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ヘアサロンの事業売却(M&A)とは?メリット・デメリットや売却事例をご紹介

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この記事の監修専門家
M&A総合研究所 公認会計士
高谷 俊祐

ヘアサロン業界は店舗数や美容師の人数が増加傾向にありますが、それに反比例して売り上げが年々減少しており、様々な課題を抱えています。 そんなヘアサロン業界で生き残るうえで、事業売却は有効的な手段の一つだといえるでしょう。事業売却はメリット・デメリット、注意点を踏まえたうえで行うべきものであることをしっかり理解しておきましょう。

目次
  1. ヘアサロンの事業売却(M&A)とは?
  2. ヘアサロン業界の現状
  3. ヘアサロンの事業売却におけるメリット・デメリット
  4. ヘアサロンの事業売却における注意点
  5. ヘアサロンの事業売却事例
  6. ヘアサロンの事業売却はM&A仲介会社の専門家に相談
  7. まとめ

ヘアサロンの事業売却(M&A)とは?

M&Aは今や一般的な経営手法であり、大企業も中小企業も行うようになっています。 中には事業売却という形で、会社全体ではなく特定の事業だけを売却するケースもあるなど、そのやり方は多様化しています。 ただ事業売却のような手法は通常の会社売却とは違い、様々な制約や注意点があり、それを把握したうえで行う必要があります。
今回はヘアサロン業界の事業売却について、メリット・デメリットなどをお伝えします。

ヘアサロン業界の現状

ヘアサロン(美容室)の数は過去最多を更新

ヘアサロン、つまりは美容室の数は2018年3月段階で20万軒を超え、過去最多を更新するなど、店舗数は増加の一途を辿っています。
その増加数は毎年約3000店舗だといわれており、もはや街で見かけるヘアサロンの数は「コンビニより多い」という文言すらあります。
そもそもヘアサロンは小売業と違って必要な設備投資があまり多くなく、参入障壁が低いため、ある程度の資金を持てば開業しやすいものです。
そのため、店舗数が増加しやすい傾向にあります。
また、ヘアサロンの従業員である美容師の人数も増えており、その数は50万人を超えています。
これだけを見るとヘアサロン業界は非常に好調に見えますが、実際は決してそうではありません。
そもそも店舗数が20万軒もあれば、当然競争も激しくなり、不調に陥ったヘアサロンは次々と閉店していきます。
詳しくは後述しますが、これに加えて美容師の離職率も非常に高く、増加こそしていますが決して人手が足りているわけではありません。
またヘアサロン業界の市場も1兆円は超えているものの、年々売り上げは数億円(多ければ十億円超)ずつ減少しています。
つまり店舗数や美容師の人数の増加に反比例して売り上げが減っているわけです。
もちろん売り上げが伸ばせないまま店舗数、美容師の人数が増える状況が続くことは決して芳しくありません。

競争の熾烈化

現在のヘアサロン業界の課題だといえるのが「競争の熾烈化」です。
昨今はSNSやヘアサロン専用の予約サイトが普及しているのもあって、客の口コミが共有されやすい状況になっています。
そのためヘアサロンの評判や美容師の腕がダイレクトに客に伝わりやすく、いかにクオリティの高いサービスを提供し、腕の良い美容師を揃えられるかが重要になります。
その結果、様々なヘアサロンがネイルサロンやヘッドスパ、マッサージなどといった他のサービスを取り入れたり、販売価格を下げるなどして客の取り入れに励み、店舗間の競争が激化しています。
当然競争になれば競争に敗れて廃業するヘアサロンも出てきます。
ヘアサロン業界は3年以内に実に80%以上の店舗が閉店するというデータも出ているなど、非常に競争が激しい業界です。
このことを踏まえると、新規に出店するなら、長く経営を続けるなら、個人事業主の視点だけで業界を生き残ることは難しいといえるでしょう。

