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2019年12月28日更新
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ビルメンテナンス会社におけるM&Aの事例とは?

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この記事の監修専門家
M&A総合研究所 公認会計士
高谷 俊祐

ビルメンテナンス会社は安定的な収益をもたらす異業種を望んでいる会社にとって、非常に魅力的な事業であるといえます。ビルメンテナンス会社も、今後の競合で生き残るうえで、サービスの充実や価格の差別化、海外市場への進出は重要な課題になるといえます。これらの課題を解決するうえで、会社のさらなる成長を実現するうえでM&Aは非常に有効的な手段です。

目次
  1. ビルメンテナンス会社のM&A
  2. ビルメンテナンス会社の概要
  3. ビルメンテナンス会社のM&Aの傾向は?
  4. ビルメンテナンス会社のM&Aの成功のポイントとは?
  5. ビルメンテナンス会社のM&Aの事例
  6. まとめ
ビルメンテのM&A・事業承継
ビルメンテのM&A・事業承継

ビルメンテナンス会社のM&A

M&Aは会社が更なる成長を図るための経営戦略として用いられる一方、異業種の事業の獲得を狙って行われることも珍しくありません。
その場合、特定の業種が人気になることがあります。
ビルメンテナンス会社もM&Aにおいて人気の業種の一つであり、実際に様々な会社がM&Aでビルメンテナンス会社を買収しています。
ビルメンテナンス会社がM&Aで人気があるというと、少し不思議な印象を持つかもしれませんが、そこにはちゃんとした理由があるのです。
今回はそんなビルメンテナンス会社のM&Aについてお伝えします。

ビルメンテナンス会社の概要

ビルメンテナンス会社はどのような事業なのでしょうか?
ビルメンテナンス会社の主な仕事はビルの清掃、保守、機器の運転といったものが挙げられます。
つまり、ビルの管理に関する一切の業務を引き受けることがビルメンテナンス会社の仕事というわけです。
基本的にビルメンテナンス会社はビルのオーナーやマンション経営者、ビルの管理会社から依頼を受けて業務を行います。
一見すると、ビルメンテナンス会社は大きな利益を挙げる事業という印象はありませんが、その最大の魅力は安定性です。
ビルメンテナンス会社は景気の影響を受けにくく、利益の浮き沈みがあまりないため、安定的な収益を得ることができます。
そのため、ビルメンテナンス会社をM&Aで買収し、安定的な収益源を確保しようとする会社が増えているわけです。
ただ、ビルメンテナンス業界自体はそこまで安定的というわけではありません。
現在のビルメンテナンス業界はアベノミクスやオリンピックの効果もあり、都市の中心部のオフィス需要も伸びているため、比較的好調ではあります。
しかし、空室量の増加や、賃貸料の低下も徐々に現れており、人口減少による国内市場の縮小も相まって、ビルメンテナンス業界が右肩下がりになる可能性は否定できない状態になっています。
そのような状況に対し、ビルメンテナンス会社の中には、単純なビルメンテナンスサービスに限らず、総合ファシリティマネジメント(FMS)を行うケースが増えています。
これはビルメンテナンスだけでなく、多角的なサービスを実践することにより、ビルの顧客や住人の満足度を向上させることを目的としたサービスです。
ただ、サービスの多様化によって、ビルメンテナンス会社同士の価格競争が激化しつつあります。
そのため、ビルメンテナンス会社はより高品質で、なおかつよりリーズナブルなサービスが求められるようになります。
一方、ビルメンテナンス業界は今後の情勢によっては、ビルメンテナンス業界の業界再編が活発化する可能性もあるため、注視していくべきでしょう。

ビルメンテナンス会社のM&Aの傾向は?

ビルメンテナンス会社のM&Aにはどのような傾向があるのでしょうか?
ビルメンテナンス会社のM&Aは主に6つのパターンがあります。

①収益源の確保

冒頭でお伝えしたように、ビルメンテナンス会社は安定的な収益源になり得る事業であるため、ビルメンテナンス会社を買収する会社は少なくありません。
ビルメンテナンス会社は利益や売り上げが安定的であり、景気の影響を受けにくいため、安定的な収益を得やすくなっています。
また、ビルメンテナンス会社を買収することにより、新事業へ進出することはスケールメリットも得られるようになります。

