M&Aとは?意味や動向とM&Aを行う目的・メリットなどをわかりやすく解説!
2023年4月27日公開資金調達
シード期とは?定義やスタートアップの資金調達方法・成功のポイントを解説!
成長していく過程においてIPOやM&Aを活用することも重要ですが、具体的にどのようなポイントを抑えれば良いのでしょうか。
この記事では、シード期の定義やスタートアップの資金調達方法・成功のポイントを解説していきます。
目次
シード期とは、スタートアップなどが起業するにあたっての準備段階の時期を指しますが、その定義や具体的な内容はわかりにくいものです。
また、成長していく過程においてIPOやM&Aを活用することも重要ですが、具体的にどのようなポイントを抑えれば良いのでしょうか。
この記事では、シード期の定義やスタートアップの資金調達方法・成功のポイントを解説していきます。
シード期とは?
シード期とは、起業前や起業後間もない段階である企業のことを指します。
しかし、実際シード期がどのような時期でどのような準備をしているのか知っている人は少ないことでしょう。
ここでは、シード期の定義やその内容について以下の3点から解説します。
- 起業する準備段階の時期のこと
- 収入減がないため赤字の状態が続く可能性
- 信用も実績もまだない状態
起業する準備段階の時期のこと
シード期とは、起業する前の時期における準備段階を指します。
具体的には、商品のコンセプトや、特徴などを考え、様々なアイデアを出して売りたい内容を試行錯誤している段階のことを意味します。
この段階は、今後ビジネスを展開する上での土台を構築している時期のため収益にはつながっておらず、自社の強みをどのように事業へ活かせるか模索することがメインです。
収入源がないため赤字の状態が続く可能性
シード期においては、ビジネスを始める前段階として様々なアイデア出しや、事業化するために調査を行いますが、その状況においては収入源がありません。
したがって、あらかじめ用意した資金を先行投資として導入するなど、赤字の状態でのスタートとなります。
また、ビジネス化前の準備段階が長期化すればするほど、赤字状態が長続きしてしまう恐れもあります。
信用も実績もまだない状態
シード期はビジネス自体を始動していないため、商品を販売もしておらず、取引先もない状態です。
そのため、自社のビジネスに関して実績も残っていないことから、信用も獲得できていない状態と言えます。
将来的にIPOやM&Aも視野に入れている場合には、信頼と実績を早期に獲得していくために、ビジネス化に至る過程をスムーズに進めたいところです。
シード期を含めた企業の成長ステージ
シード期が、起業して間もない企業であり社会的な信頼や実績をまだ持たない企業だとわかりました。
それでは、シード期を含めた企業の成長ステージには何が必要になるのでしょうか。
また、起業するにあたって他にはどのような段階があるのでしょうか。
ここでは、シード期を含めた企業の成長ステージを4つみていきましょう。
- ①シード期
- ②アーリー期
- ③ミドル期
- ④レイター期
①シード期
シード期は、起業する前の準備段階の成長ステージです。
事業計画の作成や、商品やサービスの開発を進める段階で、収益は発生していません。
この段階で事業のコンセプトや計画をしっかりと固めることが、ビジネス開始後の経営状態を安定させる上で重要です。
②アーリー期
アーリー期は、起業してビジネスを開始した直後の成長ステージです。
開発した商品やサービスを実際に販売し、いち早く事業を軌道に乗せることが重要です。
販売力を加速させるために、広告活動なども積極的に行う必要があり、一定の費用を要します。
実際の販売を通して、シード期で計画した内容を適時修正をしながら販売力を強化し、事業の安定化を図ることが求められます。
また、人員や資金の増強を求める時期でもあります。
事業によっては数億~数十億円規模の資金が必要になることもあります。
③ミドル期
ミドル期は、始めたビジネスがある程度軌道に乗り安定してくる成長ステージです。
会社や商品、サービスの名前が世間に少しずつ認識されるようになる時期のため、顧客からあらゆる要望が増えてくる段階といえるでしょう。
また、業種によっては大手企業の目を惹き、将来的なM&Aを視野に入れた事業の連携ができる可能性もあります。
