M&Aとは?意味や動向とM&Aを行う目的・メリットなどをわかりやすく解説!
2024年10月12日更新業種別M&A
ビルメンテナンス業界の事業承継・M&Aの動向|注意点や事例も解説
昨今、M&A・事業承継が活況を呈しており、この傾向はビルメンテナンス業界でも同様です。今回は、ビルメンテナンス業界の現状やM&A・事業承継の動向を分析し、M&Aのメリット・デメリット、M&Aを成功させるポイント、M&A事例を紹介します。
目次
ビルメンテナンス業界の動向
ビルメンテナンス会社は、同業者同士のM&Aだけでなく、異業種が行うM&Aでも買い手からの人気も高い業種のひとつです。まず本章では、ビルメンテナンス会社・業界の実情を解説します。
ビルメンテナンス会社の定義
ビルメンテナンス会社の主な業務内容は、ビルの清掃および保守・機器の運転などです。つまり、ビルメンテナンス会社とは、ビルの管理に関する業務を全般的に引き受けるサービスを提供する会社をさします。
ひとことにビルといっても、オフィスビルだけでなく、商業施設・病院・学校・寮・大型タワーマンションなど、ビルの種類はさまざまです。ビルメンテナンス会社は、これらのビルのオーナー・所有者・管理会社などから依頼を受けて業務を行います。
ビルメンテナンス会社の業務内容を、詳細に解説します。ビルメンテナンス会社の業務を大別すると、7種類に分けられ、その主な内容は以下のとおりです。
- 清掃管理:ビル内部・外部各所の清掃
- 衛生管理:空調・給排水設備の清掃、害虫駆除、ゴミの処理
- 設備管理:ビル内の各種設備の運転保守
- 点検整備:ビルそのものと各設備の点検
- 警備・防災:警ら、防火防災対策、駐車場管理
ビルメンテナンス業界の特徴
ビルメンテナンス業は、人材労働力への依存度が高い「労働集約型産業」に分類されます。清掃ロボットの活用などによる機械化も少しずつ進んでいますが、まだまだ人材に依存する部分の大きいため、企業にとっては十分な人材の確保が重要です。
また、サービス面で他社との差別化が図りにくいという点もビルメンテナンス業界の特徴です。サービスの差別化が難しいため、どうしても価格競争が激しくなりやすく、近年は低価格化が進んでいます。
ビルメンテナンス業界の市場規模
公益社団法人全国ビルメンテナンス協会「ビルメンテナンス情報年鑑2024」
出典:https://cdn.j-bma.or.jp/wp-content/uploads/2024/04/2024_bmiy54_report.pdf
公益社団法人全国ビルメンテナンス協会「第54回実態調査報告書(ビルメンテナンス情報年鑑2024)」によると、2022年度の業界市場規模は推計4兆6300億円です。前年度の4兆5600億円から700億円の増加であり、わずかながら市場は拡大傾向にあると考えられます。
年度 | ビルメンテナンス業界市場規模推計額(円) |
---|---|
2022 | 4兆6300億円 |
2021 | 4兆5600億円 |
ビルメンテナンス業界の今後の課題
公益社団法人全国ビルメンテナンス協会「ビルメンテナンス情報年鑑2024 」
出典:https://cdn.j-bma.or.jp/wp-content/uploads/2024/04/2024_bmiy54_report.pdf
ビルメンテナンス業界はどのような課題を抱えているのでしょうか。ここでは、ビルメンテナンス業界が抱える3つの課題について解説します。
人材不足
ビルメンテナンス業界は慢性的な人手不足となっており、公益社団法人全国ビルメンテナンス協会「第54回実態調査報告書(ビルメンテナンス情報年鑑2024)」によれば、現場従業員が不足していると回答した事業者の割合は90.4%となりました。
同業界の人材不足はコロナ禍の2020年度に一度落ち着いたものの、翌2021年度以降は再び増加へと転じています。なかでも専門技術者は 確保が難しくなっており、ビルメンテナンス業界では人材不足をどう解消するのかが今後の課題です。
従業員の高齢化
ビルメンテナンス業界では従業員の高齢化も進んでおり、先の調査で「現場従業員の若返りが図りにくい」と回答した事業者は74.7%にも昇りました。
従業員の高齢化は東北・中部北陸で全体より高い傾向がみられ、特に中部北陸では86.7%(全体より12.0ポイント高)となっています。
