M&Aとは?意味や動向とM&Aを行う目的・メリットなどをわかりやすく解説!
2022年6月6日更新業種別M&A
IoT業界におけるM&Aの売却/買収事例とは?買う・売る方法、費用の相場を解説
IoTは近年益々発展しており、それに伴いIoT業界も著しく成長し、さらに多様な技術やサービスが誕生すると考えられます。このような動向に対応するため、M&Aを検討する企業も増加しています。この記事では、M&Aの売却/買収事例などについて解説します。
目次
IoTとは?
まずは、IoTについて説明します。IoTとは、「Internet of Things」の略で、直訳すると「モノのインターネット」となり、様々なモノがインターネットに接続される状態を表します。従来、インターネットと接続されるのは、パソコンや携帯電話が中心でした。
一方で、近年では、これまでインターネットとのつながりがなかったモノが、様々な形でインターネットとつながっています。例えば、テレビ、エアコン、自動車などの機器がインターネットと接続されることで、それぞれでデータの連携を行うことができます。
スマートフォンによるテレビの録画や、自動車とスマートフォンを接続してカーナビのように利用する例などを考えると、IoTの意味がイメージしやすいかと思います。
IoT業界のM&A
近年、様々な業界でM&Aの加速が見られます。IoT業界でも、事業の強化や技術の獲得といった目的のためにM&Aが活発化しています。例えば、M&Aによって双方のノウハウや技術を活かす形でIoT事業の強化を目指すといった事例があります。
IoT業界のM&Aを知るにあたり、まずはIoT企業や業界の動向から整理しておきましょう。
IoT業界の主な動向
IoTは先ほどご紹介したような便利なサービスを実現可能とするので、近年ニーズの高まりが目立ちます。需要の拡大に伴ってIoT業界も著しく成長しており、様々な企業によるIoT事業の開始、新規参入が見られます。
特に、最近はデータ分析、クラウドなどの関連分野も成長しています。例えば、IoTによって様々なモノがインターネットとつながると、蓄積されるデータも増加します。各企業に蓄積されたデータの分類や整理を進めるデータ分析が必要になるわけです。
そこで、機械学習などを活用したデータ分析支援サービスなど、IoT関連分野を手がける企業も見られます。また、データを効率的に蓄積するためのクラウドサービス事業を行う企業も存在します。
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IoT業界のM&A・買収・売却・譲渡動向
IoT業界の著しい成長に伴い、IoT事業を手がけるIoT企業も様々な事業戦略を打ち立てています。その一環として、M&Aを積極的に活用している企業も見られます。具体的な事例を以下に2つ挙げます。
- 同業者とのM&Aによって、自社のIoT事業を強化する
- 自社に足りない技術をM&Aによって獲得する
1つ目は、同業者とのM&Aにより、双方のノウハウや技術、事業エリアなどを活用することで、事業基盤の強化・拡大につなげるといったケースです。
また、IoT業界では、多様なサービスを開始するにあたり、新しい技術を獲得することは必須といえます。そこで、2つ目のように、自社に足りない技術をM&Aによって獲得するケースもあるのです。
このように、目まぐるしく変わる業界動向やニーズ・需要に対応するため、M&Aを検討する企業も増えています。さらに、先ほどもご紹介したように、IoTに関連する分野の成長も目立ちます。そのため、今後は関連分野の企業も含めたM&Aが加速する可能性もあります。
IoT業界のM&A・買収・売却・譲渡の成功ポイント
ここでは、IoT業界のM&A・買収・売却・譲渡に関する具体的な方法と成功ポイントについて解説します。
①IoT企業の売却
買い手が売り手に魅力を感じてこそ、売却は成功します。そのため、売却に際しては自社の魅力を相手にアピールしなくてはなりません。どのような事業に強みがあるのか、特徴的な技術は何か、これまでの実績など、自社の魅力をわかりやすく伝えましょう。
買い手のニーズと自社の魅力・強みがマッチすれば、それだけ高いシナジー効果を期待できます。このような売却を成功させるにも、自社の魅力・強みはしっかりとアピールしましょう。特に、IoT業界では、ニーズの多様化に伴って新しい技術やサービスが次々に誕生します。
様々なIoT企業が求める技術やサービスを展開していれば、それだけ多くの企業が買い手に名乗り出る可能性が高まります。そのため、特に技術やサービス体制についてはわかりやすく示す必要があるでしょう。
