M&Aとは?意味や動向とM&Aを行う目的・メリットなどをわかりやすく解説!
2021年12月20日更新節税
経営者保険とは?仕組みやメリット、経営者保険のランキングをご紹介
経営者保険は、万が一の際の保障を受けつつも、いざというときの資金を確保するうえで有効的な手段です。しかし、必要以上の加入は資金繰りを悪化する可能性があるため、資金が必要となる時期を見定め、効果的に運用できる範囲で加入するようにしましょう。
経営者保険
経営者保険とは、その名のとおり経営者が加入する保険であり、運用次第では会社の経営に大きなメリットをもたらしてくれます。しかし、経営者保険に限ったことではありませんが、保険はわかりにくいうえに種類も多く、どれを選べばいいかわからないという人も少なくありません。
ただ単に、セールスマンの言うとおりに加入するのも抵抗感があるでしょう。今回は、経営者保険の仕組みや加入するメリット、おすすめの保険などをお伝えします。
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経営者保険とは?その意味について
まずは、経営者保険とはどういったものかについてお伝えしていきます。経営者保険は、経営者のために設計された保険であり、法人保険とも呼ばれます。会社の経営は決して安定しているものとはいえず、浮き沈みが激しいときもあるものです。
今は黒字をキープできていても、将来的に何がきっかけで赤字に転落するかはわかりません。また、中小企業や個人事業主のように、経営者個人への依存度が高い会社であれば、経営者が病気やケガで倒れた際に、会社の経営が停滞してしまう可能性もあるでしょう。
経営者としては、そのようなときに備えて何かしらの蓄えや引き出せる資金は確保しておきたいところです。経営者保険は、そのような経営者のニーズに応えてくれるものであり、万が一の際に会社をサポートしてくれるものです。
詳しくは後述しますが、経営者保険はニーズに合わせたさまざまな種類があります。また、運用法よっては、会社の万が一に備えられるだけでなく、節税や引退後の老後の生活もサポートしてくれるものもあります。
一時期販売停止となった
さきほどもお話しましたが経営者保険というのは、経営者向けに設計された保険であり、あくまでも万が一の際に対する保障がメインです。しかし、経営者保険の販売にあたって、本来の目的であるはずの保障ではなく、節税対策として加入するのが一般的でした。
また、保険会社やセールスマンも「節税対策として有効」とセールスしていたこともあり、ついに国税庁が動き出す事態となりました。これにより、経営者保険における税務上の扱い方を見直すこととなり、2019年2月14日以降、各保険会社は経営者保険の販売を一時停止しました。
現在では販売が再開している
国税庁における経営者保険の税務上の扱い見直しにより、販売停止となっていた経営者保険ですが、現在では各保険会社において販売が再開されています。もちろん、税務上の見直しを考慮した商品設計となっています。
ただ、税務上の扱いは変わったとしても、保険本来の目的である保障はそのままとなっていることから、これからはさらに「必要保障額」を意識して加入を検討しなければなりません。なお、保険会社によっては一部商品を販売停止としているものもあります。
経営者が保険に入るメリット・デメリット
ここでは、経営者が保険に加入するメリットとデメリットについてお伝えします。保険というと「万が一に備える」というメリットが代表的ですが、経営者が保険に加入することにはそれ以外にもさまざまなメリットがあります。
しかし、デメリットもあることは念頭に置いておかなければなりません。
①経営者が保険に入るメリット
経営者が保険に加入するメリットには、以下のようなものがあります。
- リスクに備えた資金調達ができる
- 節税効果が得られる
- 事業承継のための備えもできる
リスクに備えた資金調達ができる
経営者保険の最大のメリットは、やはり「リスクに備えた資金調達ができる」という点でしょう。会社を経営していく中で、経営者に万が一があった際や何かしらの理由で資金が必要になる場面は少なくありません。
経営者保険は、帳簿の外枠でできる積み立て(簿外資産)であり、一定以上の資金を貯めることができればいざというときに資金調達ができます。経営者保険は審査に時間がかかる融資や確実に得られる保証がない補助金・助成金と比べて確実性が高いため、緊急時の資金調達手段として有効的です。
