2021年11月30日更新会社・事業を売る

M&Aで得られるシナジー効果とは?メリット、種類、分析時のフレームワークを解説【事例あり】

M&Aでは、売上・コスト削減などのシナジー効果が期待できます。特にフレームワークを用いた戦略的なM&Aは、大きなシナジーを得ることが可能です。今回は、M&Aで生じるシナジー効果の種類や分析時のフレームワーク・成功事例などを解説します。

目次
  1. M&Aで得られるシナジー効果とは?
  2. M&Aで得られるシナジー効果の種類
  3. M&Aで得られるシナジー効果を分析するフレームワーク
  4. M&Aにおけるシナジー効果の評価と企業価値算定
  5. M&Aのシナジー効果がもたらすメリット
  6. M&Aのシナジー効果に関する成功・失敗事例
  7. M&Aのシナジー効果の獲得に成功するためのポイント
  8. M&Aのシナジー効果と中小企業が関心を持つ事業分野
  9. M&Aで得られるシナジー効果のまとめ
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M&Aで得られるシナジー効果とは?

M&Aで得られるシナジー効果とは?

M&Aの実施によって当時会社間でのシナジー効果発揮に期待でき、事業の更なる成長や利益増を見込めます。では、M&Aにおけるシナジー効果とは具体的にどのようなものを指すのでしょうか。

この記事ではM&Aにおけるシナジー効果を解説しますが、まずはシナジー効果の意味やアナジー効果との違いをみていきます。

一般的な意味としてのシナジー効果

ビジネスにおいて「シナジー」とは、単なる協業ではなく、1+1が3にも4にもなる、相乗効果を発揮することを指します。お互いの短所を補い合い、長所を伸ばしあう、マッチングの妙によって生まれるメリットをシナジーと呼ぶことが多いようです。

また、ニュースや新聞などでは、異業種同士のコラボレーションや、これまでになかった取り組みなどについて特に「シナジー」という言葉を使うことが多いです。

M&Aにおけるシナジー効果の意味

M&Aにおけるシナジー効果とは、M&Aによる複数企業の統合によって、それぞれの企業が単独で事業を行うよりも大きな効果を生み出すことを意味します。シナジー効果は相乗効果とも呼ばれ、M&Aで得られるメリットの一つです。

M&Aはシナジー効果獲得を目的として行われることも多くあります。例えば、衣料品の販売を手掛ける企業と衣料品の生産を主軸とする企業でM&Aを行うといったケースです。

このケースでは、M&Aによって生産から販売までを一貫して行えるようになり、仕入や在庫の管理などもスムーズになります。

また、譲渡企業の販売拠点や顧客情報などを共有することで、販路拡大による売上アップにも期待できます。このように、単なる足し算以上の効果が得られる点は、M&Aにおけるシナジーを得る非常に大きなメリットです。

関連事業同士ならシナジー効果が高い

自社の既存事業と何らかの関連性を持つ事業を買収した方が、M&Aによるシナジー効果が生じる可能性は高まります。

つまり、M&Aの実施時にシナジー効果を生じさせるには、M&Aの方向性や戦略などが重要です。M&Aの方向性や戦略を考える際は、さまざまなフレームワークの活用が有効とされています。

シナジー効果を高めるために必要なフレームワークの詳細については、後述します。なお、「シナジー効果を期待できるM&Aを実施したい」と考える経営者の方は非常に多いです。とはいえ、シナジー効果の分析には、専門的に高度な知識が必要といえます。

そのため、シナジー効果を十分に分析したい場合は、M&Aをサポートする専門家の力を借りると良いでしょう。

M&A総合研究所には知識・経験が豊富なアドバイザーが在籍しており、M&A手続きをフルサポートしております。

通常M&Aでは半年〜1年程度の期間が必要ですが、M&A総合研究所ではスピーディーなサポートを実践しており、成約まで最短3ヵ月の実績を有している点も強みです。

料金体系は成約するまで完全無料の「完全成功報酬制」です(※譲渡企業様のみ。譲受企業様は中間金がかかります)。

相談料は無料となっておりますので、M&Aによりシナジー効果の獲得を狙いたい場合はお気軽にお問い合わせください。

【関連】M&A・事業承継ならM&A総合研究所

対義語であるアナジー効果との違い

アナジー効果はマイナスの効果を意味しており、シナジー効果と対をなす表現です。簡単にいうと、M&Aを行ったことで、2つの企業の足し算未満の価値に低下してしまった状態をいいます。

シナジー効果を目的としたM&Aであっても、必ずしも見込んだシナジー効果が得られるとは限りません。むしろM&A成立後に売上減少や従業員の士気低下など、マイナス効果が生じる可能性も考えられます。

そのため、シナジー効果を目的としたM&Aでもアナジー効果が生じてしまった場合は、アナジー効果を排除するための組織や業務改善が必要となることもでてきます。

M&Aで得られるシナジー効果の種類

M&Aで得られるシナジー効果の種類

M&Aにおけるシナジー効果といっても、さまざまな種類があります。本章では、M&Aで得られる主なシナジー効果の特徴を紹介します。

  1. バリューチェーンによる分類のシナジー
  2. 事業シナジー・財務シナジーの分類
  3. 売上シナジー・コストシナジーの分類
  4. 研究開発におけるシナジー

