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2019年12月27日更新
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タイ企業のM&Aの特徴は?タイ企業の情報やM&A成功のポイントを解説

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この記事の監修専門家
M&A総合研究所 公認会計士
高谷 俊祐

タイは日本との経済的な結びつきが強い国ですが、今後もその関係はより強くなる可能性が高くなっています。 タイは社会情勢の不安定さや自然災害などといったリスクはあるものの、海外進出先の候補としては非常に魅力的な国の一つだといえます。 ただ、タイへ進出するためのタイ企業とのM&Aは外国人事業法のような法律などがネックになるため、事前にしっかり調査を進めておきましょう。

目次
  1. タイ企業のM&A
  2. タイの特徴とは?国民性や政治環境を解説
  3. タイ企業のM&A
  4. タイ企業とのM&Aにおける注意点
  5. タイ企業とのM&Aを成功させるポイントは?
  6. まとめ

タイ企業のM&A

M&Aによって海外進出を実現する会社は多くありますが、最近はアジア圏に進出するケースが多くあります。
中でも人気の国の一つがタイです。
東南アジアの国々の中でも知名度が高いタイですが、タイ企業とのM&Aを通じて海外進出を達成する会社は少なくありません。
では、なぜタイへの進出、タイ企業とのM&Aが人気なのでしょうか?
今回はタイ企業とのM&Aをピックアップし、タイ企業の情報やM&A成功のポイントなどについて解説していきます。

タイの特徴とは?国民性や政治環境を解説

まずはタイがどのような国なのか、網羅的にお伝えしていきます。

タイの環境

タイは熱帯気候であり、5月~10月はスコールが頻発する雨期、11月~3月は比較的涼しい寒期、4月は暑さがピークになる暑期になります。
東南アジアらしく、タイは高温多湿であり、降雨量がかなり多くなっています。
そのため、スコールや台風、洪水により自然災害が起こりやすく、社会全体、経済全体にダメージを及ぼすほどの被害が発生することもあります。
過去には自然災害に政治情勢の不安定化が重なり、多くの海外企業が操業停止に追い込まれたこともありました。
都市に関しては経済成長に合わせて都市部を中心にインフラが整っており、生活するうえで不自由はあまりありません。

タイの国民性

タイ人の国民性は穏やかであり、外国人に対して排斥的な傾向はありません。
教育水準も1970年以降向上しており、1995年には日本と並ぶ95%の識字率を誇るなど、世界的に見ても高い水準を保持しています。
しかしタイ人は貧富の差が激しく、それによる犯罪は少なくありません。
とりわけ性犯罪に関してはアメリカに匹敵するほどの件数を出しており、観光客狙いの犯罪も多いことから、治安に関してはやや不安な一面があります。
違法産業も少なくなく、とりわけ売春産業は人権問題やエイズが蔓延する原因になるなど、問題視されています。

タイの政治

タイは王国ですが、立憲君主制を採用しています。
しかし、2019年現在はプラユット首相率いる軍事政権が政治の実権を握っています。
2018年以降、民政移管が進むとみられていますが、軍事政権自体はしばらく続くと見られています。
タイは2014年にタクシン派と反タクシン派が衝突したり、過去にも大規模なデモ・クーデターが起こるなど、政治的な対立や問題が暴動につながることもあります。
そのため、タイの政治情勢は注視しておくべきでしょう。

タイの経済

タイは1980年以降、劇的な高度経済成長期を迎え、急速に発展しました。
とりわけ1985年~1995年の間は毎年経済成長率が平均9%になるなど、驚異的な成長を見せるようになりました。
それ以降はアジア通貨危機、リーマンショック、クーデターなどによって経済が低迷することはあれど、ある程度の経済成長は変わらず起こっています。

日本との関係

タイと日本の関係は良好であり、タイの王室と日本の皇室の交流や私的訪問もあるなど、政治的にも有効的な関係を築いています。
経済面からみても、タイにとって日本は最大級の貿易相手であり、1700社以上の日本の会社がタイに進出しています。
日本にとってタイは国内市場のための供給を行う拠点だけでなく、ASEAN全域への輸出の要所でもあります。
そのため、ビジネスにおいてタイは非常に重要な拠点になるといえるでしょう。

