる企業のみの会計処理をさします。例えば、M&Aにおける買収であれば、買い手企業だけの会計処理、売り手企業だけの会計処理です。

②連結会計

連結会計とは、企業グループを一つの会社として捉えた会計処理のことをいい、親会社と子会社であれば、親会社と子会社からなる企業グループを一つの会社として会計処理を実施します。これは、企業グループ全体の経営状況をより正確に把握するために重要な処理です。

親会社と子会社が存在する場合、子会社の業績も親会社の経営状況に大きく影響します。そのため、親会社の会計だけを見ても、グループ全体の経営状況は正確に把握できません。

例えば、親会社の業績が良かった場合、子会社に対して何らかの商品を売っただけの可能性が出てきます。しかし、いくら親会社の業績が良かったとしても、親会社を正確に評価したことにはなりません。

なぜなら、「売れない商品を子会社に売りつけた」という可能性が残るからです。このような過大評価を防ぐためには、親会社と子会社の業績を合わせて判断し、企業グループ全体としての経営状況を知る必要があります。そこで、企業グループを一つとして捉えた連結会計という仕組みが重要になるのです。

③税務会計

税務会計とは、法人税法などの税法に則って実施される会計のことをいいます。つまり、税務会計は税金計算を目的とした会計処理で、個別会計や連結会計とは大きく異なります。

個別会計や連結会計は企業会計であり、企業の財務状況や損益計算を適正に示すための会計処理です。一方で、税務会計はあくまでも税法に則って税金を算出するための会計です。

M&Aにおける会計処理のスキーム

M&Aの会計スキームは、M&Aの手法によって異なります。ここでは、以下の各M&A手法における会計スキームについて解説します。

  1. 株式取得
  2. 事業譲渡
  3. 株式交換
  4. 株式移転
  5. 合併
  6. 会社分割

①株式取得

M&Aにおける買収では、買い手が売り手の株式を取得する形で実施される「株式取得」のケースがほとんどです。株式取得は、資本を取得する取引であるため、買い手は株式を取得し、売り手は資本構成者(株主構成)が変化します。

そのため、株式取得における売り手は、株主が変わっただけであるため、会計処理は発生しません。一方、買い手側は株式を取得するため、個別会計で処理されます。

買い手側に子会社が増加する形になれば、売り手の財務諸表を合算する形で連結決算を実施するため、子会社株式と子会社の資本金を相殺する仕訳となります。

売り手の純資産を買収金額が上回れば、その差額がのれんとして計上され、将来の一定期間で均等に償却されます。

②事業譲渡

ある会社の事業の全部または一部を譲渡することを「事業譲渡」といいます。事業譲渡では、事業を対象とした取引として個別会計で会計処理が実施されます。

事業譲渡の会計において、売り手側は、譲渡する事業の資産・負債に関して簿価を取り消し、買い手側は、売り手の事業の資産・負債を購入したという処理が必要になります。また、資産・負債の差額と買収価格に差額が発生する場合は、のれんとして計上します。

③株式交換

株式交換とは、ある会社が発行する株式の全部を、ほかの会社(株式会社または合同会社)に取得させることをいいます。

そのため、買収側の企業では、自社の株式を対価として売り手の株式を取得する仕訳計上(会計処理)を実施します。一方、売り手側は株主が変わっただけであるため、会計の変化はありません

④株式移転

株式移転とは、一つまたは二つ以上の株式会社が、発行する株式の全てを新たに設立する株式会社に取得させる方法です。株主構成の変化については会計処理が発生しませんが、買い手側企業の個別会計において、自社の株式を対価に子会社の株式が増加する仕訳が計上されます。

⑤合併

合併は、二つ以上の会社が一つになることをいいます。その中でも、合併により消滅する会社の権利義務の全てを合併後存続する会社に承継させる合併を「吸収合併」といい、二つ以上の会社が合併して新たに設立する会社に全ての権利義務を承継させる合併を「新設合併」といいます。

合併では売り手側が消滅しますが、買い手側は売り手を時価評価して購入した会計処理を実施します。

⑥会社分割

会社分割とは、会社(株式会社または合同会社)が、ある事業に関して有する権利義務の全部または一部を他の会社に承継させることです。

分割には、会社が事業の全部または一部を分割後の他の会社に承継させる「吸収分割」と、一つまたは二つ以上の会社が事業の全部または一部を新たに設立する会社に承継させる「新設分割」があります。