コストの高騰
ビルメンテナンス業界では深刻な人材不足を補うため、常勤従業員(30~50 歳程度)を中途採用募集時の平均賃金を引き上げており、その結果として人件費上昇による売り上げの圧迫が起きている事業者も多いです。
先の調査では全体の67.5%が「賃金上昇が経営を圧迫している」と回答しており、最低賃金の上昇も重なりコストの高騰に悩む事業者も増えています。業界では低価格化が進んでいるため、事業者にとってコスト削減をどう図るかが課題のひとつといえるでしょう。
参考:公益社団法人全国ビルメンテナンス協会「ビルメンテナンス情報年鑑2024」
ビルメンテナンス会社のM&A・事業承継の動向
ビルメンテナンス業界の現状を受け、ビルメンテナンス会社のM&A・事業承継の動向について、以下の3つのテーマで推測します。
①ビルメンテナンス会社の買収に人気が集まる理由
一見すると、ビルメンテナンス会社には、「大きな利益が見込める事業」のイメージはありませんが、最大の魅力は安定性にあります。
もともとビルメンテナンス会社は、景気の影響を受けにくく利益の浮き沈みが少ないため、安定的な収益を得やすい特徴があります。そのため、ビルメンテナンス会社をM&Aで買収し、安定的な収益源の確保を図ろうとする企業も少なくありません。
②ビルメンテナンス会社で近年見られる事業展開
業界の将来的な動向を見越して、最近ではサービスを一貫して行う体制を整備したり、サービスの高度化を図るための買収や子会社間の合併が行われていたりする状況です。これに伴い、単純なビルメンテナンスだけでなく総合ファシリティマネジメントサービスを展開する会社が増加しています。
総合ファシリティマネジメントサービスとは、顧客の組織活動のために施設や環境を総合的に企画・管理・活用するサービスのことです。単純なビルメンテナンスだけでなく、多角的なサービスを展開し、顧客満足度の向上を目指す動きが目立ってきました。
こうしたサービス多様化の動きが起こったことで、ビルメンテナンス会社同士の価格競争が激化しつつある状況です。したがって、今後のビルメンテナンス業界では、高品質かつリーズナブルなサービスの提供を追求していく必要があると考えられます。
③ビルメンテナンス業界の今後の動向予測
ビルメンテナンス業界は、コロナ禍の影響も踏まえると、競争が激しくなると予測されています。特に、7種類のビルメンテナンス会社業務のうち、清掃管理業務を中心として行っている場合は、他社との差別化が難しく以前から競争過多に陥っています。
この状況にコロナ禍の影響が加わるため、中小規模のビルメンテナンス会社は経営が厳しくなり、その結果として業界再編が加速する可能性が高まっている状況です。また、ビルメンテナンス業界では、以前より深刻な人手不足の問題に悩まされています。
そのため、有資格者などの人手を確保し他社と差別化を図ることは、経営戦略として有効です。したがって、資金に余裕がある一定規模以上のビルメンテナンス会社が、M&Aの買い手として積極的に同業者を買収するケースが増加すると考えられます。
ビルメンテナンス会社をM&A・事業承継するメリット・デメリット
ここでは、譲受企業(買い手)と譲渡企業(売り手)、それぞれの視点からビルメンテナンス会社をM&A・事業承継するメリット・デメリットを紹介します。
譲渡企業のメリット
譲渡企業の主なメリットとしては、以下の5つが挙げられます。
後継者問題の解決
後継者不在で事業承継ができないケースや後継者はいるものの個人保証の引継ぎなどが障壁となっているケースなど、後継者問題を抱える中小企業は少なくありません。
後継者問題を抱えているために事業承継が難しい場合は、M&Aによって解決することが可能です。M&Aによる事業承継は譲受側企業が後継者の立場となるため、後継者不在であっても広い範囲から相手先企業を探すことができます。
従業員の雇用確保
企業がもし廃業という選択を取った場合、従業員を解雇しなければならず、経営者にとっては非常に苦しい決断となるはずです。廃業ではなくM&Aを選択すれば、譲渡側は自社の従業員を譲受側へ引き継ぐことができます。
また、M&Aの多くは譲受側のほうが規模が大きいため、雇用維持だけでなくM&A後に処遇面が向上するケースも多いです。
