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2019年3月10日更新
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​上場の種類とは?上場の目的や上場廃止のメリット・デメリットを解説

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この記事の監修専門家
M&A総合研究所 公認会計士
高谷 俊祐

上場の種類や目的、メリットとデメリットについて解説します。日本国内に証券取引所は複数あり、上場企業の約9割が上場しているのが「東京証券取引所」で、さらに「東証第一部」「東証第二部」「東証マザーズ」という段階的な3つの市場があります。

目次

    上場

    ニュースや新聞の株式欄では毎日上場企業の株価を知ることができ、「上場」という言葉を見聞きする機会は非常に多いです。

    就職を控えた学生にとっては就職先を探す基準になったり、投資家にとっては株式銘柄を選ぶ判断材料になったりと、上場企業であるか否かを評価やランク付けの目安とすることは珍しくありません。

    では「上場」とは具体的にどのようなことを指すのでしょうか?

    そこで今回は上場の種類と目的、メリットとデメリットなどについて解説していきます。

    上場するとは?上場に必要なもの

    企業は事業を行うために資金調達をしますが、その方法は大きく分けて「金融機関からの融資」「株式の発行」の2種類があります。

    「金融機関からの融資」とは簡単に言えば銀行や信用金庫などの金融機関から借金をすることで、返済には当然利息が発生します。

    もう一つの「株式の発行」とは株式を発行して投資家などに買い取ってもらう方法で、株式の発行により得た資金には融資のような返済はもちろんありません。

    発行した株式を売買するところを「株式市場」といい、企業と投資家による株式の取引や、投資家間での発行済み株式の売買が行われており、実際の売買が行われる「証券取引所」は東京・名古屋・大阪・福岡・札幌の5か所があります。

    このように、企業の発行した株式を証券取引所で売買可能にすることを「上場」といいます。

    企業が上場するには「株式単位数および時価総額」「株主数」「利益額」「事業の継続年数」など一定の基準を満たさなくてはならず、その基準により一部と二部に分類されます。

    また将来性のある新興企業やベンチャー企業などが上場の機会を得やすくなるよう、比較的基準が緩やかなジャスダックやマザーズといった株式市場もあります。

    このように「上場」とは企業が創設者の手を離れ公のものになることを意味し、「上場企業」とは株式を発行して証券市場に登録している企業を指します。

    株式の上場は資金調達方法のひとつである以外に、企業の知名度アップ効果も得られビジネスのプラス材料にもなります。

    上場の種類

    上場するための審査項目や審査基準は、証券取引所が置かれた市場ごとに大きく異なります。

    日本国内に証券取引所は複数あり、上場企業の約9割が上場しているのが「東京証券取引所」で、さらに「東証第一部」「東証第二部」「東証マザーズ」という段階的な3つの市場があります。

    審査基準は東証第一部が最も厳しく、次いで東証第二部、マザーズの順で厳しくなっています。

    例えば、株主数でみると東証第一部へ上場する場合は2200以上が必要になりますが、東証第二部への上場の場合は800人以上が要件になっています。

    時価総額の審査基準にも違いがあり、東証第一部へ上場する場合は250億円以上が必要になりますが、東証第二部へ上場する場合は20億円以上が要件となります。

    また、東証マザーズはベンチャー企業や新興企業向けの株式市場で、将来的に東証第一部や第二部へ上場することを目指す比較的若い成長企業が多く上場しているのが特徴です。

    東証マザーズと似た証券市場にジャスダックがありますが、この2つは市場の位置づけには類似点があるものの、審査項目や審査基準はかなり異なっています。

    例えば、東証マザーズには市場選択制度というものがあり、「東証マザーズに上場してから10年後に上場市場の選択を行う」と定められています。

    原則として東証マザーズは第一部へのステップアップを目指しますが、第一部は審査基準が非常に厳しいため変更が難しい企業も多いのが現状です。

    そのような理由により定義を明確にするため、東証マザーズでの上場を継続するか東証第二部へ変更するかを選択する機会を設けています。一方のジャスダックには、一定の事業規模・実績のある成長企業や特徴のある技術・ビジネスモデルを持つ将来性に富んだ企業などさまざまな企業が上場しています。