客数と客単価の減少

ヘアサロン業界の売り上げの減少と店舗数・美容師の人数増加の反比例を生み出しているのは、この「客数と客単価の減少」が主要な原因だといえます。
昨今の日本は不況であるため、美容に高価な費用をかけることが難しくなっています(プチプラの化粧品の流行がいい例でしょう)。
そのためカリスマ美容師がいるような高価なヘアサロンに積極的に足を運ぶ客が減っています。
これに対してヘアサロンも客を集めるために価格を下げざるを得ず、また口コミサイトのような広告媒体も価格の安さをウリにして宣伝を行うため、客単価が減少してしまいます。
この客数と客単価の減少のジレンマが解決できていないため、ヘアサロン業界の売り上げが減少しているわけです。
加えて増加する店舗数が結果的に客の分散を招いており、業界内でシェアを奪い合っているような状況も悪影響を及ぼしているといえるでしょう。

人手不足

美容師の人数が増えているにも関わらず、ヘアサロン業界は人手不足も深刻化しています。 そもそもヘアサロンがここまで増加したのは2000年代初頭にあったカリスマ美容師ブームがきっかけであり、それもあってヘアサロンの売り上げは個々の美容師の技量や人気に依存する傾向があります。 しかしそれだけの美容師が育つことは決して簡単ではありません。 いうなれば美容師は職人気質の職業でもあり、新人の頃はアシスタントとして様々な雑務をこなすだけでなく、腕を磨くために営業時間外に練習するなどかなりハードです。 加えてこれだけハードな業務をこなしたとしても美容師として一人前になれるとは限らず、3年以内に離職してしまうケースも多く、それもあって美容師の3年以内の離職率は70%以上と非常に高くなっています。 このような状況であるため、美容師は人数こそ増えていても新規就業者は減少傾向にあります。 加えて美容師は体力的な問題や顧客のニーズもあって40代で引退せざるを得ない傾向があるなど、リタイアするタイミングが非常に早くなっています。 そこでスタイリストやヘアサロンの経営者として大成できればいいですが、ほとんどはそのまま辞めてしまうことが多いようです。

ヘアサロンの事業売却におけるメリット・デメリット

ヘアサロンの事業売却のメリット

買い手のメリット

買い手が得られる事業売却のメリットはやはりヘアサロンという事業の立ち上げをスムーズに進められる点でしょう。
事業を一から立ち上げるとなると人手や顧客の確保、設備投資などといった様々な手間がかかります。
しかし事業売却をしているヘアサロンをそのまま買収すれば、人手や設備、顧客をそのまま引き継ぐことができます。
また買い手が元々持っている事業とヘアサロンを組み合わせることでシナジー効果も期待できます。
最近は化粧品店がヘアサロンを買収して自社の商品の販売を行ったり、福祉法人が美容師を福祉施設に派遣してサービスを提供するなど、異業種との組み合わせでサービスの多様化を実現する買い手が増えています。

売り手のメリット

ヘアサロンにとって、事業売却は事業を存続できる点が最大のメリットだといえます。
事業売却を行い、大手の会社に買収されれば、その資本の傘下に入れるため、経営基盤を強化できます。
そうすれば経営不振に陥っていても事業を立て直せる可能性が出てくるだけでなく、事業の拡大を図ることができるようになります。
加えて買い手の会社の経営のノウハウを取り入れることができるのも非常に大きなメリットでしょう。
買い手もフランチャイズで展開するよりも、事業売却を行うことで直接的に傘下に収めた方が効率的な事業展開ができるため、より緊密な関係を築くこともできます。
また、後継者不在に悩むヘアサロンであれば、事業売却を行うことで事業承継を実践することができるようになります。
経営者が高齢化し、引退するような事態になったなら、雇用や顧客のニーズを守るために事業売却を行うことも、今では一般化しつつある選択肢だといえます。

ヘアサロンの事業売却のデメリット

買い手・売り手双方のデメリット

ヘアサロンの事業売却のデメリットは手続きの煩雑さです。 事業売却の際には「事業譲渡」というM&Aのスキームを用いることになりますが、事業譲渡は非常に手間がかかる手法です。 事業譲渡は契約の範囲内で承継できるものを選べるため、買い手が引き継ぎたくない負債や資産などをあらかじめ除けるというメリットがあります。 しかしそれは裏を返すと承継するものを細かく取り決め、買い手と売り手が合意を得るという細かい作業を行う必要があります。 おまけに事業譲渡は雇用契約など様々な契約や許認可が白紙になってしまううえに、不動産の移転などで税金が発生するなど煩雑な手続きやコストが必要になります。 事業売却はこれらのデメリットを踏まえてうえで行うようにしましょう。

