2021年5月17日更新会社・事業を売る

M&Aにおける会計処理(仕訳)とは?会計に強いM&A仲介会社やM&A会計に関するおすすめの本をご紹介

M&Aにはさまざまな手法が存在しますが、手法ごとに会計処理が異なるため、しっかりと理解したうえで実行する必要があります。また、M&Aの手法がどのような仕組みであるかについても理解する必要があるでしょう。今回は、M&Aにおける会計処理について解説します。

目次
  1. M&Aにおける会計処理とは
  2. M&Aにおける会計処理の種類
  3. M&Aにおける会計処理のスキーム
  4. M&Aの会計処理に関するおすすめの書籍3選
  5. M&Aの会計処理に強い仲介会社3選
  6. まとめ
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M&Aにおける会計処理とは

M&Aには、合併や買収などの手法があり、近年さまざまな業界で活発化しています。一方で、合併や買収の際は会計処理が必要となり、それぞれの手法によって会計処理が異なるため注意が必要です。

したがって、M&Aの際には、それぞれの取引形態によって、会計処理の全体像から各スキームの処理方法までを体系的に理解することが重要になってきます。

今回は、M&Aにおける会計の種類やスキーム、仕訳についてご紹介していきます。また、M&A関係に関するおすすめの本や、M&A会計に強いM&A仲介会社についても合わせてご紹介します。ぜひ参考にしてみてください。

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M&Aとは?M&Aの意味から手続きまでをわかりやすく解説!
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M&Aにおける会計処理の種類

M&Aの会計処理については、以下の3つに分けて考える必要があります。

  1. 個別会計
  2. 連結会計
  3. 税務会計
合併や買収などの手法ごとに会計処理は異なりますが、会計には上記の3種類があることを理解しておきましょう。3つのうちどの会計に当てはまるのか、それぞれのケースごとに考える必要があります。

①個別会計

個別会計とは、対象となる企業のみの会計処理をさします。例えば、M&Aにおける買収であれば、買い手企業だけの会計処理、売り手企業だけの会計処理です。

②連結会計

連結会計とは、企業グループを一つの会社として捉えた会計処理のことをいい、親会社と子会社であれば、親会社と子会社からなる企業グループを一つの会社として会計処理を実施します。これは、企業グループ全体の経営状況をより正確に把握するために重要な処理です。

親会社と子会社が存在する場合、子会社の業績も親会社の経営状況に大きく影響します。そのため、親会社の会計だけを見ても、グループ全体の経営状況は正確に把握できません。

例えば、親会社の業績が良かった場合、子会社に対して何らかの商品を売っただけの可能性が出てきます。しかし、いくら親会社の業績が良かったとしても、親会社を正確に評価したことにはなりません。

なぜなら、「売れない商品を子会社に売りつけた」という可能性が残るからです。このような過大評価を防ぐためには、親会社と子会社の業績を合わせて判断し、企業グループ全体としての経営状況を知る必要があります。そこで、企業グループを一つとして捉えた連結会計という仕組みが重要になるのです。

③税務会計

税務会計とは、法人税法などの税法に則って実施される会計のことをいいます。つまり、税務会計は税金計算を目的とした会計処理で、個別会計や連結会計とは大きく異なります。

個別会計や連結会計は企業会計であり、企業の財務状況や損益計算を適正に示すための会計処理です。一方で、税務会計はあくまでも税法に則って税金を算出するための会計です。

M&Aにおける会計処理のスキーム

M&Aの会計スキームは、M&Aの手法によって異なります。ここでは、以下の各M&A手法における会計スキームについて解説します。

  1. 株式取得
  2. 事業譲渡
  3. 株式交換
  4. 株式移転
  5. 合併
  6. 会社分割

①株式取得

M&Aにおける買収では、買い手が売り手の株式を取得する形で実施される「株式取得」のケースがほとんどです。株式取得は、資本を取得する取引であるため、買い手は株式を取得し、売り手は資本構成者(株主構成)が変化します。

そのため、株式取得における売り手は、株主が変わっただけであるため、会計処理は発生しません。一方、買い手側は株式を取得するため、個別会計で処理されます。

買い手側に子会社が増加する形になれば、売り手の財務諸表を合算する形で連結決算を実施するため、子会社株式と子会社の資本金を相殺する仕訳となります。

売り手の純資産を買収金額が上回れば、その差額がのれんとして計上され、将来の一定期間で均等に償却されます。

②事業譲渡

ある会社の事業の全部または一部を譲渡することを「事業譲渡」といいます。事業譲渡では、事業を対象とした取引として個別会計で会計処理が実施されます。

事業譲渡の会計において、売り手側は、譲渡する事業の資産・負債に関して簿価を取り消し、買い手側は、売り手の事業の資産・負債を購入したという処理が必要になります。また、資産・負債の差額と買収価格に差額が発生する場合は、のれんとして計上します。

