M&Aとは?意味や動向とM&Aを行う目的・メリットなどをわかりやすく解説!
2024年10月26日更新業種別M&A
電気通信工事・管工事業界のM&A・事業承継動向!事例・成功ポイントも解説
電気通信工事・管工事業界のM&A・事業承継の動向や事例を説明します。近年、電気通信工事・管工事業界では、隣接業界によるM&Aや異業種も含めたM&A、海外進出のためのM&Aが目立っている状況です。 電気通信工事業界のM&A・事業承継を検討している方は必見です。
目次
電気通信工事・管工事業界の市場動向
まずは電気通信工事・管工事業界それぞれの市場動向を解説します。
電気通信工事業界の市場動向
電気通信工事会社は、固定電話や携帯電話の基地局工事、ビルのITインフラ整備などを行い、NTTグループやKDDI、ソフトバンクといった通信事業者やゼネコンなどを主要取引先としています。特に新築ビルの工事ではゼネコンからの受注が多く、改修工事では建物の所有者と直接取引するケースもあります。電気通信設備工事は、企業の設備投資や政府の通信政策に影響を受けやすいのが特徴です。
2023年度の設備工事業全体の受注高は、空調設備や電気工事を含めて前年度比7.1%増の3兆9758億円となり、3年連続で増加しました。民間向け工事は同6.9%増の3兆6462億円、官公庁向け工事は同9.8%増の3295億円となり、いずれも堅調な伸びを示しています。
2024年3月期には、通信工事大手各社(コムシスHD、エクシオグループ、ミライト・ワン)の受注高も前年同期比で増加し、通信インフラ設備の維持・更新工事が好調でした。
今後は、新築案件の大幅な増加は見込みにくいものの、バブル期に建てられたビルや工場の老朽化に伴うリニューアル工事の需要が期待されており、各社は改修工事の提案に注力しています。
管工事業界の市場動向
配管工事業は建設業法における「管工事」として規定されており、空調、給排水、ガスに係る工事に分かれます。空調と給排水の工事を行う企業は同じことが多いですが、ガス工事は地域のガス会社やその関連企業が担当することが一般的です。
国土交通省が発表した「設備工事業に係る受注高調査(主要20社)」によると、2023年度の管工事の受注高は前年度比11.9%増の1兆8105億円となり、3年連続で増加しました。特に、民間工事の受注は同11.2%増の1兆6670億円と好調です。
企業の設備投資が鈍化した時期もありましたが、21年度以降は回復基調にあり、24年4~6月期の管工事受注高は前年同期比14.6%増の4951億円、うち民間工事は同19.0%増の4577億円と10カ月連続で前年実績を上回りました。
また、各社は省エネ型設備機器の開発にも注力しており、ダイダンはオフィスビル向けに空調機と照明器具を一体化させた製品を開発。室内の空気を取り込み、適温に処理した外気と冷温水配管の熱交換を行い、適温の風を送る仕組みを導入するなど、さらなる成長を目指しています。
電気通信工事・管工事業界のM&A・事業承継の動向
本章では、具体的にどのようなM&Aが近年増加傾向にあるのか解説します。近年の電気通信工事・管工事業界では、以下のようなM&Aが多く見られます。
①異業種も含めたM&A
最近はさまざまな業界で異業種も含めたM&Aが多く見られますが、これは電気通信工事・管工事業界も例外ではありません。例えば、きんでんが白馬ウインドファームと白滝山ウインドファームに出資し、風力発電事業に参入した事例などが代表的です。
②海外の企業も含めたM&A
電気通信工事・管工事業界は今後の市場拡大も予想される一方で、需要の低下も考えられます。そのため、国内の需要低下の対処として、海外市場における収益源の確保の必要性が高まっている状況です。そこで、海外の企業をM&Aによって買収するなどして、海外進出につなげるケースが近年多く見られます。
③後継者不足問題に対応するためのM&A
特に若い人材が不足しがちな電気通信工事・管工事業界では、高齢化の進行と後継者不足の問題を抱えている企業が多いです。特に中小企業では、周囲に後継者候補がいなくても第三者に事業承継できるM&Aを活用し、会社を引き継ぐケースが増加傾向にあります。