ヘアサロンの事業売却における注意点

ヘアサロンの事業売却における注意点は「人材の流出」です。 基本的にM&Aは、従業員にとって環境が大きくものであり、業務や給与体系なども変化する可能性も充分にあります。 そのため従業員の中にはM&Aが行われることに不満を抱いている人もいるでしょう。 その結果、M&Aはそれをきっかけに人材が流出してしまうリスクを常に孕んでいます。 そして事業売却の際には、その人材流出がよりリスクとして顕著になります。 さきほどお伝えしたように、事業売却を行うスキームである事業譲渡は雇用契約が白紙になるため、離職しやすい状況ができてしまいます。 そのため、経営者から事業売却が呈示されたタイミングで従業員が次々と離職してしまう可能性が高くなります。 その際に事業の中核を担う従業員が離職するような事態になれば業績に影響が出てくるだけでなく、そのノウハウや内部情報が外部に流出してしまうことにもつながるでしょう。 とりわけ、ヘアサロンは美容師個人の技量や人気が業績に影響することもあるため、従業員の流出は極力避けたい事態です。 実際にヘアサロンの事業売却を行う際は、買い手と売り手同士だけでなく、従業員との合意が取れるようにしておくことが大切です。

ヘアサロンの事業売却事例

ここではヘアサロンの事業売却を行った事例についてお伝えします。 ヘアサロンの事業売却は徐々に件数を増やしており、中小規模のヘアサロンから全国にチェーン展開する大規模なヘアサロンまで、規模を問わずに行われています。 とりわけ有名な事例だと、サンライズ・キャピタルが株式会社ロイネスとB-first株式会社からヘアサロン「Agu」を買収した事例が挙げられます。 この事例の譲渡価格は100億円だといわれており、ヘアサロンが行った事業売却の中でも極めて大規模なものです。 また事業売却以外にもM&Aを行うヘアサロンは多く、中には異業種と経営統合を行ったケースも少なくありません。 いずれも競争が激化するヘアサロン業界で生き残るためにサービスの多様化や人手の確保、経営基盤の強化を図っており、事業売却をはじめとしたM&Aの手法が有効的な手段として用いられていることを端的に示しています。

ヘアサロンの事業売却はM&A仲介会社の専門家に相談

実際にヘアサロンの事業売却を行うのであれば、M&A仲介会社の専門家に相談することがおすすめです。 さきほどもお伝えしたように、事業売却の際に用いるスキームである事業譲渡は煩雑な手続きが必要なものであり、知識に乏しい経営者だけがやることは非常に難しくなっています。 また税務や財務などといった専門的な知識が必要な作業、交渉や買い手(あるいは売り手)探しなどといったプロセスも手間がかかるものです。 これらのプロセスを全て円滑に進めるには、やはりM&Aの知識に長けた専門家の協力が不可欠だといっても過言ではありません。 昨今は事業売却をはじめとした、様々なスキームのM&Aに対応してくれるM&A仲介会社が増えており、経験も知識も豊富な専門家が増えています。 これらのような業者の中にはリーズナブルな料金で相談やサポートを請け負ってくれるため、事業売却の当事者も気軽に依頼できるでしょう。 また、最近は特定の業界や業種のM&Aに特化したM&A仲介会社や専門家も増えています。 もちろんヘアサロンのような美容関係の業界に特化している業者もあり、そこなら業界の事情などに精通しているため、より有益なアドバイスを受けられる可能性が高まります。 ただ、M&A仲介会社は全ての業者のサービスの質が高いというわけではありません。 中にはほとんど実績がない業者や、あるいは報酬目的で粗悪なサービスを提供する悪質な業者もあります。 だから耳障りのいいキャッチコピーに惑わされず、ちゃんと実績や評判を調べたうえでM&A仲介会社を選ぶようにしましょう。

まとめ

ヘアサロン業界は店舗数や美容師の人数が増加傾向にありますが、それに反比例して売り上げが年々減少しており、様々な課題を抱えています。 そんなヘアサロン業界で生き残るうえで、事業売却は有効的な手段の一つだといえるでしょう。
事業売却はメリット・デメリット、注意点を踏まえたうえで行うべきものであることをしっかり理解しておきましょう。
実際に行う際には、なるべく専門家の力を借りることがおすすめです。

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