また、解約返戻金(積み立てているお金)を利用して、保険会社の契約者貸付制度が利用できます。契約者貸付制度とは、解約返戻金の一定割合を借入できる制度です。解約返戻金が担保の役割を果たしますので、借入するための審査がなく、数日で資金かされます。
返済は任意で行うことができるため、金融機関から借りるよりも返済によって資金繰りを圧迫する可能性が低いこともメリットです。
節税効果が得られる
経営者保険に加入するもう一つのメリットは節税効果が得られるという点であり、保険会社のセールスマンにこのメリットを強調されたという経営者も少なくないでしょう。経営者保険に加入すると、保険料は損金に算入できるため、利益を圧縮して法人税の節税に効果があります。
そのうえ、決算前に想定外の利益が出て、早急に節税対策をしなければならない場合でも、経営者保険はすぐに効果を発揮してくれます。ただし、税務上の扱いが見直されたことにより、これまでのように全額損金とできる契約が極めて少なくなりました。
具体的には、最高返戻率が50%以下となる契約(主に死亡時に保障されるもの)や、医療保険などでは解約返戻金が30万円以下となる契約の場合に、保険料の全額を損金とすることができます。
事業承継のための備えもできる
親族や従業員などに事業承継をする場合、承継する人に会社の株式などを買い取ってもらうことになります。この場合、会社の価値によっては思いもよらないほど高額な金額となり、資金不足によって事業承継を断念してしまう可能性もあります。
また、M&Aには税金が発生するため、その支払いにも多くの資金が必要となることもあります。こうした資金も経営者保険の貯蓄性をうまく利用すれば、スムーズにM&Aを行える可能性が高くなります。これも、経営者保険に加入するメリットです。
M&Aによる事業承継をご検討の際は、ぜひ一度M&A総合研究所にご相談ください。M&A総合研究所には、豊富な知識と経験をもつアドバイザーが多数在籍しており、クロージングまで丁寧にサポートいたします。
料金体系は成約するまで完全無料の「完全成功報酬制」です。(※譲渡企業様のみ。譲受企業様は中間金がかかります)無料相談をお受けしておりますので、M&Aをご検討の際はどうぞお気軽にお問い合わせください。
②経営者が保険に入るデメリット
次に、経営者保険に加入することのデメリットには、以下のようなものがあります。
- 資金繰りが悪化する可能性がある
- 思ったより効果がないこともある
経営者保険に加入する前には、これらについてきちんと留意しておくようにしましょう。
資金繰りが悪化する可能性がある
経営者保険というのは、個人で加入するよりも高額な保険料となるのが一般的であり、いくら経営者保険に節税効果があるといっても、定期的に保険料を払わなくてはならず、必要以上の加入は逆に資金繰りを悪化させる可能性があります。
資金繰りが悪化しても解約をすればいいという人もいるのですが、契約してからそこまで期間が経過していなければ十分な金額は貯まっていませんし、そもそも元本を大幅に割ってしまうことになるため、完全に無駄な保険料となってしまいます。
経営者保険に加入する際は、長期的な計画を立てて、資金繰りが悪化しないよう設計することが大事です。
思ったより効果がないこともある
経営者保険の中でも、特に貯蓄性が高く、解約返戻金が重要なタイプのものとなると、どのタイミングで解約するかによって、得られる金額が大幅に変わります。そのため、契約当初に予定していた金額を得ることができないこともあります。
中には一定期間が経過しないと十分な金額の解約返戻金が発生しないものもありますし、ある一定の期間が経過すると解約返戻率がピークとなり、その後は徐々に減っていくというものもあります。解約のタイミングは間違えないようにしなければなりません。
また、解約して戻ってきた金額の一部は益金として計上しなければならず、それを相殺できるだけの損金がなければ、益金に対して法人税が発生します。このように、解約後の対策もしっかりしていなければ、思ったより効果がないこともありますので注意が必要です。
経営者保険への加入は、契約時に解約したときの対策(経営者自身や役員などの退職金に充てるなど)もしっかりと考えておかなければなりません。