電気通信工事・管工事会社のM&A・事業承継のメリット
M&Aによる会社の売却では、後継者不足問題の解決・経営基盤の安定化・創業者利益の獲得・個人保証や担保の解消など多くのメリットが期待できます。特に中小企業にとっては、安定した経営のもとで事業を継続できる点で、M&Aには大きなメリットがあるのです。
ここからは、具体的に、電気通信工事・管工事業界におけるM&Aのメリットを「売り手」と「買い手」に分けて紹介します。
売り手のメリット
売り手のメリットは、主に以下のポイントが考えられます
後継者問題の解決
中小企業の多くは後継者問題を抱えていおり、電気通信工事・管工事会社も例外ではありません。後継者が廃業を選択する企業もみられますが、M&Aは事業承継の手段としても活用することができます。
経営者の子や親族などに後継者候補がいない場合でも、M&Aであれば第三者(買収側企業)を後継者として事業承継することが可能です。
従業員の継続雇用
M&Aを実施すれば、従業員の雇用を維持することができます。M&Aの中で特に多い株式譲渡の場合、労働契約の変更なしで従業員を引き続き雇用することができます。
廃業の回避
M&Aのメリットには、廃業せずに経営を続けられることがあります。M&Aを実施することで、現在の経営者から買い手へ経営権が移行します。現在の経営者は条件次第で、引退することや役員として残ることが可能です。
M&Aを実施することで、会社の経営を安心して任せられます。また、会社が存続することで、雇用や取引も継続されます。
廃業を避けることは、M&Aの大きなメリットです。
安定した企業の傘下に入れる
売却によって大手の傘下に入れれば、安定した経営基盤のもとで自社の事業を強化できます。
大手のノウハウやネットワークも生かせて、事業領域やエリアの拡大にもつながります。また、従業員の雇用を継続できるうえに、大手の傘下に入れば給料や待遇が改善する可能性も高いです。
買い手のメリット
買い手からすると、主に以下のようなメリットが考えられます。
事業エリアの拡大
買い手側では、M&Aを実施することで、事業エリアの拡大ができるなどのメリットが期待できます。さらに、他地域の電気通信工事・管工事企業とのM&Aにより新たなエリア開拓となれば、新しい顧客を獲得することも可能です。
新規事業への参入
電気通信工事・管工事企業と異業種企業M&Aが行われる際は、新規事業参入のコストを抑えることができます。
M&Aにより、人材や事業に関するノウハウを獲得することができます。人件費や時間を大幅にカットしながら運営を行うことができます。
優秀な人材の確保
人手不足が深刻化している場合、特定の領域に特化した会社を買収し、その分野における優秀な人材を確保することには大きなメリットがあります。大手企業の場合でも、採用活動のみで優秀な人材を確保できるわけではなく、特定の領域に特化した人材を即座に確保できるとは限りません。
その一方で、M&Aの場合、特定の領域に特化した会社を買収することで、その分野で活躍している人材をまとめて確保できます。M&Aを活用すれば、採用活動よりも効率的に人材を確保できる可能性も十分にあるのです。そのため、人材確保の選択肢として、M&Aによる買収を考慮する必要性は高いといえます。
電気通信工事・管工事会社のM&A・事業承継の相場
取引対象とされる事業や会社の規模によって、M&Aの金額は大きく異なるため、一概に相場を把握することは非常に難しいですが、電気通信工事・管工事業界の中小企業のM&Aでの相場は、おおよそ3000万〜5000万程度です。
簡単な売却価格が知りたい際は以下の計算式で考えると良いでしょう。
- 時価純資産+営業利益2〜5年分
しかし、事業規模や将来性・経営資源の質や量・負債・M&Aに対する緊急度などにより売却価格は大きく変わってきます。
ある程度の目安を付けるには、M&Aの目的・当事者の規模・対象事業などを踏まえ、似た事例を徹底的に分析する必要があります。
