バイアウトの意味とは?3つの種類や目的、手法を知って経営に役立てよう
2021年2月15日更新会社・事業を売る
M&Aブティックとは?意味や業務、ランキングを紹介
M&Aの専門家であるM&Aブティックは効率的にM&Aを実施するうえで必要不可欠であり、一般的にM&A実施前の準備も含めて依頼主を支援する存在です。今回は、M&Aブティックの業務内容・M&Aブティックの年収/報酬・M&Aブティック一覧・ランキングを解説します。
M&Aブティックとは?M&Aブティックの意味
ビジネスシーンにおける「ブティック」とは、何らかの専門分野に特化したアドバイザリーや専門家集団として、主に大手・外資系の会社を総合的にサポートするコンサルティングファームを意味します。
つまり、M&AブティックとはM&Aに特化した専門家およびM&Aを専門にしている集団のことであり、M&Aアドバイザリーと同じ意味です。M&Aブティックは基本的に売り手・買い手いずれかの立場でM&A業務を手掛けますが、日本では仲介役としてM&Aを支援するブティックも存在します。
本記事では、M&Aブティックについて、業務内容・年収/報酬・会社一覧・ランキングなどを中心に紹介します。
M&Aには高度な専門知識が必要
そもそもM&Aでは、会計・税務・法務だけでなくM&A手法や手続きに関する非常に高度な専門知識も必要となります。そのため、すでにM&Aに慣れている経営者でないと、M&Aを独力で遂行することは困難です。
M&Aを行う際は、専門家であるM&Aブティックの活用が一般的とされています。大規模なM&Aであるほど専門性や複雑性が高まるため、例えば有名企業同士のM&AではほとんどのケースでM&Aブティックが関与しているのです。
もしもM&Aブティックの活用を検討しているならば、M&A総合研究所にお任せください。M&A総合研究所
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M&Aブティックの業務内容
M&Aブティックの意味を踏まえて、本章ではM&Aブティックが実際にどのような業務を手掛けているのか、以下の内容に分けて取り上げます。
- M&Aの相手探しや交渉
- バリュエーション
- デューデリジェンス
- 契約書作成
それぞれの項目を順番に詳しく紹介します。
①M&Aの相手探しや交渉
M&Aブティックの中には、M&Aの相手探しや交渉などの仲介業務を遂行する機関も多いです。こうした機関では、単純に相手を捜すだけでなく、実際にM&Aが行われた場合のシナジー効果・業界の成長性などを考慮したうえで、最大限の利益を得られる相手を選定してもらえます。
M&A候補が見つかると交渉プロセスに移りますが、当事者となる会社経営者のみでは交渉が平行線を辿ってしまい、スムーズに交渉できないおそれがあります。そこで仲介形式のM&Aブティックに依頼すれば、双方の満足度が最大限となるように第三者の公平な立場から交渉を進めてくれるのです。
その一方で、アドバイザリー形式のM&Aブティックでは自身の顧客である会社の利益を最大限にするために交渉を有利に進める役割を担います。とはいえ、場合によってはM&Aの成約に向けて譲歩などのアドバイスを行うケースもあるのです。
このようにM&Aを円滑に進めるには高いコミュニケーションスキル・交渉スキルが必要ですが、最近ではM&A仲介サイトを運営するM&Aブティックも多く、ユーザーが自身により買い手や売り手を探せる仕組みが構築されています。
②バリュエーション
バリュエーションとは、M&Aの売買価格を決定する業務のことです。M&Aにおけるバリュエーションには「コストアプローチ」や「マーケットアプローチ」などの方法がありますが、M&Aで最大限の利益を獲得するには状況に応じて最適なバリュエーション方法を用いる必要があります。
このバリュエーション業務では会計・財務に関する高度な能力が必要であるため、M&Aブティックの専門的かつ適切なサポートを受けると良いでしょう。
③デューデリジェンス
デューデリジェンスとは、M&Aにおける売り手企業に対して、さまざまな観点から調査するプロセスのことです。M&Aにおける買い手企業は簿外債務・偶発債務などのリスクに晒されており、このリスクがM&A後に顕在化すると買い手側の利益が損なわれてしまいます。
