M&Aとは?意味や動向とM&Aを行う目的・メリットなどをわかりやすく解説!
2023年5月30日公開資金調達
エンジェル投資家について徹底解説!メリットやデメリット・探し方は?
企業がイグジット(上場、ハイバリエーションでの売却)をした際のキャピタルゲインを目的とした投資を行うエンジェル投資家。返済義務がない投資をメインとしているエンジェル投資家について知らない人も多いはず。本記事ではそんなエンジェル投資家について徹底解説します。
目次
エンジェル投資家とは?
エンジェル投資家とは、創業間もない企業に出資を行う投資家をいいます。
企業が成長した際の配当や株式を受け取ることで収益を上げることを目的としており、エンジェル投資家が出資をするお金は「投資」扱いとなります。そのため、エンジェル投資家から提供されたお金は返済義務がありません。
エンジェル投資家が投資をする目的
エンジェル投資家が投資をする目的としては、キャピタルゲインを得ることが挙げられます。
例えば、創業間もない企業が将来的にイグジット(上場、ハイバリエーションでの売却)をした際に出資金に応じたキャピタルゲインがエンジェル投資家に支払われる仕組みです。特にベンチャー・スタートアップ企業は少額の出資だったとしても一定の株式を取得できるため、エンジェル投資家が積極的に投資をしています。
エンジェル投資家の特徴
そんなエンジェル投資家の特徴は「企業の将来性を見ている」ことが挙げられるでしょう。
後ほど解説しますが、エンジェル投資家は投資した企業がイグジット(上場、ハイバリエーションでの売却)をすることでキャピタルインを得ることを目的としているため企業の将来性に賭けています。イグジットをするであろう企業へ投資するのが一般的であり、継続的・安定的に経営を続けていく企業に投資することはほとんどありません。
エンジェル投資と一般的な投資との違い
企業への投資方法はいくつもありますが、一般的な投資とエンジェル投資の違いを以下で解説します。
- エンジェル投資:イグジットを想定した投資
- 一般的な投資:企業が安定的に成長することを想定した投資
一般的な投資は企業が将来的に安定して成長をし続けられることを目的としています。株式の配当を継続的に受け取るために一般的な投資を行いますが、エンジェル投資家はその逆の投資方法です。創業間もない企業が将来的にイグジット(上場、ハイバリエーションでの売却)すること目的としています。
エンジェル投資家とベンチャーキャピタルとの違い
続いて、ベンチャーキャピタルとエンジェル投資の違いを以下で解説します。
- エンジェル投資:比較的少額の投資、出資までがスピーディー、経営への関与が少ない
- ベンチャーキャピタル:比較的多額の投資、出資までがスローリー、経営の関与が多い
エンジェル投資はあくまでもベンチャー・スタートアップ企業といった創業間もない企業に対して行う投資であり、少額・スピーディーが特徴です。また、ベンチャーキャピタルは経営に多く関与し舵を取ろうとすることが多いのですがエンジェル投資の場合は経営に関与することはほとんどありません。出資可否が決まるまでの判断も非常に早いです。
エンジェル投資家と金融機関との違い
資金を提供するという意味では金融機関もありますが、以下のような違いがあります。
- エンジェル投資:「投資」の扱いになるので返済義務がない
- 金融機関:「融資」の扱いになるので利子をつけて返済する義務がある
金融機関は企業へ「融資」を行うことで利益を上げている機関ですので、エンジェル投資とはまったく別物と捉えていいでしょう。エンジェル投資家はあくまでも「投資」を行いますので、返済義務はありません。
エンジェル投資家の探し方
返済義務がなく早期段階で投資をしてくれるエンジェル投資家を探す方法は以下が挙げられます。
- 直接紹介してもらう
- マッチングサイトを活用する
- メールやSNSを活用する
- イベント・ビジネスコンテスト・ピッチに参加する
それぞれ探し方をご紹介します。
直接紹介してもらう
最も最適な探し方が、直接紹介してもらう方法です。
例えば、信頼している起業家や投資家・ベンチャーキャピタルから「こういうエンジェル投資家がいるけど会ってみないか」と紹介してもらう方法です。既に名前が売れておりエンジェル投資の実績がある人を紹介してもらえるのであれば、その方法が最適でしょう。また、直接紹介してもらえるということで信頼構築もスムーズにできますし、余計な手数料などもかかりません。