①バリューチェーンによる分類のシナジー

企業の主要活動を、価値を生み出す活動単位の連鎖する流れとして捉える考え方を、バリューチェーンといいます。

例えば、原料の調達から顧客に届けられるまでを考えると「購買→製造→出荷物流→販売」といった複数の機能に分類できます。

主要活動が支援活動(研究開発や資金調達)に支えられ、利益を生み出しつつ回り続けるプロセスが、企業の営利事業です。

ここでは、バリューチェーンによる分類のシナジーを、主要活動と支援活動に分けて解説します。

主要活動におけるシナジー

主要活動におけるシナジーの例としては、クロスセリングやアップセリングによる顧客単価の向上が挙げられます。

クロスセリングとは、ある商品の購入を検討している顧客に対して、関連商品の購入を勧める営業活動をいいます。一方のアップセリングは、顧客が検討しているものよりも価値の高い商品・サービスを勧める営業手法です。

異なる製品や顧客層を扱う同業企業の統合では、これらの手法によって想定以上の売上実現を見込めます。

また、製造業やメーカーでは、バリューチェーンの川上から川下、または川下から川上に領域を広げる統合も行われますが、この場合は物流の安定化やコスト削減などが狙えます。

【主要活動におけるシナジーの例】

活動 代表例
購買 原材料・部品・商品調達の安定化・効率化など
製造 生産能力の拡大、コスト削減など
物流(製造・販売などの出荷) 在庫や物流設備、人員の削減など
物流(物流業) 物流網の最適化など
販売 販路の拡大、クロスセリング・アップセリングによる売上向上など

支援活動におけるシナジー

支援活動の例としては、研究開発活動と財務・会計面の活動(資金調達など)が挙げられます。

研究開発活動のシナジーの代表例は、両社の技術が合わさることによる新たな価値(製品・サービス・技術)の創造や、研究開発のための資金力の増強、研究開発の共同化や研究施設の統廃合によるコスト削減などです。

財務・会計面の活動では、2社が統合し財政基盤が強化されて信用力が向上することで、より大規模で柔軟な資金調達が可能になります。したがって事業のための投資拡大が可能です。

信用力が上がるとより低金利での融資を受けたり、社債の発行をしたりできるため、資金調達のコストが下がります。

通常のM&Aでは、買収金額のうち売り手企業の純資産額を上回る金額が「のれん」と呼ばれるのが一般的です(ケースによっては純資産額を下回り、負ののれんになる場合もあります)。

「のれん」は買い手側の会計(または連結会計)上で資産(営業権または連結調整勘定)として計上されます。日本の会計基準では20年以内で償却の必要があるため、減価償却による節税効果をもたらすでしょう。

「のれん」は売り手側が持つブランド力や人材力のような無形資産を表し、M&Aに際してこのような目に見えない資源を金額として算出したものです。この金額には、M&Aで生じるシナジー効果の一部が反映されているケースもあります。

【関連】M&Aにおけるのれんとは?仕組み、償却期間、会計処理、注意点をわかりやすく解説!| M&A・事業承継の理解を深める

②事業シナジー・財務シナジーの分類

主要活動や研究活動のように本業に直接的に関わる分野のシナジーは事業シナジー、企業のお金や税金に関するシナジーは財務シナジーに分類されます。ここでは、各シナジーがどのようなものかをみていきましょう。

財務におけるシナジー

財務におけるシナジーとは、M&Aの実施によって、資本調達力を増強させたり資金調達コストを下げたりする効果のことです。

M&Aの相手先が優良な会社であるほど多くの資金が調達可能となり、資金調達時のコスト(金利など)を下げる効果も期待できます。

特に優良企業同士のM&Aでは、資金調達可能額の増加や、資金調達コストの低減などの財務シナジーが得られます。ただし、片方の企業が債務超過である場合は、財務シナジーは得られないため注意が必要です。

財務シナジーが獲得できればこれまで以上に安定した経営を推進できる可能性が高いため、積極的に獲得を狙うとよいでしょう。

以下の表は、ここまで紹介した代表的なシナジー効果の種類と内容を一覧にまとめたものです。

種類 内容
売上におけるシナジー ・クロスセリング
・アップセリング
・販売チャネル
・ブランド効果
研究開発におけるシナジー ・研究開発力や投資力の強化
・技術やノウハウの融合
コスト削減におけるシナジー ・営業拠点の統廃合
・生産拠点の一部閉鎖
・価格交渉力の強化
・間接部門費(重複部分)の削減
・物流コストの削減
財務におけるシナジー ・資本調達コストの削減
・資本調達余力の増加

③売上シナジー・コストシナジーの分類

クロスセリングやアップセリングなど、売上拡大に関係するシナジーは売上シナジーに分類可能です。また、営業拠点の統廃合や大量仕入れによる割引など、コスト削減に関係するシナジーをコストシナジーとして分類できます。