タイ企業のM&A

そもそもタイ企業とM&Aを行い、タイに進出する理由は何でしょうか?
さきほどもお伝えしたように、タイは他の東南アジア諸国と比べてインフラが整っており、投資環境も充実しています。
元々エレクトロニクス、自動車産業などといった産業の集積地として発展してきたタイですが、近年は所得向上もあってサービス業も発展しており、タイの市場はますます成熟しています。
それに伴い、タイ企業の中には日本の企業をM&Aで買収する企業も現れるなど、タイ企業の成長が目立つようになりました。
そのため、日本企業の中には成長著しいタイ企業に注目し、積極的にM&Aを行う企業が増えてくるようになっています。
タイは経済成長が不安定化しやすいことが難点ではありますが、海外進出をする土壌が整っており、加えて魅力的な企業が増えていることが、タイ企業とのM&Aを活発化させている一因だといえるでしょう。

タイ企業とのM&Aにおける注意点

タイ企業とM&Aを行い、タイに進出する際、注意しておくべきものとして「外国人事業法」が挙げられます。
外国人事業法は外資規制のために施行されている法律であり、「当該企業の事業が規制対象となっている事業であるか」、「M&Aを行った当該企業が外国人企業として扱われるか」の二点によって、規制の対象なるかどうかが決まります。
外国人事業法の規制のポイントは以下の通りです。

規制対象となる事業

外国人事業法において、規制対象となる事業は3種類43業種に分類されています。
紙面の都合もあるため網羅的にお伝えすると、外国人事業法は大まかに分けて製造業とサービス業に分けられます。
そしてタイの外国人事業法では、製造業に対しては規制が緩い傾向があり、サービス業に対して規制が厳しくなっています。
そのため、タイに進出する際には製造業の会社が必然的に有利になります。
ただ、気を付けておきたいのはタイにおける製造業の定義が日本と異なっており、製造業の種類の幅が日本より狭くなっているという点です。
例えば、M&Aで買収したタイの会社に、自社の商品の製造を委託したとします。
一見すると委託された会社は商品の製造を行うため、製造業に見えます。
しかし、タイでは、その会社で企画・設計を行わなければ、例え商品を製造している会社でも製造業ではなく、サービス業として扱われます。
そのため、実際にタイに進出する際には、設置する子会社やM&Aを行ったタイ企業の立ち位置が、製造業とサービス業のいずれに該当するかを入念にチェックしておく必要があります。

外国人の定義とは?

外国人事業法における外国人の定義は以下の5つです。

  1. タイ国籍を有していない個人
  2. 外国で設立された法人
  3. 資本を構成している株式の50%以上を、タイ国籍を有していない個人、あるいは外国で設立され得た法人が保有しているタイ法人
  4. マネージングパートナー、あるいはマネージャーが、タイ国籍を有していない個人である有限パートナーシップ、または登録普通パートナーシップとなっている。
  5. 資本の50%以上を③の法人、あるいは④の個人のいずれかが保有するタイ法人

日本のM&Aでは、買収した会社の株式を過半数、あるいは全てを取得することにより、経営権を獲得することが第一とされています。
しかしタイ企業とのM&Aを行う際には、外国人事業法の外資規制を避けることを考えると、日本でのM&Aのやり方をそのまま流用することは難しくなります。
かといって、株式の保有率を下げると、子会社への影響力が下がり、コントロールすることが難しくなります。
そのため、外資規制のリスクと子会社のコントロール権のバランスを踏まえたうえで、上手く関係性を構築しておく必要があります。

その他の法律にも注意しておこう

外国人事業法以外にも、タイ企業とのM&Aにおいて、考慮すべき点は多くあります。
そもそもタイは日本とは違う国であるため、当然ながら会社法や税制、土地や資本金に対する扱いも異なっています。
会社設立の際に必要な株主の人数、賃金の設定方法、土地の扱いなど、その違いは細かい部分にまで及んでおり、いずれも隈なく把握しておく必要があります。
この違いはタイに新たな拠点を築く場合でも、M&Aでタイ企業を買収する場合でも念頭に置いておかなければなりません。
ただ、タイにはBOI恩典のように、タイの発展に寄与すると認識された企業に対しては外国人事業法の規制を緩和してくれたり、課税の免除や土地保有の認可をしてくれるような制度も存在しています。
こういった制度を上手く利用すれば、タイで拠点を維持したり、ビジネスを展開していくコストを減らしていくことができるでしょう。

タイ企業とのM&Aを成功させるポイントは?

