M&Aとは?意味や動向とM&Aを行う目的・メリットなどをわかりやすく解説!
2022年6月7日更新業種別M&A
太陽光発電の売電・売買とは?太陽光発電のM&Aや導入メリットを解説
太陽光発電の売電については、2019年問題が話題になります。2019年11月から買取期間が順次満了しますが、売電の廃止ではありません。太陽光発電事業を扱う会社は多く、今後の動向に伴い事業を譲渡することにして太陽光発電に関するM&Aを行う会社は増えています。
太陽光発電の売電・売買の基本
太陽光発電の売電、2019年問題など、太陽光発電をめぐる情勢について聞いたことがある方は多いでしょう。太陽光発電の売電は、2019年11月以降に買取期間が順次満了します。期間満了後、余剰電力をどう扱うかという問題もあり、2019年問題といいます。
こうした状況を控え、太陽光発電は大きな転換期です。ただ、2019年問題はあくまで期間満了が順次進むという問題で、売電の廃止は意味しません。この点には注意してください。
今回は、太陽光発電の売電をめぐる動向について詳しくご紹介します。太陽光発電の概要をはじめ、売電・売買の仕組みなども整理しておきましょう。
太陽光発電とは?
太陽光発電は、太陽電池を用いて太陽光を電気に変換する発電方式です。電気を生み出すには、火力発電、原子力発電、水力発電などのさまざまな方法がありますが、こうした発電方式の一つに太陽光発電も含まれます。
太陽光発電の大きな特徴は、絶対になくならない太陽エネルギーを活用した発電方式という点です。特に、石油などのエネルギー資源の多くを海外から輸入する日本にとって、太陽光発電はエネルギー資源の確保としても重要です。
また、発電の際に二酸化炭素が排出されないため、環境的な側面でも大きなメリットがあります。さらに、太陽光発電はメンテナンスが比較的簡易であり、非常用電源としても利用可能です。システム上、設置場所を選ばないため、大規模施設だけでなく一般家庭でも設置できます。
一方、太陽光発電は天候に左右されるデメリットもあります。太陽エネルギーは絶対になくなりません。しかし、天候によって太陽光の強さが変わる以上、発電出力が天候に左右されます。
太陽光発電の売電・売買とは?
太陽光発電には、固定価格による買取制度があります。太陽光発電の買取制度は、2009年から開始しました。太陽光発電によって作られた電力のうち、余剰電力を電力会社が買い取る制度です。
一般家庭を例に挙げると、住宅の屋根に載せるような10kW未満の太陽光であれば、自分で消費した後の余剰分が買取の対象になるシステムです。
太陽光発電の買取制度には、買取期間が定まっています。買取制度の適用を受けた住宅用太陽光発電設備は10年間の買取期間なので、2019年11月以降、順次期間満了を迎えます。
今後の余剰電力については、自由契約による売電や自家消費といった選択に迫られますが、2019年問題で売電が廃止されるわけではありません。
太陽光発電の売電価格は年々下落
太陽光発電の買取制度が始まった2009年度の売電価格は、1kWhあたり48円(住宅用)でした。しかし、2019年度では24円(出力制御対応機器設置義務ありの場合は26円)にまで下落しており、年々下落していることがわかります。
10kW未満のダブル発電については、2016年度から2018年度まで価格は同じでしたが、2019年度で再び下落しました。また、10kW未満のダブル発電以外の価格は、全てにおいて下落傾向が続いています。
経済産業省は、2025年度から2027年度までに住宅用太陽光発電の売電価格を、1kWhあたり11円とする考えです。2019年度の売電価格の半額以下となるほか、2009年度と比較すると4分の1程度の価格となります。
太陽光発電の売電価格の下落傾向は今後も続くと予想されます。ただ、こうした下落傾向を踏まえつつ、太陽光発電を導入する方も多いです。収益だけでなく自家消費などのメリットを考えて導入するケースです。太陽光発電は一般家庭でも設置でき、メンテナンスも比較的安易です。
売電価格の下落は続きますが、それを踏まえても太陽光発電の導入にはメリットがあります。
太陽光発電は全国民に係る問題
太陽光発電はエネルギー資源としてもメリットがあります。エネルギー資源の多くを海外から輸入する状況の中、太陽光発電の発展は日本全体に大きな影響を与えます。
また、太陽光発電は一般家庭でも発電できるため、普及しやすい環境です。つまり、一般家庭との距離が近い発電事業です。このような側面を踏まえると、太陽光発電は全国民に関係する問題といえるでしょう。
太陽光発電のM&Aが増加?