②IoT企業の買収
IoT企業を買収することで、自社のIoT事業の強化や、新分野への参入を図ることができます。買収によって様々なシナジー効果を創出するには、自社が強化したい分野はどこか、必要な技術は何か、強化したい事業エリアはどこかなど、目的を整理し買収する企業を決める必要があります。
これらの点がはっきりしていれば、買収の方向性が定まり、M&Aの成功に導くことができます。買収を考えている企業が持つ技術、事業内容、事業エリア、実績などを総合的に判断し、自社がM&Aによって成し遂げたい目的と照らし合わせ、最適な対象企業を見つけることが大切です。
IoT業界のM&A・買収・売却・譲渡で注意したいポイント
次に、IoT業界のM&A・買収・売却・譲渡で注意すべきポイントについてご紹介します。
①目的の明確化
M&Aを進めるにあたり、まずM&Aによって何がしたいのか、目的をはっきりさせなくてはなりません。これは売り手も買い手も同じです。M&Aの目的が明確であれば、目的に沿ったM&A戦略を策定し、適切なM&Aスキームを検討することができます。
反対に、目的がはっきりしていなければ具体的な戦略は立てられず、M&Aの方向性が定まらないことになります。このような状態では、M&Aを実行しても思ったような効果が現れないというリスクが高まります。
費用だけがかかり、M&Aによって損をしてしまったなどの事態にもなりかねません。このようなリスクを防ぐためにも、最初の段階で目的を明確にし、目的に沿った戦略を練る必要があります。
②丁寧なM&A対象の選択
売却・買収を行う以上は、相手企業を丁寧に選ぶ必要があります。買収によって企業を傘下に入れる場合も、売却によって経営を任せる場合も、相手企業はきちんと信頼できる企業でなくてはなりません。
相手の事業内容や方針などを分析し、信頼できる相手かどうかを慎重に判断しましょう。一方で、ふさわしい相手が見つかったら、その企業に対するアプローチは早めに行いましょう。アプローチが早ければ、他の企業に先を越されるなどのリスクを減らすことができます。
③専門家のサポート
M&Aの手続きにおいては、法務、税務、財務といった専門知識が求められるほか、相手との交渉力も必要になります。このような専門性の高い手続きを自社だけで進めることは、一般的には困難です。
そのため、M&A仲介会社・M&Aアドバイザリーなどの専門家のサポートをきちんと受け、M&Aをスムーズに進めることをおすすめします。
M&Aをご検討の際は、ぜひM&A総合研究所にお任せください。M&A総合研究所には、豊富な知識・経験をもつM&Aアドバイザーが多数在籍しており、M&Aをフルサポートいたします。
料金体系は成約するまで完全無料の「完全成功報酬制」です(※譲渡企業様のみ。譲受企業様は中間金がかかります)。無料相談をお受けしておりますのでお気軽にお問い合わせください。
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IoT業界のM&A・買収・売却・譲渡の相場
IoT業界のM&Aは、IoT事業の強化や技術・開発力の獲得などを目的としたケースが多いです。一方で、M&Aの対象となる事業や技術分野は様々です。IoT業界における事業や技術の多様化に伴い、M&A事例もさらに多様化する可能性があります。
こうした状況の中、M&Aの相場や費用を一概に把握することは難しいといえます。ただ、事前にある程度の目安はつけておかないと、M&Aにあたって想定外の費用が発生することにもなりかねないため、自社と似た事業展開している企業のM&Aは、特に注意して分析する必要があります。
具体的には、それぞれの事例のM&Aの目的、M&Aの当事者となる会社の規模、対象事業の規模、業績、従業員の数、M&Aのスキームなどを確認し、自社の状況と似ているものは徹底的に分析し、相場・費用の目安をつかんでおくことが重要になります。
IoT業界のM&A・買収・売却・譲渡の事例5選
最後に、IoT業界のM&A・買収・売却・譲渡の事例を5つ解説します。
①エレコムによるDXアンテナの子会社化
2017年2月、パソコン周辺機器メーカー大手のエレコムは、船井電機から連結子会社であったDXアンテナ(兵庫県神戸市)の全株式を譲り受けることを発表しました。同年3月に株式取得が完了し、エレコムはDXアンテナを子会社化しています。
エレコムは、パソコンやデジタル機器関連製品の開発・製造・販売を手がける大手メーカーで、M&Aによる事業拡大も積極的に進めてきました。DXアンテナの子会社化も例外ではなく、エレコムにとってはIoTや法人向け事業の強化につなげたM&A事例となっています。
