M&Aとは?意味や動向とM&Aを行う目的・メリットなどをわかりやすく解説!
2024年10月17日更新業種別M&A
英会話教室・語学学校・プリスクールのM&A・事業承継の動向!案件例も紹介
英会話教室・英会話スクールの最新動向や現状から事例まで解説します。英会話教室・英会話スクールなどの語学ビジネス市場は、学ぶ手段などの多様化によりM&A・事業承継が積極的に行われると予測されます。M&A・事業承継を検討している方は必見です。
目次
英会話教室・語学学校・プリスクールの現状
ここでは、英会話教室・英会話スクール・語学学校・プリスクールの現状を、異業種からの参入と学ぶ手段の多様化という視点から解説します。
近年、グローバル化の進展・インバウンドの増加・外国語教育の見直しなどさまざまな理由で英語の重要性が高まっており、これに伴い英会話教室・英会話スクールに対してM&Aにより異業種から参入する事例が多く見られます。
また、パソコンやスマートフォンなどで勉強できる「e-learning」、ゲームやパソコンのソフトウェアで行われる「ソフトウェア市場」など、英会話教室・英会話スクール・語学学校・プリスクールに通わずとも学習できるツールが登場しています。
英会話教室・語学学校・プリスクールの市場規模
2023年度の語学ビジネス市場規模は、主要13分野の合計で7,841億円となり、前年度比0.2%増加しました。分野ごとの動向を見ると、コロナ禍による行動制限がさらに緩和されたことで、多くの分野で市場が回復し始めました。
しかし、少子化の影響で幼児や子供向けの教室や教材市場が縮小し、成人向けの教室や教材も紙からオンラインへと移行する動きが加速しています。
また、円安や物価上昇の影響で、海外旅行や留学関連のビジネスにも影響が見られ、各市場の課題が再認識される年となりました。一方、語学関連のビジネスでは、留学斡旋市場がコロナ禍の影響から大きく回復し、翻訳・通訳業界も回復傾向にあります。
英会話教室・語学学校・プリスクールの将来性・課題
もともと語学を学習するには、実際に教室などに通う方法しかありませんでしたが、近年は英語の学習方法が多様化しており、e-learningなど自宅で手軽に行える方法が増えています。
今後はインターネット・スマートフォンの発展に伴い、これまで以上に外国語を学ぶ方法が多様化する見込みです。また、2020年に実施された「学習指導要領見直しによる英語教育改革」を受けて、学習塾でも外国語の教育にさらに注力するものと推測されています。
上記のことから、英会話教室・英会話スクール・語学学校・プリスクールなどの語学ビジネス市場は、学ぶ方法の多様化と学習塾の影響によって、これまで以上に競争が激化すると予測されます。
一方で、今後の展望としては、2030年度の日本国内の外国語教室市場規模(成人向け、幼児・子供向け、プリスクールの3市場の合計)は、3,500億円に達すると予測されています。
今後の市場拡大の要因として、いくつかのビジネスチャンスが見込まれています。政府が進めるリカレント教育の推進(リスキリング支援として5年間で1兆円の投資を発表)や、グローバル経済の進展による海外進出やインバウンド需要の回復、さらに企業での英語の公用語化や国内の外国人増加が挙げられます。
また、コーチングを取り入れた新しい学習スタイルの登場、学校での英語教育の早期化と難易度の上昇、私立小中学校へのニーズ増加など、保護者の教育への関心も高まっていることが、今後の市場成長を後押しすると考えられます。
英会話教室・語学学校・プリスクールのM&A・事業承継の動向
ここでは、英会話教室・英会話スクール・語学学校・プリスクールで今後予測されるM&A・事業承継の動向を解説します。
英会話教室・英会話スクール・語学学校・プリスクールの業界では、競争が激化するに伴ってこれまで以上にM&Aが実施される頻度が多くなる見込みです。今後の英会話教室・英会話スクール・語学学校・プリスクールなどの語学ビジネス市場におけるM&A動向の中から、代表的な以下4項目を解説します。
- 大手グループの事業基盤の拡大が進む
- 講師やノウハウ獲得を目的としてM&Aが増加
- 今後の需要拡大を視野に入れたM&Aが展開
- 後継者問題に悩む経営者も多い
①大手グループの事業基盤の拡大が進む
英会話教室・英会話スクール・語学学校・プリスクールなどの語学ビジネス市場では、大手グループの事業基盤の拡大が進むことが予測されます。
