2026年2月24日更新会社・事業を売る

M&A戦略の策定ガイド:経営目的の明確化から具体的な手順、成功の鍵となる最新動向まで解説

現在の不透明な経済環境において、M&A戦略の策定は企業存続の要です。本記事ではM&A戦略の目的から具体的な策定手順、成功のポイントまで、2026年現在の最新市場動向を反映して専門家が分かりやすく解説します。

目次
  1. 企業価値を最大化するM&A戦略の重要性と最新の背景
  2. M&A戦略を策定する具体的なステップ
  3. 効率的なM&A戦略立案を支える3つの重要フレームワーク
  4. M&A戦略の実効性を高め成果を最大化するための推進体制
  5. 2026年の市場環境に対応するM&A戦略の新たな視点
  6. 買い手側のM&A戦略
  7. 売り手側のM&A戦略
  8. M&A戦略を策定・実行する際の重要注意点
  9. 中小企業におけるM&A戦略の意義と活用法
  10. 成約事例から見るM&A戦略のケーススタディ
  11. M&A戦略の最新成功事例と学ぶべきポイント
  12. M&A戦略と全社戦略の連携:成功への土台作り
  13. M&A戦略まとめ
  • 今すぐ買収ニーズを登録する
  • 公認会計士がM&Aをフルサポート まずは無料相談

【※メルマガ限定】プレミアムM&A案件情報、お役立ち情報をお届けします。

企業価値を最大化するM&A戦略の重要性と最新の背景

M&A戦略とは、M&Aを通じてどのような経営効果を獲得するのかを明確にし、その実現に向けた準備や計画の総称です。M&Aには多様な手法が存在し、そのいずれもが緻密な戦略に基づいて実行されます。M&Aを成功に導くためには、戦略の質が極めて重要となり、その策定と実行の精度が成果を大きく左右します。

M&A戦略を策定する際には、まず自社の現状分析と精密な市場調査を行い、M&Aの目的を明確化することが不可欠です。2026年現在の国内市場では、人手不足の深刻化やDX(デジタルトランスフォーメーション)の進展により、リソース確保を目的とした買収が加速しています。その上で、具体的なM&A戦略に落とし込み、シナジーを最大化できる相手先企業の選定を慎重に進める必要があります。M&Aの成功確率を高めるためには、単なる規模拡大ではなく、中長期的な経営ビジョンに沿った戦略立案がこれまで以上に重要となっています。本セクションでは、変化の激しい現代において、なぜ緻密な戦略が求められるのかを詳しく解説します。

買い手側におけるM&A戦略の重要性

買い手側がM&A戦略を策定することは、M&Aの成功確率を上げます。M&A戦略を策定しないと、期待していた未来を実現できないだけでなく多くのリスクを抱えることとなります。

M&A戦略を立てる際に最も重要なのは、目的の明確化です。 M&Aを行う目的には、さまざまなものがあり、M&Aの目的によって、戦略や用いる手法が変わります。

具体的には、まずM&Aで達成したい目的をM&A後の事業展開に主眼を置き設定します。その際はM&Aが最適な手段なのか、ほかにも手段があるのかといった点もしっかり検討することがポイントです。

そのうえでM&Aが最適な手段だと判断したら、次はM&Aで取得したいリソースはなにか、買収にかかる費用(予算)はどのくらい確保可能か、M&A後はどのように統合していくかを検討します。

自社にとってM&Aのターゲットとなり得るイメージを作っておくことで、M&Aの戦略を立てやすいでしょう。しかし目的と合致しないM&A戦略や手法を実行すると、下記のようなデメリットが生じる恐れがあります。

  • 不要な資産や負債を抱える
  • 手続きが煩雑になる
  • 費用が余分にかかる
  • 想定していたメリットが得られない

上記リスクを回避するために、目的を明確化することで、実行すべきM&A戦略も自ずと見えてきます。加えてM&Aは、企業文化が異なる企業同士の統合です。M&Aによって何を得て、自社とどのように統合していくのかも考えましょう。  

また、コスト面に関しても検討が必要です。予算の確保はどれほど出来るのか、目的に対して買収金額が妥当かを測ることも必要です。
 

売り手側におけるM&A戦略の重要性

売り手側がM&A戦略を策定することは、希望の条件で会社を売却できるかに大きく影響します。まず、M&Aで達成したい目的はなにかを明確にする必要がありますが、その際はM&A後のビジョンを視野に入れて設定することがポイントです。

また、自社が目的を達成するためには、M&Aが最適な手段なのかもよく検討しなければなりません。ほかにも選択肢がある場合は、両者を比較したうえで考える必要があります。

M&Aが最適な手段だと判断したら、次は自社の強みはどこにあり買収ニーズはあるのか、売却できるとしたら会社全体か一部事業なのかという点の見極めも必要です。

そのほか、売却対象・売却希望時期・希望する相手・希望価額なども大まかに考えておくとよいでしょう。そのうえで、法務・財務・税務などでM&A交渉での支障となり得るリスクや問題がないかという点も客観的にみておくことがポイントです。

M&A戦略を策定せずM&Aに臨むと、譲渡金額が不当に安くなったり、不利な条件を飲まされたりするリスクがあります。また、買い手が見つからない場合もあります。

どのような目的でM&Aを行うのか、いつまでに・誰に・どのように売却するのか、財務や法務リスクなど交渉の支障となるものがないのかなど確認しておきましょう、

【関連】M&Aとは?意味や動向とM&Aを行う目的・メリットなどをわかりやすく解説!
【関連】M&Aにおけるソーシングとは?業務内容や手順、M&A仲介会社への依頼方法を解説!

