M&A・事業承継の理解を深める M&A総合研究所ポータル

2019年12月2日更新
この記事は、約2分で読めます。

事業保険とは?事業保険の種類とメリット・デメリット

Medium
この記事の監修専門家
M&A総合研究所 公認会計士
高谷 俊祐

事業保険とは、賠償責任や事業運営で起こり得るリスクに備えるためのものです。各事業保険ごとに対象リスクや利用メリットが異なるため、最適な事業保険を活用することが重要です。事業保険はリスク対策のみならず、事業承継や節税など、さまざまな用途にも活用できます。

目次
  1. 事業運営で生じるリスクに備える事業保険
  2. 事業保険とは?事業保険の種類
  3. 事業保険のメリット・デメリット
  4. 損害保険タイプの事業保険
  5. 生命保険タイプの事業保険
  6. 事業用に用いる全損タイプの生命保険
  7. 事業保険を選ぶポイント
  8. まとめ

事業運営で生じるリスクに備える事業保険

会社を経営することで、さまざまなメリットを得られる一方、リスクも存在します。万が一の際、事業継続のためにも、リスクに対処する手段を用意する必要があるのです。

事業運営で生じるリスクに備える手段の1つに、事業保険の利用があります。事業保険にはどのような種類やメリットがあるのでしょうか?この記事では、事業保険に関して詳しく解説します。

※関連記事

経営者保険とは?仕組みやメリット、経営者保険のランキングをご紹介

表明保証保険とは?M&A取引のおける問題点や締結のプロセスを解説

事業保険とは?事業保険の種類

事業保険は、事業運営で生じるリスクに備える手段の1つです。しかし、具体的にどのようなものなのか詳しく知らない方も少なくありません。まず初めに、事業保険について簡単に説明します。

事業保険とは?

事業保険とは、事業者である法人や個人事業者がリスク対策や節税を目的に加入する保険です。事業の運営には、さまざまなリスクが伴います。

  • 業務災害
  • 損害賠償
  • 経営悪化

いつ起こり得るかわからないリスクに備えるため、事業保険への加入はとても有効です。

対処するリスクによって、活用する事業保険は2種類に分けられます。

  • 損害保険
  • 生命保険

それぞれ対処している領域や利点が異なるため、目的に応じて最適な事業保険を選択することが重要です。事業保険の各種類に関しては、後ほど詳しくご紹介します。

※関連記事

経営リスクとは?経営リスクの種類とリスクマネジメント

事業信託とは?事業信託スキームとメリット

事業保険によって可能な対策

事業保険は、さまざまなリスクの対策として用いられます。具体的には、6つの対策や活用が可能です。

  • 事業保障の対策
  • 事業を継承するたえの対策
  • 福利厚生への活用
  • 退職金のための積立
  • 節税や財務強化
  • 賠償責任への対策

事業保険は、万が一の対策以外にも、さまざまな活用ができます。対応しているリスクや対策は、保険の種類や内容によって異なります。そのため、「どのような対策を行いたいか」という点をもとに、保険を選ぶ必要があります。

M&Aと事業保険

M&Aを行うことで経営者が入れ替わると、事業保険が解約されてしまうケースがあります。そのような事態を防ぎながらM&Aを行うためには、M&A総合研究所にご相談ください。

M&A総合研究所では、M&Aに関する豊富な知識と経験を持つプロがM&Aをフルサポートいたします。費用に関しても国内最安値水準で、相談は無料となります。ぜひ、お気軽にお問い合わせください。

>>【※実績豊富なスタッフ多数在籍】M&A仲介サービスはこちら

電話で無料相談
0120-401-970
WEBで無料相談
M&Aのプロに相談する

事業保険のメリット・デメリット

事業保険の利用には、メリットとデメリット両方の側面があります。

  • メリット:リスク対策や節税
  • デメリット:資金繰りの悪化

ここでは、代表的な事業保険のメリットとデメリットを、それぞれわかりやすくご紹介します。

事業保険のメリット

最初に事業保険のメリットを3つご紹介します。

  1. 万が一の際の保障になる
  2. 緊急時の資金を確保できる
  3. 節税対策となる
  4. 経営者の退職金確保ができる
  5. 従業員の福利厚生としても活用できる
それぞれ詳しく見ていきます。