売却益の獲得
M&Aの対価は手法によって違いますが、その多くは現金です。株式譲渡の場合は売却益が経営者(株主)へ、事業譲渡の場合は企業(法人)が受け取ります。
引退を考えている経営者がリタイア後の生活費にしたり新しいビジネスの立ち上げ資金にしたり、売却益としてまとまった現金を獲得できるのはM&Aの大きなメリットです。
個人保証の解消
中小企業が融資を受ける際は経営者が個人保証を負うケースが多く、親族や従業員への事業承継を考えている場合は個人保証の引継ぎが障壁となり計画がとん挫することも珍しくありません。
M&Aの場合、譲受側企業が個人保証を引き継ぐかたちとなるので、経営者の個人保証が解消されます。ただし、M&Aによって自動的に個人保証が譲受企業へ引き継がれるわけではなく、融資元(金融機関など)での解除手続きが必要です。
経営の安定化
中小企業の場合、経営基盤が安定せず事業領域の拡大や事業の成長に限界を感じるケースもあるでしょう。そのような場合は、M&Aによって大手企業の傘下入りを図るのもよい方法です。
M&A後は経営の安定化が図れるだけでなく、譲受側のリソースを活用することで事業エリアの拡大や新しいサービスの展開などを可能となります。
譲渡企業のデメリット
ビルメンテナンス会社のM&Aでは、譲渡企業にも以下のようなデメリットがあります。
- 事業譲渡によるM&Aの場合、競業避止義務により原則的に20年間、ビルメンテナンス事業を同一地区およびその隣接地区で行えない
- こちらの思惑どおりの条件でM&Aが成立するとは限らない
- 譲渡後も会社に残るとしても、これまでのような経営権は握れない
- 契約条件として引継ぎとPMIへの協力が義務付けられるため、一定期間は会社に残らねばならず、即座にリタイアできない
譲受企業のメリット
譲受企業の主なメリットには、次の4つが挙げられます。
新たなノウハウ獲得
M&Aでは資産や負債だけでなく、ノウハウ・技術力・ブランド力などの無形資産も譲受側は引き継ぐことができます。自社でノウハウを構築するには時間が必要ですが、M&Aを活用すれば譲渡側がもっているノウハウ・技術力を一度に獲得できる点がメリットです。
新しいノウハウ・技術力を獲得できれば、サービス品質や製品性質の向上、業務効率向上などが図れるため、自社の企業価値向上にもつながります。
人材不足の解消
人材不足を抱えている場合、同業種の企業とM&Aを行えば即戦力となる人材を一度に獲得することも可能です。有資格者や技術者はビルメンテナンス事業を行ううえで不可欠ですが、このような人材を新規採用で獲得するとなれば時間が必要であり、思うような人材が集まらない可能性もあります。
譲渡側の雇用契約を引継ぎは解消です。同業他社を買収した場合、技術者や有資格者を一度に確保できます。即戦力となる人材をまとめて獲得できるのは、譲受側にとって大きなメリットといえるでしょう。
既存事業の拡大
既存事業の拡大を目指す場合、自社の力のみで進めていくとなれば時間・コストが必要となり、失敗するリスクもないとはいいきれません。
事業拡大や新エリアへの進出を迅速に図るためには、M&Aによって当該事業を展開している企業を取得する方法が効率的です。
また、顧客・販路・シェアもそのまま引き継ぐことができるので、事業の成長スピードを加速化させることもできます。
新規事業の拡大
事業領域を拡大するために新規事業へ参入する場合、ゼロから事業を立ち上げる方法もありますが、軌道に乗せるまでの時間やコストが必要です。
また、自社で顧客や販路を獲得しなければならず・ノウハウを構築する必要もあるうえ、新規事業が失敗に終わるリスクも少なからず存在します。
新規事業の拡大を図る場合、M&Aによって当該事業を行っている企業を取得すれば、その企業が持つリソースやシェアを引き継ぐことができるので、参入後の事業運営をスムーズに進めることが可能です。
譲受企業のデメリット
ビルメンテナンス会社のM&Aにおける譲受企業の代表的なデメリットは、以下のとおりです
- ブレが少なく安定した売上が見込める(ビルメンテナンス事業の取得は収益源の確保となる)
- 慢性的な人材不足を解消できる
- 単なる人材補充だけでなく有資格者をまとめて獲得できる
- 自社とは違うノウハウ獲得により、サービスの多様化が実現できる