    さらにジャスダックには「スタンダード」「クローズ」という2つの区分があり、クローズは成長性を重視した区分とされスタンダードに比べ審査基準は緩やかになっており、スタンダードは比較的安定した

    企業が多いのが特徴です。

    なお条件を満たせば、東証第二部から東証第一部へ変更する「一部指定」のほか、ジャスダックから東証第二部へ変更する「市場変更」も可能です。

    上場の目的

    企業が上場するためには多額の費用がかかり長い準備期間も必要になるだけでなく、上場後も情報会の手間や維持費がかかります。

    それ以外にも、株主を持つことにより従来のように自由な経営は不可能になり、買収されるリスクも発生するようになります。

    しかしながら企業が上場すれば多くのメリットが得られるため、多くの企業は上場を目指します。上場の目的としては「社会的信用の向上」「資金調達」「優秀な人材の確保」などが挙げられます。

    ⑴社会的信用が向上する

    企業が上場するための審査基準をクリアしたということは、企業の安定性や事業の将来性に公的に求められたともいえます。

    なかでも審査基準が厳しい東証第一部へ上場した企業であれば、一般的に「優秀な大企業である」というイメージが強いため、社会的信用や知名度のアップにつながりビジネスの追い風ともなります。

    ⑵資金調達がしやすくなる

    企業の社会的信用や知名度が上がれば、銀行や信用金庫などの金融機関からの信用も得やすくなります。

    上場による株式発行で多額の資金調達ができるだけでなく、金融機関から融資を受けやすくなる点も上場のメリットといえます。

    株式発行による資金に加え、金融機関から融資を受けることにより、新たな事業への着手も容易になるのもメリットのひとつといえるでしょう。

    ⑶優秀な人材が確保できる

    企業の知名度や社会的信用が上がれば、優秀な人材の確保がしやすくなります。

    特に新社会人募集時の影響は大きく、将来性のある有能な人材を確保できる機会を得ることができます。

    優秀な人材を確保することは、企業の成長に不可欠な要素であり、成長性を高められるだけでなく人材育成にかける費用を削減できるのは、上場で得られる大きなメリットであるといえます。

    ⑷健全な経営体制を構築できる

    企業が上場するためには一定の審査基準を満たさなければならないため、事前に経営体制の見直しが必要となる場合が多いです。

    その改善過程の中で、法令順守や内部統制、企業統治(コーポレートガバナンス)などリスクを考慮しつつ不正のない健全な経営体制が構築されていきます。

    上場の廃止のメリット・デメリット

    近年、上場している大手企業を中心に「上場を廃止する」動きが目立っています。上場廃止とは株式を非公開化するものですが、時間と費用をかけて上場したにもかかわらず株式を非公開化する意図にはどのようなものがあるのでしょうか?ここでは経営戦略として上場廃止(株式非公開化)を行うメリット・デメリットについて解説します。

    ⑴上場廃止(株式非公開化)のメリット

    上場廃止(株式非公開化)を行うメリットには「企業運営の円滑化および意思決定の迅速化」「事務的作業の効率化」「企業買収の防衛策」などが挙げられます。

    ①企業運営の円滑化および意思決定の迅速化

    上場廃止(株式非公開化)することにより企業は少数株主を排除することができ、意思決定を行う際に支障をきたす要因を減らすことができます。

    企業が経営戦略を行う時は株主総会での説明や承認が必要となる場合がありますが、株主の反対により阻止されてしまったり経営状態悪化などにより株主から非難され動きづらくなったりすることも考えられます。