ここではタイ企業とのM&Aを成功させるポイントについてお伝えしていきます。

現地についての情報収集を徹底的に

タイ企業とのM&Aを行う際には、まず現地についての情報収集を徹底的に行いましょう。
これはタイに限らず、あらゆる国・地域への進出において一番重要といっても過言ではないポイントです。
これまで述べてきたように、日本とは違う国であるなら、そこには固有の特徴が数多くあり、日本とは言語、政治、経済、文化、環境などあらゆる点で異なっています。
まずはそれらを把握しておかなければ海外の企業とのM&Aを行うことはできません。
タイの場合であるならば、外国人事業法などのような法律・制度を把握しておかなければ、M&Aでタイ企業と経営統合を行ってからのビジョンも見えなくなりますし、体制作りや経営計画の策定もはかどらなくなるでしょう。
また、現地の従業員に事業を任せるにせよ、日本から駐在員を派遣するにせよ、現地の文化や慣習を理解していなければ経営自体が上手く進まなくなります。
従業員同士のコミュニケーションはもちろん、顧客や取引先との商談も上手くいかなくなる可能性があります。
それに、政治情勢や環境についての知識もなければ、その国特有のトラブルや災害に見舞われた際のリスクコントロールも難しくなるでしょう。
タイの場合であるなら、軍事政権が現在も政治を主導しているため、今後もクーデターやデモなどといった事件が起こる恐れもありますし、スコールや台風が多く来るため、自然災害に対する備えは非常に重要になります。
また、違法産業や犯罪も日本より多く、コンプライアンスへの認識も異なるため、現地の従業員や駐在員の研修や指導も欠かせません。
そのため、M&Aを行う前も、行った後も、現地の情報は常に集めておく必要があります。

現地に強いコーディネーターの協力を得よう

現地に強いコーディネーターの協力を得ることも、タイに限らずあらゆる国・地域に進出する際のポイントです。
異なる文化・風土を持つ国・地域に関する情報は、やはり現地に足を運ばばなければならないとわからないものですし、日本で学ぶには限度があります。
そのため、現地に精通したコーディネーターから協力を得ることは、非常に重要なことだといえます。
タイの場合であるなら、交流があるタイ企業や、現地で活動しているコーディネーターなどに依頼するのもいいですが、タイ企業とのM&Aに特化したM&A仲介会社や経営コンサルティング会社に協力を依頼するのもおすすめです。
昨今は中小企業も海外進出をすることが珍しくない時代であり、M&A仲介会社や経営コンサルティング会社の中には、タイへの進出に特化した業者も少なからずあります。
そのような業者は独自のネットワークを形成しているため、M&Aの実践や現地での経営において、有益なバックアップをしてくれる可能性が高いでしょう。

トレンドを抑えておこう

進出する国・地域のトレンドを抑えておくことも大切なポイントです。
タイの場合であるなら、近年はインターネットの普及が急速に進んでおり、タイの国民の多くがスマートフォンなどといったツールを利用しています。
そのためIT関連事業にとって、タイは良い市場になり得るでしょう。
また国家全体がキャッシュレス化を推進しているため、キャッシュレス決済に関連する事業にとっても、タイは非常に魅力的です。
他にも、経済成長に伴う国民の所得の向上もあって、タイでは国民の間で健康志向が高まっています。
それもあって、タイではスポーツ用品や健康器具、健康食品、和食のようなヘルシーな食事などが人気になっています。
加えてタイでも高齢化が徐々に進んでおり、福祉政策が追い付いていないことから介護や医療のニーズが高まっています。
その点を踏まえると、健康・医療・介護関係の企業が今後タイに進出するケースも増えていくでしょう。

まとめ

元々タイは日本との経済的な結びつきが強い国ですが、今後もその関係はより強くなる可能性が高くなっています。
タイは社会情勢の不安定さや自然災害などといったリスクはあるものの、海外進出先の候補としては非常に魅力的な国の一つだといえます。
ただ、タイへ進出するためのタイ企業とのM&Aは外国人事業法のような法律などがネックになるため、事前にしっかり調査を進めておきましょう。

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