バリューチェーンの活動単位ごとの分類と、売上・コストによる分類を合わせれば、シナジー分析を行うための枠組みが得られます。

売上におけるシナジー

売上におけるシナジーは、M&Aのシナジー効果の中ではポピュラーなもので、M&Aのシナジー効果によって別々に事業を運営するよりも大きな売上を生み出すことが可能です。

例えば、売上高5000万円のA社と3000万円のB社がM&Aを実施して、1年後の売上高が1億円になれば売上シナジーが得られたことが認められます。このケースのポイントは、売上高の合計が「5000万円+3000万円=8000万円」ではない点にあります。

売上シナジーは、M&Aにより、同一市場の顧客に対して幅広いサービス・製品の提供が実現することで発生するケースが多いです。

また、M&A後に生じる市場シェア・価格支配力などの向上も、売上シナジーの発生要因だといえます。売上におけるシナジーは比較的定量化しやすい点も特徴的であり、同業他社とM&Aを実施する際は特に押さえておきたいシナジー効果です。

コスト削減によるシナジー

コスト削減によるシナジーとは、M&Aにより複数の企業が一つに統合することで、従来よりもコストを削減できる効果をいいます。

もしも重複する販路や部門が存在するならば、M&Aの実施によって片方の企業がその販路・部門に費やしていたコストを削減することが可能です。

M&Aにより企業規模が拡大すると、大量仕入れによるコストの削減・価格交渉力の強化などにつながります。

コストを削減した分だけ利益が増えるため、売上シナジーと同様にM&Aにおいて重要視されているシナジー効果です。また、特に同業種とのM&Aを実施すると、大きなコスト削減シナジーが生じる傾向にあります。

コスト削減によるシナジーはM&Aの実施前でも計算しやすいシナジー効果であるため、販路や部門が類似する会社とのM&Aを検討している場合は、コスト削減によるシナジー効果が得られないかを確認しましょう。

④研究開発におけるシナジー

研究開発におけるシナジーとは、高い技術力を保有する企業同士のM&Aによって、商品開発に関する技術力が向上する効果のことです。

例えば、研究開発に特化した企業と製品開発に特化した企業がM&Aを実施すると、それぞれの企業が単独で事業運営するケースではかなわなかった商品を開発できる可能性が高まります。

つまり、シナジー効果の獲得に成功すれば、これまでは難しかった研究・開発などが行えるようになるため、ライバル会社では作れない商品の開発に着手できる可能性もあります。

M&Aによるシナジーの中では比較的定量化しにくいものの、企業の長期的な競争優位性の獲得が期待できるシナジー効果です。今後、研究開発や製品開発に力を入れていきたいと考えているのなら、押さえておきましょう。

アナジー効果の代表例

M&Aにおいて発生しやすいアナジーは、コストの増加や人材流出、顧客離れなどです。例えば、多角経営を目的にM&Aを進めても、M&A先の事業と既存事業の方向性がかけ離れていれば、結果として経営が非効率になってしまいます。

また、業務システムを統一する際に想定外の問題が起き、当初の想定以上のコストがかかる可能性もあるでしょう。

【アナジー効果の例】
 

タイプ 代表例
コスト 多角化経営による経営の非効率化
統合作業(制度・システム、事業体制の再編など)の遅延によるコストの増加
想定外のコストの発生(在庫の増大、拠点の重複など)
人材流出 M&Aの実行や経営方針、処遇などへの反発(とりわけキー人材の流出)
顧客・取引先の離反 ブランドの変容への反発(買収企業への拙速なテコ入れなど)
経営支配権の移動に対する忌避
買収の対象企業と競合関係にある取引先の離反

【関連】シナジー効果の意味とは?M&A成功事例や多角化戦略、使い方をわかりやすく解説

M&Aで得られるシナジー効果を分析するフレームワーク

M&Aで得られるシナジー効果を分析するフレームワーク

M&Aによりシナジー効果を獲得するには、戦略的にM&Aを実施する必要があります。M&Aを戦略的に実行するうえで、各種フレームワークの活用は非常に有効です。

この章では、シナジー効果を生むM&Aに欠かせないフレームワークを2つ取り上げ、解説します。

  1. アンゾフの成長マトリックス
  2. PPM(プロダクトポートフォリオマネジメント)

①アンゾフの成長マトリックス

アンゾフの成長マトリックスとは、「製品(サービス)」と「市場」を新規・既存の観点から分類し、採るべき経営戦略を考えるフレームワークのことです。このフレームワークとPPMとの違いは、M&A相手を決定する際の視点にあります。

前者が市場成長性や市場シェアを基準とする一方で、後者ではより具体的に「何を・どこで実施しているか」を基準に検討します。

  既存製品の販売 新規製品の販売
既存市場 市場浸透戦略 製品開発戦略
新規市場 新市場開発戦略 多角化戦略

市場浸透戦略

M&Aの市場浸透戦略としては、競争力やシェアの向上のため、同一市場内の同業他社を買収することが代表的です。

ただしこの方法で競争力やシェアの向上を目指そうとすると、その市場における自由競争を阻害し、独占的な企業結合が生じやすくなります。その結果、独占禁止法違反に問われる可能性があるため注意が必要です。