    上場廃止(株式非公開化)を行えばこのような事態を避けることができるため、企業運営を円滑にかつ迅速に行えるようになります。

    また株主総会の開催時期も短縮でき、取締役の任期を最大10年に延長できる点もメリットのひとつといえるでしょう。

    このように上場廃止(株式非公開化)をすることにより制約が減り、より自由な経営ができるようになります。

    ②事務的作業の効率化ができる

    上場(株式公開)している企業では、財務状況の報告・公開や金融商品取引法で定められた時期の決算など、さまざまな事務的作業が多くなります。

    このような作業は有価証券報告書の提出や株主保護のために必要なものですが、作業には時間やコストがかかる点がデメリットになる場合もあります。

    上場廃止をすれば作業にかかる時間が不要になるだけでなく、コスト削減も実現することができます。

    ③企業買収の防衛策になる

    上場廃止(株式非公開化)は企業買収の防衛策としても、有効な戦略のひとつになります。

    上場して株式を公開するということは、資金調達や知名度アップなどのメリットもありますが、同時に絶対的買収を仕掛けられるリスクが常につきまといます。

    絶対的買収のターゲットにされる企業は株式を公開している上場企業に多いため、上場を廃止して株式を非公開化すれば買収を計画している企業は株式の取得が困難になります。

    近年では絶対的買収を行う事例は少なくなっているものの、経営権を守るという意味では上場廃止(株式非公開化)は有効な戦略といえるでしょう。

    ⑵上場廃止(株式非公開化)のデメリット

    前述のとおり、上場廃止(株式非公開化)にはさまざまなメリットがありますが、同時にデメリットがあることも忘れてはなりません。

    上場廃止(株式非公開化)を行った場合「資金調達手段の限定」「利益相反発生の可能性」などが挙げられます。

    ①資金調達の手段が限定される

    上場すれば一般の投資家からの出資が得られるため、多額の資金を短期間に調達することも可能になります。

    しかしながら上場廃止(株式非公開化)をするということは、一般の投資家からの出資が得られなくなるため、資金調達の手段が限られてしまうという点がデメリットだといえます。

    上場廃止(株式非公開化)を行う時は、事前に資金調達の手段を確保しておくことが重要です。

    ②利益相反発生の可能性がある

    上場廃止(株式非公開化)は株式の流動性を損なうことになるため、上場している時とは全く異なる状況になります。

    そのため、一般株主を残した状態で上場廃止(株式非公開化)をすれば、利益相反が起こる可能性があります。

    利益相反が発生すれば一般株主が損失を被る可能性もあるので、上場廃止(株式非公開化)を行う時は、事前に株式非公開化の理由やスキームについて株主からの理解を得ることが必要になります。

    さらに上場廃止(株式非公開化)を行ったあとも意思決定のシステムを構築するなど、一般株主への配慮を怠らないことも大切です。

    上場企業数

    日本国内で有価証券の取引ができる市場は、東京・大阪・札幌・名古屋・福岡の5か所があります。

    株式証券を扱わず先物取引のみを取り扱う大阪証券取引所を除き、各証券取引所には企業規模や状況に合わせた取引所が設けられています。

    また、海外にもニューヨークやロンドンをはじめとし、証券取引所取引所は多数存在しています。それ以外に企業のみが取引できる市場もあるため、上場している企業の数は膨大なものになります。

    そのなかで日本取引所グループ(JPX)が発表しているデータによれば、第一部2,130社・第二部494社・マザーズ267社・ジャスダック(スタンダード)697社・ジャスダック(クローズ)37社の計3,647社が上場しています(2018年12月現在)。

    上場企業の数は2018年に起こったリーマンショックの影響で一時期低迷しましたが、2018年のデータによれば東証第一部の上場企業は8年連続で増加する見通しであるとわかります。

    上場企業の数はリーマンショック直前の2007年水準と比較すると、約2割拡大していることとなり、株式市況の好転に伴う新規上場が活発化により復調傾向にあるといえます。

    今後も株式市況での増勢が継続するか否かは、日本国内および海外の経済動向がカギを握るといえるでしょう。

    まとめ

    今回は上場の種類や目的、メリットとデメリットについて解説しました。

    日本国内に証券取引所は複数あり、上場企業の約9割が上場しているのが「東京証券取引所」で、さらに「東証第一部」「東証第二部」「東証マザーズ」という段階的な3つの市場があります。

    メリット・デメリットを踏まえ事業の方向性を考えましょう。

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