規模や対象事業が似ていれば、金額の目安を把握できるためです。そのため、業界のM&A事例を確認し、似た事例から相場を把握しておくことが大切です。また正確な相場を判断しやすくするため、M&A仲介会社・M&Aアドバイザリーなど、業界に精通した専門家に相談することをおすすめします。
電気通信工事・管工事会社のM&A・事業承継の案件例
弊社M&A総合研究所が取り扱っている電気通信工事・管工事会社のM&A・事業承継の案件例をご紹介します。
堅実経営【関西地方/電気通信工事・電気工事業】
安定した取引先より継続的な案件を受注しています。専属の協力会社を複数抱えており、様々な案件に対応可能です。
エリア | 近畿 |
売上高 | 1億円〜2.5億円 |
譲渡希望額 | 6,500万円(応相談) |
譲渡理由 | 後継者不在(事業承継) |
【NetCash1億以上/資格保有者多数】電気・電気通信工事
技術力、ノウハウにより大手メーカーとの長年の直接取引があります。コロナ禍でも黒字確保するなど、収益性が高いです。
エリア | 中部・北陸 |
売上高 | 2.5億円〜5億円 |
譲渡希望額 | 2.5億円〜5億円 |
譲渡理由 | 後継者不在(事業承継) |
【有資格者多数/地域密着】東北地方の管工事業
水回り全般、冷暖房設備、ダクト工事など幅広い工事に対応可能です。長年の実績により民間、公共工事を含め年間400件ほどの工事を請け負っています。
エリア | 東北 |
売上高 | 1億円〜2.5億円 |
譲渡希望額 | 1000万円〜5000万円 |
譲渡理由 | 後継者不在(事業承継) |
電気通信工事・管工事会社のM&A・事業承継の事例
M&Aの相場や成功するポイントを知るためにも、事例を分析することは大切です。この項では、電気通信工事・管工事業界のM&A・買収・売却の成功事例を紹介します。
ニイミ産業による日興高熱工業の子会社化
2024年6月7日、ニイミ産業(愛知県春日井市)は、日興高熱工業(愛知県名古屋市)の全株式を取得し、同社を完全子会社化したと発表しました。この株式譲渡契約は2024年5月31日に締結されています。
ニイミ産業は、LPガスや石油、ガス機器の卸売をはじめ、ガス窯や金属溶解炉の製造、廃油リサイクル、各種検査事業、リフォーム、ファインセラミックスの製造といった多岐にわたる事業を展開する企業です。
一方、日興高熱工業は、各種工業炉の設計・施工を主力事業とする工業炉メーカーで、燃焼式脱臭装置や各種機械装置の設計・施工、炉材用品の販売、煉瓦積工事、製缶・配管工事なども手掛けています。
今回の完全子会社化の背景には、ニイミ産業が工業炉事業の設計から設置、そしてアフターメンテナンスまで一貫して対応する体制を強化する狙いがあります。日興高熱工業の高度な技術力を活用することで、製造からメンテナンスまでの事業領域で協力し、より付加価値の高い製品開発を進めるとともに、事業規模の拡大を図ることを目的としています。
東京ガスによるフルコーHDの子会社化
2024年5月15日、東京ガス株式会社(9531)は、埼玉県三郷市に本社を構える株式会社フルコーホールディングス(以下、フルコーHD)を子会社化しました。
東京ガスは、都市ガスの製造・販売をはじめとするエネルギー事業を幅広く展開する国内最大手のガス会社です。LNGの供給やネットワーク事業、さらには海外でのエネルギー関連事業など、多角的にビジネスを展開しています。
一方、フルコーHDは、家庭向けの太陽光発電システムの施工・販売・保守を中心に、建築、土木、屋根工事など多様な工事を手掛けており、高い施工技術と全国展開のネットワークを持っています。
今回の子会社化は、東京ガスがフルコーHDグループの施工ネットワークと優れた技術力を活用し、自社の家庭向けエネルギーサービス「IGNITUREソーラー」や「IGNITURE蓄電池」の施工体制を強化することを目的としています。
これにより、施工の一部を自社で行う体制を整え、より迅速かつ高品質なサービスの提供を目指すとともに、顧客満足度の向上と事業拡大を図ります。
三菱電機による北弘電社の完全子会社化