2018年にはベネッセHDが、2017年にはKDDIが、英会話教室・英会話スクール業界に新規参入しました。大手グループは豊富な資金を持っているため、e-learningなどの外国語を学ぶ最新の技術への投資やノウハウを得るためのM&Aを積極的に実施することができます。
今後は多くの大手グループが英会話教室・英会話スクール業界などに参入し、M&Aを行うなどして事業基盤の拡大を行っていくと予想されます。
②講師やノウハウ獲得を目的としてM&Aが増加
英会話教室・英会話スクール・語学学校・プリスクールなどの語学ビジネス市場における2つ目の動向として、講師やノウハウ獲得を目的としてM&Aが増加することが挙げられます。
もともと外国語の講師は、誰でも行えるわけではありません。また、英会話教室・英会話スクール・語学学校・プリスクールなどの語学ビジネス市場に新規から参入する場合、ノウハウがない状態からスタートするため、多額の費用と時間がかかります。
しかし、事業譲渡や株式譲渡などのM&Aを行うことで、現役で活躍している講師やその企業の語学ビジネスのノウハウを獲得できます。そのため、今後は大手グループを中心に、自社で新規から始めるのではなくM&Aにより人材とノウハウを獲得し、新規参入を図る事例が増加していくと推測されます。
③今後の需要拡大を視野に入れたM&Aが増加
英会話教室・英会話スクール・語学学校・プリスクールなどの語学ビジネス市場におけるM&A動向の3つ目は、多くの企業で今後の需要拡大を視野に入れたM&Aが展開されることです。
今後の語学ビジネスでは競争が激化していくものの、グローバル化の発展・2020年度の英語教育改革・語学を学ぶ方法の多様化などを受けて、需要に関してはこれまで以上に拡大していくものと見られます。
しかし、需要が拡大してから動き出しても、すでに市場から取り残されてしまう可能性があるため、需要の拡大以前に視野に入れておき、動き出しておく必要があります。このときには、新規からの参入ではなくM&Aを用いて、時間をかけずに市場に参入することが有効策です。
④後継者問題に悩む経営者も多い
英会話教室・英会話スクール・語学学校・プリスクール業界の特徴として、後継者問題に悩む経営者が多いことが挙げられます。このことは他業界の多くの中小企業にも共通しており、実に半数以上の企業が後継者問題に悩まされています。
特に語学ビジネス市場では、外国語を流暢に行える必要があるため、他の中小企業の業種よりも後継者に求められるスキルが専門的であるため、後継者に悩まされる企業が多く存在します。
英会話教室・語学学校・プリスクールのM&A・事業承継によるメリットとデメリット
英会話教室・英会話スクール・語学学校・プリスクールなどの語学ビジネス市場を対象とするM&Aには、メリットとデメリットがそれぞれ存在します。ここでは、売り手・買い手それぞれに期待されるメリットとデメリットを解説します。
売り手側のメリット
英会話教室・英会話スクール・語学学校・プリスクールを売る際のメリットは以下のとおりです。
- 後継者に対する問題を解決できる
- 従業員の雇用を維持できる
- 会社を売却することで売却益を獲得できる
メリット①後継者に対する問題を解決できる
まず、英会話教室・英会話スクール・語学学校・プリスクールを売る際のメリットを解説します。売り手のメリットとしてはまず、後継者の問題を解決できる点が挙げられます。また、英会話教室・英会話スクール・語学学校・プリスクールなどの語学ビジネス市場では専門的な知識が必要であるため、承継が難しいです。
メリット②従業員の雇用を維持できる
従業員から考えてもM&Aによるメリットはあります。もしもM&Aではなく廃業を選択してしまうと、職を失くしてしまう可能性があります。しかし、M&Aを行うことで、従業員は職を失うことなく、かえって以前より待遇が良くなる場合もあります。
メリット③会社を売却することで売却益を獲得できる
金銭面でもM&Aを行うメリットはあります。会社を売却することで、多額の現金を得られます。譲渡益で、新規事業を行ったり、借金の返済に充てたりすることが可能です。
売り手側のデメリット
これに対して、売り手の主なデメリットは、以下のとおりです。
- 従業員のやる気が低下し、離職してしまう可能性がある
- 良好な取引相手が見つからない可能性がある
デメリット①従業員のやる気が低下し、離職してしまう可能性がある
売り手側のデメリットとしては、従業員のやる気が低下して最悪離職する可能性がある点が挙げられます。M&Aを行うことで、従業員は職を失くさずに済むメリットがある反面、会社の評価システムの変化や環境の変化があることに不満を感じてしまう可能性があります。