M&A戦略を策定する具体的なステップ

経営戦略からM&A戦略に落とし込む手順を紹介します。

1.自社分析を行う

まずは精緻な自社分析を行います。

自社の現状は把握しているつもりでも、客観的な視点から強みや弱みを正しく理解できている経営者は意外と少ないのが実情です。実効性の高いM&A戦略を策定する上でも、この初期段階での自社分析は欠かせないプロセスとなります。

自社分析において今なお有効な手法がSWOT分析です。この分析を用いることで、自社の置かれた状況をマクロとミクロの両面から俯瞰し、将来的な可能性や潜在的なリスクを浮き彫りにできます。SWOTとは、Strength(強み)、Weakness(弱み)、Opportunity(機会)、Threat(脅威)の頭文字を指します。自社が保有する技術力や顧客基盤といった内部環境と、法規制の変化や景気動向などの外部環境を整理することで、現在の市場における立ち位置を客観的に見極めることが可能になります。特に、人的資本やデジタル資産の価値が重視される昨今の傾向を踏まえた分析が求められています。

2.市場調査を行う

M&Aにおいて市場調査も必要です。

調査対象市場は必ずしも同業種であるとは限りません。競合企業になり得る企業が別業種である可能性も考慮し、市場調査を行いましょう。

3.M&Aの目的を明確にする

先述したとおり、目的を明確にすることはM&A戦略で重要なポイントです。自社の分析や市場環境を踏まえ、M&Aで何を得たいかを明確にしましょう。

買い手側としては、事業の多角化やエリア・販路の拡大、人材の獲得などがM&Aの主な目的となります。売り手側としては、後継者問題の解消や従業員の雇用先獲得、不採算事業の手放し選択と集中やイグジットなどが主な目的となります。

目的を明確にすることで、ターゲット企業であるかを判断しやすくなります。

4.戦略の具体化

M&Aの実現を図るため戦略を具体的にしていきます。

M&Aの前提条件・基本方針、対象企業、スキーム(株式譲渡、事業譲渡、合併など)、経営統合の将来設計、会計・税務上のリスク、実務上の必要プロセスなど詳細を整理していきましょう。

これらはM&Aを行うにおいて欠かせない事柄です。これらを決めつつM&Aの実現に近づいていきましょう。

5.M&Aの相手先を検討する

M&Aを行う目的や戦略などを踏まえて領域をどんどん絞り込んでいきましょう。そして、絞り込んだ後は候補先企業を20〜30社ほどリストアップします。リストアップしたものをロングリストと言いますが、ロングリストから徐々に企業数を減らしショートリストを作成するのが一般的な流れです。
 

6.想定されるリスクを事前に検討

M&Aを成功へと導くためには、目に見えにくい潜在的なトラブルやリスクに対して、戦略段階から備えておくことが極めて重要です。

2026年現在のM&A実務においては、資金調達計画の精査はもちろんのこと、従業員の離職を防ぎモチベーションを維持するための高度なコミュニケーションプラン(発表のタイミングや、統合後のキャリアパスの提示など)が成功の成否を分けます。さらに、デューディリジェンス(DD)において、従来の財務・法務チェックに加え、AIによるデータ解析を活用した高度なサイバーセキュリティリスクの診断が一般的となっています。また、サプライチェーン全体の脱炭素化を求める社会的要請から、ESG(環境・社会・ガバナンス)関連のリスクについても、将来的な企業価値を左右する重要な評価項目として徹底的に調査・対応策の準備を行うことが求められています。

効率的なM&A戦略立案を支える3つの重要フレームワーク

アンゾフの成長マトリクス

「アンゾフの成長マトリクス」は、企業が持続的な成長を遂げるために、どの方向に経営資源を投入すべきかを整理するためのフレームワークです。「自社の商品・サービス」と「ターゲットとする市場」という2つの軸を組み合わせて戦略を検討します。

具体的には、「自社の商品・サービス」および「ターゲットとする市場」をそれぞれ「新規」と「既存」に分類し、以下の4つの象限で成長の可能性を模索します。M&A戦略においては、特に「多角化」や「新市場開拓」を短期間で実現するための手段として、このマトリクスを用いた検討が非常に有効です。現在の市場環境では、自社リソースのみでの新製品開発には時間がかかるため、このフレームワークを活用してM&Aの対象領域を特定する手法が広く採用されています。

 

  新規商品 既存商品
新規市場 多角化戦略 新市場開拓戦略
既存市場 新製品開発戦略 市場浸透戦略

「アンゾフの成長マトリクス」は、ビジネスを拡大すべき方向性と必要な成長戦略を考えることができるフレームワークです。市場動向や自社の強み・弱みなどを併せて考えることで、どの市場でどの商品を売り出していくかの判断がしやすくなります。

バリューチェーン分析

自社が手掛ける事業はどれくらいの価値をどの段階で作り出しているかを調べることを「バリュー・チェーン分析」といい、これを行うことで自社の「強み」「弱み」を客観的にみることができ、事業成長のヒントを見つけることが可能です。

バリューチェーン分析では、ビジネス(事業)を下表のさまざまな段階ごとにみて、各段階での価値と想定される利益を計算します。
 

商品・サービスの運送や購入 商品の材料を仕入れる過程や適切な場所へ運ぶ方法
製造 商品を作り出す過程。素材を組み合わせて作り出す作業が含まれる
販売 完成した商品・サービスを顧客に販売する過程

ポーターの競争優位の戦略

「ポーターの競争優位の戦略」はビジネスの世界で成功するための考え方で、大きく3つの戦略があります。
 

差別化戦略 商品やサービスを他社とは違う特別なものにすることで顧客に選ばれやすくする戦略
※顧客は特別なサービスやほかとは違う特徴があると高い価格でも選ぶことがあるという考え方
コストリーダーシップ戦略 商品やサービスにかかるコストを削減することで競争相手よりも安価で提供する戦略
集中化戦略 ターゲットを特定市場や一定の顧客層に絞り込み、そのニーズに合う商品やサービスを提供する戦略

上記の戦略を理解したうえでうまく使いこなせば、自社の競争優位性向上につなげることができます。

M&A戦略の実効性を高め成果を最大化するための推進体制

M&A戦略を策定した後は、その戦略を確実に実行し、期待される成果を実現するための体制構築と適切な推進が不可欠です。ここでは、M&A戦略を成功に導くための主要なポイントを解説します。

PMI(ポスト・マージャー・インテグレーション)の徹底準備

PMI(ポスト・マージャー・インテグレーション)は、M&Aが成約した後の組織統合プロセスのことであり、策定したM&A戦略が実際に価値を生むかどうかを左右する極めて重要なフェーズです。単なる事務的な手続きに留まらず、当初期待していたシナジー効果の創出、異なる背景を持つ企業文化の融合、さらにはITインフラや業務プロセスの標準化を、緻密なスケジュールに基づいて実行しなければなりません。