2024年1月9日、三菱電機と持分法適用会社である北弘電社は、三菱電機を完全親会社、北弘電社を完全子会社とする株式交換契約を締結しました。株式交換は2024年4月15日に発効予定で、これに伴い北弘電社は4月11日に札幌証券取引所から上場廃止となります。
北弘電社は、北海道を拠点に電気設備工事や産業機器の仕入・販売を行う企業で、三菱電機の重電関連事業の一部を請け負っています。しかし、ロシア・ウクライナ情勢や円安、労働力不足、資材価格の高騰などの影響で、厳しい経営環境が続いていました。三菱電機は北弘電社を完全子会社化し、財務支援を行うことで、両社の企業価値を維持・向上させることを目指します。
また、北弘電社は単独での事業継続が困難であり、上場廃止や経営破綻に陥る可能性があるため、三菱電機の支援を受け入れることが最善の選択肢と判断しました。これにより、少数株主の不利益を回避し、経営の安定化と企業価値の維持を図ります。
JESCOホールディングスによる阿久澤電機の完全子会社化
2022年9月、JESCOホールディングス株式会社は、阿久澤電機株式会社を完全子会社化することを決定したと発表しました。
阿久澤電機株式会社は、群馬県高崎市に本社を置く電気機器メーカーであり、主に電子部品の製造・販売を行っています。
JESCOホールディングス株式会社は、この取引により、北関東地方における事業拡大を期待しています。阿久澤電機株式会社の技術力やノウハウを活用し、事業の拡大を進めることができるとしています。
アウトソーシングによる米国Integrity Networks, Inc.の子会社化
2021年7月、アウトソーシングは米国のIntegrity Networks, Inc.を子会社化したと発表しました。
Integrity Networksは、ITや弱電設備のシステム構築を手掛け、米国政府機関へのサービス提供実績を有しています。
アウトソーシングは、公共系アウトソーシング分野への業容拡大を推進しており、Integrity Networksの子会社化により、この分野におけるシナジーが期待できるとしています。
アウトソーシングによる米国グアム California Pacific Technical Services LLC の子会社化
2021年4月、アウトソーシングは米国グアムのCalifornia Pacific Technical Services LLCを子会社化することを決定したと発表しました。
アウトソーシングは業績平準化による強靭な成長基盤を目指し、製造系アウトソーシングと公共系アウトソーシング分野に注力。景気変動の影響を軽減し、コロナ禍でも地域ポートフォリオ分散が成果を上げています。
一方、California Pacific Technical Services LLCは、米軍施設を中心に空調・電気工事や改修・保全サービスを提供。当社グループとの連携でパフォーマンスボンドを活用し、信用力と実績を生かして大口案件を受注。着実な事業拡大を実現しています。
本M&Aにより、アウトソーシングでは公共系アウトソーシング事業拡大に資するシナジーが期待されます。また、環太平洋地区の拡大や米国本土での本格展開も視野に入れ、米軍施設向け事業の成長を加速することにより、事業安定化と業容拡大の両立を図っていくとしています。
アウトソーシングによるアイテックの子会社化
アウトソーシングテクノロジーは、アイテックの株式を取得し子会社化することを発表しました。
アウトソーシングテクノロジーは、多彩なエンジニア人材を活用した技術者派遣はもちろん、システムエンジニアリングやソフトウェア開発でも高い実績とノウハウを持っています。また、多様な業界でのエンジニア需要の増大に応じ、採用数の拡大とKENスクールによる教育スキームを活かし、高度な人材派遣と請負事業の拡充を進めています。
一方、アイテックは電気通信サービスの安定供給を支える事業を展開中。電気通信工事や基地局建設において確かな実績を持ち、自社の建柱車を活用した機動力ある建柱工事で高い顧客満足度と安定した受注を維持しています。