商品やサービスのさらなるクオリティ向上、経営の安定化を図るために、より多くの資金を調達し投入する力が必要となります。
また、安定した収益とは言えないものの、商品やサービスを開発したコストを少しずつ回収することができ始めるのもこの時期です。
さらに成長を加速させるために、数十億円規模の資金が必要になることもあります。
④レイター期
レイター期は、始めたビジネスの収益が安定化してくる成長ステージです。
販売を始めた商品やサービスの認知度が向上し、安定的に利用されている状態となっています。
ミドル期までは、先行投資など資金を調達して支出する場面が多くありましたが、この成長ステージではプラスの収益が上げられるようになるでしょう。
商品やサービス名に留まらず、会社名も広く知られるようになり、投資や融資をうけやすくなります。
したがって、新規の事業にも手を付けやすくなります。
収益をあげられるようになったあとには、新規事業に積極的に投資をしていくことが企業の成長には必要です。
また、社会的な信用を獲得し、多くの事業実績も残せるようになるでしょう。
シード期・アーリー期の資金調達方法
事業を始める前や始めた直後であるシード期・アーリー期での資金にはどのような調達方法があるのでしょうか。
ここでは、シード期・アーリー期の資金調達方法について次の6点をみていきます。
- ①貯金を使う
- ②国の助成金や補助金を使う
- ③銀行から資金を援助してもらう
- ④家族や友人から借りる
- ⑤投資家から援助してもらう
- ⑥スタートアップを支援する企業を利用する
①貯金を使う
シード期やアーリー期は資金繰りが難しいことから、あらかじめ貯めておいた貯金を使うことが一般的です。
会社員時代に起業を計画した場合、毎月の給与から少しずつ貯めて、シード期やアーリー期の活動資金に充てるといった形です。
成功させたい事業の内容と照らし合わせ、どのくらい資金が必要かを逆算することによって、スムーズなスタートダッシュに繋がります。
②国の助成金や補助金を使う
国の助成金や補助金を上手に活用することで、シード期やアーリー期の資金調達を成功させることができます。
助成金や補助金を得るための書類作成の手間などが生じ、手元に入金されるまで多少時間を要します。
しかし、順調に申請が通ればシード期やアーリー期を乗り越えるための資金が手に入るので、より円滑に事業を進められるでしょう。
③銀行から資金を援助してもらう
事業を始めるための資金調達先として有力な候補として、銀行が挙げられます。
銀行は比較的幅広い個人や企業に対して安全な融資を行っているためです。
しかし、初めての起業を検討している人にとっては社会的信用を得ていることが条件となるため、融資を受けるまで一定のハードルを乗り越える必要があります。
シード期やアーリー期での融資は簡単にはいかないため、なるべく現実的な事業案を相談するか、事業が軌道に乗ってきた時に再度融資を依頼することも一つの方法です。
銀行から資金調達を受けられることは大きなアドバンテージとなるため、早期から相談することによって信用を獲得していくことがおすすめです。
④家族や友人から借りる
事業の規模が小さいものに関しては、資金を家族や友人から借りることも一つの手です。
しかし、なるべく早期に返済できる金額とし、無理な借用は控えるようにしましょう。
返済が滞ると、家族や友人からの信頼を損ない、人間関係を悪化させてしまいかねません。
⑤投資家から援助してもらう
投資家からの資金援助を受けることも、シード期やアーリー期の事業に有効な方法です。
成功させたい事業の内容や計画を投資家たちに説明し、共鳴してもらうことができれば、事業推進の先行投資を受けることも可能なため、スピード感のある事業展開ができるようになります。
また、投資家たちの意見を取り入れながら事業を進めることができるため、事業を成功に近づける可能性も広がるでしょう。
⑥スタートアップを支援する企業を利用する
スタートアップに対して支援を用意している企業からサポートを受けることは有効な方法の一つです。
スタートアップのシード期における起業に向けた相談や、アーリー期の事業運営の相談に至るまで、資金調達に限らない支援を受けられます。
また、事業がうまく軌道にのれば、将来的なパートナーとしてM&Aを介した支援先への傘下入りも選択肢となるかもしれません。
初めての起業で何から手を付けたら良いかわからない場合には、スタートアップを支援する企業に相談してみることで、成功に近づく可能性が高まるでしょう。