③株式交換

株式交換とは、ある会社が発行する株式の全部を、ほかの会社(株式会社または合同会社)に取得させることをいいます。

そのため、買収側の企業では、自社の株式を対価として売り手の株式を取得する仕訳計上(会計処理)を実施します。一方、売り手側は株主が変わっただけであるため、会計の変化はありません

④株式移転

株式移転とは、一つまたは二つ以上の株式会社が、発行する株式の全てを新たに設立する株式会社に取得させる方法です。株主構成の変化については会計処理が発生しませんが、買い手側企業の個別会計において、自社の株式を対価に子会社の株式が増加する仕訳が計上されます。

⑤合併

合併は、二つ以上の会社が一つになることをいいます。その中でも、合併により消滅する会社の権利義務の全てを合併後存続する会社に承継させる合併を「吸収合併」といい、二つ以上の会社が合併して新たに設立する会社に全ての権利義務を承継させる合併を「新設合併」といいます。

合併では売り手側が消滅しますが、買い手側は売り手を時価評価して購入した会計処理を実施します。

⑥会社分割

会社分割とは、会社(株式会社または合同会社)が、ある事業に関して有する権利義務の全部または一部を他の会社に承継させることです。

分割には、会社が事業の全部または一部を分割後の他の会社に承継させる「吸収分割」と、一つまたは二つ以上の会社が事業の全部または一部を新たに設立する会社に承継させる「新設分割」があります。

この際、売り手側は自社の一部を売却することになるため、資産・負債を譲渡したという仕訳計上を実施することになります。また、買い手側は、売り手の一部を引き受けるという仕訳計上が必要です。

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M&Aのスキームを解説!特徴やメリット・デメリット、事例も紹介します

M&Aの会計処理に関するおすすめの書籍3選

ここでは、M&Aの会計に関する本について、おすすめの3冊をご紹介します。

  1. M&Aの会計図解+ケースでわかる M&A・組織再編の会計と税務(中央経済社)
  2. そこが知りたい!「のれん」の会計実務(中央経済社)
  3. Q&A M&A会計の実務ガイド(中央経済社)

M&Aの会計は取引形態ごとに売り手・買い手の立場で判断する必要があります。そのため、効率的に理解を進めるためには、基本的なパターンから個別のパターンまで、体系的におさえておくことが重要です。また、M&Aの各手法における特徴についても理解しておかなければなりません。

そこで、今回は、M&Aに関する会計の理解を深めるために活用できる3冊の書籍をご紹介します。書籍で勉強することで、基本から応用まで順を追って学習を進められるため、体系的に理解しやすくなるでしょう。

①M&Aの会計図解+ケースでわかる M&A・組織再編の会計と税務(中央経済社)

「M&Aの会計図解+ケースでわかる M&A・組織再編の会計と税務」では、M&Aを各ケースに分け、会計処理について図解で丁寧に解説しています。図解による説明であるため、視覚的にも理解しやすいでしょう。

特にM&Aの会計については、ケースごとに細かく説明されており、最初は理解しにくい部分も、視覚的に学習することで理解しやすい構造になっています。

そのため、文章だけの本で学習を進めることに抵抗のある方や、図からイメージを捉えることが得意な方、さらにはM&Aについてほとんど知らないという方にとって、図解入りのこの本は非常に効果的です。

②そこが知りたい!「のれん」の会計実務(中央経済社)

「そこが知りたい!「のれん」の会計実務」では、「のれん」に焦点を置き、会計処理について図表などを用いて説明しています。

M&Aの会計で重要な論点が多い「のれん」を重点的に学習したい方におすすめの本です。また、図表も含めてわかりやすく解説されているため、「のれん」の会計実務の理解を効率的に深めることが可能です。

③Q&A M&A会計の実務ガイド(中央経済社)

「Q&A M&A会計の実務ガイド」では、Q&Q形式でM&Aの会計実務について理解できる本です。疑問点から理解を深める形で学習でき、会計処理のイメージをスムーズにつかめます。また、実務で何か問題が発生した場合も、該当する疑問点を調べることで、解決策を見つけられます。