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経営者保険の仕組み
ここでは、経営者保険の仕組みについてお伝えします。経営者保険は、経営者向けに設計されているとはいえ、基本的な仕組みは一般的な個人で加入する保険と変わりありません。また、保険には大きく分けて生命保険と損害保険がありますが、経営者保険は一般的に前者の生命保険をさします。
生命保険ですので、被保険者となる経営者が死亡すれば死亡保険金が支払われますし、入院をすれば入院給付金が支払われます。もちろん、加入する経営者保険の種類によって保障される内容は異なりますので、どのような保障が必要なのかは明確にする必要があります。
なお、法人保険とも呼ばれる経営者保険ですが、加入できるのは法人に限っているわけではありません。法人ではなく、個人事業主として事業を営んでいる人でも加入することは可能です。ただし、法人と個人事業主とでは決算や税務上の扱いが異なります。
そのため、法人のようなメリットが得られない場合もありますので注意しなければなりません。
保険金の受取人は会社となるのが一般的
個人が生命保険に加入する場合の保険金受取人は、多くが配偶者や子供となります。しかし、経営者保険は会社が契約者となり、経営者が被保険者という形で契約し、保険金受取人は、経営者自身や経営者の親族ではなく、会社となるのが一般的です。
法人が受取人となることで、経営者に万が一のことがあれば、すぐ会社に保険金が支払われ、事業のために使うことが可能です。もしも、受取人を経営者や経営者の親族にした場合、保険金の受け取りが一時所得などとなり、税金が発生する可能性があります。
また、その資金を会社のために使うとなれば、個人から会社に貸付したなどと帳簿の処理が増えることになりますので、経営者保険の受取人は会社となるのが一般的となっています。
M&Aにより解約や変更が必要となる場合もある
事業譲渡のように、一部の事業だけを売却するM&A手法であれば、会社自体はなくなりませんし、経営者が変わらずに、経営者保険の解約や変更が必要とならないこともあります。しかし、株式譲渡などで会社や経営者が変わる場合には、経営者保険の解約や変更が必要になることがあります。
経営者保険の解約や変更時には、税務上の扱いなどで専門的な処理が必要となります。そのようなときは、M&A総合研究所にご相談ください。
M&A総合研究所には知識と経験が豊富なアドバイザーが在籍しており、これまでにさまざまな業界や業種のM&Aに携わってきたノウハウを活かしてM&Aをフルサポートいたします。
料金体系は成約するまで完全無料の「完全成功報酬制」です。(※譲渡企業様のみ。譲受企業様は中間金がかかります)無料相談をお受けしておりますので、M&Aをご検討の際はどうぞお気軽にお問い合わせください。
経営者が気になる経営者保険の選び方とその種類
経営者保険といっても、その種類はさまざまで、目的によって選択する商品が異なります。経営者保険の選び方は、大きく分けて以下の3種類があります。
- 長期的な貯蓄を行いたい:長期平準定期保険、養老保険
- 短期的な貯蓄を行いたい:逓増定期保険
- 病気・ケガに備えつつ貯蓄したい:医療保険・がん保険
ここでは、それぞれの選び方に応じた適切な種類をお伝えしていきます。
長期的な貯蓄を行いたい:長期平準定期保険、養老保険
引退後の生活を見据えて、長期的な貯蓄を行いたいという場合におすすめの種類の経営者保険は、長期平準定期保険や養老保険です。いずれも長期にわたって補償が続く保険であり、貯蓄性が非常に高いという特徴があります。
長期平準定期保険は、経営者や役員といった会社の要となる役職の死亡リスクに備えられ、養老保険では弔慰金の準備など福利厚生の一環として利用することも可能です。また、長期平準定期保険では、解約返戻金がピークになるタイミングで解約すれば老後の生活に備えられるうえに、急に資金が必要になった際に活用することが可能です。
養老保険は満期となれば設定した金額を満期保険金として受け取れますので、引退のタイミングに設定しておけば計画的な貯蓄が可能となります。ただ、どちらも保険料が割高であり、解約するタイミングによっては解約返戻金が少なくなってしまうことに注意が必要です。
