2021年5月8日更新業種別M&A

ビルメンテナンス会社におけるM&Aの事例とは?

M&Aが活況を呈しており、それはビルメンテナンス業界でも同様です。そこで今回は、ビルメンテナンス業界の現状やM&A動向を分析し、M&Aのメリット・デメリット、M&Aを成功させるポイント、具体的なM&A事例などを掲示します。

目次
  1. ビルメンテナンス会社の概要
  2. ビルメンテナンス会社のM&A動向
  3. ビルメンテナンス会社をM&Aするメリット/デメリット
  4. ビルメンテナンス会社のM&Aを成功させるポイント
  5. ビルメンテナンス会社のM&Aの事例/ニュース10選
  6. ビルメンテナンス業界のM&Aまとめ
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ビルメンテナンス会社の概要

ビルメンテナンス会社の概要

ビルメンテナンス会社は、同業者同士のM&Aだけでなく、異業種が行うM&Aでも買い手からの人気が高い業種の一つです。まず、ここでは、ビルメンテナンス会社・業界の実情に迫ります。

ビルメンテナンス会社の定義

ビルメンテナンス会社の主な業務内容は、ビルの清掃や保守・機器の運転などです。つまり、ビルメンテナンス会社は、ビルの管理に関する業務を全般的に引き受けるサービスを提供しています。

ひと口にビルといっても、オフィスビル以外にも商業施設や病院、学校、寮、大型タワーマンションなど、ビルの種類は多様です。ビルメンテナンス会社は、それらのビルのオーナー・所有者や管理会社などから依頼を受けて業務を行います。

ビルメンテナンス業界の特徴

ビルメンテナンス会社の業務内容を、もう少し詳しく見てみましょう。ビルメンテナンス会社の業務を大別すると7種類に分けられ、その主な内容は以下のとおりです。
 

  • 清掃管理:ビル内部・外部各所の清掃
  • 衛生管理:空調・給排水設備の清掃、害虫駆除、ゴミの処理
  • 設備管理:ビル内の各種設備の運転保守
  • 点検整備:ビルそのものと各設備の点検
  • 警備・防災:警ら、防火防災対策、駐車場管理
  • 管理サービス:受付・案内、ビルマネジメント業務など
  • エネルギー管理:ビルの省エネ管理、温室ガス削減診断・提案など

ビルメンテナンス会社の業務において、最も特徴的なのは、上記のどの分野の業務においても、一定のポジションにあるスタッフは、それぞれ専門資格を有していることです。

全て合わせると相当な種類の資格がありますが、以下は各分野ごとに代表的な一部資格のみを抜粋しています。

  • 清掃管理:ビルクリーニング技能士(5段階の等級あり)、病院清掃受託責任者など
  • 衛生管理:空気環境測定実施者、防除作業監督者など
  • 設備管理:電気主任技術者、消防設備点検資格者(第一種・第二種)など
  • 点検整備:特殊建築物調査資格者、建築設備点検資格者など
  • 警備・防災:警備員指導教育責任者、危険物取扱者(甲種・乙種・丙種)など
  • 管理サービス:ビル経営管理士、ファシリティマネジャーなど
  • エネルギー管理:エネルギー管理士(熱・電気)、ビル省エネ診断技術者など

ビルメンテナンス業界の市場規模

公益社団法人全国ビルメンテナンス協会の資料「第50回実態調査報告書(ビルメンテナンス情報年鑑2020)」によると、2017(平成29)年度と2018(平成30)年度の推計市場規模は以下のとおりです。
 

年度 ビルメンテナンス業界市場規模推計額(円)
2017 4兆2,605億
2018 4兆3,995億

参考:ビルメンテナンス情報年鑑2020(公益社団法人全国ビルメンテナンス協会)
 

現在の日本では人口減少の影響でシュリンクしつつある業種もあるなか、ビルメンテナンス業界としては、微増あるいは横ばい状態にあることは、堅調といっても差し支えないでしょう。

ビルメンテナンス業界の今後の課題

2019(令和元)年以降もビルメンテナンス業界の市場規模は、これまで同様に堅調な推移が予測されていましたが、2020(令和2)年のコロナ禍により、都市部の企業を中心に、一定の比率でリモートワークが定着しつつあります。