デューデリジェンスはM&Aに介在するリスクの発見・対処を目的とする調査であり、M&Aブティックが行う重要な業務です。調査領域は財務・IT・税務・法務などで、それぞれ必要な知識・能力は異なります。
M&Aブティックのサポートを受けているとM&A後のリスクを最小限に抑えられるため、これを理由にM&Aブティックを利用する企業も多いです。
④契約書作成
M&Aのプロセスでは、秘密保持のための「秘密保持契約書」や基本的内容を合意した時点で締結する「基本合意契約書」などさまざまな契約書や書類を作成します。この契約書作成には、法律に関する専門知識が必要です。
作成後には適切な内容であるかチェックする必要もありますが、M&Aブティックのサポートを受けていればM&Aに関する書類を作成してくれるため、書類の準備に関する心配は不要です。以上、M&Aブティックの業務内容について紹介しました。
これらのプロセスを経営者が独力で実施しようとした場合、スムーズに行える可能性は低いです。とりわけ中小企業の経営者として通常業務をこなしている方であれば、M&Aブティックのサポートを受けてM&Aのスムーズな成功を目指しましょう。
M&Aブティックの年収・報酬
M&Aの成功を目指すために、M&Aブティックには非常に高度な知識が求められますが、本章ではM&Aブティックの年収や報酬について取り上げます。2019年に東洋経済新報社が作成したデータによると、平均年収が1,400万円以上のM&Aブティックが複数社存在していることがわかりました。
業務に必要な知識が非常に高度であるため、平均年収は他業種よりも高い傾向にあります。その中でも、外資系やM&A仲介会社に在籍するアドバイザーは平均年収が特に高いです。給与体系にもよりますが、2,000万円〜3,000万円ほどの年収を稼ぐアドバイザーも存在します。
そもそもM&Aブティックは成功報酬や着手金など、ひとつのM&A案件で多額の報酬を獲得するケースが多いです。必要とされる専門知識やスキルの高さ・相手探しや売買価格決定といった業務の専門性の高さなどを考慮すると、M&Aブティックの年収・報酬の高さには納得できます。
M&Aブティック一覧
一言にM&Aブティックといっても、下記のようにさまざまな種類に分けられます。
- 外資系投資銀行
- 経営コンサルティングファーム
- M&A仲介会社
- 証券会社
- メガバンク
本章では、それぞれの特徴や主なM&Aブティックを紹介します。「M&Aを行う際にどこに依頼したら良いのかわからない」という経営者の方は、本章を読んでまずはM&Aブティックの種類を把握しておきましょう。
①外資系投資銀行
資産運用を主な業務とする外資系投資銀行の中には、M&Aブティックの業務を行う機関も見られます。主なM&Aブティックは、以下の外資系投資銀行です。
- ゴールドマン・サックス
- ラザード
- モルガン・スタンレー
M&Aブティックとしての外資系投資銀行では、主に大規模なクロスボーダー案件を取り扱っています。
②経営コンサルティングファーム
経営コンサルティングファームの中でも、以下の機関はM&Aブティックとしても知られています。
- デロイトトーマツ
- PwCアドバイザリー
- アクセンチュア
M&Aブティックの業務を行う経営コンサルティングファームでは、デューデリジェンスなどの専門的な業務のクオリティに強みがあります。
③M&A仲介会社
もともとM&Aブティックは売り手・買い手のいずれかに付きますが、仲介役としてサポートするM&A仲介会社もM&Aブティックと呼ばれます。仲介会社のM&Aブティックとしての特徴は、主に中小企業の案件を積極的に取り扱う点です。主なM&Aブティックには、下記のような仲介会社が挙げられます。
- M&A総合研究所
- ABNアドバイザーズ
- オンデック
- レコフ
- オンデック
上記の中でも実績面・手数料面で相談しやすいM&Aブティックは、M&A総合研究所です。M&A総合研究所では豊富な知識と経験を持つアドバイザーによる、M&Aのフルサポートを提供しております。