長期的な貯蓄が目的の保険とはいえ、どのタイミングで資金が必要になるかをあらかじめ決めておいてから加入したほうがいいでしょう。
終身保険も貯蓄に適している
死亡リスクに備える保険として、終身保険もあります。この終身保険も、貯蓄のために活用することができ、ケースによってはこちらを選択したほうが適している場合もあります。終身保険の特徴として、保険料の払込が終わると、その後の解約返戻金が増え続けることにあります。
そのため、引退時期が決まっていない場合や、もくして経営者や役員になった場合などのときに加入しておくと、貯蓄としての目的を備えつつ、じっくりと解約のタイミングを見極めることができます。また、年齢を重ねていくうちに健康上の理由から生命保険に加入できなくなる場合もあります。
そのような場合も、終身保険に加入していれば解約せずに保障を継続させることもできますので、健康上の理由から無保険となるリスクを防ぐことも可能です。
短期的な貯蓄を行いたい:逓増定期保険
資金が必要となるタイミングを把握しており、そのタイミングが数年後のような短期的なものであれば、逓増定期保険のような保険に加入することがおすすめです。逓増定期保険は、死亡保険金が契約から徐々に増えていき、それに合わせて解約返戻金のピークも変わってくる商品です。
死亡保険金の増えていく割合や最高額、解約返戻金のピークを契約者が比較的自由に設定することができるため、柔軟性が高い商品でもあります。そのため、引退する時期を決めていたり、設備投資をするタイミングが近づいているという人におすすめの保険といえます。
ただ、逓増定期保険も保険料が割高な傾向があり、解約返戻金がピークになるタイミングが他の種類よりも早い一方で、解約のタイミングを逃すと解約返戻金が下がってしまう点に注意しなければなりません。
病気・ケガに備えつつ貯蓄がしたい:医療保険・がん保険
病気・ケガにも備えながら貯蓄がしたいという人には、医療保険やがん保険がおすすめです。医療保険やがん保険というと掛け捨てのものが多いイメージですが、法人向けに設計されている医療保険やがん保険には貯蓄性があり、解約返戻金が設定されているものもあります。
加えて、病気やケガに対する保障も手厚くなっているため、万が一の際も安心です。医療保険やがん保険というと、健康状態によっては告知に引っかかってしまうことがありますが、最近では、健康に不安を抱えている人でも申し込みができる保険も増えています。
また、病院でわざわざ診断を受けなくても申し込めるタイプも多いため、過去の保険と比べると加入しやすくなっています。さらに一生涯保障が続くタイプも多いため、状況に応じて解約せずに契約し続けることもできます。
ただ、解約返戻金があることで、掛け捨ての医療保険やがん保険よりも割高となっていますので、こちらについても資金繰りが悪化しないよう注意する必要があります。
最近では法人でも掛け捨てで契約することが多い
医療保険やがん保険であっても、経営者保険となれば解約返戻金ありのタイプが、これまでの主流でした。しかし、最近では法人でも掛け捨ての医療保険やがん保険に加入するケースが多くなっています。その理由としては、税務上の扱いが見直されたことも影響しています。
さきほどお伝えしましたように、医療保険やがん保険については、解約返戻金が30万円以下の場合に、保険料の全額を損金に参入できます。医療保険やがん保険に解約返戻金があるとはいっても、死亡リスクに備える種類と比較すれば少ししかありません。
それであれば、掛け捨てにしてしまい、全額を損金にしたほうが良いと考える経営者が多く、手厚い保障を割安な保険料で加入する方向にシフトしてきています。
まとめ
経営者保険は、経営者の万が一のときに役立つだけでなく、いざというときの資金を確保するうえで有効的な手段となります。また、M&Aの際にも経営者保険が役立つ場合もあります。しかし、経営者保険は多くかければいいというものではありません。
会社や経営者自身が求める保障や解約するタイミングなど、契約の前にしっかりと考える必要があり、1つの保険会社だけでなく、複数の保険会社の商品を比較して、より良い経営者保険に加入できるようにすることをおすすめします。
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