その結果、オフィスビル・テナントの空き室率が上昇しており、これがそのまま続けば、ビルメンテナンス業界の業績にも大きな影響をもたらすであろうことが、大きな懸念材料です。

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ビルメンテナンス会社のM&A動向

ビルメンテナンス会社のM&A動向

ビルメンテナンス業界の現状を受け、ビルメンテナンス会社のM&A動向について、以下の3つのテーマで推し測ります。
 

  1. ビルメンテナンス会社の買収に人気が集まる理由
  2. ビルメンテナンス会社で近年見られる事業展開
  3. ビルメンテナンス業界の今後の動向予測

①ビルメンテナンス会社の買収に人気が集まる理由

一見すると、ビルメンテナンス会社には大きな利益が見込める事業というイメージはありませんが、最大の魅力は安定性にあります。

元来、ビルメンテナンス会社は、景気の影響を受けにくく利益の浮き沈みが少ないため、安定的な収益を得やすい特徴があり、ビルメンテナンス会社をM&Aで買収して安定的な収益源の確保を図ろうとする企業も一定数います。

②ビルメンテナンス会社で近年見られる事業展開

業界の将来的な動向を見越して、最近では単純なビルメンテナンスだけでなく、総合ファシリティマネジメントサービスを展開するビルメンテナンス会社が増加しています。

総合ファシリティマネジメントサービスとは、顧客の組織活動のために施設や環境を総合的に企画・管理・活用するサービスです。単純なビルメンテナンスだけでなく、多角的なサービス展開で顧客満足度向上を目指す動きが目立ってきました。

こうしたサービス多様化の動きが起こったことで、ビルメンテナンス会社同士の価格競争が激化しつつある状況も見られます。

したがって、今後のビルメンテナンス業界においては、高品質かつリーズナブルなサービスの提供を追求していく必要があると考えられます。

③ビルメンテナンス業界の今後の動向予測

ビルメンテナンス業界は、先述したコロナ禍の影響も踏まえると、競争が激しくなると予測されます。特に、7種類のビルメンテナンス会社業務のうち、清掃管理業務を中心として行っている場合は、他社との差別化が難しく以前より競争過多でした。

そこに、コロナ禍の影響が加わるので、中小規模のビルメンテナンス会社は経営が厳しくなり、その結果、業界再編が加速される可能性が高まることもあり得るでしょう。

また、ビルメンテナンス業界では、以前より人手不足問題がありました。そこで、有資格者などの人手を確保し、他社と差別化を図ることは経営上、有効な戦略です。

したがって、資金に余裕がある一定規模以上のビルメンテナンス会社は、M&Aにおける買い手となって、積極的に同業者を買収するケースが増加すると考えられます。

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ビルメンテナンス会社をM&Aするメリット/デメリット

ビルメンテナンス会社をM&Aするメリット/デメリット

ここでは、譲受企業(買い手)と譲渡企業(売り手)、それぞれの視点からビルメンテナンス会社をM&Aするメリット/デメリットについて確認しましょう。

譲受企業のメリット

ビルメンテナンス会社のM&Aで、譲受企業の代表的なメリットには以下のようなものがあります。

  • ブレが少なく安定した売上が見込めるビルメンテナンス事業の取得は収益源の確保となる
  • 慢性的な人材不足を解消できる
  • 単なる人材補充だけでなく有資格者も一気に獲得できる
  • 自社とは違うノウハウ獲得によりサービス多様化が実現できる
  • 海外市場への進出も含め事業規模を拡大できる

譲受企業のデメリット

一方、ビルメンテナンス会社のM&Aにおいて、譲受企業には以下のようなデメリットがあり得ます。

  • PMI(M&A後の経営統合プロセス)が想定どおりに進まなかった場合、期待したシナジー効果が得られず業績向上につながらない可能性がある
  • PMI失敗の別の側面として、獲得した人材が経営統合になじめず流出してしまう危険性がある
  • 株式譲渡によるM&Aの場合、簿外債務などが隠れている可能性はゼロではなく後日に発覚した場合、業績に悪影響が出る