- 海外市場への進出も含め、事業規模を拡大できる
ビルメンテナンス会社でのM&A・事業承継の注意点
ビルメンテナンス会社のM&A・事業承継を成功させるうえで、大切なポイントは、主に以下のとおりです。
①適切なタイミングで実施する
いかなる業界であっても、適切なタイミングでM&Aを実施する必要があります。買い手側からすると、自社にとって適切なM&A案件を逃してしまうと、競合他社に先を越されてしまう可能性が高いです。
また、買い手・売り手ともに、将来的に起こり得る業界再編の波に乗り遅れてしまえば、M&Aそのものが実施できなくなる可能性もあるため、実施のタイミングを逃さないことが大切です。
②最新の相場を確認しておく
M&Aを実施する際は、取引価額も重要な要素です。自社と類似するM&A案件の取引価額をチェックするなど、最新の相場を確認したうえで価額設定を行いましょう。
もともとM&Aでは、価額面で買い手と売り手の利害が対立します。買い手側は少しでも価額を低くしたいと考える一方、売り手側は少しでも高くしたいと考えます。最終的な取引価額は相場をベースにしつつ交渉結果によって決定されるため、買い手・売り手の双方で交渉力も、M&Aの成功に欠かせない要素です。
③M&Aの専門家を活用する
M&Aを成功させたい場合、M&Aの専門家を活用すると良いです。M&Aの専門家としては、M&A仲介会社・経営コンサルティング会社・会計士・税理士・弁護士事務所などが挙げられます。
特にM&Aのスタート地点である「取引相手探し」では、自社単独で行うことは現実的ではありません。M&Aの専門家に依頼すれば、自社に最適なM&Aの取引相手を効率的に見つけられます。
また、M&Aを進めていく過程では、各プロセスで専門的な知識・経験が必要です。この意味でも、M&Aの専門家を活用してM&Aを行うことが大切だといえます。
M&Aの専門家選びのポイント
昨今のM&Aの活発化に伴い、M&A仲介会社が激増しました。中小企業の場合、初めてM&Aを行うケースがほとんどであるため、M&Aの専門家選びに困惑してしまう可能性があります。
M&Aの専門家選びのポイントは、実績に着目することです。自社と同じ業種・規模・地域などのM&A案件を担当したことがあるかどうかを調べて、相談先を絞り込むと良いでしょう。
ビルメンテナンス会社のM&Aをご検討の際は、ぜひM&A総合研究所へご相談ください。M&A総合研究所では、中堅規模のM&A案件を主に取り扱っており、さまざまな業種で成約実績を有しております。
案件ごとにM&Aの支援実績と知識を豊富に持つアドバイザーが専任に就いて、相談時からクロージングまでM&Aをフルサポートいたします。通常M&Aは半年~1年程度はかかるといわれていますが、最短3カ月での成約実績を有する機動力にも強みがあります。
料金体系は成約するまで完全無料の「完全成功報酬制」です(※譲渡企業様のみ、譲受企業様は中間金がかかります)。無料相談をお受けしておりますので、M&Aをご検討の際はどうぞお気軽にお問い合わせください。
ビルメンテナンス会社のM&A・事業承継の流れ
ビルメンテナンス会社をM&A・事業承継で多く使用される手法は、株式譲渡と事業譲渡です。ここでは、それぞれのM&Aの流れを簡単に説明します。
株式譲渡の場合
株式譲渡は、譲渡側の株式を売却することで譲受側へ経営権を移行する方法です。株式譲渡は事業承継目的のM&Aで使用されることも多く、M&A後は譲渡側が譲受側の傘下となります。
株式譲渡の大まかな流れは、当時会社間での交渉が成立したら、株式を移転手続きや株主名簿の書き換えを行い、対価の決済手続きを行えば完了です。
また、譲渡側の資産・負債・権利義務が譲受側へ承継されるので、従業員の雇用や取引先との関係も原則として維持されます。
事業譲渡の場合
事業譲渡は複数事業を手掛けている場合に使用できる方法であり、事業の一部あるいは全部を売却します。譲渡対象とその範囲を細かく決めることができるので、事業の選択と集中目的などで用いられるケースが多いです。
事業譲渡の大まかな流れは、当時会社間でM&A対象とその範囲を決定し、価額などの交渉が成立したら譲渡対象の経営権を譲渡側から譲受側へ移転させ、対価の決済を行います。
