2025年5月29日更新都道府県別M&A

京都の事業承継・M&A最新動向|後継者不在・休廃業の現状と相談先、成功事例を解説

京都府では多くの中小企業が事業承継の課題に直面しており、特に後継者不在問題は深刻です。本記事では、京都府における事業承継の最新動向、M&Aを活用した事例、利用可能な公的支援、そして信頼できる相談先について詳しく解説します。事業承継をご検討中の経営者様にとって、必見の情報をお届けします。

目次
  1. 京都府の産業構造と事業承継における特徴
  2. 京都府における事業承継・M&Aの最新動向と課題
  3. 京都府近郊の事業承継・M&A案件一覧
  4. 京都府の事業承継・M&A事例
  5. 京都で事業承継・M&Aを成功させるためのポイント
  6. 事業承継・M&A時におすすめの相談先
  7. 京都府の公的事業承継支援
  8. 京都府の事業承継・M&Aまとめ

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京都府の産業構造と事業承継における特徴

京都市では、サービス業が拡大する中でも、製造業の割合が他の大都市と比べて最も高く、その製品はコスト競争に頼らない競争力を持っているとされています。京都市の製造業は中小企業が多く集積しているにもかかわらず、企業同士が過度な競争を避け、それぞれの技術的強みを活かして共存共栄を図っています。

企業は自社のニッチ市場を守りながら、適度な競争と協力関係のもと、共生可能な経営環境を維持しようと努めています。さらに、京都市の製造業は業種の多様性にも富んでおり、多くの都市で見られる特定の業種への依存が少ない点も特徴です。

参考:京都商工会議所「知恵産業研究会報告書」

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京都府における事業承継・M&Aの最新動向と課題

京都府の事業承継・M&Aの動向を2つのトピックに分けて解説します。

京都府を含む近畿地方の後継者不在率の現状

2023年の調査結果によると、近畿地方の企業における「後継者不在率」は48.2%で、前年より5.4ポイント減少し、これまでの調査で最も低い水準となりました。

府県ごとに若干の差は見られるものの、事業承継税制の改正が浸透しつつあることや、M&A(企業の合併や買収)を活用した非同族承継が進んでいることが、この結果の要因とされています。また、企業の実態把握に対する理解が深まったことも背景にあります。

参考:帝国データバンク「近畿企業の「後継者不在率」調査(2023年)」

後継者問題が深刻化?京都府企業の休廃業・倒産の動向

後継者不在の問題は、企業の休廃業を招いています。2023年の休廃業・解散件数は1,068件となり、前年より20%増加しました。「黒字」での休廃業の割合は過去最低の42.9%にとどまり、「赤字」での休廃業が約6割にまで増加しています。

また、コンプライアンス違反による倒産が目立つようになり、休廃業企業の経営者の平均年齢は72.2歳と、初めて前年より若干の低下を見せました。

全業種で休廃業が増加する中、特に「建設業」「サービス業」「小売業」「卸売業」の増加が顕著であり、さらに「書籍・雑誌小売業」や「鮮魚小売業」では廃業率が15%を超える状況となっています。

参考:帝国データバンク「京都府企業の「休廃業・解散」動向調査(2023年)」

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京都府近郊の事業承継・M&A案件一覧

弊社M&A総合研究所が取り扱っている京都府近郊の事業承継・M&A案件一覧をご紹介します。

【近畿・東海地方】釣具・アウトドア用品小売・EC販売業

店舗内にボートピットを完備しボート、エレキ、エンジンの修理とメンテナンス(周辺競合なし)を手掛けています。進行期(6ヶ月経過)で売上5,000万円・営業利益400万円で推移しています。

エリア 近畿
売上高 1億円〜2.5億円
譲渡希望額 1000万円〜5000万円
譲渡理由 後継者不在(事業承継)

【関連】【近畿・東海地方】釣具・アウトドア用品小売・EC販売業(商社・小売・流通) | M&A総合研究所

【法面緑化資材等企画販売】全国対応可能

官公庁とのつながりがあり、直接提案を行えることが強みです。毎期30%近い粗利率を維持しており、高い収益力を誇っています。

エリア 近畿
売上高 1億円〜2.5億円
譲渡希望額 5000万円〜1億円
譲渡理由 後継者不在(事業承継)

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【関連】京都府のM&A・事業承継の最新動向!後継者問題・成功事例・支援制度を徹底解説

京都府の事業承継・M&A事例

京都府の事業承継・M&A事例をピックアップしてご紹介します。

TOAIによるKARASTAの事業承継・M&A

2024年8月19日、TOAI(京都府京都市)は、MIXI(東京都渋谷区)からカラオケアプリ「KARASTA」を買収し、事業承継することを発表しました。TOAIはカラオケチェーン「ジャンカラ」を中心にエンターテインメント事業を展開しており、MIXIはエンターテインメントや投資事業など多岐にわたる事業を行っています。