2026年現在の成功事例をみると、契約締結後ではなく、交渉段階からPMIの専門チームを立ち上げ、統合後の100日プランを具体化させているケースが目立ちます。特に、システム統合におけるDXの推進や、両社のキーマンとなる人材の定着策に早期に着手することが、M&A戦略を成功させるための必須条件となっています。

M&A専門家・アドバイザーの戦略的活用

M&Aは法務、財務、税務、ビジネスなど多岐にわたる専門知識が要求される複雑なプロセスです。自社リソースのみで対応することが難しい場合は、M&Aアドバイザリーファーム、弁護士、会計士などの外部専門家を積極的に活用しましょう。専門家は、戦略策定支援、交渉、デューディリジェンス、契約書作成、PMI支援など、各フェーズで的確な助言とサポートを提供してくれます。

効果的なコミュニケーション戦略の策定と実行

M&Aは、従業員、株主、取引先、顧客など多くのステークホルダーに影響を与えます。特に従業員の不安や動揺は、生産性の低下やキーパーソンの流出につながるリスクがあります。そのため、M&Aの目的、期待される効果、今後のビジョンなどを、透明性をもって適切なタイミングで丁寧に説明するコミュニケーション戦略が重要です。双方向のコミュニケーションを心がけ、理解と協力を得ることが不可欠です。

柔軟な戦略の見直しと軌道修正

M&Aのプロセスは、当初の計画通りに進まないことも少なくありません。市場環境の変化、デューディリジェンスでの新たな発見、交渉の難航など、予期せぬ事態が発生する可能性があります。そのため、定期的に戦略の進捗状況を評価し、必要に応じて柔軟に計画を見直し、軌道修正を行うことが重要です。固定観念にとらわれず、状況変化に対応できるアジリティが求められます。

2026年の市場環境に対応するM&A戦略の新たな視点

デジタルトランスフォーメーション(DX)の加速とITデューディリジェンス

現代のM&A戦略において、IT基盤の統合やデジタル活用能力の評価は避けて通れません。対象企業がどのようなIT資産を保有し、それが自社のシステムと円滑に連携できるかを事前に精査する「ITデューディリジェンス」の重要性が高まっています。単なる効率化だけでなく、データの共通基盤化による新たなビジネスモデルの構築を戦略の柱に据える企業が増えています。
 

ESG投資の浸透とサステナビリティ重視の戦略策定

投資家や取引先からの評価基準として、ESG(環境・社会・ガバナンス)への対応は標準的なものとなりました。M&A戦略の策定においても、買収を通じて自社のサステナビリティをいかに向上させられるかという視点が不可欠です。環境負荷の低減やガバナンス体制の強化に寄与する案件は、資本市場からの評価も得やすく、長期的な企業価値向上に直結します。
 

生成AIを活用したターゲット選定の高度化

最新のM&A戦略では、テクノロジーの活用も進化しています。膨大な企業データから、自社の事業と相乗効果が高い候補先を抽出するために生成AIやデータマイニング技術が活用されています。これにより、従来のアドバイザーのネットワークだけに頼らない、客観的かつ網羅的なターゲット企業のリストアップが可能となり、より精度の高いM&A戦略の実行が実現しています。
 

買い手側のM&A戦略

買い手側のM&A戦略ごとに得られることや具体的な戦略を紹介します。

事業拡大におけるM&A戦略

M&Aの目的と聞いて、まずイメージするのが「事業規模の拡大」でしょう。事業規模の拡大によって、人員の増加、設備の充実、顧客の拡大、間接費の削減などを実現できることがメリットとして挙げられます。その他にも、エリア拡大戦略や小規模な同業他社を買収することでシェアを獲得するロールアップ戦略などがあります。

事業規模を拡大する際には、株式譲渡や合併などのM&A手法が用いられます。
 

 

技術・機能確保を目的としたM&A戦略

機能の確保とは、生産や調達、アフターケア、企画など、自社が欲しい機能を得ることです。最近では技術確保を目的に、戦略的なM&Aを実践するケースが増加しています。もともと日本企業は生産から流通、販売までを自社で実行する風潮がありました。しかし、全てのラインを確保するには、相当な労力と費用が必要です。

そのため、醸成した技術・テクノロジーを持つ事業や会社を、M&Aで取り込み効率的を図ります。時間を節約したうえで、経営戦略を実現可能となります。

コングロマリット化戦略とは、経営の多角化を目的としたM&A戦略であり、これにより企業は複数の異なる事業分野へ進出し、大きなブランド戦略を展開することが可能になります。また、事業ポートフォリオの転換戦略では、既存事業の成長鈍化を見据え、既存事業とのシナジー効果や自社の理念・文化との親和性が高い新規分野へ進出することで、企業全体の持続的な成長を目指します。

技術や特定の機能確保がM&Aの主目的である場合には、必要な事業部門や資産のみを選択的に取得できる事業譲渡というM&A手法が用いられることが一般的です。

【関連】事業譲渡とは?M&Aとの違いや他の手法との比較・メリットを解説

関連事業獲得に関するM&A戦略

自社の事業と関連している事業を獲得するM&A戦略です。原料の調達から生産・加工・流通・販売までの一連の流れの中の企業を獲得する、サプライチェーン拡大の戦略と、取り扱い商品の拡大を行うラインナップ拡充の戦略があります。

サプライチェーン拡大の戦略では、自社で商流の川上の企業から川下を行うことで、効率化や業界での競争力を高めることができるのがメリットとして挙げられます。また、ラインナップ拡充の戦略では新規顧客の獲得や新たな市場価値の発見、ブランド力を高めることができます。

【関連】【会社を売りたい人へ】会社を売るメリットや高く売る方法など徹底解説!

