M&Aとは?意味や動向とM&Aを行う目的・メリットなどをわかりやすく解説!
2023年1月10日更新資金調達
株式分割とは何?仕組みやメリット・デメリットなどをわかりやすく解説!
株式分割とは、1株をいくつかに分割して、発行済みの株式枚数を増やすことです。株式分割には企業側、投資家側にメリット・デメリットが存在します。理解していないとトラブルに発展する可能性があります。そこで、株式分割の仕組みやメリット・デメリットなど解説していきます。
株式分割とは
株式分割とは、1株をいくつかに分割して、発行済みの株式枚数を増やすことです。
投資家などから出資を受けるわけではなく、無償で株式数の保有を増やすことから「株式無償割り当て」とも呼ばれます。
株式分割には、企業目線、投資家目線、それぞれにおいてメリット・デメリットが存在します。
株式枚数が増えるとメリットに感じますが、デメリットをしっていないと大きなトラブルに発展する原因にもなるため、株式分割の仕組みなどを理解しておく必要があるのです。
それでは、株式分割について解説していきます。
株式分割の仕組み
株式分割とは株を分けるだけなので、1株あたりの価値が大きくなるのではなく、小さくなりますが株の枚数は増加する仕組みです。
株式分割と間違われやすいのが、増資です。
例えば、株式分割の場合ピザでよく例えられます。
ピザを2,000円で購入したとき、そのピザを半分に二等分にして分けると考えましょう。
すると、ピザ自体の大きさは半分になるので数は2つです。
しかし、ピザの送料自体は変化していません。
この場合、2,000円で買ったピザは1,000円のピザが2つになったということです。
このように株に置き換えると、企業から株式分割を行うという発表があった場合、株を100株持っていた人は、持っていた株が200株になります。
ただ、この株の価値は半分にされるため下がってしまいます。
しかし、総数は増えるという仕組みです。
株式分割は上記のように計算をすることができます。
「増資」との違い
増資とは、新しく発行した株式と引き換えに投資家から出資を受ける仕組みです。
増資と株式分割の違いは、株式分割が1株あたりの単価を下げて発行済み株式総数のみを増やすのに対し、増資は新しく発行した株式と引き換えに投資家からの出資を受けることになります。
増資を行うと、新たなお金でもう1枚のピザを購入するということです。
株式分割が増資と思って計算をしてしまうと、1株あたりの価値の判断を誤ってしまうため注意しましょう。
株式分割のメリット
ここからは、株式分割のメリット・デメリットについて解説していきます。
まずは、株式分割のメリットについて紹介していきます。
株式分割のメリットをしっておくことで、経営判断を行う戦略のひとつとして取り入れることができるため、理解しておくことが必要です、
企業側のメリット
なぜ株式分割を行うのか、そのメリットについて紹介していきます。
企業側の株式分割のメリットは以下の通りです。
株式の流動性を高められる
企業側からみたとき、株式分割で得られる最大のメリットは株式の流動性を高められることです。
株式分割を行うと、分割比例に応じて株価も減少するため、これまで購入できなかった多くの投資家にも株式を購入する可能性が与えられることになります。
株式分割によって売買が活発になると、新たな株主となる投資家が増え、株主数を増やすことができます。
配当の代替にできる
株式分割後、1株あたりの配当を変更しなければ、株主は株式分割によって新たに取得した株式数分だけ、受け取る配当が増加することになります。
この方法を使用すれば、1株あたりの配当金額を変更することなく、配当増額の代替として株主に利益を還元することができるのです。
上位の市場への昇格がしやすくなる
JASDAQ・マザーズに上場している企業が東証一部に上場するためには、株主数や流動株式数などに関する一定の基準をクリアする必要があります。
株式分割を行うと、株主数や流通している株式数が増えるため、上位市場への昇格がしやすくなります。
株価の安定性が高まる
少数の株主によって、株式のすべてが保有されている場合、1人の株主が株式を売買しただけで株価に与える影響は大きくなります。
しかし、株式分割を行うことで株式数が増加し、株主数が増えると売買が株価に与える影響が薄まり、株価の安定が高くなります。
投資家側のメリット
続いては、株式分割を行うことで投資家が受けるメリットについて紹介していきます。
投資家も株式分割のメリットを理解しておくことで、その企業への投資リスクを判断することができるので理解しておくことが必要です。
投資家のメリットは以下の通りです。
株主の最低購入金額が低下する
株式分割が行われることで株価が減少するため、株式の最低購入金額が低下します。
結果、これまで購入できなかった投資家なども株式を購入することが可能です。
例えば、1株あたり2万円の株価がついている株式を100株単位で購入するためには最低200万の準備金が必要です。
しかし、1:5の割合で株式分割が行われれば理論上株価は4,000円になるため、100株単位でも40万円で購入ができます。
このように株式分割によって株主の最低購入金額が減少するため、売買が活発に行われるのがメリットです。
株式の売買自由度が上がる
株式分割を行うことによって株式の売買単価が減少すると、値が下がっているので少しだけ買い増すことや、値が上がっているうちに少しだけ売却することができます。
このように保有したい株数を計算してさらに買ったり売ったりなど、株式の売買自由度が上がります。
配当が増える、安く配当がもられる可能性がある
株式分割を行うことによって1株が3株、4株などに分割された場合、それに応じて配当金も1/3や1/4となるのが一般的です。
しかし、1:1.1のような株式分割の場合であれば、配当金が据え置かれることがあります。
例えば、1株あたり1万円の価値がある株式を100株持っている場合であれば、株式分割によって株式が110株に増加します。