マッチングサイトを活用する
近年で急増しているマッチングサイトを活用する方法もあります。
エンジェル投資家が登録しているマッチングサイトに登録をし、メッセージを送ることでコンタクトを取ることができます。基本的には無料で使えるマッチングサイトが多いですが、より質の高いエンジェル投資家を探したい場合は有料のマッチングサイトも検討すべきでしょう。有料版であればメッセージの回数や探せるエンジェル投資家の数も多くなる傾向にあります。
メールやSNSを活用する
マッチングサイトがなかった時代だとメールやSNSを活用するのが一般的でした。
例えば、TwitterやFacebookなどエンジェル投資家が登録しているSNS経由でDMを送りコンタクトを取ることができます。DMだと第三者が介入しませんし余計な邪魔が入らないため自分の事業についての説明も明確・詳細にすることが可能です。ただ、全く面識のないエンジェル投資家にいきなりDMを送ってもほとんどは無反応に終わってしまうことが多いため、直接会ってからDMでやり取りすることをおすすめします。
イベント・ビジネスコンテスト・ピッチに参加する
よりエンジェル投資家からの投資の熱量を上げてもらうためにイベント・ビジネスコンテスト・ピッチに参加する方法があります。
最近ではエンジェル投資家が登壇するイベントも多くあります。そういったオフラインで開催されているイベントに直接足を運び、コンタクトを取ることでエンジェル投資家に覚えてもらいやすくなります。また、ビジネスコンテストやピッチで優秀な企業であることをアピールできれば、エンジェル投資家同士で話が広がりさらなる投資をしてもらえるかもしれません。
エンジェル投資家から投資を受けるポイント
エンジェル投資家に出会えたとしても投資をしてもらえるかどうかはわかりません。そこでエンジェル投資家から投資を受けるポイントを以下でご紹介します。
- 有名なエンジェル投資家と出会う
- プレゼンテーション力を磨く
- エンジェル投資家が重視するポイントを整理する
- 起業家自身の魅力・熱意を伝える
それぞれ解説します。
有名なエンジェル投資家と出会う
まず大前提として、有名なエンジェル投資家に出会いましょう。
なぜ「有名な」エンジェル投資家が良いのかというと、有名なエンジェル投資家は顔が広いため企業情報が広がっていきやすいからです。より良いプレゼンができれば話題が話題を呼び、より多くのエンジェル投資家に興味を持ってもらえるかもしれません。マッチングサイトやSNSなどでコンタクトを積極的に取りに行きましょう。
プレゼンテーション力を磨く
どれだけ優れた企業であってもうまく伝えることができなければ意味を成しませんから、プレゼンテーション力を磨きましょう。
プレゼンテーション力は非常に重要で、経営者として今後もやっていくためには欠かせない能力です。多少粗があってもプレゼンテーション力でカバーできるところはありますし、それにより興味を持ってもらえるかもしれません。また、熱量・魅力を伝えることができればさらに投資への意欲を掻き立てることもできます。
エンジェル投資家が重視するポイントを整理する
エンジェル投資家が重視するポイントを整理することも重要です。
一般的にエンジェル投資家が重要視しているポイントは2つあるといわれています。
- プロダクトのイグジットの可能性
- 起業家自身の資質
特にプロダクトが最終的にイグジットできるのかどうかはエンジェル投資家が最も重要視しているポイントです。一般的な投資ではなくイグジットを目的とした投資になるためイグジットができなければエンジェル投資家は投資をしてくれないでしょう。また、起業家自信にどのような資質があるのかも見ています。
起業家自身の魅力・熱意を伝える
意外と抜けがちですが、起業家自身の魅力・熱意を伝えることも忘れないでください。
エンジェル投資家は数多の事業プレゼンを見てきており、普通のプレゼンでは「今までと同じプレゼンだな」と興味を示してもらえる確率は下がります。そのため、自分がこの事業にどれくらいの熱量をかけているのかを最大限アピールできるようになっておくべきです。事業の成長性が見込まれても起業家の熱量が伝わらなければ投資をしないエンジェル投資家も数多くいます。
エンジェル投資家の出資を受けるメリット