②資金不足の解消

ビルメンテナンス会社に限らず、中小企業にありがちな問題として、資金不足が挙げられます。
中小企業はその規模の都合上、資金力に限界があるため、資金繰りに苦労することは珍しくありません。
ただ、M&Aを行い、大企業の資本の傘下に入れば、財務基盤を一気に強化することが可能になります。
そうすれば、資金繰りの問題が解決され、事業の継続が実現しやすくなります。

③人材不足の解消

ビルメンテナンス会社にありがちな問題が人材不足です。
ビルメンテナンス業界全体は慢性的な人手不足に陥っているものです。
ビルメンテナンスは業務の全容がわかりづらく、加えて給与が低い傾向があるため、新卒には不人気な業務の一つです。
そもそも、ビルメンテナンス会社は正社員の募集をあまり行わない傾向があり、加えて退職した高齢者の再就職先になりがちです。
これによってビルメンテナンス会社は高齢化した従業員が多く、若い従業員の確保ができていない状態になる傾向があります。
この問題を解決するうえでもM&Aは有効的な手段になります。
M&Aで買い手の会社の人員を取り入れることができれば、人手不足を解消しやすくなります。
また、財務基盤を強化できれば、労働条件の改善もしやすくなるため、新たな人材の募集もやりやすくなるでしょう。

④海外進出

国内市場の縮小を受け、海外進出を目指す会社も増えています。
海外のビルメンテナンス会社の買収などによって、海外市場を開拓するケースは少なくありません。
国内でも様々なビルメンテナンス会社を買収することによってシェアを増やす動きは見られますが、そもそも縮小傾向にある国内市場では限度があります。
海外市場の開拓であれば、新たなシェアを獲得するのも容易になるでしょう。

⑤事業承継

中小のビルメンテナンス会社であれば、事業承継もM&Aを行う動機になり得るでしょう。
昨今は中小企業の後継者不在が問題化しており、たとえ黒字経営でも、経営者が引退すれば廃業してしまうような会社が続出しています。
そんな状態の会社にとって、M&Aは会社を存続させてくれる活路になり得ます。
かつては「会社を売り払う」というネガティブなイメージが伴うM&Aでしたが、雇用や取引先との関係を守る手段として、
M&Aによる事業承継は一般化しつつあり、M&Aが増加している一員にもなっています。

⑥新たな事業の取り込み

さきほどもお伝えしましたが、昨今のビルメンテナンス会社は総合ファシリティマネジメントを行うケースが増えています。
その際、多角的なサービスを実現するために新たな事業をM&Aで取り込むことで、総合ファシリティマネジメントを実践するビルメンテナンス会社が増えています。
例えば住人のためのセキュリティを設置するために警備会社、飲食サービスを提供するために飲食店など、特定のサービスに合わせた事業を買収すれば、ゼロから立ち上げる手間が省けるうえに、ノウハウや人員をそのまま受け継ぐことができます。

ビルメンテナンス会社のM&Aの成功のポイントとは?

ビルメンテナンス会社のM&Aの成功のポイントには何があるのでしょうか?
ビルメンテナンス会社のM&Aを成功させるうえで、ポイントとして挙げられるのは以下の三点です。

①M&A仲介業者を活用する

これはどの業界・業種のM&Aでもいえることですが、M&A仲介業者を活用することは、M&Aを成功させるうえで非常に重要なファクターだといえます。
ここでいうM&A仲介業者とは、M&A仲介会社や経営コンサルティング会社、会計士、税理士、弁護士などといったプロフェッショナルです。
ビルメンテナンス会社はM&A案件が少ないことがあり、自力で案件を探すには苦労することもあります。
最近はM&A仲介サイトもあるため、以前より自力で探すことができるようになっていますが、そのようなサイトでも潜在的なニーズを持つ会社にアプローチすることは難しいでしょう。
しかし、独自のネットワークを持つM&A仲介業者なら、よりスピーディーにM&A案件が見つけられる可能性もありますし、何より煩雑なプロセスになりがちなM&Aをサポートしてくれます。
ただ、M&A仲介業者を活用する際には、注意点を踏まえておく必要があります。
それは、M&A仲介業者の中には自社の利益ばかりを優先する、悪質な業者がいるということです。
すでに上場しているようなトップクラスのM&A仲介業者であれば、あまり心配はないですが、M&A仲介業者の中には、自社の利益を優先するあまり、意味のないM&Aを進めてくることもあります。
また、他のM&A仲介業者と契約させないために、契約に自分の都合に合わせた事項を設置してくるといった行為もあり得ます。
そのため、M&A仲介業者を選ぶ際は、実績や評判をちゃんと確認したうえで、できることならセカンドオピニオンを得るなどして、慎重に検討するようにしましょう。