「KARASTA」は2024年2月にサービス終了が発表されましたが、ユーザーからの声に応え、TOAIがサービスを引き継ぐことになりました。

今後、TOAIは自社のカラオケアプリ「UTAO」のノウハウを活かし、「KARASTA」と「ジャンカラ」との連携を強化し、オンラインとオフラインの融合による新しいカラオケ体験を提供することを目指します。

建設技術研究所による湯浅コンサルタントの事業承継・M&A

2024年5月21日、建設技術研究所は、湯浅コンサルタント(京都府京都市)の全株式を取得するため、株式譲渡契約を締結しました。これにより、湯浅コンサルタントは建設技術研究所の子会社となります。

建設技術研究所は、土木建設事業に関する企画や調査、設計、事業管理などを行っており、湯浅コンサルタントは京都市を中心に上水道や道路部門などの建設コンサルタント業務を手掛けています。

今回の株式取得と子会社化の目的は、湯浅コンサルタントが持つ技術や市場をグループ内に取り込み、建設技術研究所グループ全体の事業拡大を図ることにあります。

参考:湯浅コンサルタント株式会社の全株式取得に関するお知らせ 会社情報

JSRによるヤマナカヒューテックの事業承継・M&A

2024年5月16日、JSRは、ヤマナカヒューテック(YHC)の全株式を取得し、完全子会社化することに合意し、5月15日に株式譲渡契約を締結しました。JSRは、研究開発と技術革新を軸に、新材料の開発や品質管理、サプライチェーンマネジメントを行っています。

YHCは、半導体材料や光ファイバー材料の高純度化学薬品の製造・販売を手がける企業です。今回のM&Aの目的は、半導体デバイスの微細化や構造革新を実現するために不可欠なCVD(化学気相成長)およびALD(原子層堆積)技術の活用です。

JSRは、フォトレジストを中心とした製品ラインナップに、YHCが持つCVD/ALDプリカーサーを加えることで、半導体材料のグローバルサプライヤーとしての地位を強化し、顧客価値を高めることを目指しています。

参考:ヤマナカヒューテック株式会社 全株式取得に関するお知らせ

京都で事業承継・M&Aを成功させるためのポイント

事業承継やM&Aを成功に導くためには、現状の課題を認識し、計画的に準備を進めることが不可欠です。ここでは、京都で事業承継・M&Aを検討する際に押さえておきたいポイントを解説します。

京都の事業承継における現状の課題

京都府は歴史ある企業や伝統産業が多く、独自の文化が根付いています。そのため、事業承継においては、親族内承継を重視する傾向が依然として強い地域です。しかし、少子高齢化や価値観の多様化により、後継者が見つからないケースが増加しており、これが大きな課題となっています。また、京都ならではの商習慣や地域コミュニティとの関係性を理解し、それを引き継げる相手を見つけることの難しさも指摘されています。

M&Aを活用するメリットとデメリット

M&Aによる事業承継は、後継者不在問題を解決する有効な手段の一つです。
メリットとしては、
 

  • 従業員の雇用維持や取引先との関係継続
  • 譲渡側オーナーの創業者利益の確保
  • 買い手企業の経営資源(資金力、販路、技術など)を活用した事業の成長・発展
  • 地域経済への貢献

などが挙げられます。一方、デメリットとしては、
 
  • 希望する条件(価格、従業員の処遇など)での譲渡が難しい場合がある
  • 企業文化の融合がうまくいかないリスク
  • 情報漏洩のリスク
  • M&Aの専門知識が必要で、手続きが煩雑

などが考えられます。メリット・デメリットを総合的に比較検討することが重要です。

事業承継計画の重要性と策定ステップ

円滑な事業承継を実現するためには、早期からの計画的な準備が不可欠です。事業承継計画を策定することで、現状の課題や将来のビジョンが明確になり、最適な承継方法を選択しやすくなります。
主な策定ステップは以下の通りです。
 

  1. 事業承継の意思確認と現状把握:経営状況、後継者候補の有無、自社の強み・弱みを分析します。
  2. 事業承継の方向性決定:親族内承継、従業員承継、M&Aなど、どの方法が適しているか検討します。
  3. 事業承継計画書の作成:具体的なスケジュール、課題、対策などを明記します。
  4. 計画の実行と見直し:専門家のアドバイスを受けながら計画を実行し、状況に応じて見直します。

専門家選びのポイントと注意点

事業承継やM&Aは専門的な知識や経験が求められるため、信頼できる専門家のサポートが成功の鍵となります。
専門家を選ぶ際のポイントは、
 

  • 事業承継・M&Aに関する実績や専門知識が豊富か
  • 自社の業種や地域(京都)の事情に精通しているか
  • 料金体系が明確で、納得できるものか
  • 親身に相談に乗ってくれるか、相性が良いか