もしこの戦略でM&Aを行うのであれば、共同購買や経営資源の統廃合、組織の合理化・人員整理、技術やノウハウの共有などにより、いかにコストシナジーが得られるかが成功の鍵となります。

新市場開拓戦略

新市場開拓戦略では、他の市場の同業者(エリアや国が違う同業者、同一エリア内でも得意な顧客層が違う同業者)を買収することが代表的です。

新市場開拓戦略においては、自社の既存製品を相手企業の販路(自社にとっての新市場)に乗せて売上シナジーを得たり、共通点を持つ経営資源(人員や拠点、ノウハウなど)を共有化し、コストシナジーを得たりすることなどが、重点目標となります。

例えば、異なる市場でも国が同じなど、新市場と旧市場につながりがあるケースでは、市場浸透戦略と同様、独占禁止法に抵触する恐れもあるため注意しましょう。

新製品開発戦略

新製品開発戦略とは、既存製品とは違う製品を既存の市場に向けて販売していく方法です。この方法により、規模の経済性による収益性の改善が期待できます。主な新製品開発戦略としては、以下の3つが挙げられます。

  1. 異なる製品群を扱う同業者・関連業者の買収
  2. ブランド獲得が目的の買収
  3. 技術や特許などの取得が目的の買収

①では、相手企業の製品(自社にとって新製品)を取扱商品に取り入れ、クロスセリングやアップセリングなどを用いて、売上シナジーの実現を目指します。

取扱商品が増えることで、ブランド戦略の拡大も可能です。また、共通する経営資源の統廃合により、業務効率化によるコストシナジーの実現もできます。

②は製品群に加えて、信用力やイメージといったブランド全体の取り込みを目的に行われます。ブランド力の向上により、大手取引先との口座開設や、異なる顧客層の取り込みも期待できるでしょう。

その一方で、自社ブランドとの統合が円滑に進まなかったり、ブランドの変容を忌避(きひ)した顧客が離れたりするなどのアナジーが発生する可能性も高いです。

③は新しい製品・サービスの開発のために、他社の技術資源を取り入れる方法です。取り入れた技術を活用し、従来は外注していた作業を自社生産にするなど、コストシナジーも期待できます。また、許認可取得をしたい場合にも有効です。

多角化戦略

多角化戦略とは、共通の技術を活用できる分野への進出や顧客基盤の共有化、仕入先や販売先の確保などを目的とする方法です。多角化戦略は大きく分けて、「水平型」「垂直型」「集中型」「集約型」4つのタイプに分かれます。

水平型多角化とは、既存事業と同様の分野において、新製品開発と新市場開拓を同時に行い多角化を図る方法です。

例えば、ワイン製造を行っていなかった酒類メーカーがワイン事業に参入するために、ワイン事業が主力のメーカーを買収するケースなどが考えられます。

垂直型多角化は、サプライチェーンの川上や川下に向い、事業を拡大する方法です。

例えば、自動車メーカーが部品メーカーや要素技術の開発会社などの川上企業、物流・販売会社などの川下企業を取り込み、製造から販売まで一連の流れを形成できるよう、企業グループ化するケースです。

この場合、自動車メーカーは垂直型多角化により、購買の安定化や製品開発力の向上、自社生産化によるコスト削減、販売利益の増加などのシナジーを実現でき、傘下に加わった売り手も安定した成長に期待できます。

また、災害やパンデミックなどが発生しても、安定した仕入れや供給が維持しやすいメリットもあります。

集中型多角化・集約型多角化は、新規の分野において、サプライチェーン上の垂直的なつながりがなく、既存事業との関わりも限られた(または全くない)分野へと進出する戦略です。

集中型の場合は、従来の事業で獲得した技術や顧客関係が活かせる分野を選びます。一方の集約型では、既存事業とは関連性がない分野に進出します。

このケースでは、多数の異分野を吸収することによって、コングロマリット・プレミアムの形成が期待できます。

コングロマリット・プレミアムとは、複数事業の展開により範囲の経済性の発揮はもちろん、大規模企業グループの一員として信用力・ブランド力を活かした営業展開・人材採用ができるなど、幅広いシナジー効果が発現し、グループ企業を単純合算した以上の企業価値の向上が期待できる状態です。

従来の資産を直接活かせる分、集中型の方が低リスクかつ迅速なシナジーの実現が期待できますが、多角化の幅は限定されます。

一方、集約型はリスクが高く、シナジーの実現にも時間がかかることが多いですが、成功すれば信用力・ブランド力が大幅に向上し、リスク分散もできます。

ただし、経営に非効率な面が生じたり、グループ内における甘えや惰性が生まれたりして、かえって企業価値の下がるコングロマリット・ディスカウントが起きる可能性もあり、事業の「選択と集中」を適宜行うことが重要です。

②PPM(プロダクトポートフォリオマネジメント)

次に、シナジー効果を得るために知っておくべきPPM(プロダクトポートフォリオマネジメント)について取り上げます。

PPMのフレームワークとは

M&Aを実施するには、自社の状況を把握したうえで、実行すべき経営戦略を組み立てる必要があります。

このときに有効なフレームワークが、PPM(プロダクトポートフォリオマネジメント)です。PPMとは、「市場の成長率」「自社の市場シェア」の2つの軸から自社の成長戦略を考えるフレームワークをさします。