英会話教室・英会話スクール・語学学校・プリスクールなどの語学ビジネス市場では豊富な語学の知識が必要となるため、退職してしまうと会社にとって大きな痛手です。
デメリット②良好な取引相手が見つからない可能性がある
また、せっかくM&Aを決意しても希望する相手先が見つからずに苦労する可能性もあります。相手が見つからなければ、M&Aを計画しても、予定がスムーズに進みません。
買い手側のメリット
英会話教室・英会話スクール・語学学校・プリスクールを買う際のメリットは、以下のとおりです。
- 経営戦略を迅速に行える
- 顧客リストやメソッドを手に入れられる
メリット①経営戦略を迅速に行える
買い手側にとって最も大きなメリットは、経営戦略を迅速に行える点です。経営を行うにはさまざまな状況に対して素早く対応できることが重要です。新規で事業を行うには多くの時間と費用が必要になりますが、M&Aで買収することで、短期間で新規事業に参入できるようになります。
メリット②顧客リストやメソッドを手に入れられる
また、M&Aを行うことで、買収先の顧客リストやメソッドを手に入れられます。どのような会社でも強みと弱みがあります。その中で弱みの部分はM&Aによって、自社の弱点を強みとしている会社を買収することで、迅速に補強できます。
買い手側のデメリット
これに対して、デメリットは以下のとおりです。
- 簿外債務を引き継いでしまう
- 最適な売り手会社が見つからない場合がある
デメリット①簿外債務を引き継いでしまう
英会話教室・英会話スクール・語学学校・プリスクールを買う際のデメリットを解説します。M&Aを行うことにより、貸借対照表には記載されていない債務「簿外債務」を引き継ぐおそれがあります。
過度な簿外債務でなければ大きな問題とはなりませんが、M&A後に大きな問題となる簿外債務が発覚することは避けなければなりません。そのためには、デューデリジェンスを徹底して行い、リスクを避ける必要があります。
デメリット②最適な売り手会社が見つからない場合がある
また、売り手側も同様ですが、良い相手先が見つからない場合もあります。そのため、今後の計画を立てていても、相手先が見つからなければM&Aを進められません。
M&Aをご検討の場合は、ぜひM&A総合研究所へご相談ください。M&A総合研究所にはM&Aの経験・実績ともに豊富なM&Aアドバイザーが多数在籍しており、培ったノウハウを生かしてM&Aをフルサポートいたします。
料金体系は成約するまで完全無料の「完全成功報酬制」です(※譲渡企業様のみ。譲受企業様は中間金がかかります)。無料相談を年中無休でお受けしておりますので、お気軽にお問い合わせください。
英会話教室・語学学校・プリスクールのM&A・事業承継の案件例
弊社M&A総合研究所が取り扱っている英会話教室・語学学校・プリスクールのM&A・事業承継の案件例として、日本入国後講習学校をご紹介します。
現状、債務超過のため法務省告示を未取得で、入国後の講習を実施している状況です。財務的な問題が解消され、法務省告示が受けられれば、さらなる事業展開が期待できます。
エリア | 中部・北陸 |
売上高 | 5000万円〜1億円 |
譲渡希望額 | 3,000万円(応相談) |
譲渡理由 | 財務的理由、戦略の見直し |
英会話教室・語学学校・プリスクールのM&A・事業承継の事例
ここでは、英会話教室・英会話スクール・語学学校・プリスクールなどの語学ビジネス市場のM&A・事業承継の事例をピックアップし解説します
アドベンチャーによるQuesquのM&A
2024年5月13日、アドベンチャーは、神奈川県横浜市にあるQuesquの株式を取得し、子会社化することを決議しました。これに伴い、Quesquの完全子会社である株式会社LALALA Plus(東京都渋谷区)は、アドベンチャーの孫会社となります。
アドベンチャーは航空券販売サイト「skyticket」を運営するコンシューマ事業や投資事業を展開しており、LALALAは主にオーストラリアやカナダへの留学サービスを提供しています。
今回の株式取得により、LALALAの既存取引先とアドベンチャーの広告・集客ノウハウを活用し、両社のシナジー効果を最大化し、アドベンチャーグループの留学事業を強化する狙いがあります。
ラグザスによるTMR GLOBAL GROUPのM&A
2023年10月27日、ラグザス(大阪府大阪市)は、オーストラリアのゴールドコーストに拠点を持つTMR GLOBAL GROUP PTY LTDの全株式を取得し、完全子会社化することに合意しました。