また、通常M&Aでは1年程度の期間がかかりますが、M&A総合研究所ではスピーディーなクロージングを目指しており、最短3ヶ月での成約実績を有しております。相談料は無料となっておりますので、M&Aの実施を検討している場合にはお気軽にお問い合わせください。
④証券会社
証券会社の中には、M&Aブティックとしての部署を設置している機関も存在します。主なM&Aブティックは、以下の証券会社です。
- 野村證券
- 大和証券
- SMBC日興証券
証券会社では案件規模よりも取り扱う案件数を重視しており、成約件数が非常に多い点に特徴があります。
⑤メガバンク
経営資源が豊富なメガバンクでは、M&Aブティックとしての業務も取り扱っています。主なM&Aブティックは、下記のメガバンクです。
- みずほフィナンシャルグループ
- 三井住友フィナンシャルグループ
- 三菱UFJフィナンシャルグループ
メガバンクでは、M&A仲介会社や証券会社などとは異なり、比較的規模の大きいM&A案件を担う傾向があります。
M&Aブティックのランキング
最後に、「リフィニティブ(旧トムソン・ロイター)」が発表する「M&Aリーグテーブル(日本M&Aレビュー ファイナンシャル・アドバイザー 2020年第4四半期)」より、M&Aブティックのランキングを以下にまとめました。
順位 | M&Aブティック | 案件数 | 市場占有率(%) | ランクバリュー(億円) |
1 | 三井住友フィナンシャル・グループ | 124 | 2.9 | 35,070 |
2 | デロイト | 97 | 2.3 | 65,656 |
3 | 野村証券 | 92 | 2.2 | 118,557 |
4 | KPMG | 82 | 1.9 | 5,311 |
5 | みずほフィナンシャルグループ | 77 | 1.8 | 8,536 |
6 | PwC | 55 | 1.3 | 13,555 |
7 | ブルータス・コンサルテイング | 43 | 1.0 | 52,209 |
8 | 三菱UFJモルガン・スタンレー | 41 | 1.0 | 118,525 |
9 | 東京フィナンシャル・アドバイザーズ | 34 | 0.8 | 268 |
10 | マクサス・コーポレートアドバイザリー | 32 | 0.8 | 333 |
〈M&Aブティックのランキング2020年版〉(出典:リフィニティブ-「M&Aリーグテーブル(日本M&Aレビュー ファイナンシャル・アドバイザー 2020年第4四半期)」)
案件数では、三井住友フィナンシャルグループが突出しています。ランクバリューで見ると、3位にランクインしている野村証券が118,557億円でトップです。なお、ランクバリューとは、株式価値と負債を合計したうえで現金(キャッシュ)を差し引いた金額をさします。
M&Aブティックまとめ
今回は、M&Aブティックについて解説しました。M&Aの専門家であるM&Aブティックは、効率的にM&Aを遂行するうえで欠かせない存在です。M&Aを行う際はM&Aブティックからサポートを受けるのが一般的であるため、M&Aをご検討中の方はM&Aブティックに相談すると良いでしょう。
本記事の要点は、以下のとおりです。
・M&Aブティックとは
→M&A業務を行う専門家および専門家の集団
・M&Aブティックの業務
→M&Aの相手探しや交渉、バリュエーション、デューデリジェンス、契約書作成
・M&Aブティックの年収
→平均1,200万円であり、外資系やM&A仲介会社は高い傾向にある
・M&Aブティックの一覧
→M&A総合研究所、ABNアドバイザーズ、オンデック、レコフ、オンデック
・M&Aブティックのランキング(上位5社)
→三井住友フィナンシャル・グループ、デロイト、野村証券、KPMG、みずほフィナンシャルグループ
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株式会社日本M&Aセンターにて製造業を中心に、建設業・サービス業・情報通信業・運輸業・不動産業・卸売業等で20件以上のM&Aを成約に導く。M&A総合研究所では、アドバイザーを統括。ディールマネージャーとして全案件に携わる。