ではここからはエンジェル投資家の出資を受けるメリットについて特徴などを解説します。
- 返済義務がない
- 人脈が広がる
- 経営に対する助言を受けることができる
それぞれメリットを解説します。
返済義務がない
創業間もない企業にとって返済義務がないのは大きなメリットになります。
ベンチャー・スタートアップ企業といった創業間もない企業はいかにしてコストをカットするかが重要視されていることもあり、返済義務がないエンジェル投資は頼るべきもの。一般的な投資は株式や配当を配分しますし、金融機関は返済義務のある「融資」しか対応していません。
人脈が広がる
エンジェル投資家のコネクションで多くのエンジェル投資家につなげてもらえる可能性があります。
例えば、企業として魅力があれば多くのエンジェル投資家がこぞって投資をしたくなるでしょう。そうなればこちらが特に何もしなくてもエンジェル投資家同士で人脈を使いどんどん広げていってくれます。待っているだけで投資をしてもらえるなんて状態になるかもしれません。
経営に対する助言を受けることができる
エンジェル投資家がエンジェル投資家になるまでに経験したビジネスノウハウや助言を受けることもできます。
投資をしている分、エンジェル投資家はその企業に成功をしてもらわなければなりません。もし経営が傾きそうになっていればエンジェル投資家は助言してくれるでしょう。「ここを改善しよう」「このコストはカットしよう」などのように具体的なアドバイスがもらえます。
エンジェル投資家の出資を受けるデメリット
一方でエンジェル投資家の出資を受けるデメリットもあります。
- 上場を目指さないと出資を受けられないこともある
- 多額の出資を受けることができない
- 経営の自由度が下がる
それぞれデメリットを解説します。
上場を目指さないと出資を受けられないこともある
まず、上場を目指さないと出資を受けられないこともあるデメリットがあります。
基本的にエンジェル投資家はイグジット(上場、ハイバリエーションでの売却)を目的として投資を行うため、一般的な企業では出資を受けられない可能性があります。もちろん見返りを一切求めないエンジェル投資家もいますがほんのごくわずかだと思っておきましょう。元々イグジット(上場、ハイバリエーションでの売却)するつもりがあるのかどうかもエンジェル投資家が投資をするかどうかの判断基準の1つです。
多額の出資を受けることができない
エンジェル投資家はその特徴上、多額の出資を受けることができません。
多くの資本を有しているベンチャーキャピタル(VC)と比較するとエンジェル投資家が投資する額はそこまで大きなものではありません。例えば、ベンチャーキャピタル(VC)であれば数億円の投資が実現するケースも少なくありませんが、エンジェル投資家だと数百万円規模で止まるのが一般です。大きなデメリットになることはありませんが、より多くの資金を得たい企業とはマッチしないでしょう。
経営の自由度が下がる
あまりありませんが、エンジェル投資家が経営に関与をしてくると経営の自由度が下がります。
イグジット(上場、ハイバリエーションでの売却)を目的として投資をするエンジェル投資家の中には、積極的に経営に関与してこようとする人も一定数存在します。経営に関与されてしまうと今までやっていた事業内容や方針がガラッと変わってしまう可能性はゼロではありませんし、考え方が異なれば投資を打ち止めされてしまうかもしれません。
エンジェル投資家のみならず幅広い選択肢から資金調達を検討しよう
企業へ投資をしてくれる投資家はエンジェル投資家だけではありません。
一般的な投資家やベンチャーキャピタル(VC)など多くの投資家がいますので、今回ご紹介した探し方を参考にして資金調達ができるようになりましょう。また、返済義務はありますが金融機関の力を借りることも検討視野に入れておきましょう。
まとめ
今回はエンジェル投資家について解説しました。
将来的にイグジット(上場、ハイバリエーションでの売却)を想定している創業間もない企業へ投資をする投資家を「エンジェル投資家」といいます。簡単に出会えるわけではありませんが出会えた時に事業のプレゼンができるように今のうちから多くの経験をしておくことをおすすめします。
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