DXアンテナは、各種アンテナやテレビ受信関連機器などの製造・販売や調査・設計などを行っています。このDXを子会社化したことで、エレコムはテレビ向けの放送波伝送、機器開発などの強化につなげています。
また、エレコムの通信関連技術や販売ルートなどを合わせ、DXアンテナが強みを持つ法人向けルートを活かし、IoT需要を喚起するとしています。
②双葉電子工業によるカブクの子会社化
2017年8月、蛍光表示管製造などで知られる大手の双葉電子工業は、デジタル工場向けのクラウドサービスなどを展開するカブク(東京都新宿区)の子会社化を発表しました。取得価額は13億5500万円とされています。
双葉電子工業は、電子機器などの設計・開発・製造・販売事業を展開し、特に蛍光表示管などを手がける大手メーカーとして知られています。
2017年5月に発表した中期経営計画では、ハードにソフト要素を付加した価値を創出する方針を示し、IoTやAIなどの開発力の獲得を進めていました。カブクの子会社化も、こうした状況の中で行われています。
カブクは、デジタル工場向けの基幹業務クラウドサービス事業、デジタルものづくりマーケットプレイス事業など、IoT時代の新しいものづくりを実現する事業展開を行っています。
カブクを子会社化したことにより、双葉電子工業はIoTの開発力獲得を実現した形になります。両社は日本のものづくり業界の活性化や競争力の向上なども踏まえ、双方の事業成長のスピード向上につなげるとしています。
③双葉電子工業によるセントラル電子制御の子会社化
こちらも双葉電子工業の事例になります。双葉電子工業は2018年8月、通信制御機器などのシステム開発・製造などを手がけるセントラル電子制御(神奈川県川崎市)の子会社化を発表しました。
双葉電子工業はHMI、ロボティクス、IoT領域における成長を図っており、セントラル電子制御の子会社化もこうした取り組みの一環として行われています。
セントラル電子制御は、OAシステム機器、通信制御機器などのシステム開発・設計・製造・販売を手がけ、通信制御技術を中心とした機器・システムの受託開発を行っています。
双葉電子工業とセントラル電子制御は共通する事業領域も多く、今回の子会社化によって双方の技術・リソースが活かされる形になり、両社の成長・事業領域の拡大につなげています。
④GEによるMeridiumなどの買収
海外企業のM&A事例として、アメリカのGE(General Electric)は、IoT分野でのM&Aを積極的に進めたことでも知られています。2016年9月、子会社であるGE Digitalの産業向けIoTプラットフォーム「Predix」の競合でもあったMeridiumを買収しています。
また、同年11月にはフィールドサービス管理ソリューションを手がけるServiceMax、カナダの産業向けIoTスタートアップのBit Stew Systems、機械学習スタートアップのWise.ioの3社の買収を進めました。これらの買収により、GEは「Predix」の事業の拡充・強化につなげています。
⑤AspenTechによるMtellの買収
AspenTechは2016年10月、Mtellの買収を発表しました。買収額は3,700万ドルとされています。Mtellは、機器の故障の予知などによって設備の稼働率を高めるソリューションを提供し、世界的な大手企業を含めた顧客を有しています。
また、Mtellを買収したAspenTechは、プロセス産業の製造最適化を行うソフトウェアの提供を手がける世界的な企業です。今回の買収で両社のノウハウが活用されることで、製造の最適化や稼働率の最適化といったそれぞれの強みがさらに強化されるものと思われます。
まとめ
モノとインターネットがつながるIoTは、近年のニーズの高まりとともに益々発展しています。それに伴い、IoT業界も著しく成長しており、今後はさらに多様な技術やサービスが誕生すると思われます。
こうした動向に対応するため、M&Aを検討する企業も増加しています。同業者同士のM&AでIoT事業の強化を図るケースや、新しい技術・開発力を獲得するケース、さらには関連分野も含めたM&Aなど、様々な事例が見られます。
IoT業界でM&Aを考える場合には、ニーズの傾向なども踏まえて業界動向を把握し、様々なM&A事例を分析しつつ、自社の目的に沿ったM&Aにつなげることが大切です。
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