①万が一の際の保障になる

事業保険最大のメリットは、「万が一生じ得るリスクに対する保障となる」という点です。生命保険や賠償責任保険は、事業運営で生じるリスクに備える保険です。何も対策していないと、リスクが顕在化した際に、大きな損失を被る危険があります。

例えば天災により設備・施設に影響が出た場合、修繕費用は自身で支払う必要があります。修繕費用により資金繰りが悪化し、事業続行が困難となる恐れもあります。

事業保険に加入しておくことで、万が一の際も保険料が支払われるため、損失を最低限に抑えることが可能です。

②緊急時の資金を確保できる

①で説明した保証という以外にも、緊急時の資金を貯めておくことも可能です。会社経営の中で、現金がないという事態は起こり得ます。そのようなときでも、すぐに資金を用意することができるのです。

保険というのは、保険会社に保険料を支払うことで、お金をプールしてある状態になっています。保険を解約することで、約1週間程度で資金を手にすることが可能です。

ただ、保険を解約するタイミングによっては、損をすることもあります。解約するタイミングをよく検討することが必要です。

③節税対策となる

事業保険に加入する2つ目のメリットは、節税対策となる点です。事業保険に支払う保険料は、その一部または全部を損金(経費)として計上できます。計上した経費(損金)分だけ利益が少なくなり、課税される法人税や所得税が減少します。

④経営者の退職金確保

事業保険の多くは、保険の解約時に支払われる解約返戻金が設定されています。保険に長く加入しておくことで、退職金として十分な解約返戻金を貯めることができます

経営者は、雇用者ではないため、ご自身で退職金を貯める必要があるのです。退職金を確保する目的で、事業保険を活用することも1つの手です。

⑤従業員の福利厚生としても活用できる

事業保険は、従業員の福利厚生にも活用できます。主に、2つが挙げられます。

  • 従業員に万が一のことがあった際の家族の生活保障
  • 退職金の準備

福利厚生は、社員が会社で長期間働くために、充実させる必要があります。福利厚生が充実することで、従業員の仕事に対するモチベーションを保ち、会社としても利益アップにもつながります。

事業保険によって福利厚生を行うことで、従業員は恩恵を受けられるというわけです。

※関連記事

保険を活用した節税

節税対策とは?法人や個人事業主向けに保険や経費不動産の活用事例を解説

事業保険のデメリット

事業保険は、メリットがある一方でデメリットもあります。

  1. 資金繰りが悪化する可能性がある
  2. 保険を解約するタイミング次第では損することがある

ここでは、主なデメリットを2つお伝えします。

①資金繰りが悪化する可能性がある

事業保険に加入すれば、生命保険などと同じように毎月、または毎年保険料を支払います。加入していない場合と比べ、一定額だけ利益が少なくなるため、資金繰りが悪化する可能性があるのです。

資金繰りが悪化すると、金融機関からの融資返済や新規の事業投資が実施しにくくなります。事業保険を利用する際は、前もって加入後の資金繰りを試算する必要があります。

②保険を解約するタイミング次第では損することがある

経営者の退職金代わりとなる解約返戻金は、解約するタイミング次第では十分な金額を受け取ることができません。事業保険の種類ごとに返戻率が最も高くなるタイミングは異なりますが、基本的には長期加入しているほど高くなります。

事業保険に加入してすぐ解約すると、3割程度かそれ以下しか受け取れません。できるだけ多くの解約返戻金を受け取るためにも、事業保険の解約タイミングは慎重に検討しましょう。

※関連記事

自営業とは?年金や税金、住宅ローンや気になる年収をご紹介

事業承継における保険の活用

損害保険タイプの事業保険

先ほどご説明したように、事業保険には2種類ありました。ここでは、事業保険の1つである損害保険タイプの事業保険について解説します。

損害保険をさらに分類すると、2種類に分けられます

  • 賠償責任保険
  • 業務災害保険
それぞれの内容をご紹介します。

①賠償責任保険

賠償責任保険とは、企業の事業活動により顧客や第三者に対して、何かしらの損害を与えた場合に備える事業保険です。賠償責任保険の特徴は3つです。

  • 損害賠償責任を問われた際に活用できる
  • 第三者に損害を与えるリスクに備える
  • 対人事故や対物事故などのあらゆる事業リスクに対応可能

第三者に怪我や事故の損害を与えてしまうと、損害賠償責任が問われる可能性があります。

損賠賠償責任とは、故意もしくは過失によって他人の身体や保有物に損害を及ぼした際に、その損害に対して金銭などで賠償する責任です。損害の程度次第では、莫大な金額の賠償責任が発生する恐れがあります。