この際、売り手側は自社の一部を売却することになるため、資産・負債を譲渡したという仕訳計上を実施することになります。また、買い手側は、売り手の一部を引き受けるという仕訳計上が必要です。

※関連記事
M&Aのスキームを解説!特徴やメリット・デメリット、事例も紹介します

M&Aの会計処理に関するおすすめの書籍3選

ここでは、M&Aの会計に関する本について、おすすめの3冊をご紹介します。

  1. M&Aの会計図解+ケースでわかる M&A・組織再編の会計と税務(中央経済社)
  2. そこが知りたい!「のれん」の会計実務(中央経済社)
  3. Q&A M&A会計の実務ガイド(中央経済社)

M&Aの会計は取引形態ごとに売り手・買い手の立場で判断する必要があります。そのため、効率的に理解を進めるためには、基本的なパターンから個別のパターンまで、体系的におさえておくことが重要です。また、M&Aの各手法における特徴についても理解しておかなければなりません。

そこで、今回は、M&Aに関する会計の理解を深めるために活用できる3冊の書籍をご紹介します。書籍で勉強することで、基本から応用まで順を追って学習を進められるため、体系的に理解しやすくなるでしょう。

①M&Aの会計図解+ケースでわかる M&A・組織再編の会計と税務(中央経済社)

「M&Aの会計図解+ケースでわかる M&A・組織再編の会計と税務」では、M&Aを各ケースに分け、会計処理について図解で丁寧に解説しています。図解による説明であるため、視覚的にも理解しやすいでしょう。

特にM&Aの会計については、ケースごとに細かく説明されており、最初は理解しにくい部分も、視覚的に学習することで理解しやすい構造になっています。

そのため、文章だけの本で学習を進めることに抵抗のある方や、図からイメージを捉えることが得意な方、さらにはM&Aについてほとんど知らないという方にとって、図解入りのこの本は非常に効果的です。

②そこが知りたい!「のれん」の会計実務(中央経済社)

「そこが知りたい!「のれん」の会計実務」では、「のれん」に焦点を置き、会計処理について図表などを用いて説明しています。

M&Aの会計で重要な論点が多い「のれん」を重点的に学習したい方におすすめの本です。また、図表も含めてわかりやすく解説されているため、「のれん」の会計実務の理解を効率的に深めることが可能です。

③Q&A M&A会計の実務ガイド(中央経済社)

「Q&A M&A会計の実務ガイド」では、Q&Q形式でM&Aの会計実務について理解できる本です。疑問点から理解を深める形で学習でき、会計処理のイメージをスムーズにつかめます。また、実務で何か問題が発生した場合も、該当する疑問点を調べることで、解決策を見つけられます。

※関連記事
M&Aにおけるのれん

M&Aの会計処理に強い仲介会社3選

M&Aの手続きをスムーズに進めるためには、法務や税務、財務といった専門的な知識が要求されます。そのため、M&Aの当事者だけでM&Aを進めることは非常に難しく、M&A仲介会社・M&Aアドバイザリーといった専門会社のサポートを受けながら、M&Aを進めるのが一般的です。

これはM&Aの会計処理についても例外ではありません。M&Aにあたっては、会計面の影響も考慮しながらスキームを検討する必要があります。会計面に強みを持つ専門家のサポートを受けることは、M&Aを効果的に進めるうえで非常に重要な意味を持つのです。

したがって、M&A仲介会社などの専門会社は、M&A実務に精通していることはもちろん、会計・税務の知識を有している会社が多いでしょう。そこで今回は、特にM&Aの会計に強いM&A仲介会社を3社ご紹介していきます。

  1. 株式会社M&A総合研究所
  2. 日本M&Aセンター
  3. ストライク

①株式会社M&A総合研究所

M&A総合研究所には、日本全国から多種多様な業界・業種のM&A案件が集まっており、年間M&A相談実績3,600件、M&A成約率70%と高い実績があります。また、中小企業のM&Aや規模の小さいM&A案件にも対応している会社です。

さらに、M&Aプラットフォームや日本最大級のM&Aメディアからの情報によって、短期間でマッチングを実施できるため、人件費が削減され、他者よりも低価格でM&Aをサポートしています。