売り手側のM&A戦略

売り手側のM&A戦略ごとのポイントを紹介します。

第三者事業承継

日本では少子高齢化で後継者がいないことで廃業に追い込まれる企業は少なくありません。M&Aによって第三者事業承継することによって、売却益の獲得や従業員の雇用先確保、事業やブランドを継続させることができます。

選択と集中

特定の事業に資源を集中させる戦略です。生産性の高い事業や成長が見込める事業に経営資源を集中させるために、その他の事業の売却を行います。

経営リスクの分散や売上の拡大のため多角化を行う企業は少なくありません。しかし、多くの事業を展開している赤字部門などの売り上げの悪い事業を放置することで経営効率は落ちてしまいます。そのため、経営資源を集中させることで、企業価値を高める戦略になります。

イグジット

イグジットとは、事業に投下した資金を回収することを意味します。イグジットの方法としてはIPOやM&Aがあります。

M&Aでのイグジット戦略は、IPOと比較してイグジットできる可能性が高く、イグジットまでの期間が短いです。譲渡対価を得ることができ、知名度や社会的な信頼も向上するため新規事業を行うこともできます。

M&A戦略を策定・実行する際の重要注意点

M&A戦略を策定する際には、以下に注意しましょう。

自社にあったスキーム選択

まず、M&Aを行ううえで当事者となる会社の内情に合った手法の選択、スキームの設計をしっかりと決めましょう。M&Aスキームとは、M&Aの基本的な構想、計画を示すものであり、どのような流れでM&Aを行うかの設計をすることです。

M&Aの手法は多種多様であり、それぞれプロセスや効果、メリットとデメリットが異なっています。どのM&Aの手法を選択するかによって、M&Aのスキームも変わります。M&Aのスキームに影響されるM&A手法の種類は、以下の5つです。

  1. 株式譲渡
  2. 株式交換
  3. 株式移転
  4. 合併
  5. 会社分割
このように戦略の策定は自分の会社に見合った手法の選択とスキームの設計を行うともいえます。専門家とも相談しながら、入念に検討して決めるようにしましょう。

リスクの存在

M&A戦略を策定する上で、対象企業や自社が抱えるリスクの把握と評価は不可欠です。買い手にとっては、売り手企業が抱える簿外債務、未解決の訴訟、事業運営に不要な資産などが、M&A後の経営統合(PMI)の障害となったり、予期せぬトラブルを引き起こしたりする可能性があります。

M&Aに伴うリスクは、法務リスク(契約違反、許認可関連など)、税務リスク(過去の税務申告の誤り、税務調査リスクなど)、財務リスク(粉飾決算、不適切な会計処理など)にとどまらず、ビジネスリスク(市場環境の変化、主要取引先の喪失など)、人事労務リスク(キーパーソンの流出、労働紛争など)、ITシステムリスクなど多岐にわたります。これらのリスクは、いずれもM&Aの成否に重大な影響を与えるため、見過ごすことはできません。したがって、買い手・売り手双方が、M&A戦略の初期段階から徹底したリスクの洗い出しと対応策の検討を行うことが重要です。

情報の守秘

M&A戦略における情報の守秘は、非常に重要なことです。そもそもM&Aを実施する情報は当事者となる会社、とりわけ売り手となる会社に大きな動揺を与えることがあります。従業員や関係する取引先など、M&Aを実施する情報はさまざまな立場の人たちに影響を与えます。

最悪の場合、競合他社が先手を打ってより有利な条件を提示してM&Aを仕掛けてくることもあり得るでしょう。そのため、M&A戦略を策定していることも含め、しかるべきときまでM&Aに関する情報は一切漏らさないようにしておくのが大切です。

M&Aを実施する情報を開示するタイミングについても、戦略の過程で決めておくようにしましょう。

M&Aはひとつの選択

M&A戦略における注意点は、「M&Aが最適な戦略なのか」という点です。そもそもM&Aは経営戦略の一つにすぎず、企業が抱える問題を解決するうえでM&A以外の経営戦略が適切なケースもあります。M&Aは成功率が3割~5割程度といわれており、決して簡単な戦略ではありません。

成功するための手間やコスト、時間もかかることを踏まえると、M&Aを行うべき目的や意義を明確にしてから戦略を策定すべきでしょう。当然、M&A以外の経営戦略が有効的と判断された場合はすぐに切り替え、別の経営戦略に着手したほうがいいでしょう。

M&A総合研究所は専門的な知識を持ったアドバイザーが在籍しており、培ったノウハウを活かしM&Aをサポートいたします。

料金体系は成約するまで完全無料の「完全成功報酬制」です(※譲渡企業様のみ。譲受企業様は中間金がかかります)。無料相談をお受けしておりますので、M&Aをご検討される際には気軽にご相談ください。

M&A・事業承継ならM&A総合研究所

中小企業におけるM&A戦略の意義と活用法

中小企業が経営戦略の一環として、M&Aを活用する意義を考えましょう。M&Aの重要性を知らなければ、戦略的にM&Aを実行できません。経営戦略の一環としてM&Aを活用する場合、いくつかのメリットを享受できます。

時間削減

自社のリソースのみを利用してM&Aを実行する場合、経営戦略の実現には相応の時間を要します。例えば、「事業規模の拡大」といった経営戦略を実現する場合を想定しましょう。事業規模を拡大するには、M&Aを活用するケースが多いです。

工場を新しく建て、販路拡大のために営業人員を増やす施策が考えられます。しかし、経営戦略の効果が発揮されるまでには、かなりの時間がかかります。工場の新設には、早くとも半年はかかり、販路拡大に関しても、効果が発揮されるまでは時間を要するでしょう。

従来日本企業は、独自で上記経営戦略を実現していました。近年は、こうした地道な戦略実行が通用しにくくなっています。高齢化による国内市場の縮小により、企業間の競争が激化しているのが一因です。

競争が激化しているため、悠長に戦略を計画、実行していては他社に先を越されてしまいます。また、製品寿命(流行り)の短命化が進んでいるのも、一つの要因です。数年かけて事業規模を拡大しても、すでにその市場は衰退している恐れがあります。

以上の理由から、現代はスピーディーな経営戦略の実行が必要とされています。スピーディーな経営戦略を実現する手段として、M&Aは最適です。M&Aは、しばしば「お金で時間を買う」行為といわれます。M&Aを戦略的に活用すれば、欲しい経営資源をすぐに手に入れられます。