シード期起業家によるEXIT戦略
事業を始めようとするシード期の起業家は、アーリー期やミドル期に移行して利益を確定するためにどのような戦略をとればよいのでしょうか。
ここでは、シード期起業家によるEXIT戦略について解説します。
- IPO
- M&A
IPO
シード期のEXIT戦略の一つとしてIPO(新規株式公開)があります。
IPOは、初めて証券取引所で株式を公開することを指します。
これは、株式市場に上場することによって、多くの投資家たちに注目してもらうきっかけとなり、株式市場によって資金を調達することが可能になります。
また、上場後に値上がった株式を売却することによって、取得時に支払った金額との差額が手元に利益として残ります。
事業を始めた当初の出資者たちは投資分をリターンとともに回収できるため、シード期を抜けるためにIPOを活用したEXIT戦略を用いることは有効な方法です。
M&A
M&Aは「合併・買収」を指し、M&Aを活用したEXIT戦略も成功に近づくための方法の一つです。
M&AはEXIT戦略において、自社を他社に売却することを意味します。
事業を始めて軌道に乗った後、他の企業と提携関係を締結し、やがてM&Aで傘下に入るといった形です。
スタートアップの買い手は大手企業が多いことから、M&Aが発表されることによって傘下入りしたスタートアップの注目度が大幅に向上します。
シード期・スタートアップの成功ポイント
シード期において、新規事業を展開しようとするスタートアップが成功する方法はどのようなものでしょうか。
ここでは、シード期・スタートアップの成功ポイントを解説します。
- 課題に一緒に取り組める社員の確保
- 事業目標や計画をしっかり立てる
- 経費削減につながる工夫
課題に一緒に取り組める社員の確保
シード期には様々な課題が山積していることから、一人で乗り越えようとすることは困難です。
そのため、事業の内容に共感し、あらゆる課題に一緒に取り組める社員を確保することが重要です。
事業の発展や将来的なIPO、M&Aへの転換なども視野に入れつつ、長く協力し合える仲間との信頼関係を構築することによって、事業を成功に導く可能性が広がるでしょう。
事業目標や計画をしっかり立てる
事業を成功に導くため、それぞれの成長ステージでどのような目標をクリアすべきか計画を立てましょう。
その上で、必要になる資金や調達先なども盛り込み、適宜調整を繰り返しながら事業を安定化させていくことを模索することが重要です。
経費削減につながる工夫
シード期からアーリー期、ミドル期へと成長していく過程において、初期段階ではできるだけ経費を削減できるように徹底することが重要です。
はじめのうちは、貯金を切り崩したりしながら事業へと結びつけていく必要があることから、なるべく必要外の経費を抑え、効率的な事業展開を意識しましょう。
国の補助金制度などを入念にチェックし、資金調達できる方法も活用することがおすすめです。
シード期に投資や融資を受けるデメリット
シード期に投資や融資を受けられるという点は一見メリットに思えますが、デメリットも存在します。
ここでは、シード期に投資や融資を受けるデメリットについて解説します。
融資の場合返済の義務が生じる
銀行など、融資を受けた場合には当然ながら返済の義務が発生します。
返済金には利息も上乗せされるため、事業はしっかり利益を上げられるようになる必要があります。
事業をただ展開するだけでなく、資金の管理もきちんと行わなければ、返済が滞り信用を失う事にもなりかねません。
融資は無理のない範囲で受け、計画的に返済することが重要です。
投資の場合経営権を握られ自由が利かなくなることがある
投資家からの投資を受けている場合には、経営に関しての意見や意向を受け入れざるを得ない状況に陥ることもあります。
また、会社の経営権は出資比率によって決まるため、過半数を超えた時点で経営権を握られてしまう可能性もあります。
また、M&Aで出資企業の傘下に入った場合にも、親会社の言いなり状態となり自由がきかなくなる恐れもあります。
シード期におけるスタートアップは、投資家の意見もバランスよく取り入れながら、なるべく独立性を担保できるように努力する必要があります。
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