通常のM&A取引では、交渉から成立まで平均して半年から1年程度かかります。しかし、M&A総合研究所では、M&Aプラットフォームを利用した独自のAIシステムによって早期のクロージングを目指し、平均して3カ月から6カ月でクロージングを実施できます。

加えて、M&A総合研究所には、M&AアドバイザーをはじめM&A専門の会計士が在籍しています。専門的な知識や経験が豊富なアドバイザーが多数在籍しているため、培ったノウハウを活かしてM&Aをフルサポートいたします。

完全成功報酬制をとっており、成功報酬も業界最安値の水準で設定されているため、負担が少ないことも魅力の一つです。事前相談も無料で承っておりますので、お気軽にお問い合わせください。

>>【※会計士がサポート】M&A仲介サービスはこちら

②株式会社日本M&Aセンター

日本M&Aセンターは、中小企業を中心としたM&A支援28年目、成約実績累計5,000件超、年間成約支援数770件といった実績を誇り、中堅・中小企業に向けたM&A支援サービスに強みがあります。

日本M&Aセンターは、約300の地域金融機関、903の会計事務所、1,700の士業者、商工会議所や証券会社、ベンチャーキャピタルなどと連携するなど、専門性の高いサポート体制を構築しています。

また、1案件ごとに法務担当者(弁護士・司法書士)と会計・税務担当者(公認会計士・税理士)がサポートする体制にも特徴があります。会計・税務担当者による専門的なサポートを受けられるため、会計・税務面における信頼性が高い点がポイントです。

③株式会社ストライク

ストライクは、公認会計士が主体となって設立されたM&A専門会社で、M&Aに精通した公認会計士、金融機関出身者などが多く在籍しています。また、金融機関、会計事務所、M&Aブティックなどのネットワークにも強みがあります。

ストライクは、会計士が主体となるほか、多くの会計事務所と連携していることもあり、会計・税務において信頼性の高いサービスを提供しています。さらに、日本初となるインターネットM&Aサービス「SMART」の運営も行っています。

「SMART」は、インターネット上に譲渡や買収情報が掲載され、相手先の企業を検索できるというサービスです。ストライクは、M&Aに関する情報発信サイト「M&A Online」の運営も行っており、M&A実務などに関する幅広いコンテンツを発信しています。

まとめ

M&Aにはさまざまな手法があり、各手法で会計処理が異なるため、考慮したうえで実施する必要があります。そのため、実施するM&Aの手法がどのような仕組みであるのかを理解しておくことも重要になります。

株式取得、事業譲渡、合併など、各手法の仕組みを理解するためには、書籍などを活用し、会計処理のイメージをつかみながら、体系的に学習を進めることも大切です。また、実際にM&Aを実施する際には、会計面で強みを持つM&A仲介会社などのサポートを得ることをおすすめします。

要点をまとめると下記のとおりです。

・M&Aにおける会計処理とは
→それぞれの手法によって会計処理が異なるため注意が必要

・M&Aにおける会計処理の種類
→個別会計、連結会計、税務会計

・M&Aにおける会計処理のスキーム
→M&Aの手法によって異なる

・M&Aの会計処理に関するおすすめの書籍3選
→「M&Aの会計図解+ケースでわかる M&A・組織再編の会計と税務(中央経済社)」、「そこが知りたい!「のれん」の会計実務(中央経済社)」、「Q&A M&A会計の実務ガイド(中央経済社)」

・M&Aの会計に強い仲介会社3選
→株式会社M&A総合研究所、日本M&Aセンター、ストライク

M&A・事業承継のご相談なら専門の会計士、弁護士がいるM&A総合研究所にご相談ください。

M&A・事業承継のご相談なら専門の会計士のいるM&A総合研究所にご相談ください。
M&A総合研究所が全国で選ばれる4つの特徴をご紹介します。

M&A総合研究所が全国で選ばれる4つの特徴

  1. 業界最安値水準!完全成果報酬!
  2. M&Aに強い会計士、弁護士がフルサポート
  3. 平均3ヶ月という圧倒的なスピード成約
  4. 独自のAIシステムによる高いマッチング精度
>>M&A総合研究所の強みの詳細はこちら

M&A総合研究所は会計士が運営するM&A仲介会社です。
企業会計に強く、かつM&Aの実績も豊富です。全国にパートナーがいるので案件数も豊富。
また、業界最安値水準の完全成果報酬制のため、M&Aが成約するまで完全無料になります。
まずはお気軽に無料相談してください。

>>【※国内最安値水準】M&A仲介サービスはこちら

【※メルマガ限定】プレミアムM&A案件情報、お役立ち情報をお届けします。

関連記事

M&A総合研究所のメールアドレスと電話番号、会社へのアクセス!