リスク回避

製品寿命の短命化や国内市場の縮小に伴い、低リスクで事業を拡大させる経営戦略も求められるようになりました。自社のリソースのみで戦略を実現する場合、時間のみならずリスク面でもデメリットがあります。

事業規模を数年かけて拡大した結果、市場が衰退していた場合、それまでかけた時間や費用、労力が全て水の泡となります。事実上、経営戦略の失敗を意味します。しかしM&Aを活用すれば、低リスクで検証することが可能です。

例えば、新規市場への進出が目的としましょう。「すでに市場で成功している企業の買収」を、M&A戦略として実行します。その企業を取り込むことで、リスクを回避することが可能です。むしろ、有利な立場で新規事業を始められます。

売り手側もM&Aによって、低リスクの戦略実行を実現できるでしょう。例えば、自社内に採算が取れていない事業があったとします。その事業を売却してすることで、事業継続によって生じうる、資金繰り悪化のリスクを回避できます。

以上の通りM&Aは、効率的な経営戦略を実現するうえで、必要不可欠なツールです。

【関連】M&Aのメリット・デメリット一覧!買い手・売り手別にわかりやすく紹介

目的の初志貫徹

M&Aを成功させるには、最初に決めた目標を達成することが鍵です。契約を結ぶことや事業の譲渡を行うことは、あくまでその手段です。

しかし、M&Aの取引は複雑で時間がかかるため、時には本来の目的を見失いがちです。小さな条件の交渉にこだわるあまり、大きな目標を見失う「木を見て森を見ない」状態になることもあります。

だからこそ、交渉を進める中で、何度も目標を思い出し確認することが大切です。そうすることで、M&Aを成功に導くことができます。

成約事例から見るM&A戦略のケーススタディ

本章では、弊社M&A総合研究所がサポートさせていただいた成約事例をピックアップし、M&A戦略のケーススタディを解説します。

工事業界の次なる一手!M&Aで実現する企業成長戦略

東京都を拠点に都市土木工事や高速道路新設工事を手がけるQ社は、栃木県の合同会社マルニホールディングスへ事業を譲渡しました。マルニホールディングスは、とび工事や土工工事を展開する企業です。

建設業は体力を要する業界であり、Q社の経営者は自身の体調や年齢を考慮し、M&Aを検討しています。事業の存続と従業員の雇用を守るため、信頼できる企業への譲渡を決意しました。M&A総合研究所を通じて、慎重に引き継ぎ先を選定しました。

譲渡先選びの条件として、豊富な経験と経営力を持つこと、事業を継続し従業員の雇用を守れることを重視しました。マルニホールディングスの経営者は現場への理解が深く、柔軟な対応力があることが評価されました。事業運営の方針も一致しており、スムーズな経営交代が可能と判断し、譲渡が決定しました。

今後、Q社の事業は売上5億〜10億円規模へと成長することが期待されています。経営体制の強化を図り、安定した企業運営を目指し、さらなる発展を遂げることを願っています。

M&A成約インタビュー | M&A総合研究所

M&Aで「後継者問題解決」+「成長戦略」を実現

埼玉県を拠点に住宅向けリペア業を展開する和工房は、茨城県のジョイフル本田へ事業を譲渡しました。ジョイフル本田は、関東地区で大型ホームセンターを運営し、住宅リフォーム事業なども手がける企業です。

和工房の経営者は年齢による体力の低下と早期引退を考え、当初は廃業を検討していました。しかし、従業員の雇用を守るため、M&A仲介会社に相談するも進展がなく、新たにM&A総合研究所へ依頼し、ジョイフル本田との交渉が成立しました。

ジョイフル本田の柔軟な経営方針や、和工房のビジョンとの一致が譲渡の決め手となりました。同社は、和工房の職人たちを適材適所に配置し、それぞれの雇用形態に応じた柔軟な対応を約束。さらに、職人たちの不安にも丁寧に応える姿勢が評価され、安心して事業譲渡を決断しました。

当初、M&Aに対しては「経営が傾いた企業が救済を求める手段」といった誤解がありましたが、実際には事業の成長やステップアップの機会であると実感し、取引先にも前向きな決断として説明することができました。

M&A後は、システムの構築や法務・労務の強化が進み、経営基盤がより安定しており、今後もジョイフル本田とともにさらなる成長を目指していきます。

M&A成約インタビュー | M&A総合研究所

投資ファンドと共に更なる拡大を目指す成長戦略型M&A

東京都に本社を構える卸売業のA社は、フロンティア南都インベストメントへ事業を譲渡しました。同社は、企業の経営改革や成長支援、事業再生を手がける投資会社です。

今回の譲渡にあたり、A社の安定したビジネスモデル、優れた立地条件、自社拠点の保有が魅力と評価されました。業界特有の厳しさはあるものの、従業員教育が充実し、働く環境の管理が行き届いている点も決め手となりました。

フロンティア南都インベストメントは、事業承継をテーマに、3~5年でのイグジット(投資回収)を目的としています。新たな経営体制の構築を進めつつ、EBITDA(税引前利益・利息・減価償却前利益)の改善に取り組み、事業の成長と投資リターンの最大化を図る方針です。

過去にも同様の業種で成功実績があるため、今後もA社の成長を支援しながら、さらなる発展を目指していきます。

M&A成約インタビュー | M&A総合研究所

M&A戦略の最新成功事例と学ぶべきポイント

ここではM&A戦略の成功事例を紹介します。

ウエルシアHDによる東電パートナーズの子会社化

2024年7月、ウエルシアホールディングスは東電パートナーズの全ての株式を取得しました。

ウエルシアグループは、調剤・カウンセリング・介護を主軸としたビジネスモデルを確立し、展開しています。東京電力HDの子会社です。
東電パートナーズは、介護事業をメインに事業を行っています。