などです。
注意点としては、複数の専門家に相談して比較検討すること、契約内容を十分に確認することなどが挙げられます。焦らず慎重に選ぶことが大切です。

事業承継・M&A時におすすめの相談先

京都府での事業承継・M&A時におすすめの相談先を3つご紹介します。

金融機関

多くの企業にとって身近な相談先である金融機関も、近年M&A支援体制を強化しています。メガバンクや大手地方銀行、一部の信用金庫では、M&A専門部署を設置し、ファイナンシャルアドバイザー(FA)として事業承継をサポートしています。主なメリットは、長年の取引関係から自社の状況を理解しており、資金調達の相談も同時に行える点です。また、地元のネットワークを活かしたマッチングが期待できる場合もあります。

一方で、デメリットとしては、必ずしも全ての金融機関が中小企業のM&Aに精通しているわけではない点、大規模案件を優先する傾向がある点、そして仲介ではなくFAとして一方の利益を最大化する立場を取るため、中立的なアドバイスが期待しにくい場合がある点などが挙げられます。相談する際は、その金融機関のM&A実績や体制をよく確認することが重要です。

公的機関

近年、公的機関でも事業承継やM&Aに関する相談体制が整備されてきています。例えば、事業承継・引継ぎ支援センターは、中小企業が直面する後継者不足などの問題をサポートするための窓口であり、無料で情報提供やアドバイス、さらに企業間のマッチングサービスを提供しています。

このセンターは全国47都道府県に設置されており、地方の中小企業でも簡単に利用できる点が大きな利点です。

また、国が運営しているため、無料で公平なアドバイスを受けられ、必要に応じてM&A仲介会社や各種専門家を紹介してもらうことも可能です。ただし、公的機関であるため対応が迅速でない場合があり、民間の仲介会社と比較すると支援の質やスピードに差が出ることがあるのが欠点と言えます。

M&A仲介会社

M&A仲介会社は、企業の買収や売却に特化してサポートを行い、売り手と買い手の双方と契約を結んで交渉を進めていきます。これらの会社は、初期の相談から相手企業の選定、スケジュールの調整、企業価値の評価、必要書類の作成まで、M&Aに関わるすべての手続きに対応します。

仲介会社のメリットは、多くの選択肢から最適な取引相手を見つけ出す点にあり、双方が満足できる取引が実現しやすくなることです。また、M&Aが初めての企業に対しても、仲介会社は一貫したサポートを提供し、スムーズな交渉やコミュニケーションを助けることで成功率を高める役割を果たします。

ただし、仲介手数料として着手金や中間金が必要になる場合もあるため、費用負担を抑えたい場合は、成功報酬制を採用している会社を選ぶことが望ましいでしょう。

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京都府の公的事業承継支援

京都府内の中小企業などに向けた事業承継支援について、紹介します。国の施策に連動した動きです。

京都府事業承継・引継ぎ支援センター

後継ぎ問題などの事業承継に対応すべく中小企業の経営者の相談窓口として、国は全国47都道府県に「事業承継・引継ぎ支援センター」を設けました。

京都府においては、京都商工会議所、公益財団法人京都産業21が引継支援事業を引き受けており、事業承継に関して経験豊富な専門家が常駐しているため相談に乗ってもらうことが可能です。

京都府事業承継・引継ぎ支援センターは、公的な機関です。経営者の守秘義務を守り、円滑な中小企業の事業引継ぎ相談を行っています。

【公的機関】

  • 京都商工会議所
  • 公益財団法人京都産業21

後継者人材バンク

起業をしようとしている方は「後継者人材バンク」に登録することで、後継者を探している経営者と引き合わせることが可能です。そして、事業承継を実現することで、収益の向上と従業員の雇用継続・処遇改善を支援します。

京都府では、公益財団法人京都産業21 京都中小企業事業継続・創生支援センターが運営をしており、人材マッチングや企業のチャンスを広げる事業の取り組みを行っています。

京都事業継続支援ネットワーク

経営、人材、拠点、資金、技術、販路などの専門分野の支援機関である行政、金融機関、商工会議所、商工会、士業、インキュベーションなどで構成されているネットワークです。

公益財団法人京都産業21 京都中小企業事業継続・創生支援センターが事務局となり、オール京都で中小企業の事業継続を支援しています。

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京都府の事業承継・M&Aまとめ

京都府は、観光業、サービス業、飲食業も多く、伝統産業や製造業も盛んな地域です。 京セラや村田製作所、日本電産などの大手企業もありますが、やはり京都府全体では中小企業の割合が多いでしょう。

そのような中で、伝統的な気質や老舗企業が残る地域でもあり、「家業を継ぐ」と言うことに関しては、親族内承継が多くみられる地域でもあります。 しかし、今後は経営者の高齢化や少子化などの影響を受けて、親族内承継だけでは事業承継が少なくなる可能性もあります。

どのように事業承継をしていくのか、経営者がしっかりと指針を示していく必要があるでしょう。

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