M&A総合研究所のメールアドレスと電話番号、会社へのアクセス!

M&A総合研究所は、M&Aに関するご相談を受け付けているM&A仲介会社です。お問い合わせは、メールアドレス・電話番号・会社へ直接アクセスするなど、様々な方法があります。本記事では、M&A総合研究...

M&A
M&A総合研究所がForbes(フォーブス)で語ったM&Aのスピード化について

M&A総合研究所がForbes(フォーブス)で語ったM&Aのスピード化について

M&A総合研究所のM&Aサポートの特徴の1つに「超高速M&A」があります。この特徴はフォーブスでも大きく取り上げられ、M&A業界でも注目を集めています。本記事では、フォーブスで語ったM&A総合研...

M&A
会社売却の際に債務(負債)・赤字はどうなる?注意点や成功ポイントを解説

会社売却の際に債務(負債)・赤字はどうなる?注意点や成功ポイントを解説

債務(負債)・赤字を抱える会社でも、会社を他社へ譲り渡すことは可能です。当記事では、債務(負債)・赤字を抱える会社の会社売却に関して、売却の際の債務(負債)・赤字の引き継ぎや、引き継ぎ不可のケー...

M&A
M&A総合研究所が日経の記事に!代表の経歴、M&A実績を紹介

M&A総合研究所が日経の記事に!代表の経歴、M&A実績を紹介

M&A総合研究所は、M&A仲介会社として様々なメディアに取り上げられています。日経記事にも取り上げられ、事業内容について語っています。本記事では、日経に掲載されたM&A総合研究所の記事内容を始め...

M&A
M&Aで300万〜500万あれば買える事業とは?【案件情報あり】

M&Aで300万〜500万あれば買える事業とは?【案件情報あり】

近年、500万円以下の少額のM&A案件が目立つようになりました。個人・サラリーマンによる独立を目指したスモールM&Aも多く見受けられ、注目を集めつつあります。本記事では、300万~500万円で買...

M&A
M&Aの完全成功報酬とは?メリット・デメリットを徹底解説

M&Aの完全成功報酬とは?メリット・デメリットを徹底解説

M&Aの完全成功報酬は成約まで手数料がかからない料金体系です。その魅力的なメリットから採用する仲介会社が増えていますが、デメリットについても把握しておく必要があります。支払う手数料を試算するため...

M&A
事業譲渡・事業売却の費用や手数料、税金まとめ【仕訳/勘定科目】

事業譲渡・事業売却の費用や手数料、税金まとめ【仕訳/勘定科目】

事業譲渡・事業売却はM&A手法として広く利用されている手法の1つです。事業譲渡・事業売却の際は費用や手数料、税金が発生するので、正しく把握することが大切です。計画的にM&Aするためにも、費用や手...

事業譲渡
事業譲渡・事業売却の相場は?高いバリュエーションを算定する方法を解説

事業譲渡・事業売却の相場は?高いバリュエーションを算定する方法を解説

自社の事業を他の会社へ譲り渡すのが事業譲渡・事業売却です。当記事では、事業譲渡・事業売却の相場をはじめ、相場よりも高い企業価値を算出する方法や、取引価格を上げる方法、事業譲渡・事業売却の長所と短...

事業譲渡
地方の中小企業でもM&Aできる?動向、後継者問題を解説【成功事例あり】

地方の中小企業でもM&Aできる?動向、後継者問題を解説【成功事例あり】

M&Aは大都市圏で最も盛んに行われていますが、地方のM&Aも徐々に普及しつつあります。特に地方の中小企業がM&Aを活用することは、地域創生の観点からも重要です。本記事では、地方の中小企業M&Aに...

中小企業M&A
記事検索
M&Aコラム
人気の記事
最新の記事
イベント情報
【※メルマガ限定】プレミアムM&A案件情報、お役立ち情報をお届けします。
ご相談はこちら
(秘密厳守)