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M&Aにおけるのれん

M&Aの会計処理に強い仲介会社3選

M&Aの手続きをスムーズに進めるためには、法務や税務、財務といった専門的な知識が要求されます。そのため、M&Aの当事者だけでM&Aを進めることは非常に難しく、M&A仲介会社・M&Aアドバイザリーといった専門会社のサポートを受けながら、M&Aを進めるのがベストです。

これはM&Aの会計処理についても例外ではありません。M&Aにあたっては、会計面の影響も考慮しながらスキームを検討する必要があります。会計面に強みを持つ専門家のサポートを受けることは、M&Aを効果的に進めるうえで非常に重要な意味を持つのです。

したがって、M&A仲介会社などの専門会社は、M&A実務に精通していることはもちろん、会計・税務の知識を有している会社が多いでしょう。そこで今回は、特にM&Aの会計に強いM&A仲介会社を3社ご紹介していきます。

  1. M&A総合研究所
  2. 日本M&Aセンター
  3. ストライク

①M&A総合研究所

M&A総合研究所には、主に中小・中堅規模の案件を取り扱うM&A仲介会社です。さまざまな業種でM&A成約実績を有しており、独自AIシステムや独自ネットワークを活用して最適な相手先企業をご提案いたします。

専門的な知識や経験が豊富なアドバイザーが多数在籍しており、培ったノウハウを活かしてM&Aをご相談からクロージングまでフルサポートいたします。

料金体系は成約するまで完全無料の「完全成功報酬制」です。(※譲渡企業様のみ。譲受企業様は中間金がかかります)無料相談をお受けしておりますのでお気軽にお問い合わせください。

M&A・事業承継ならM&A総合研究所

②株式会社日本M&Aセンター

日本M&Aセンターは、中小企業を中心としたM&A支援28年目、成約実績累計5,000件超、年間成約支援数770件といった実績を誇り、中堅・中小企業に向けたM&A支援サービスに強みがあります。

日本M&Aセンターは、約300の地域金融機関、903の会計事務所、1,700の士業者、商工会議所や証券会社、ベンチャーキャピタルなどと連携するなど、専門性の高いサポート体制を構築しています。

また、1案件ごとに法務担当者(弁護士・司法書士)と会計・税務担当者(公認会計士・税理士)がサポートする体制にも特徴があります。会計・税務担当者による専門的なサポートを受けられるため、会計・税務面における信頼性が高い点がポイントです。

③株式会社ストライク

ストライクは、公認会計士が主体となって設立されたM&A専門会社で、M&Aに精通した公認会計士、金融機関出身者などが多く在籍しています。また、金融機関、会計事務所、M&Aブティックなどのネットワークにも強みがあります。

ストライクは、会計士が主体となるほか、多くの会計事務所と連携していることもあり、会計・税務において信頼性の高いサービスを提供しています。さらに、日本初となるインターネットM&Aサービス「SMART」の運営も行っています。

「SMART」は、インターネット上に譲渡や買収情報が掲載され、相手先の企業を検索できるというサービスです。ストライクは、M&Aに関する情報発信サイト「M&A Online」の運営も行っており、M&A実務などに関する幅広いコンテンツを発信しています。

まとめ

M&Aにはさまざまな手法があり、各手法で会計処理が異なるため、考慮したうえで実施する必要があります。そのため、実施するM&Aの手法がどのような仕組みであるのかを理解しておくことも重要になります。

株式取得、事業譲渡、合併など、各手法の仕組みを理解するためには、書籍などを活用し、会計処理のイメージをつかみながら、体系的に学習を進めることも大切です。また、実際にM&Aを実施する際には、会計面で強みを持つM&A仲介会社などのサポートを得ることをおすすめします。

要点をまとめると下記のとおりです。

・M&Aにおける会計処理とは
→それぞれの手法によって会計処理が異なるため注意が必要

・M&Aにおける会計処理の種類
→個別会計、連結会計、税務会計

・M&Aにおける会計処理のスキーム
→M&Aの手法によって異なる

・M&Aの会計処理に関するおすすめの書籍3選
→「M&Aの会計図解+ケースでわかる M&A・組織再編の会計と税務(中央経済社)」、「そこが知りたい!「のれん」の会計実務(中央経済社)」、「Q&A M&A会計の実務ガイド(中央経済社)」

・M&Aの会計に強い仲介会社3選
→株式会社M&A総合研究所、日本M&Aセンター、ストライク

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