今回のM&Aにより、サービスの向上と新しい価値提案を行い、企業の進化を目指します。

東洋テックによるアムス・グループ3社の完全子会社化

2024年5月、東洋テックは、アムス・グループ3社のM&Aを実施しました。

東洋テックは、セキュリティサービスとビル総合管理を主軸として事業を行っています。アムス・グループは警備業務を主軸とした事業を行っています。

今回のM&Aにより、両社が一緒になることでシナジーの創出を図るとともに警備業務の人員不足の緩和を目指します。

日立造船による伊Schmack Biogas Srl社とのM&A

2024年3月、日立造船はスイスの子会社を通じて、イタリアのSchmack Biogas Srl社を子会社化したと発表しました。

子会社となったSchmack Biogas Srl社は、2006年の設立以降バイオガス事業を一貫して手掛けており、イタリア・ベルギー・ギリシャなどでバイオガスプラントのEPC(設計・調達・建設)や事業開発に携わっています。

欧州のなかでも特にイタリアはバイオガス・バイオメタンが多く利用されており、欧州委員会の計画「REPowerEU」が公表されたことで今後も市場は拡大する見込みです。

日立造船グループは、バイオガスの欧州エリアでの自社運営事業拡大に向け、2023~2025年度までで約400億円の投資を計画しています。

本M&Aもその戦略に沿ったものであり、日立造船グループは自社のバイオガス・バイオメタン技術を生かし、今後さらなる需要の増加に貢献していくとしています。

参考:日立造船グループ(Hitachi Zosen Inova)がイタリアのバイオガス企業を子会社化

イズミによるサンライフのM&A

2024年1月、イズミはサンライフの株式を取得し子会社化することを発表しました。イズミは、広島を拠点にし、中四国・九州地方を中心に「ゆめタウン」や「ゆめマート」などの大型ショッピングセンターを展開している企業です。

サンライフは大分県内において、地域密着型の食品スーパーとして、お客様からのご支持を得られるよう努め、サービスや商品の品質向上に力を注いでおります。豊富な品揃え、高品質・鮮度の商品、リーズナブルな価格、親切なサービスを提供し、地域の皆様に快適なショッピングを実現しています。

イズミは中四国・九州地方にドミナント戦略を行っていましたが、大分市が空白地となっていました。今回のM&Aにより物流や販促などの効率化や地域に適した商品展開など、さまざまな点でシナジーが見込まれるとしています。

参考:株式会社サンライフの株式の取得(子会社化)に関するお知らせ 

ニデックによるTAKISAWAへのTOB

2023年7月、ニデックは工作機械の製造・販売を手掛けるTAKISAWAの完全子会社化を目的としてTOBを実施することを発表しました。

ニデックは車載用部品・精密小型モータ・光学製品などの製造・販売を手掛けており、近年は事業拡大・強化のために積極的にM&Aを行っています。

TAKISAWAは主にマシニングセンタや旋盤を製造・販売を手掛けており、技術力の高さに強みのある企業です。ニデックは同社の旋盤技術力を活用して工作機械事業の強化につなげるとしています。

本TOBは11月に完了しており、買付後のニデックの株式所有割合は86.14%となりました。また、ニデックはTAKISAWAの完全子会社化を目指して今後も手続きを進めていくとしています。

参考:株式会社TAKISAWA(証券コード:6121)に対する公開買付けの開始予定に関するお知らせ

ニデックによる米Houma Armature WorksへのM&A

2023年7月、ニデックはアメリカの子会社ニデックモータを通じ、Houma Armature Works社を子会社化したと発表しました。ニデックは車載用部品・精密小型モータ・光学製品などの製造・販売を手掛けており、近年は事業拡大・強化のために積極的にM&Aを行っています。

Houma Armature Works社は、発電機・産業機器向けモータ・制御システムの修理・販売・製造などを行う企業です。

ニデックはHouma Armature Works社を子会社化することで、アメリカ湾岸地域のサービス拠点を拡充し事業強化とシナジー発揮を目指すとしています。

参考:米国 モータ・発電機関連サービス企業 Houma Armature Works の 持分取得完了と新子会社概要

ゼンショーHDによる北米及びイギリスのすしチェーンのM&A

2023年6月、ゼンショーホールディングスはSnowFox Topco Limitedの全株式を取得することを発表しました。ゼンショーホールディングスは、日本一の店舗数を誇り、代表的な牛丼チェーン「すき家」やファミリーレストラン「ココス」「ビッグボーイ」「ジョリーパスタ」、100円寿司チェーン「はま寿司」など、国内外に約10,000店舗展開しています。

SnowFoxは北米とイギリスを中心に、寿司のテイクアウト店など約3,000店舗を展開し、また寿司の製造卸売業も手がける企業です。

今回のM&Aの買収金額は874億円とゼンショーホールディングスのM&Aは過去最高額です。新型コロナウイルス禍後の経済再開に伴い、海外の外食事業の需要が回復を見込み企業拡大を期待するとしています。

参考:SnowFox Topco Limitedの株式取得(子会社化)に関するお知らせ 

ゼンショーHDによる独Sushi Circle GastronomieのM&A

2023年5月、ゼンショーホールディングスはドイツのSushi Circle Gastronomie GmbH社を子会社化すると発表しました。

ゼンショーは、「すき家」「ココス」「はま寿司」などフードサービスチェーンを展開するグループです。Sushi Circle Gastronomie GmbH社は、寿司テイクアウト店と回転寿司店を運営しており、2022年12月時点の店舗数は合計228店となっています。

ゼンショーはSushi Circle Gastronomie GmbH社の子会社化により、店舗運営機能・食材調達・物流などのシナジー発揮が狙いです。今後はSushi Circleのさらなる事業拡大を目指すとしています。

参考:Sushi Circle Gastronomie GmbHの株式取得に関するお知らせ

日本電産コパル電子による緑測器のM&A

2023年3月、日本電産(現:ニデック)子会社の日本電産コパル電子は、東京都羽村市の緑測器を完全子会社化すると発表しました。

日本電産コパル電子は日本電産子会社の電子部品メーカーで、半固定抵抗器・スイッチ・小型精密モータ・圧力センサなどの開発製造および販売を手掛けています。

子会社となった緑測器は、電子部品とポテンショメータの開発製造および販売を行う企業です。現在、日本電産コパル電子はセンシング事業に注力しており、本M&Aによってポジションセンシング事業を自社グループが手掛けるセンシング事業の新たな柱とする狙いがあります。