本株式取得により、アウトソーシングテクノロジーグループの技術者や教育リソースとアイテックの顧客基盤が連携し、事業成長とポートフォリオの拡大を期待。高い技術力と技術者による付加価値のサービス提供を強化し、技術者の教育を進め、技術力向上を推進していくとしています。
協和日成によるガイアテックの子会社化
2021年3月、協和日成はガイアテック株式会社を子会社化することを決定したことを発表しました。
協和日成は使命であるライフライン支援を通じ、ガス工事の技術を空調、給排水、電路洞道、水道など広範な分野に展開。首都圏中心に静岡県や北海道にも拠点。自治体や公共機関、エンドユーザーの幅広いニーズに対応し、高品質な施工サービス提供を行っています。
ガイアテック株式会社は、1996年に設立しガス工事を中心に冷暖房・給排水衛生設備工事などを展開。新規得意先開拓や多能工作業員によるCS向上・コストダウンに強みを持ち外構工事などの新規事業も手掛けています。
協和日成はガイアテック株式会社の子会社化により、戸建住宅の総合設備一括受注体制の拡大を図り、持続的成長と企業価値の向上に資することを目指していくとしています。
コムシスHDによる朝日設備工業の完全子会社化
2020年10月、コムシスHDは、朝日設備工業を相手に、自社を株式交換完全親会社、相手側を株式交換完全子会社とする株式交換を行い、完全子会社化しました。
買収側のコムシスHDは東京都品川区に本社を置く企業で、日本コムシス、サンワコムシスエンジニアリング、TOSYS、つうけん、NDS、SYSKEN、北陸電話工事、コムシス情報システムなどの情報通信工事事業、電気設備工事事業、情報処理関連事業を手掛けるグループの経営管理等を行っています。
売却側の朝日設備工業は、岐阜県を拠点に、水廻りのリフォーム・給排水衛生設備工事・空調設備工事・水道施設工事・機械器具設置工事などを手掛けている設備会社です。
本M&Aの主な目的は、東海地方を中心とする対象地域・事業分野について、両社の強みを生かした広範囲な事業展開と経営資源の連携によるシナジーの最大化を追求し、グループとしての成長戦略の強力な推進および企業価値のさらなる向上の実現にあります。
電気通信工事・管工事会社のM&A・事業承継を成功させるポイント
本章では、電気通信工事・管工事業界を対象とするM&Aでの売却を成功させるためのポイントとして、代表的な4つを取り上げます。
若手の社員・有資格者を多く抱える
若手の社員や有資格者を多く抱えておくと、希望どおりの取引金額で売却できる可能性が高まります。
というのは、電気通信工事・管工事業界全体で人材不足の課題を抱えているためで、とりわけ有資格者の高齢化が顕著です。
「なるべく多くの若手の社員を確保し会社を存続させたい」「有資格者を確保し受注量を高めたい」と望む企業が多くみられ、若手の社員や有資格者を多く抱えているほど、売却価格が高まる傾向にあります。
工事実績を豊富に持つ
電気通信工事・管工事会社を対象とするM&Aで売却する際は、工事実績数が大きなアピールポイントとなります。
特に以下のような難易度の高い工事実績や官公庁に関する工事実績を抱えていると、取引金額が高まる傾向にあります。
- 学校
- 美術館
- 病院
そもそも難しい工事を行うためには、優秀な技術者が社内にいなければなりません。技術力やノウハウ・経験をアピールするためにも、過去の工事実績もリスト化しておくと効果的なアピールにつながります。
魅力的な取引先を抱える
相手側にとって魅力に感じる取引先を抱えていると、M&A・売却の成功率アップにもつながります。というのは、電気通信工事・管工事の絶対数は限られているためです。
確かに建物は数多く建てられるものの、実際に取引を行うのはゼネコン・設計事務所・官公庁などです。これらに該当する取引先を抱えていれば継続的な売上が見込まれ、ひいては買収後の売上向上が期待できるため、M&Aでの売却価格も高くなる傾向にあります。
同業界か関連業界を買収先に選ぶ
電気通信工事・管工事業界もしくは、その関連業界から相手先を選択すると、M&A・売却が成功しやすくなり、取引金額が高まる傾向にあります。