株式譲渡との大きな違いは、個別承継であることです。個別承継では権利義務が自動的に引き継がれるわけではなく、M&A後に譲受側が個々の同意を得たうえで契約を巻きなおす必要があります。そのため、手続きが煩雑になりやすく、株式譲渡に比べると時間を要するケースが多いです。
ビルメンテナンス会社のM&A・事業承継の案件例
弊社M&A総合研究所が取り扱っているビルメンテナンス会社のM&A・事業承継の案件例として、東北エリアのビルメンテナンス/エアコン洗浄業をご紹介します。
NetCashを維持しており、営業利益率も約20%(直近期)と高い収益力を誇っています。現状積極的な営業活動はできていないため、今後営業人員や体制を整えることで、さらなる事業成長余地があります。
エリア | 東北 |
売上高 | 1億円〜2.5億円 |
譲渡希望額 | 1億円〜2.5億円 |
譲渡理由 | 後継者不在(事業承継) |
ビルメンテナンス会社のM&A・事業承継の成功事例
この章では、ビルメンテナンス会社が当事者となったM&A・事業承継の事例について、ピックアップし紹介します。
イオンディライトと浙江万才物流のM&A
2024年5月28日、イオンディライトは、中国子会社である永旺永楽服務管理集団有限公司(AD服務集団、蘇州市)が、浙江万才物流有限公司(万才物流、浙江省)の持分を取得することを発表しました。AD服務集団は、持分の買取と増資引受により、万才物流の60%の株式を取得します。
イオンディライトはファシリティマネジメント事業を展開しており、子会社のAD服務集団も同じくファシリティマネジメントを行っています。万才物流は、物流施設内でのオペレーションを手掛けている企業です。
今回の決定は、中国市場におけるイオンディライトの物流関連業務の拡大を目的としています。この買収により、物流施設内のオペレーションを強化し、さらなる業務領域の拡大を目指しています。
ハリマビステムとTECサービスのM&A
2024年4月、総合ビルメンテナンス会社のハリマビステムは、空調設備工事総合企業のTECサービスを子会社化すると発表しました。
子会社となるTECサービスは、医療施設・商業ビル・工場などの設備工事を関東エリア中心に展開しており、多くの顧客から高い信頼を得ています。
ハリマビステムは、中期経営計画の重点施策に設備部門など現場力の強化を掲げており、今回の子会社化もその一環です。ハリマビステムはTECサービスの子会社化により、グループ内の人材交流やノウハウ共有などによりシナジーを発揮し、企業価値のさらなる向上を目指すとしています。
イオンディライトとアスクメンテナンスのM&A
2023年3月、ファシリティマネジメント事業を手掛けるイオンディライトは、熊本県のアスクメンテナンスを子会社化すると発表しました。
子会社となるアスクメンテナンスは、設備管理・建設施工・マンション管理・清掃などを九州エリアで展開する企業です。
本M&Aはイオンディライトの事業基盤拡大が主な目的であり、ノウハウや技術力の相互活用により九州エリアのファシリティマネジメント事業の拡大およびサービスの質向上を図るとしています。
ジャパンエレベーターサービスHDと関東エレベーターシステム
2022(令和4)年、ジャパンエレベーターサービスHDは、関東エレベーターシステムの株式すべてを取得し完全子会社化すると発表しました。
買収側のジャパンエレベーターサービスHDは、エレベーター等の保守・管理の会社で、国内独立系でトップシェアを誇っています。
売却側の関東エレベーターシステムは、エレベーターなどのメンテナンス事業を手掛ける企業で、群馬県館林市を拠点に、合計1,200台以上のエレベーター等保守管理をしています。
ジャパンエレベーターサービスHDは、関東エレベーターシステムを傘下に加えることにより、北関東地区における事業基盤の強化し、シナジーを発揮によってさらなる企業価値向上を目指すとしています。
ジャパンエレベーターサービスHDとUNIECO社
2021(令和3)年11月、ジャパンエレベーターサービスHDは、UNIECO社を子会社化すると発表しました。
売却側のUNIECO社は、エレベーターなどメンテナンス事業を手掛けているベトナムの企業です。本件M&Aの主な目的は、東南アジア圏における事業拡大に伴う、企業価値のさらなる向上にあります。