このフレームワークでは、市場の成長率の高低および自社の市場シェアの高低に応じて、自社の行っている事業を4つのグループに分類します。

  市場シェア:高 市場シェア:低
市場成長率:高 花形 問題児
市場成長率:低 金のなる木 負け犬

PPMのフレームワーク分析

上記のフレームワークのうち、問題児は花形に成長させる必要があるほか、花形は市場シェアを維持するために積極的な投資が求められます。

また、金のなる木はキャッシュフローの源泉となる事業であるため、現状維持を目的とする最低限の投資が必要です。

なお、負け犬に該当する事業は十分な利益を見込めないため、原則的に撤退の検討を行います。このフレームワークにおいて、理想的な経営戦略とは、自社の事業がバランスよく配置されていることです。

つまり、資金源となる「金のなる木」を一定数確保しつつ、「金のなる木」で生み出した資金を将来の収益源となる「問題児」・「花形」などに投入するのが理想的です。M&Aを行う際は、以上の点を意識しておくとシナジー効果を得やすくなります。

PPMのフレームワークをM&A戦略に生かす

M&Aを実施する際は、PPMにおいて自社で不足する事業(企業)をターゲットに据える戦略が望ましいです。仮に資金源が不足している場合は、成長率が落ち着いた市場で大きな市場シェアを誇る企業(金のなる木)の買収を図ります。

逆に将来的な収益源となる「問題児」や「花形」などが欠けている場合は、成長市場で高い潜在性を誇る企業を買収するとよいでしょう。M&Aの買収相手をみつける際は、以上の点を意識することでシナジー効果の獲得が期待できます。

③バリューチェーンの分類とシナジー分析のフレームワーク

買収対象となる企業の候補が決まり、より具体的なシナジー分析を行う段階では、売上シナジー・コストシナジーをバリューチェーンに合わせてまとめましょう。

これは、自社と対象会社のバリューチェーンを比較し、どのプロセスにおいて、どんなシナジーが見込めるかを検討するのに有効です。また、事業構造を把握し、競合他社と比べた強み・弱みを整理するのにも役立ちます。

【分類例】
 

  購買 製造 物流 販売 研究開発 資金調達
売上シナジー 原材料・部品・商品調達の安定化など 生産能力の拡大など 物流網の拡大など ラインナップの拡充など 新サービス・商品開発など 資金調達力の向上など
コストシナジー 価格交渉力の強化など 外注作業の自社生産化など 物流網の最適化など マーケティングコストの削減など 研究施設の統廃合など 金利削減など

なお、デューディリジェンス、企業価値の算定など、最終条件の交渉に向けた段階では、「シナジー効果の予測金額」や「勘定項目」、「シナジーの実現に要する時期(短期・中期・中長期)」なども含めて、シナジーの検証や定量化を行います。

④M&Aを検討する際に用いられるフレームワーク

シナジー効果に焦点を当ててM&Aを検討する場合は、「内部リソース」と「外部ネットワーク」の2つの要素を細分化して考えていきます。

内部リソースとは、自社(もしくは買収対象に検討している会社)が保有している経営資源のことです。内部リソースを細分化すると、ヒト・モノ・カネの3つになります。

内部リソースで細分化した「ヒト」とは、ずばり人材のことです。人材の持つ技術や能力を分析します。製品開発を主に行う会社で例えると、下の表のようになります。

【ヒト(人材)によるフレームワーク】

  自社の特徴 買収対象会社の特徴 期待されるシナジー効果
ヒト(人材) ・研修体制が充実
・新卒採用で安定的に若手人材を確保
・専門性の高い技術者・開発者が多数在籍 ・採用、育成環境の強化
・両社と取引がある顧客が多くあれば、営業人員効率の改善

「モノ」については、主に物流拠点を分析します。買収により両社の持つ物流拠点を使用できるようになった際、効率化につながるかどうかを考えます。「ヒト」の解説と同じように製品開発を主に行う会社で例えると、下表のようになります。

【モノ(拠点)によるフレームワーク】
  自社の拠点数 買収対象会社の拠点数 期待されるシナジー効果
モノ(拠点) ・国内に10箇所
・国外(アジア)に5箇所
・国内に5箇所
・中国に1箇所、アメリカに1箇所
・国内拠点が同一場所にあれば、中心拠点として機能し物流の効率化
・国内拠点の配置が補完関係にあれば物流の効率化
・将来的に広域での拠点統廃合が検討可能

「カネ」については、資金や投資の観点から分析します。例えば、買収対象会社のスケールアップによるコスト効率改善が期待できたり、両社で重複投資に準ずるものがある場合は、経営資源を他分野に回せたりできる可能性を探ります。

外部ネットワークとは、ひとえに外部の経営資源のことです。外部ネットワークは顧客基盤と仕入れ先に細分化して考えていきます。

引き続き製品開発を主に行う会社で考えると、顧客の観点では、両社の既存製品や共同開発による商品ラインナップの拡充で、より広い顧客ニーズを満たした顧客基盤の拡大が可能です。また、双方既存顧客に対しての提案力や販売力向上も期待できます。