参考:当社子会社による株式会社緑測器の株式取得に関する譲渡契約締結のお知らせ

ゼンショーHDによるロッテリアのM&A

2023年2月、ゼンショーホールディングスは子会社を通じてロッテリアを完全子会社化すると発表しました。ロッテリアは全国にファーストフード店「ロッテリア」を358店舗展開(2023年1月時点)しています。

ゼンショーは、「すき家」「ココス」「はま寿司」などフードサービスチェーンを展開するグループです。ゼンショーは以前からM&Aによる事業拡大を積極的に行っています。

本M&Aによって、自社の店舗運営機能・物流・食材調達などを活用し、ロッテリアの事業拡大を図ることが主な目的です。また、ブランド名「ロッテリア」はM&A後も一定期間継続する予定だとしています。

参考:株式会社ロッテリアの株式取得に関するお知らせ

SHIFTによるクラブネッツのM&A

2023年12月、SHIFTは渋谷区のクラブネッツを完全子会社化すると発表しました。子会社となったクラブネッツは、顧客囲い込みのノウハウに強みがあり、LINEによる販促サービスやポイントシステム事業をグループで展開しています。

SHIFTはソフトウェアテストなどの品質保証サービス事業を行う企業です。近年は成長戦略「SHIFT3000」の実現に向け、M&Aも積極的に行い事業強化を進めています。

本M&Aの一環で行われたものであり、「SHIFT3000」の早期実現には売れるサービス作りの強化が不可欠だと判断し、クラブネッツのノウハウやツールが事業成長の加速につながるとして本M&Aに至りました。

参考:株式会社クラブネッツ株式取得(子会社化)及び 株式会社バリューワンの孫会社化に関するお知らせ

三菱地所による日本リージャスホールディングスのM&A

2022年12月、三菱地所はティーケーピー傘下のTKPSPV-9号が保有する、日本リージャスホールディングスの全株式を取得し子会社化することを発表しました。

三菱地所は近年の多様な働き方に対応し、オフィス事業のパイオニアとして、センターオフィスやサービスオフィス「xLINK」、個室型ワークブース「テレキューブ」、ワーケーション施設「WORK×ation Site」など様々なワークスタイル・ライフスタイルをサポートする商品・サービスを提供しています。今年4月には「フレキシブル・ワークスペース事業部」を新設し、10月には丸の内に2つのフレキシブルオフィスを開設する計画を発表しています。

日本RegusHDは、IWG plcから提供を受け、日本において「Regus」「SPACES」などのブランドを172施設で展開しているフレキシブル・ワークスペース事業の国内トップランナーです。TKPグループが2019年にIWGより日本国内の運営・開発権を取得し、独占的パートナーとなりました。


新型コロナウイルス禍で柔軟な働き方が広がり、テナント企業の獲得競争が激しくなっています。三菱地所は買収によりシェアオフィス事業を強化し、新たな働き方の提案やビルの競争力の強化を目指すとしています。

参考:株式の取得(子会社化)に関するお知らせ

木曽路による大将軍のM&A

2022年9月、木曽路は大将軍を吸収合併し、完全子会社化することを発表しました。

木曽路はしゃぶしゃぶをメインとして高単価のチェーン展開を行う業態です。大将軍は千葉県に本社を置き高価格な「大将軍」中価格「くいどん」を展開する焼肉チェーンの企業です。

木曽路は冬に売り上がる一方で、焼肉は夏に売り上げが大きくなるため、会社業績の季節変動を抑えることや仕入などの効率化を狙いとしています。

参考:当社完全子会社の吸収合併に関するお知らせ

M&A戦略と全社戦略の連携:成功への土台作り

全社戦略とは、持続的な競争上の優位性を確立するための方針をいいます。自社が手掛ける事業について、どのように経営資源を振り分けるかを決めるもので、経営戦略を立てるうえで非常に重要となります。

事業の組み合わせをどのようにするか、どの事業領域を伸ばして会社を成長させるのかなどを決定するだけでなく、事業の縮小や撤退も含まれます。

事業には、誕生期・成長期・成熟期・衰退期といったライフサイクルがあり、市場環境が大きく変化するなかで事業が永久的に成長し続けるのは非常に難しいことです。

一つの事業しか手掛けていない場合、その事業が衰退してしまうとそのままいけば廃業する可能性も高くなります。会社を継続的に運営し、さらに成長させていくためには、新たな分野を模索して事業構造の転換を図ることも必要です。

M&A戦略を立てるうえでは、まず事業ポートフォリオの方向性と新規事業を明確にすることが前提となります。事業ポートフォリオの方向性を検討する際は、事業セグメント別の売上や利益の割合を、将来、どのように変えていくかを計画していくとよいでしょう。

M&A戦略まとめ

今回はM&Aの戦略について紹介しました。迅速な経営戦略が求められる現在、M&Aの活用はとても賢い選択肢です。M&Aを利用すれば、「お金で時間を買う」ことが可能です。本来ならば時間がかかるところを、はるかに短時間で戦略を実行できます。

現代の経営者にとって、M&Aの活用は無視できない選択肢です。M&Aの戦略を考える際、まずはM&Aを行う目的を明確にする必要があります。M&Aの目的が不明瞭であると、実行すべきM&A戦略がわかりません。目的によって、実施すべき戦略や用いるべきM&A手法は異なります。

まず初めに、M&Aの目的を明確化しましょう。目的が明確になったら、自社の目的に合わせてM&A戦略を実行します。M&A戦略の立案は、思い立ってすぐにできるものではなく、今後を左右する重大な局面なので、入念に戦略を構築するのが大事です。

M&A・事業承継のご相談なら24時間対応のM&A総合研究所

M&A・事業承継のご相談は成約するまで無料の「譲渡企業様完全成功報酬制」のM&A総合研究所にご相談ください。
M&A総合研究所が全国で選ばれる4つの特徴をご紹介します。

M&A総合研究所が全国で選ばれる4つの特徴

  1. 譲渡企業様完全成功報酬!
  2. 最短43日、平均7.2ヶ月のスピード成約(2025年9月期実績)
  3. 上場の信頼感と豊富な実績
  4. 譲受企業専門部署による強いマッチング力
>>M&A総合研究所の強みの詳細はこちら

M&A総合研究所は、M&Aに関する知識・経験が豊富なM&Aアドバイザーによって、相談から成約に至るまで丁寧なサポートを提供しています。
また、独自のAIマッチングシステムおよび企業データベースを保有しており、オンライン上でのマッチングを活用しながら、圧倒的スピード感のあるM&Aを実現しています。
相談も無料ですので、まずはお気軽にご相談ください。

>>【※国内最安値水準】M&A仲介サービスはこちら

【※メルマガ限定】プレミアムM&A案件情報、お役立ち情報をお届けします。

あなたにおすすめの記事

M&Aとは?最新の動向やメリット・手法から成功のポイントまで専門家が徹底解説

M&Aとは?最新の動向やメリット・手法から成功のポイントまで専門家が徹底解説

M&Aは経営の多角化や事業承継の有効な手段です。本記事では、基礎知識から現在起きている最新の動向、具体的な手法、メリット・デメリット、そして成功へと導くポイントまで、専門家が網羅的にわか...