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譲渡企業のメリット

ビルメンテナンス会社のM&Aで、譲渡企業側の代表的なメリットには以下のようなものがあります。

  • 後継者難の企業の場合は譲受企業を後継者とする事業承継が実現する
  • 廃業・倒産危機であった企業の場合は会社・事業継続により従業員の雇用が守られる
  • 売却益を獲得し新たな事業資金や老後の生活費などに活かせる
  • 株式譲渡した場合、会社の負債は譲受企業に引き継がれるので、その責任から解放される
  • 負債に付随して行っていた個人保証や担保差し入れなども上記と同時に解消される
  • 会社は有力企業の傘下となるので財務面の強化、ブランド力の獲得などが見込まれ経営強化につながる

譲渡企業のデメリット

ビルメンテナンス会社のM&Aでは、譲渡企業にも以下のようなデメリットがあります。

  • 事業譲渡によるM&Aの場合、競業避止義務により原則的に20年間、ビルメンテナンス事業を同一地区およびその隣接地区で行えない
  • こちらの思惑どおりの条件でM&Aが成立するとは限らない
  • 譲渡後も会社に残る場合、以前までのような経営権限はない
  • 契約条件として引継ぎとPMIへの協力が義務づけられるため、一定期間は会社に残らねばならず、すぐにはリタイアできない

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ビルメンテナンス会社のM&Aを成功させるポイント

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ビルメンテナンス会社のM&Aを成功させるポイント

ビルメンテナンス会社のM&Aを成功させるうえで大切なポイントは、以下のとおりです。

  1. 適切なタイミングで実施する
  2. 最新の相場を確認しておく
  3. M&Aの専門家を活用する
それぞれのポイントを順番に見ていきます。

①適切なタイミングで実施する

いかなる業界であっても、適切なタイミングでM&Aを実施する必要があります。買い手側としては、自社にとって適切なM&A案件を逃してしまうと、競合他社に先を越されてしまうでしょう。

また、買い手、売り手ともに将来的に起こり得る業界再編の波に乗り遅れてしまえば、M&Aそのものが実施できなくなる可能性もあるため、実施のタイミングを逃さないことが大切です。

②最新の相場を確認しておく

M&Aを実施するときには、取引価額も重要な要素です。自社と類似するM&A案件の取引価額をチェックするなど、最新の相場を確認したうえで価額設定をしましょう。

元来、M&Aでは、価額面で買い手と売り手の利害は対立するものです買い手側は少しでも価額を低くしたいですし、売り手側は少しでも高くしたいのはやむを得ません。

そして、最終的な取引価額は相場をベースにしつつ交渉結果によって決定されるため、買い手・売り手の双方において交渉力も欠かせない要素になります。

③M&Aの専門家を活用する

M&Aを成功させたい場合、M&Aの専門家を活用することをおすすめします。M&Aの専門家とは、M&A仲介会社や経営コンサルティング会社、会計士、税理士、弁護士事務所などです。

特にM&Aのスタート地点である取引相手探しについて、自社単独で行うことは全く現実的ではありません。そこで、M&Aの専門家に依頼すれば、効率的に自社に最適なM&Aの取引相手を見つけることができます。

また、M&Aを進めていく過程においては、各プロセスで専門的な知識・経験が必要です。この意味においてもM&Aの専門家を活用してM&Aを行うことは、もはや必然ともいえるでしょう。

M&Aの専門家選びのポイント

昨今、M&Aの活発化に伴いM&A仲介会社も激増しました。中小企業の場合、初めてのM&Aであることがほとんどですから、M&Aの専門家選び事態で困惑してしまうかもしれません。

M&Aの専門家選びのポイントは、その実績に着目してください。自社と同じ業種・規模・地域などのM&A案件を担当したことがあるかないかを調べて、1つの選択肢にするとよいでしょう。

ビルメンテナンス会社のM&Aをご検討の際は、ぜひM&A総合研究所へご相談ください。M&A総合研究所は、中堅規模のM&A案件を主に取り扱っており、さまざまな業種で成約実績を有しています。

案件ごとにM&Aの支援実績と知識を豊富に持つアドバイザーが専任に就き、相談時からクロージングまでM&Aをフルサポートいたします。

通常M&Aは半年~1年程度はかかるといわれていますが、最短3ヶ月での成約実績を有する機動力にも強みがあります。

料金体系は成約するまで完全無料の「完全成功報酬制」です。(※譲渡企業様のみ。譲受企業様は中間金がかかります)無料相談をお受けしておりますので、M&Aをご検討の際はどうぞお気軽にお問い合わせください。