仕入れ先の観点では、自社と買収対象会社の仕入れ先に重複がある場合、スケールメリットによる経営効率化やコスト削減、生産量の拡大が期待できます。

M&Aにおけるシナジー効果の評価と企業価値算定

M&Aにおけるシナジー効果の評価と企業価値算定

企業価値評価の算定や実際の買収価格を決める際は、M&A成立後に期待されるシナジーも加味されます。そのため、シナジーをどのように評価するのかがポイントです。

本章では、シナジーの評価と企業価値算定のプロセス・流れや、シナジーを反映した企業価値算定と取引価額の関係性を解説します。

シナジーの評価と企業価値算定のプロセス・流れ

シナジーの評価と企業価値算定は、以下のような流れで行われます。

  1. 売り手側・買い手側に期待されるシナジーを抽出
  2. それぞれの事業計画を参照し、各項目におけるシナジー効果の予測金額と実現可能性、実現に要するコストを評価
  3. シナジー定量化の結果を盛り込み、DCF法などを用いて企業価値を算出

①のプロセスで十分なシナジーの洗い出しを行うためには、前述したようなフレームワークを活用するのが有用です。

②のプロセスでは、限られたデータをもとに、一定の仮定に基づいて概算することが必要な項目もあります。

また、シナジー効果の予測金額は実現可能性に応じて割り引き(例えば実現可能性が50%なら半額にするなど)、企業価値算定に反映させます。

シナジーを反映した企業価値算定と取引価額の関係性

取引目的での企業価値算定では、例えば価格交渉や競争入札による買収案件などにおいて、勝ち残るために買収プレミアムを支払うときに、その根拠や金額的な水準を検討するために分析が行われます。

また会社法上では、株式買取請求権の取り扱いにおいて、「公正な価格」が買取価格であるとされ、公正な価格にシナジー効果分の価値を含ませることを可能とする趣旨と説明をされることがあります。

シナジーを反映した企業価値算定額は、売り手が単独で存続した場合の価値(スタンドアローンの価値)に、統合で生み出された価値を加えたものです。

買い手側は買収により「スタンドアローンの価値+α」の価値を取得するため、売り手側はスタンドアローンの価値に対し、プレミアムを上乗せした買収価格を要求します。

「プラスα」の価値は、今後行われる買い手主導による、経営統合の作業で生み出されるシナジーによるものです。そのため、買い手はそのためのコストやリスクを背負います。

企業価値算定額そのものを買収金額とする(α自体をプレミアムとする)ことを受け入れるのは困難です。交渉においては、企業価値算定額未満の一定レベルを適正な金額として主張することになります。

最終的な落とし所となるのは、スタンドアローンの価値を超え、企業価値算定額よりも低い一定の金額です。

一般的にTOBで売り手上場企業の株式の買い集めが行われる際は、直近の株価の平均額に対し、20〜30%程度のプレミアムを上乗せした買取価格とするのが相場です。結果として高すぎる買い物になることも少なくありません。

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M&Aのシナジー効果がもたらすメリット

M&Aのシナジー効果がもたらすメリット

企業がM&Aを行う目的はさまざまですが、取引である以上、当事者双方の利害が一致するからこそ行うものです。そなかでも、シナジー効果による利益を目的とするM&Aは多くみられます。

本章では、M&Aのシナジー効果がもたらすメリットについて、買収側と売却側の立場から解説していきます。

買収側のメリット

M&Aのシナジー効果による買収側のメリットは、低リスクで迅速な事業拡大・収益化が期待できることです。

M&Aで企業を買収する場合、すでに軌道に乗った(または自社の支援で軌道に乗せられると判断した)企業を買収します。

そのため、自社の力のみで取り組むよりも、時間・費用・リスクなどのマイナス要素を抑えられるのもポイントです。

そのほか、買収対象企業の人材や技術、ノウハウを得られる点もメリットです。これらを効果的に活用し、シナジー効果を発揮できれば事業拡大や収益化につながることに期待できます。

売却側のメリット

M&Aのシナジー効果による売却側のメリットは、事業・技術の発展です。自社(売却側)のみの力では実現できなかった方法で、事業・技術の発展が期待できます。

具体的には、売却先と技術やノウハウの共有をしたり、信用力や金銭的な支援を受けたりできるため、事業や技術発展の助けになるでしょう。

事業承継の後継者不在問題を抱えている場合は、事業存続自体がメリットになり、従業員の雇用を守れます。また、企業の譲渡益を獲得できたり、成長の見込めない事業から撤退できたりする点もメリットとして挙げられます。

M&Aのシナジー効果に関する成功・失敗事例

M&Aのシナジー効果に関する成功・失敗事例

これまでで基本的な事項について把握したところで、本章ではM&Aのシナジー効果に関する成功・失敗事例を取り上げます。

M&Aの成功事例8選

まずは、M&Aによるシナジー効果が生じた事例として、以下の8つを取り上げます。

  1. 大和ハウスグループのM&A成功事例
  2. 日本電産のM&A成功事例
  3. 富士フイルムHDのM&A成功事例
  4. 大正製薬のM&A成功事例
  5. ガーデンのM&A成功事例
  6. ソフトバンクのM&A成功事例
  7. 楽天のM&A成功事例
  8. JTのM&A成功事例