太陽光発電の売電に関連し、最近はM&A事例も増えています。太陽光発電の固定価格買取制度は「再生可能エネルギーの固定価格買取制度」に含まれます。これは再生可能エネルギー(太陽光、風力、水力、地熱、バイオマス)における固定価格買取制度の枠組みとなり、固定価格買取制度はFITと呼びます。
FIT法改正について聞いたことがある方も多いでしょう。事業計画の提出や出力抑制の導入など、ルールの厳格化が行われています。これが太陽光発電のM&A事例の急増にもつながり、特に出力抑制の導入は太陽光発電の売電に大きく影響します。
一定量を超えた電力が、出力抑制によって売電を制御されると、収益にかなりの影響をおよぼします。見込んだ収益が得られない状況が続けば、太陽光発電事業の譲渡などM&Aによる対策も検討すべきでしょう。
また、2015年4月に東京証券取引所でインフラファンド市場が開設され、エグジット戦略として事業譲渡を行うケースが増えたことも、太陽光発電のM&Aの増加につながっています。
太陽光発電に関するM&A事例
2019年に、住友商事は豪州の電力事業統括会社である住友商事100%子会社のSummit Southern Cross Power Holdings Pty Ltdを通じ、分散型太陽光発電システム開発・販売事業、蓄電池の施工・販売事業、電力小売事業を展開するInfinite Energy(以下IE)の株式100%を取得しました。
IEは太陽光発電システムの販売・据え付けのほか、太陽光発電システム、卸売電力市場より調達する電力を既存の送電網を利用して需要家向けに販売する電力小売事業を行っています。
住友商事は今回の買収により、豪州での分散型太陽光発電・蓄電池供給事業を活かした電力小売事業のプラットフォーム構築に試みます。また、住友商事グループが持つ豊富なビジネスラインのノウハウやネットワークを活用し、電力と他ビジネスを混合した新しいビジネスの創造を目指します。
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太陽光発電の2019年問題
太陽光発電の買取制度は、2019年11月以降に買取期間が順次満了します。10年間の買取期間のため、2009年11月に売電を開始した方は順次期間が満了し、2009年10月以前に売電を開始した方は2019年11月に期間が満了です。
期間満了の対象者は、2019年だけで50万世帯です。期間満了後は、余剰電力をどのように扱うのかという問題が発生します。それに関連し、売電価格への影響も議論となっています。期間満了に関するさまざまな問題は、太陽光発電の2019年問題といわれます。
2019年問題と表現すると重大な問題というイメージです。しかし、2019年問題とは無関係な設置者の方も多く、対象者はある程度限られています。
2019年問題で買取制度自体がなくなるわけではありません。2019年に期間が満了する方は対応策を考える必要がありますが、満了でなければ引き続き売電が可能です。
2011年に売電を開始した場合は、2021年までは売電できます。また、2019年問題は買取期間が10年間の場合の問題です。10kW以上の場合は調達期間が20年間なので、原則として2019年問題は関係ありません。
期間完了後の対応策
期間完了後の対策方法について見ていきましょう。
相対・自由契約による売電
期間が満了すれば、買取制度に基づく売電はできません。しかし売電できる事業者に対し、相対・自由契約という形で余剰電力を売電することは可能です。売電できる事業者は、経済産業省・資源エネルギー庁のホームページに載っています。
自家消費
電気自動車や蓄電池・エコキュートと組み合わせ、自家消費を行うことも可能です。余った電力を蓄電池に貯めて夜間に使用したり電気自動車の動力にしたりするなど、さまざまな使い道があります。
太陽光発電の導入メリットはなくなったのか?
2019年問題などが話題になる中、太陽光発電をめぐる情勢は大きく変わりつつあります。ただ、期間満了が順次進むだけで、売電が廃止されるわけではありません。つまり、これから太陽光発電を導入し、売電を考えることも可能です。そのため、太陽光発電の導入メリットがなくなるわけではありません。
太陽光発電をめぐっては、メンテナンスが比較的簡易であること、非常用電源としても利用できることなど、導入のメリットは多いです。設置場所を選ばないため一般家庭でも設置できます。
今後の売電価格の予想では、数年前の売電市場より収益が下がる可能性は高いです。しかし売電による収益が減るとしても、自家消費のメリットは大きいといえます。
また、これから導入を考える場合は、むしろ今後の売電価格の下落傾向を知ったうえで導入を検討します。そのため収益だけでなく、自家消費などのメリットを踏まえて導入するケースが増加するでしょう。
お得に太陽光発電を導入する方法
太陽光発電の導入には費用がかかりますが、自治体による補助金制度もあります。条件や申請上限数などを確認し、活用してください。
また、インターネットなどを活用して一括見積もりを行いましょう。金額の比較だけでなく、怪しい会社かどうか見極める際の基準になります。一括見積もりは中立の立場での比較になるため、良い会社を見つけやすいです。
まとめ
太陽光発電の売電については、2019年問題が話題になります。2019年11月から買取期間が順次満了しますが、売電の廃止ではありません。買取制度を維持する以上、売電が廃止することはないでしょう。
売電価格は下落傾向が続き、今後の動向に注目です。ただ、自家消費などのメリットもあるので、太陽光発電の導入を考える方も多いです。また、エネルギー資源としてのメリットなどを踏まえると、全国への普及が進むといえます。
太陽光発電事業を扱う会社も多く、今後の動向に伴い太陽光発電事業を継続するか、それとも譲渡するのかといった点も話題になります。太陽光発電に関するM&Aが増加しているのも、こうした背景によるものです。
特に出力抑制の導入は、売電に大きく関係します。売電による収益によっては、M&A事例が加速することも考えられます。現時点では2019年問題と無関係な設置者も多いですが、期間満了は進むので期間満了後の対応策は今から考えておきましょう。
今後の売電価格の推移も含め、太陽光発電をめぐる動向を確認する必要があります。そのうえで、自家消費などのメリットも踏まえ、太陽光発電を効果的に活用することが好ましいです。
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