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ビルメンテナンス会社のM&Aの事例/ニュース10選

ビルメンテナンス会社のM&Aの事例/ニュース10選

この章では、ビルメンテナンス会社が当事者となったM&A事例について、10件ピックアップし紹介します。

  1. 穴吹ハウジングサービスと建衛工業
  2. TOKAIホールディングスとイノウエテクニカ
  3. ファーストブラザーズと富士ファシリティサービス
  4. ジャパンエレベーターサービスホールディングスとセイコーエレベーター
  5. 東洋テックと新栄ビルサービス
  6. ホクタテとふきのとう
  7. 三幸と都市総合サービス
  8. イオンディライトと白青舎
  9. 日本管財とPICA
  10. 東急コミュニティーとユナイテッドコミュニティーズ
それぞれの事例を順番に見ていきます。

①穴吹ハウジングサービスと建衛工業

2020(令和2)年12月、穴吹ハウジングサービスは、建衛工業の発行済み株式91%を取得して子会社化しました。なお、取得価額は公表されていません。

穴吹ハウジングサービスは、分譲・賃貸マンション管理、不動産賃貸仲介、パーキング事業などを全国で行っている会社です。一方、建衛工業は、北海道札幌でマンション・ビル総合管理、マンション・ビル賃貸業務などを行っています。

穴吹ハウジングサービスとしては、北海道エリアの事業拡大を企図し、本M&Aを実施しました。

②TOKAIホールディングスとイノウエテクニカ

2020年11月、TOKAIホールディングスは、イノウエテクニカの全株式を取得し完全子会社化しました。なお、取得価額は公表されていません。

TOKAIホールディングスは、LPガス・宅配水・建築・設備工事・不動産事業などを行っています。一方、イノウエテクニカは、静岡県東部でビルメンテナンス事業を行っている会社です。

TOKAIホールディングスは、静岡県においては消防設備点検・機械設備点検・清掃業務などのビルメンテナンス事業を展開しており、同地域におけるビルメンテナンス事業の拡大・シェア増大を狙いとしています。

③ファーストブラザーズと富士ファシリティサービス

2020年7月、ファーストブラザーズは、富士ファシリティサービスの全株式を取得し完全子会社化しました。なお、取得価額は21億7,300万円です。

ファーストブラザーズは、商業施設や事務所ビルなどの不動産投資を中心に事業を行っています。一方、富士ファシリティサービスは、設備点検・清掃などのビルメンテナンス事業を全国展開で行っている会社です。

ファーストブラザーズとしては、不動産関連事業を手掛けることは本業の成長につながると判断してのM&Aになります。

④ジャパンエレベーターサービスホールディングスとセイコーエレベーター

2020年4月、ジャパンエレベーターサービスホールディングスは、セイコーエレベーターの株式を追加取得して子会社化しました。従来より12.2%の株を所有していましたが、それを68.09%に引き上げたものです。なお、取得価額は公表されていません。

エレベーター・エスカレーターのメンテナンスを行うジャパンエレベーターサービスホールディングスとしては、首都圏を中心に800台以上のエレベーターの保守管理を行うセイコーエレベーターを傘下にすることで、首都圏での事業基盤強化を図ります。

⑤東洋テックと新栄ビルサービス

2020年4月、東洋テックは、新栄ビルサービスの全株式を取得して完全子会社化しました。なお、取得価額は公表されていません。

東洋テックは、機械警備、ホームセキュリティ、輸送警備、施設警備、ATM管理業務、ビル総合管理業務、保険代理店業務、工事・機器販売、不動産業務などを行っています。新栄ビルサービスは、建物総合管理業、マンション・ビルの清掃業などを行っている会社です。

東洋テックとしては、警備事業、ビル管理事業において、新栄ビルサービスのノウハウやリソースはシナジー効果が得られると判断し、このM&Aを実施しました。

⑥ホクタテとふきのとう

2020年3月、ホクタテは、ふきのとうの全株式を取得して完全子会社化しました。なお、取得価額は公表されていません。

ホクタテは、北陸地区を中心に、ビルメンテナンス事業、通信システム事業、商社事業を行っています。一方、ふきのとうは、富山県でビルメンテナンス事業(主として管理と清掃)を行っている会社です。