ラグザスは持株会社であり、グループ全体でプログラミングのオンライン学習や留学支援サービスを提供しています。TMR GLOBAL GROUP PTY LTDは、日本からゴールドコーストへの語学留学をサポートする企業です。
今回の株式取得は、ラグザスの成長戦略の一環であり、ラグザスの事業運営やWebマーケティングのノウハウを活用しながら、市場シェア拡大とグループ事業の相乗効果を最大限に引き出すことを目指しています。
全研本社とスタイル・エッジ・グループの資本業務提携
2023年3月24日、全研本社は、スタイル・エッジ・グループ(東京都新宿区)との資本業務提携を決定しました。全研本社は、スタイル・エッジ・グループの普通株式240株(14.9%)を9億6,000万円で取得する予定です。
全研本社は、WEB集客支援や語学、不動産事業を手がけており、スタイル・エッジ・グループは士業や医業の専門家向けに総合支援を提供しています。
今回の提携により、両社はそれぞれのノウハウを共有し、新たな顧客価値の創造と事業拡大を目指します。具体的には、士業や医業向けの全国規模のコンテンツマーケティングを通じた集客支援や、コンサルティングとマーケティングの強化を行う予定です。
英会話教室・語学学校・プリスクールのM&A・事業承継の相場
ここでは、英会話教室・英会話スクール・語学学校・プリスクールにおけるM&A・事業承継の相場を解説します。英会話教室・英会話スクール・語学学校・プリスクールなどの語学ビジネス市場におけるM&A取引金額は500万円程度~1億円以上と幅広く見られますが、3,000万円程度が大まかな相場です。
M&A相場が低い事例では英会話教室などの小規模な施設が取引対象とされており、1億円以上の事例では言語学校などが取引対象とされている傾向があります。
英会話教室・語学学校・プリスクールのM&A・事業承継を成功させるポイント
本章では、英会話教室・語学学校・プリスクールを対象とするM&A・事業承継を成功させるためのコツとして、代表的な5つを解説します。
- 入念な準備
- 経営状態の把握と黒字化
- 人材流出の防止
- 簿外債務などの確認
- 相性の良いM&A仲介会社探し
①入念な準備
M&Aの失敗要因の1つに、準備不足が挙げられます。英会話教室・語学学校・プリスクールを対象とするM&Aでは、本格的なプロセスに移る前に、戦略を入念に準備しておくことが重要です。
まずM&Aを行う目的を明確にし、そのうえで戦略をたてていきますが、M&Aのタイミングを逃さないよう出来るだけ早めに準備しておくようにしましょう。
②経営状態の把握と黒字化
M&Aにおける買収側企業は、なるべく黒字経営の企業を買収したいと考えるのが自然です。そのため、売却側企業では、M&Aプロセスに移る前に、自社の経営状態を把握したうえで、なるべく黒字化しておくことが望ましいです。
③人材流出の防止
M&Aは社員・スタッフの勤務環境を大きく変える可能性のある行為であり、不満を感じた社員が離職するケースも珍しくありません。そのため、優秀な講師の人材流出などが起こらないよう慎重に進めることが大切です。
④簿外債務などの確認
M&Aにおける買収側企業が抱く懸念点の1つは、簿外債務・偶発債務の存在です。M&Aによる買収後に売却側の簿外債務・偶発債務が発覚すると、買収側にとって大きな損失となり、将来的に経営に深刻な悪影響を受けることもあります。
そのため、売却側は事前に自社の財務・会計をチェックし、簿外債務・偶発債務などの問題が発生しないよう心がけることが大切です。
⑤相性の良いM&A仲介会社探し
一般的に、M&Aでは、仲介会社などの専門家に相談し、サポートを受けながら進めていきます。M&A仲介会社はそれぞれ異なる強み・特徴を持つため、自社と相性の良いM&A仲介会社を探すことが望ましいので、ホームページや無料相談などを活用して確認するようにしましょう。
英会話教室・語学学校・プリスクールのM&A・事業承継のまとめ
今後の英会話教室・英会話スクール・語学学校・プリスクールなどの語学ビジネス市場は、競争が激化していることから、これまで以上にM&A・事業承継が積極的に行われるようになると予測されています。
英会話教室・英会話スクール・語学学校・プリスクールなどの語学ビジネス市場の激しい競争を受けて、さらなる事業の発達や新規事業へ参入のためにM&A・事業承継を行う選択を持つことの重要性が、ますます高まっている状況といえるでしょう。
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