②タイミングを見失わない

これもM&Aにおいて、全般的にいえることですが、タイミングを見失わないことも重要です。
M&Aは行うべきタイミングがあり、それを逃すと競合他社に取られてしまう恐れがあります。
また、業界再編の波に乗り遅れてしまうと、M&A自体行えなくなってしまう恐れがあるので、注意しておきましょう。

③価格を確認する

M&Aを行う際、取引価格も注目すべきファクターだといえます。
他のM&A案件の取引価格もチェックするなどして、相場を確認してから価格設定を行うようにしておきましょう。
また、M&Aは原理的に、価格に対して買い手と売り手が対立するようになっています。
当然ながら、買い手はより安く価格を設定したいところですし、売り手はより高く価格を設定したいと思うものです。
そのため、実際の価格は相場を見つつ、後は交渉の結果に委ねられます。
つまり、買い手と売り手それぞれが、どれだけ交渉力を発揮できるかが、価格を決定するといえるでしょう。

ビルメンテナンス会社のM&Aの事例

ここでは実際にあったビルメンテナンス会社のM&Aの事例を3つご紹介します。

①イオンディライト×白青舎

ビルメンテナンス会社の中でも、業界最大手であるイオンディライトは、2015年にTOB(株式公開買い付け)を実行し、白青舎を買収しました。
元々イオンディライトは全国各地に顧客を持っていましたが、白青舎を買収したことにより、東京・中部・大阪方面の顧客開拓ができるようになりました。
そして白青舎もイオンディライトのネットワークを利用し、全国規模の顧客開拓ができるようになりました。
さらに両社ともの、技術やノウハウを強化するコストを削減しつつ、更なる強化ができるようになりました。
このM&Aはビルメンテナンス業界の中小が大手に集約される流れを示しています。
イオンディライトは、これ以外にも中国に子会社を設置するなど、海外進出も積極的に行っています。

②日本管財×PICA社

独立系の大手ビルメンテナンス会社である日本管財は、オーストラリアでマンション管理を営んでいるPICA社を2013年に買収しました。
PICA社は元々オーストラリアの業界でトップのシェアを占めており、これを買収したことによって、日本管財はオーストラリアの市場で大きな存在感を発揮するようになりました。
また、お互いのノウハウを共有することにより、事業の一層の強化を実現しています。
加えて日本管財は2017年にアメリカのカリフォルニア州で住宅管理事業を展開しているKPPMを買収し、アメリカ進出も果たしています。
日本管財の積極的な海外進出のためのM&Aは、海外市場の獲得を望んでいる会社にとって、参考になるものだといえます。

③東急コミュニティー×ユナイテッドワン

ビルメンテナンス会社の大手である東急コミュニティーは、2013年に同じ大手ビルメンテナンス会社のコミュニティワンを買収しました。
これにより、東急コミュニティーはコミュニティワンの顧客と合わせることによって、収益の大幅な強化を実現しただけでなく、水回り工事やリフォームなどといった総合ファシリティマネジメントの強化を達成しました。
東急コミュニティーとユナイテッドワンのM&Aは単純な収益強化や顧客の獲得だけでなく、総合ファシリティマネジメントの充実を実現するための重要なターニングポイントになっているといえます。
また、元々ユナイテッドワンが中小のビルメンテナンス会社をM&Aで吸収して大きくなった会社であることも、特筆すべき点であるといえるでしょう。
両社の経営戦略は、M&Aがビルメンテナンス会社にとって、有効的な手段であることを如実に示しているといっても過言ではありません。

まとめ

ビルメンテナンス会社は安定的な収益をもたらす異業種を望んでいる会社にとって、非常に魅力的な事業であるといえます。
また、ビルメンテナンス会社も、今後の競合で生き残るうえで、サービスの充実や価格の差別化、海外市場への進出は重要な課題になるといえます。
これらの課題を解決するうえで、会社のさらなる成長を実現するうえでM&Aは非常に有効的な手段です。
ただ、M&Aを行うには業界の動向や、スキームをしっかり考えておく必要があります。
M&A仲介業者のような専門家の協力は、必ず得ておくようにしましょう。

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