買収とは?用語の意味やメリット・デメリット、M&A手法、買収防衛策も解説

買収とは?用語の意味やメリット・デメリット、M&A手法、買収防衛策も解説

買収には、友好的買収と敵対的買収とがあります。また、買収に用いられるM&Aスキーム(手法)は実にさまざまです。本記事では、買収の意味や行われる目的、メリット・デメリット、買収のプロセスや...

現在価値とは?計算方法や割引率、キャッシュフローとの関係をわかりやすく解説

現在価値とは?計算方法や割引率、キャッシュフローとの関係をわかりやすく解説

M&Aや投資の意思決定するうえでは、今後得られる利益の現時点での価値を表す指標「現在価値」についての理解が必要です。今の記事では、現在価値とはどのようなものか、計算方法や割引率、キャッシ...

株価算定方法とは?非上場企業の活用場面、必要費用、手続きの流れを解説

株価算定方法とは?非上場企業の活用場面、必要費用、手続きの流れを解説

株価算定方法は多くの種類があり、それぞれ活用する場面や特徴が異なります。この記事では、マーケットアプローチ、インカムアプローチ、コストアプローチといった株価算定方法の種類、株価算定のプロセス、株...

赤字になったら会社はつぶれる?赤字経営のメリット・デメリット、赤字決算について解説

赤字になったら会社はつぶれる?赤字経営のメリット・デメリット、赤字決算について解説

法人税を節税するために、赤字経営をわざと行う会社も存在します。しかし、会社は赤字だからといって、必ず倒産する訳ではありません。逆に黒字でも倒産するリスクがあります。赤字経営のメリット・デメリット...

関連する記事

M&AのSPA(株式譲渡契約書)とは?必要性や記載事項と契約時の注意点を解説!

M&AのSPA(株式譲渡契約書)とは?必要性や記載事項と契約時の注意点を解説!

M&AのSPAとは株式譲渡契約書のことです。株式譲渡はM&Aで最も多く用いられているスキーム(手法)であり、M&Aの当事者となれば目にする可能性が高いでしょう。本コラムで...

財務アドバイザーとは?M&A仲介との違いや役割についても解説!

財務アドバイザーとは?M&A仲介との違いや役割についても解説!

M&Aの検討や実施をする際に財務アドバイザーに相談するのも1つの手段です。本コラムでは、財務アドバイザーの概要やM&A仲介との違い、財務アドバイザーがM&Aで担う役割など...

M&Aのタームシートとは?重要性や記載内容と作成メリットについて解説!

M&Aのタームシートとは?重要性や記載内容と作成メリットについて解説!

M&Aにおけるタームシートは、合意内容を確認しながら交渉を円滑に進めるために役立つものです。本コラムでは、タームシートの概要と重要性、タームシートの項目内容と作成する際のポイント、ターム...

個人保証とは?経営者のメリットやデメリットとガイドラインについて解説!

個人保証とは?経営者のメリットやデメリットとガイドラインについて解説!

これまで中小企業が金融機関から経営資金を借金しようとする場合、多くは経営者の個人保証(連帯保証)を求められてきたのが実態です。本コラムでは、個人保証の概要やメリット・デメリット、個人保証の撤廃を...

MOU(Memorandum of Understanding)とは?基本合意書の内容と他の契約書との違いを解説!

MOU(Memorandum of Understanding)とは?基本合意書の内容と他の契約書との違いを解説!

M&AにおけるMOU(Memorandum of Understandingの略称)とは基本合意書のことであり、M&Aの成立に向けた重要なプロセスです。本コラムでは、MOUを他の...

不動産デューデリジェンスの目的は?不動産DDの流れや種類を解説!

不動産デューデリジェンスの目的は?不動産DDの流れや種類を解説!

不動産デューデリジェンスは不動産投資を行うときや、M&Aでの譲渡対象に不動産が含まれている場合に必要な調査です。この記事では、不動産デューデリジェンスの目的や調査項目の種類、実際の調査が...

事業デューデリジェンスの目的は?ビジネスDDの調査・分析の流れやメリットを解説!

事業デューデリジェンスの目的は?ビジネスDDの調査・分析の流れやメリットを解説!

M&Aを実施するときには、必ず事業デューデリジェンス(ビジネスDD)を実施します。事業デューデリジェンスはどうして必要なのでしょうか。この記事では、事業デューデリジェンスの目的や分析手法...

海外M&Aのメリットや手法は?買収の目的や事例10選を解説!

海外M&Aのメリットや手法は?買収の目的や事例10選を解説!

国内企業が海外企業とM&Aを行う場合がありますが、海外企業とのM&Aには地政学リスクなどの国内企業とのM&Aとは違った注意点があります。この記事では、海外企業とのM&am...

税務DDの目的や手順・調査範囲を徹底解説!M&Aにおけるリスクは?

税務DDの目的や手順・調査範囲を徹底解説!M&Aにおけるリスクは?

M&Aの成功のためには、税務DD(デューデリジェンス)が重要です。税務DDとは、企業が他の企業を合併や買収する際に行う重要な調査の一つです。本記事では、税務DDの目的、手順、調査範囲、実...

M&Aコラム
人気の記事
最新の記事

【※メルマガ限定】プレミアムM&A案件情報、お役立ち情報をお届けします。

ご相談はこちら
(秘密厳守)