これは、提供サービスの拡充や一貫サービスの実現など、買収側はより多くの相乗効果が期待できるためです。
電気工事会社のM&A・売却・買収・事業承継の事例については、下記の記事でも詳しく紹介しています。あわせてご覧ください。
電気通信工事・管工事会社のM&A・事業承継時におすすめの相談先
電気通信工事・管工事会社のM&A・事業承継時におすすめの相談先をピックアップしてご紹介します。
金融機関
近年、金融機関がM&A支援に特化した専用部門を設ける動きが加速しています。特に、投資銀行やメガバンクといった大手の金融機関では、ファイナンシャルアドバイザー(FA)としてM&Aの推進を支援し、資金調達のサポートや戦略的アドバイスの提供を通じて、取引の円滑化に貢献しています。
これらの金融機関を活用する最大の利点は、資金調達に関する高度な専門知識を得られることと、事業承継時の株式移転など複雑な課題にも対応できる点にあります。また、専門部門を通じて、豊富な経験を持つプロフェッショナルと直接連携することで、取引の成功確率を高められるのも大きなメリットです。
ただし、これらの金融機関は規模の大きいM&A案件を優先する傾向があるため、中小企業の取引には十分に対応できないケースもあります。そのため、支援機関を選ぶ際は、自社の規模やニーズに合った機関を選定することが重要です。
さらに、アドバイザリー報酬が高額になりやすいため、契約前に費用面を十分に確認し、コスト負担について納得した上で依頼することが大切です。
公的機関
近年、事業承継やM&Aに関する公的な支援体制が急速に整備されています。
全国47都道府県に設置されている「事業承継・引継ぎ支援センター」は、後継者不足に悩む中小企業を支援するための窓口です。ここでは、事業承継やM&Aに関する相談や情報提供、さらには企業同士のマッチング支援まで、幅広いサポートを無料で受けることができます。これにより、都市部だけでなく地方の中小企業も、専門的なアドバイスを受けることが可能です。
また、個人事業主の支援も行っており、必要に応じてM&A仲介会社や専門家の紹介を依頼することもできます。ただし、民間のM&A仲介会社と比べて、対応のスピードや柔軟性に限界がある点もあるため、利用する際にはその点を理解しておくことが大切です。
このような公的機関は、信頼性の高い支援を提供する窓口として、事業承継やM&Aを検討する企業にとって、有効なサポート先の一つとなるでしょう。
M&A仲介会社
M&A仲介会社は、企業の売買を総合的に支援する専門機関であり、売り手と買い手の双方に対して、取引を円滑に進めるためのサポートを提供します。主な業務としては、交渉の仲介、相手企業の選定、取引のスケジュール管理、企業価値の評価(バリュエーション)、契約書などの書類作成を含むM&Aプロセス全般の支援があります。
仲介会社の役割は、双方の条件やニーズを調整し、合意に向けた交渉をサポートすることです。特に、豊富なネットワークを生かして適切な取引先を見つけることで、M&A成立の可能性を高めることが得意です。また、M&Aに不慣れな企業には、具体的なアドバイスを提供し、取引が円滑に進行するようサポートします。
ただし、仲介会社によっては、着手金や中間金といった手数料がかかるため、コスト面の負担が懸念されることもあります。そのため、費用を抑えたい場合は、成功報酬型の手数料体系を導入している仲介会社を選ぶのが効果的です。
電気通信工事・管工事業界のM&A・事業承継のまとめ
近年、電気通信工事・管工事業界ではM&Aが活発化していて、隣接業界によるM&Aや異業種も含めたM&Aのほか、海外進出のためにM&Aを実施するケースが多く見られます。 また、事業領域や事業拡大を目的にM&Aを行うケースも多いです。
近年ニーズが高まっている電気通信工事・管工事業界では、今後これまで以上にM&Aへの注目度が増えていくことが見込まれています。
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