穴吹ハウジングサービスと建衛工業
2020(令和2)年12月、穴吹ハウジングサービスは、建衛工業の発行済み株式91%を取得して子会社化しました。なお、取得価額は公表されていません。
穴吹ハウジングサービスは、分譲・賃貸マンション管理、不動産賃貸仲介、パーキング事業などを全国で行っている会社です。一方、建衛工業は、北海道札幌でマンション・ビル総合管理、マンション・ビル賃貸業務などを行っています。
穴吹ハウジングサービスとしては、北海道エリアの事業拡大を企図し、本M&Aを実施しました。
TOKAIホールディングスとイノウエテクニカ
2020年11月、TOKAIホールディングスは、イノウエテクニカの全株式を取得し完全子会社化しました。なお、取得価額は公表されていません。
TOKAIホールディングスは、LPガス・宅配水・建築・設備工事・不動産事業などを行っています。一方、イノウエテクニカは、静岡県東部でビルメンテナンス事業を行っている会社です。
TOKAIホールディングスは、静岡県で消防設備点検・機械設備点検・清掃業務などのビルメンテナンス事業を展開しており、同地域におけるビルメンテナンス事業の拡大・シェア増大を狙いとしています。
ファーストブラザーズと富士ファシリティサービス
2020年7月、ファーストブラザーズは、富士ファシリティサービスの全株式を取得し完全子会社化しました。なお、取得価額は21億7,300万円です。
ファーストブラザーズは、商業施設や事務所ビルなどの不動産投資を中心に事業を行っています。一方、富士ファシリティサービスは、設備点検・清掃などのビルメンテナンス事業を全国展開で行っている会社です。
ファーストブラザーズとしては、不動産関連事業を手掛けることで本業の成長につながると判断してM&Aを行っています。
ジャパンエレベーターサービスホールディングスとセイコーエレベーター
2020年4月、ジャパンエレベーターサービスホールディングスは、セイコーエレベーターの株式を追加取得して子会社化しました。以前より12.2%の株を所有していましたが、それを68.09%に引き上げたものです。なお、取得価額は公表されていません。
エレベーター・エスカレーターのメンテナンスを行うジャパンエレベーターサービスホールディングスとしては、首都圏を中心に800台以上のエレベーターの保守管理を行うセイコーエレベーターを傘下にすることで、首都圏での事業基盤強化を図っています。
東洋テックと新栄ビルサービス
2020年4月、東洋テックは、新栄ビルサービスの全株式を取得して完全子会社化しました。なお、取得価額は公表されていません。
東洋テックは、機械警備、ホームセキュリティ、輸送警備、施設警備、ATM管理業務、ビル総合管理業務、保険代理店業務、工事・機器販売、不動産業務などを行っています。新栄ビルサービスは、建物総合管理業、マンション・ビルの清掃業などを行っている会社です。
東洋テックとしては、警備事業・ビル管理事業において、新栄ビルサービスのノウハウやリソースはシナジー効果が得られると判断し、このM&Aを実施しました。
ホクタテとふきのとう
2020年3月、ホクタテは、ふきのとうの全株式を取得して完全子会社化しました。なお、取得価額は公表されていません。
ホクタテは、北陸地区を中心に、ビルメンテナンス事業、通信システム事業、商社事業を行っています。一方、ふきのとうは、富山県でビルメンテナンス事業(主として管理と清掃)を行っている会社です。
ホクタテとしては、このM&Aによって、人手不足の軽減・事業拡大・営業基盤強化が図れるとしています。
ビルメンテナンス業界のM&A・事業承継まとめ
ビルメンテナンス会社は安定的な収益源となり得るため、M&A・事業承継による買収に人気が集まっています。一方、ビルメンテナンス業界では、生き残りをかけてM&A・事業承継を実施し、サービスの充実・価格の差別化・海外市場進出などを図るケースが増えてきました。
以上のことを踏まえると、M&A・事業承継は会社のさらなる成長を実現するうえで非常に有効な手段です。ただし、M&A・事業承継を実施する際には、業界の動向・実施のタイミングなどを十分に検討する必要があります。
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