実際に報告されている事例を確認して、自社のM&Aでもシナジー効果を得られるよう戦略を練りましょう。

①大和ハウスグループのM&A成功事例

ハウジング事業と商業建築事業を中心に展開する大和ハウスグループは、2000年代よりM&Aへの投資を本格化しています。米国における住宅需要が高いことを背景に、現在大和ハウスグループは米国の戸建て事業を拡大しています。

すでに米国東部や西部で戸建ての販売をしていますが、販売地域の拡大のために2021年8月に米キャッスルロック社の買収を発表しました。買収額は約448億円にのぼり、大和ハウスグループとしては最大の買収です。

このような水平型のM&Aを行う一方で、ソフト面(開発・販売)・ハード面(建設・施工)のバリューチェーンのシナジーを期待した統合や、スポーツクラブ運営やロボット開発といった、集中型・集約型のM&Aも行っています。

②日本電産のM&A成功事例

モーターの開発・製造を中心とした事業を展開する日本電産は、企業成長の原動力として早期からM&Aを戦略的に活用し、大きな成長を果たした一つです。

古くは1984年の米トリン社の買収を始めとし、2021年10月現在において、実に67回ものM&Aを実施しており、直近では2021年8月に三菱重工工作機械を買収しました。

日本電産のM&Aは、「回るもの、動くもの」に特化し、技術・販路を育てあげるために要する「時間を買う」という考え方に基づいて行っています。

「時間を買う」ことを成功させるためには、既存の事業と買収企業の事業のシナジーが必須です。日本電産では部品調達を一元化することによるコストシナジーや、新分野での技術開発・販路拡大による売上シナジーなどを重視し、適切な相手企業を選定して効果的な経営統合作業によりシナジーを生み出してきました。

日本電産は自社の成長手段にM&Aを加えることで、各々の持つ特徴を活かしながらシナジーを発揮し、世界NO.1の総合モーターメーカーとして成長を続けています。

③富士フイルムHDのM&A成功事例

写真用フィルムの分野で世界的な地位を築いた富士フイルムですが、デジタル化によりフィルムの需要が右肩下がりとなり危機に直面しました。

しかし富士フイルムはこれをビジネスチャンスと捉え、新たな事業展開を目的として、2006年以降よりバイオ・医療分野でのM&Aと研究開発を積極化しています。

例えば2019年12月には、ヘルスケア領域の事業成長の加速を目的とし、画像診断関連事業を行っている日立製作所を買収しました。

これによりラインナップの拡充や販路の相互活用はもちろんのこと、富士フイルムの持つ画像処理技術とAI技術と、日立製作所の製品を組み合わせることによるシナジーが期待できます。

④大正製薬のM&A成功事例

大正製薬は、シナジー効果の高いM&Aを行う企業の一つです。2016年、大正製薬は、化粧品事業を手掛けるドクタープログラムを買収しました。

このM&Aにより、大正製薬ではドクタープログラムの持つ販売ルートの獲得に成功しており、売上におけるシナジー効果などを獲得しています。

⑤ガーデンのM&A成功事例

ガーデンはカラオケマック・カラオケサウンドジョイなどのカラオケ店を運営しており、M&Aを積極的に活用している中小企業です。M&Aの中でも事業再生に強みがあり、業績不振に悩む事業を積極的に買収しています。

また、従業員の雇用継続を重要視しており、採用面でのコスト削減におけるシナジー効果の獲得を図っています。

一例を挙げると、2015年に牛丼チェーン店の「神戸らんぷ亭」を買収してラーメン店に転換させており、黒字化に成功しました。このM&Aにより、ガーデンでは売上におけるシナジーなどを得ています。

⑥ソフトバンクのM&A成功事例

国内企業の中でもソフトバンクは、M&Aによるシナジー効果を最大限に獲得している企業といっても過言ではありません。2004年、ソフトバンクは、同じくブロードバンド事業を手掛ける日本テレコムとのM&Aを実行しました。

このM&Aにより、ソフトバンクでは、販路拡大および通信設備の共有利用に伴ってコスト削減におけるシナジー・売上におけるシナジーなどを獲得しています。その結果としてソフトバンクは急成長を遂げており、日本を代表する企業に成長しました。

⑦楽天のM&A成功事例

楽天市場を中心としつつ旅行・銀行など多種多様なサービスを自社で提供する構想「楽天経済圏」の構築を目的に掲げる楽天も、M&Aを積極的に活用している企業の一つです。

他社に先駆けてあらゆるインターネット事業をM&Aによって取り込んで、複数事業でシナジー効果を享受できる地盤の確立に成功しています。

一例を取り上げると、2003年には、インターネットを通じてホテル予約ができる旅客事業を手掛けるマイトリップをM&Aにより買収しています。このM&Aにより、楽天では、売上におけるシナジー・コスト削減におけるシナジーなどを獲得しました。