損害賠償責任を負ってしまった結果、資金繰りが悪化するという事態を招いてしまいます。事業運営をしている以上、故意でなくても第三者に損害を与えるリスクはゼロではありません。万が一のリスクに備えるうえで、賠償責任保険への加入は不可欠です。

製造業や飲食業に特化した、「PL保険」と呼ばれる賠償責任保険も存在します。事業の種類に応じて、最適な賠償責任保険を選びましょう。

②業務災害保険

業務災害保険とは、業務にて災害が起こった際に従業員に対して補償を行う保険です。従業員の怪我に対して、事業者の賠償責任を補償してくれるものもあります。業務災害保険の特徴は、2つです。

  • 従業員などに対して、業務上の災害が起こった際に活用する
  • 業務上発生した負傷や疾病、障害等が対象

原則事業者は労災保険に加入しているため、「わざわざ業務災害保険に加入する必要はない」と考えている経営者の方は多いでしょう。業務災害による被害状況次第では、労災だけで賄いきれないケースもあります。万が一に備え、業務災害保険に加入した方がベターです。

※関連記事

経営リスクとは?経営リスクの種類とリスクマネジメント

事業継続の対策と重要性

生命保険タイプの事業保険

次に、事業保険の2つ目である生命保険タイプの事業保険についてお伝えします。事業承継対策にも用いられる生命保険には、主に3つの種類があります。

  • 長期平準定期保険
  • 逓増定期保険
  • 養老保険
保険の種類を知っておくことで、有効に活用することができます。

①長期平準定期保険

長期平準定期保険とは、死亡保険金が一定で保険期間が比較的長い事業保険です。長期平準定期保険の特徴は、2つあります。

  • 返戻率の上昇スピードが遅い
  • 返戻率が最も高い期間が長く続く

長期的に加入する前提の事業保険であるため、退職金を貯めつつ時間をかけて事業承継の準備を進めることができます。20年〜30年後の退職金受け取りや事業承継を考えている場合には、長期平準定期保険の利用をおすすめします。

②逓増定期保険

逓増定期保険とは、加入期間が長期化するほど保険料が高額になる事業保険です。長期平準定期保険と比べて、以下の特徴が挙げられます。

  • 返戻率の上昇スピードが早い
  • 返戻率がピークに達するのが早い。

返戻率がピークに達した後は、返戻率が急速に減少し始めます。十分な金額を受け取るためにも、解約タイミングを見誤らないように注意が必要です。

保険料も加入時から最高で5倍程度まで増加するため、長期的に加入しないことをおすすめします。短期的に加入する前提の事業保険と言えます。5〜10年後の退職金受け取りや事業承継を考えているのであれば、逓増定期保険の利用が適しています。

※関連記事

生命保険を活用した相続税対策

③養老保険

養老保険は、「生死混合保険」ともいわれます。契約中や満期を迎えたときなど、条件によって保険金を受け取れる仕組みになっています。

  • 契約期間中に亡くなった場合には保険金が支払われる
  • 満期を迎えると、満期保険金が支払われる

養老保険は保険金を受け取ることができるため、将来の備えになります。保険金は、老後の生活保障や退職金などに充てることができます。

また、掛け金を損金として算入することが可能なケースもあります。

  • 死亡保険の受取人:被保険者の遺族
  • 満期保険金の受取人:法人

上記のような契約にした場合、掛け金の半分を損金として算入することが可能です。

事業用に用いる全損タイプの生命保険

先ほどご紹介した「長期平準定期保険」や「逓増定期保険」は、半損(半額を事業の損金に算入)タイプの事業保険です。ここでは、事業用に用いる「全損タイプ」と言われる生命保険について解説します。

全損の生命保険とは

全損の事業保険とは、支払う保険料を全額経費(損金)計上できる事業保険です。支払う費用の全額を事業の損金に算入できることから、全損と呼ばれています。

全損タイプの事業保険には、以下のようなものが該当します。

  • 生活障害定期保険
  • 35歳までの逓増定期保険

全額を損金算入できるため、節税対策としては大きな効果を発揮する事業保険です。解約返戻金も受け取れるので、全損タイプの生命保険は事業承継対策としても活用されています。