ホクタテとしては、このM&Aによって、人手不足の軽減、事業拡大、営業基盤強化が図れるとしています。

⑦三幸と都市総合サービス

2019(令和元)年5月、三幸は、都市総合サービスを株式譲渡によって買収し完全子会社化しました。買収側の三幸は、施設総合管理会社として高品質かつ低コストで提供するビルメンテナンスサービスに強みを持っています。

一方で、売却側の都市総合サービスは、電気・空調・給排水など各種設備の運転や保守を手掛けており、特に定期点検や営繕修理に強みを持っているビルメンテナンス会社です。

もともと三幸は都市総合サービスの株式を8.87%所有しており、清掃・設備管理業務受託などの面で両社は取引関係にありました。本件M&Aによりパートナー関係が強化されたことで、事業拡大・企業価値向上などを図ります。

⑧イオンディライトと白青舎

2015(平成27)年12月、イオンディライトは、白青舎をTOB(株式公開買付け)によって買収しました。買付け予定数は7,619,207株、買付け価格は普通株式1株につき800円と発表されています。

買収側のイオンディライトは、業界最大手のビルメンテナンス会社です。全国各地で顧客を抱えていましたが、本件M&Aにより東京・中部・大阪方面で新規顧客の開拓を実現しました。

また、本件を足がかりに中国に子会社を設置するなど、海外進出を積極的に実施しています。

⑨日本管財とPICA

2013(平成25)年3月、日本管財は、オーストラリアのPICAを株式譲渡と第三者割当によって買収しました。新株発行を引き受け旧株主であるFEXCOから株式を譲受しています。

買収側の日本管財は、独立系の大手ビルメンテナンス会社です。一方、売却側のPICAは、オーストラリアでマンション管理を手掛ける会社であり、現地ではトップのシェアを占めていました。

本件M&Aによって、日本管財はオーストラリアの市場で大きな存在感を発揮できるようになったのです。お互いのノウハウを共有することによって、事業の強化も実現しています。

⑩東急コミュニティーとユナイテッドコミュニティーズ

2013年2月、東急コミュニティーは、ユナイテッドコミュニティーズを株式譲渡によって買収し子会社化しました。買収側の東急コミュニティーは、総合不動産管理会社としてビルメンテナンス業などを手掛けています。

一方で売却側のユナイテッドコミュニティーズも、同じく不動産管理会社です。東急コミュニティーでは、本件M&Aでユナイテッドコミュニティーズの顧客を引き継ぐことで、収益源の大幅な強化を実現しました。

さらには、水回り工事・リフォームなどの総合ファシリティマネジメントサービスの強化も達成しています。

【関連】消防設備点検・工事会社におけるM&Aの売却/買収事例とは?買う・売る方法、費用の相場を解説

ビルメンテナンス業界のM&Aまとめ

ビルメンテナンス業界のM&Aまとめ

ビルメンテナンス会社は安定的な収益源となり得るため、M&Aによる買収に人気が集まっています。一方、ビルメンテナンス業界では、生き残りをかけてM&Aを実施し、サービスの充実・価格の差別化・海外市場進出などを図るケースが増えてきました。

以上のことを踏まえると、M&Aは会社のさらなる成長を実現するうえで非常に有効な手段です。ただし、M&Aを実施する際には、業界の動向・実施のタイミングなどを十分に検討する必要があります。また、M&A仲介会社の活用も不可欠です。

本記事の要点は、以下のようになります。

・ビルメンテナンス会社とは
→ビルの管理に関する業務を全般的に引き受ける役割を担う

・ビルメンテナンス会社の買収に人気が集まる理由
→景気の影響を受けにくく利益の浮き沈みが少ないことから、安定的な収益を得やすい

・ビルメンテナンス業界の今後の動向予測
→現在は比較的好調である一方で、将来的に不安定化するおそれあり

・ビルメンテナンス会社で最近見られる事業展開
→多角的なサービスを展開することで顧客満足度の向上を目指す動きがあり、価格競争が激化しつつある

・ビルメンテナンス会社をM&Aする買い手側のメリット
→収益源確保、人材不足解消、ノウハウ獲得、海外進出

・ビルメンテナンス会社をM&Aする売り手側のメリット
→事業承継実現、廃業回避、売却益獲得、個人保証解消、経営安定化

・ビルメンテナンス会社のM&Aの成功のポイント
→適切なタイミングで実施する、最新の相場を確認しておく、M&A仲介会社を活用する

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