⑧JTのM&A成功事例

JT(日本たばこ産業)も、M&Aの実施によりシナジー効果を獲得し、企業規模の拡大・成長を果たした企業です。JTでは、たばこ並びに医薬品・食品・飲料の製造・販売を手掛けています。

1970年代以降、日本国内の喫煙者の割合は徐々に減少を続けていましたが、この傾向は日本専売公社から民営化された後にも継続したため、JTは売上の低下に悩まされました。そこでJTでは、1999年にM&Aにより米国のRJRナビスコ社から米国外のたばこ事業を取得しています。

このM&Aにより、JTはたばこの販売本数を飛躍的に伸ばして、売上を急激に増加させています。その後もJTは世界のたばこ関連企業とM&Aを行い、現在では世界規模での主要メーカーに成長を遂げました。

【関連】M&A成功事例とは?大手・中小企業、スタートアップやベンチャー企業のM&A成功事例を解説

M&Aのシナジー効果の失敗事例

期待していたシナジー効果が得られずにM&Aに失敗してしまった事例についても、少なからず報告されています。近年、M&Aによるシナジー効果が得られずに失敗を喫した代表的な企業の一つが、NTTドコモです。

2012年、NTTドコモは、通信販売事業の拡大などのシナジー効果に関する獲得を図って「らでぃっしゅぼーや」を買収しています。しかし、期待していた成果は得られず、2018年2月、らでぃっしゅぼーやの譲渡に至りました。

上記のケースのようにM&Aに失敗してしまうと、シナジー効果が得られないだけでなく、買収費用ばかりがかさんで自社の事業に悪影響を及ぼすケースも珍しくありません。

最悪の場合には自社の存続が脅かされるケースもあるため、M&Aのシナジー効果の獲得を図る際は失敗を避けるための対策が必要不可欠です。

M&Aのシナジー効果の獲得に成功するためのポイント

M&Aのシナジー効果の獲得に成功するためのポイント

最後に、M&Aのシナジー効果の獲得に成功するためのポイントとしては以下の2点が挙げられます。これらのポイントを実践するためにも、M&Aの際は仲介会社などの専門家に手続きのサポートを依頼するとよいでしょう。

  1. 相乗効果が見込める企業を相手にM&Aを行う(適したパートナーとのマッチング)
  2. M&A成約後の経営統合プロセス(PMI)の綿密な計画・実行

【関連】M&A失敗例から学ぶ成功のポイント

M&Aのシナジー効果と中小企業が関心を持つ事業分野

M&Aのシナジー効果と中小企業が関心を持つ事業分野

『中小企業白書2017』によると、中小企業が関心を持つ事業分野は、「環境・エネルギー分野」「医療機器ヘルスケア分野」、「観光」、「農業」、「AI、ロボット」や「自動運転」などです。

『中小企業白書2017』では、中小企業の継続的な成長には、「新市場開拓戦略」、「新製品開発戦略」、「多角化戦略」、「事業転換戦略」の4つが重要としています。

戦略ごとの特徴として、分野を選択する際に重視されている点は以下の通りです。
 

戦略 重視する点
新市場開拓戦略 知名度・信用力が活かされる
新製品開発戦略 知名度・信用力が活かされる
必要な認可等を取得している
多角化戦略 多額の投資を必要としない
事業転換戦略 連携相手がいる

また、戦略に関係なく「既存事業の技術・ノウハウが活かされる」、「市場規模が大きい・成長性が見込まれる」という点は重視されています。

多角化戦略や事業転換戦略は、他の戦略よりも成功率が低く、投資額の抑制や連携相手探しなどを、慎重に検討する傾向が強いです。

M&Aで得られるシナジー効果のまとめ

M&Aで得られるシナジー効果のまとめ

今回は、M&Aにおけるシナジー効果について紹介しました。シナジー効果は、M&Aを行ううえで考慮すべき相乗効果です。

M&Aを活用すると、売上の向上・コストの削減などさまざまなシナジー効果が期待できます。M&Aのシナジー効果を最大限に獲得するには、PPMなどのフレームワークを活用しましょう。

フレームワークを用いた戦略的なM&Aにより、大きなシナジーの獲得が見込めます。M&Aによるシナジーを利用して急成長を遂げた企業は多く存在しているため、M&Aの際はシナジー効果を意識しましょう。本記事の要点は、以下の通りです。

・M&Aのメリット
→リスクを抑えて事業拡大できる(買い手側)、会社および事業を存続させられる(売り手側)

・M&Aのデメリット
→想定していたシナジー効果が得られるとは限らない(買い手側)、M&A後に自社の従業員の待遇が悪化するおそれ(売り手側)

・M&Aで生じるシナジーの種類
→売上におけるシナジー、研究開発におけるシナジー、コスト削減におけるシナジー、財務におけるシナジー

・アナジー効果とは
→マイナスの効果を意味しておりシナジー効果と対をなす表現

・M&Aにおけるシナジー効果を生むフレームワーク
→アンゾフの成長マトリックス、PPM(プロダクトポートフォリオマネジメント)

M&Aのシナジー効果の獲得に成功するためのポイント
→適したパートナーとのマッチング、PMIの綿密な計画および実行

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