全損タイプの事業保険を利用する際の注意点

節税対策として非常に有効な全損タイプの事業保険ですが、解約時には注意が必要です。事業保険の解約時に受け取る解約返戻金は、雑所得とみなされて課税されます。

  • 雑所得=解約返戻金ー前払保険料

全損タイプと半損タイプでは、雑所得の金額が異なります。

  • 半損タイプ:支払保険料の半分が前払保険料、雑所得の金額は1/2
  • 全損タイプ:全額が雑所得として計上

全損タイプは、解約によって多くの税金が課税されることになります。

毎期の法人税を節約できる点はメリットですが、解約した際の税負担は重くなります。全損タイプの事業保険を利用する際は、解約時の税対策を十分に行う必要があります

※関連記事

【中小企業必見】法人の正しい節税対策

節税対策とは?法人や個人事業主向けに保険や経費不動産の活用事例を解説

事業保険を選ぶポイント

事業保険を取り扱っている会社はたくさんあり、保険の種類も豊富にあります。そのため、保険選びはとても難しいです。そこで、事業保険を選ぶ際のポイントをご紹介します。

  1. 経営者に対する保険重視で選ぶ
  2. 福利厚生の保険重視で選ぶ
  3. 事業保険の活用方法で選ぶ

ぜひ参考にして、自分に合った事業保険を選んでみてください。悩んだときは、保険に関する専門家に相談することをおすすめします。

①経営者に対する保険重視で選ぶ

1つ目は、経営者に対する保険内容です。経営者は会社を運営していくうえで、とても重要です。経営者が亡くなったり、入院などで長期間の休養が必要となったりすると、事業に大きな影響を与えてしまいます。

そこで、経営者がいない状況で発生した損失を埋めるために、保険金の金額をしっかり確認しましょう。

  • 事業保険を解約した際の「解約返戻金」の金額
  • 「満期保険金」の金額

余裕があるときだからこそ、経営者の万が一に備えた準備をしておくことが大切です。

②福利厚生の保険重視で選ぶ

2つ目は、福利厚生の内容です。事業保険は、経営者だけでなく、会社役員や従業員の生活保障としても活用されます。そのため、福利厚生の保険内容で選ぶこともポイントとなります。

  • 死亡退職金
  • 療養時の資金
従業員に何かあったときに、充実した保証がある事業保険を選びましょう。従業員の退職金を準備するために事業保険を活用する場合には、解約返戻率の高さで選ぶこともポイントです。

③事業保険の活用方法で選ぶ

事業保険は、さまざまな対策として活用できます。

  • 従業員の福利厚生
  • 事業に対する保障
  • 退職金の準備
  • 賠償責任の対策
  • 節税としての対策
自分が何を目的に事業保険を活用するかによって、保険内容を選ぶことが重要です。保険によって、対象となるリスクや保障内容が異なります。自分の目的に合わせた保障内容をしっかりと見極め、保険を選んでみてください。

まとめ

今回は、事業保険に関して解説しました。事業保険では、事業運営で起こり得るさまざまなリスクに備えることが可能です。各事業保険ごとに対象リスクや利用メリットが異なるので、最適な事業保険を使用することが重要となります。

また、事業保険はリスク対策だけでなく、事業承継や節税などに活用できます。有効活用すれば非常に役立つので、ぜひ一度事業保険の活用を検討してみてはいかがでしょうか?

M&A・事業承継のご相談ならM&A総合研究所

M&A・事業承継のご相談なら専門の会計士のいるM&A総合研究所にご相談ください。
M&A総合研究所が全国で選ばれる4つの特徴をご紹介します。

M&A総合研究所が全国で選ばれる4つの特徴

  1. 業界最安値水準!完全成果報酬!
  2. M&Aに強い会計士がフルサポート
  3. 圧倒的なスピード対応
  4. 独自のAIシステムによる高いマッチング精度
>>M&A総合研究所の強みの詳細はこちら

M&A総合研究所は会計士が運営するM&A仲介会社です。
企業会計に強く、かつM&Aの実績も豊富です。全国にパートナーがいるので案件数も豊富。
また、業界最安値水準の完全成果報酬制のため、M&Aが成約するまで完全無料になります。
まずはお気軽に無料相談してください。

>>【※国内最安値水準】M&A仲介サービスはこちら

電話で無料相談
0120-401-970
WEBで無料相談
M&Aのプロに相談する
  • 02
  • 03
  • 04
  • 05
ご相談はこちら
(秘密厳守)