そのため、受け取る配当金も10万円増える計算になります。
株式分割のデメリット
続いては、株式分割のデメリットについて紹介します。
デメリットを理解していないと、大きなトラブルに発展する可能性があるため、注意が必要です。
それでは、それぞれについてみていきましょう。
企業側のデメリット
企業側のデメリット
株式分割の企業側デメリットは主に以下の2つです。
企業の信用度を下げる可能性がある
株式分割を行うことで、増資のように企業の財務基盤が強化されるわけではなく、売買が活発になるため、短期的に株価が上昇することがあります。
ただし、短期的に株価を上げることを目的に株式分割を何度も行うと企業の信頼度を下げてしまいます。
また、株式が購入しやすくなったことによって、投機目的の投資家が株主となる場合があります。
そうなると、企業本来の業績とは関係なく、株価が乱高下を繰り返しかねる可能性があるのです。
結果、企業の信頼度を下げてしまう可能性があります。
多くの株主を管理する必要が出てくる
株式分割によって株式が増加すると、売買が活発になり株主数が増えます。
ただし、株主が増えると管理が大変になるため、株主総会や配当に関する工数が増えてしまうのです。
企業は株式分割をすることで、信頼度を下げてしまう、株主の管理をする必要がある、などのデメリットが存在します。
信頼度を下げてしまうことは、今後の会社経営に影響を及ぼす可能性があるため、慎重に実行させなければいけません。
株式分割を行う際は、リスクを回避できるよう注意して行いましょう。
投資家側のデメリット
企業側のデメリットがある一方、投資側にもデメリットが存在します。
投資側のデメリットは以下の通りです。
単元未満株(端株)が発生する
株式分割を行うと、比率によっては単元未満株(端株)が生じる可能性があります。
例えば、前述で記載した100株持っている株式が1:1.1に株式分割された場合で仮定してみましょう。
1株が1.1株に分割されるということは、保有株式数は110株となります。
しかし、市場での売買単位は100株となるので、増えた10株に関しては市場で売却することはできません。
そのため、この端株を売却しようと思ったら、株式を発行している会社に対して買い取り請求を行う必要があります。
この際、指値でなく成行注文しかできず、場合によっては手数料負けしてしまうこともあります。
必ず計算をした上で検討しましょう。
株価の安定性が損なわれる場合もある
株式分割によって株主が増えると、一般的に株価は安定方向に働きますが、場合によっては株主が増えたことで投機目的の投資家が増えると、株価の変動幅が大きくなってしまいます。
結果、株価の安定性が損なわれる可能性があります。
企業側にデメリットがある分、投資家にもデメリットは存在するので、株式分割を行うときは、双方のことを考えた上で実行しましょう。
株式分割を行う手順
ここからは、株式分割を行う手順を解説していきます。
手順は以下の通りです。
1.取締役会での株式分割決議
2.株主への公告
3.株式分割の効力発生
4.法務務局への変更登記申請
それでは、それぞれについて見ていきましょう。
①取締役会での株式分割決議
株式分割の手順1つ目は、取締役会での株式分割決議です。
株式分割を行うためには取締役会設置会社においては取締役会での決議が行われる必要があり、以下の3点が決定されます。
・株式分割の比率とその基準日
・株式分割の効力発生日
・株式分割する株式の種類
また、取締役会での決議前に定款で定められている発行可能株式総数を確認する必要があります。
株式分割の比率によっては、現在の定款で定められている発行可能株式総数を超えてしまうと、株式分割の決議前に取締役会の決議で定款の発行可能株式総数を変更しなければいけない法律があるので注意しましょう。(会社法184条2項)
②株主への公告
株式分割の手順2つ目は、株主への公告です。
取締役会で株式分割が決議されたら、どの時点で分割された株式が株主に割り当てられるのかを伝える必要があります。
この分割された株式が割り当てられた日を基準日と呼びます。
基準日の2週間前までには株主に対して、基準日公告を行わなければいけない法律が定められているのです。(会社法124条)
③株式分割の効力発生
株式分割の手順3つ目は、株式分割の効力発生です。
株式分割の効力発生日を迎えると、株主は分割によって増えた株式が付与されます。
この際、1株に満たない端数が生じた場合、その端数を合計したものを競売等で売却した後に売却代金を株主に交付します。
④法務務局への変更登記申請
株式分割の手順4つ目は、変更登記申請です。
株式分割を行ってから2週間以内に本店所在地を管轄している法務局で、株式分割に関する変更登記申請を行う必要があります。
株式分割の変更登記申請を行う場合、分割する株式の比率や株式数に関係なく一律3万円の登録免許税が必要です。
株式分割を理解して最善の経営判断を下そう!
株式分割には、企業側、投資家側にそれぞれメリット・デメリットが存在します。
株式分割を行うと、株式総数自体は増えますが、1株あたりの価値は下がってしまいます。
株主によっては、1株あたりの価値を大切にしている可能性があるため、株式分割が簡単にできるわけではありません。
また、株式分割によって1株あたりの価値が下がると、競争率が上がる可能性があるため、敵対的買収などが起こる可能性もあります。
上場企業は株式を公開している以上リスクを抱えています。
しかし、公開をしているからこそ社会的信用度があり、金融機関からの融資や投資家たちから投資を行ってもらうことができるのです。
株式分割は、企業にとっての戦略のひとつですが、一歩間違えると大きなトラブルに発展する可能性があるため、株式分割を理解して最善の経営判断を下しましょう。
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