2020年9月22日更新会社・事業を売る

マーケットアプローチ

マーケットアプローチとは、市場取引の観点から企業(株価)を評価する方法です。大きく分けて類似業種比準方式と類似会社比準方式との2種類があり、前者は相続税を抑える目的で、後者は非上場企業の株価を算定する目的で活用されます。本記事では、これらの方式のメリット・デメリットについても紹介します。

目次
  1. 企業を評価するための方法
  2. マーケットアプローチとは
  3. マーケットアプローチの手法(類似業種比準方式)
  4. マーケットアプローチの手法(類似会社比準方式)
  5. マーケットアプローチのメリットとデメリット
  6. まとめ
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企業を評価するための方法

企業を評価するための方法

会社を経営していると、常に他の機関からの評価が付きまといます。M&Aを実施する際には、この評価が非常に重要となります。企業の評価が高ければ高いほど、それに伴い売却金額も上がります。

企業を評価するための方法はいくつかあり、その中の1つにマーケットアプローチがあります。これはマーケット、すなわち市場の観点から企業を評価うる方法です。今回は、市場観点から企業を評価するマーケットアプローチについてご紹介します。

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マーケットアプローチとは

マーケットアプローチとは

マーケットアプローチとは、市場取引の観点から企業を評価する方法です。評価対象となる企業を、同業界の会社や類似業種の会社と比較して価値を計算します。これまでマーケットアプローチは、上場企業が活用するケースが大半でした。

しかし、最近では中小企業の活用例も増加しています。マーケットアプローチは大きく、「類似業種比較方式」と「類似企業比較方式」の2つに分類されます。以下で、具体的なマーケットアプローチの手法を紹介します。

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マーケットアプローチの手法(類似業種比準方式)

マーケットアプローチの手法(類似業種比準方式)

ここでは、マーケットアプローチの「類似業種比較法」について、詳しく解説します。

①使用目的

類似業種比準方式とは、評価対象の会社に対して類似している業種の会社を比較対象として、株価を評価する方法です。このマーケットアプローチ手法は、純資産価額方式だと相続税が高額になってしまうケースで活用されます。

原則として相続税は、相続時の現物の資産価値によって決定します。しかし、資産が大量にあっても、その資産額と会社の利益や業績が必ずしも比例するとは限りません。大量の財産を保有していても、経営が苦しいケースも考えられます。

そうなると、純資産価額方式によって企業を評価する際、大量にある現物資産を評価され、売上に見合わない相続税を支払う可能性が出てきます。その際に類似業種比準方式を活用すれば、相続税を節税できます。

②計算方式の改定

類似業種比準方式は、平成29年の税制改正に伴い、評価額の計算方式も改定されました。新しい方式は、平成29年1月1日から適用が開始されています。改定後、以下の点が変更されています。 

上場企業の株価算定方法の改定

これまでの計算方式では、上場企業の株価として扱う金額は、課税対象となる直近3ヶ月目までを遡り、その中で最も価格が低いものを比較対象として使用していました。一方で改定後は、従来の月数に加えて、さらに2年間の平均株価も使用可能となりました。これにより、取引相場のなかった企業の株価への影響額が抑制されます。

比率の変更

従来、配当金額と利益金額と簿価純資産金額の比準はバラツキがありました。これが改定後は均等になりました。具体的には、5分の3程度を占めていた利益が、改定後は3分の1にまで低減されます。

利益の割合が減ったので、利益を生み出す株価への影響は少なくなります。したがって、評価額が安定的になると見込まれます。さらに、配当金と純資産の比重は、5分の1から3分の1になります。それにより、配当金額や内部留保が多い会社は株価が上がると考えられます。

③メリットとデメリット

前述の通り、相続税を抑えられるのは大きなメリットです。また、比較的客観視が難しいとされている比準方式の中でも、財産評価基本通達による規定があるため、客観性が高いです。

しかし一方で、類似業種比準方式に対して、国税庁は正確な公表をしていません。よって、このマーケットアプローチによって算出した評価額が、妥当であると証明できないデメリットもあります。

マーケットアプローチの手法(類似会社比準方式)

マーケットアプローチの手法(類似会社比準方式)

続いて、マーケットアプローチの「類似会社比準方式」について、詳しく解説します。

①使用目的

類似会社比準方式とは、評価対象となる会社と事業内容が類似する企業の財務指標を比較する手法です。このマーケットアプローチ手法は、非上場企業が上場した場合株価がどの程度になるかを算出する目的で活用します。

同業種の企業はたくさんありますが、あくまでも類似している上場企業との比較が重要です。

②計算方法

各評価基準の比準割合を計算して、この割合を類似会社の株価にかけます。ちなみに、比較対象の類似会社を複数選出する点には注意が必要です。類似会社比準方式は基本的に、上場企業などの大きな企業の株価を参考とします。

そのため、上場を目的として掲げている会社や、上場を目前に控えた会社が活用するのが一般的です。

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非上場の株式譲渡とは?手続きや課税される税金の仕組みを解説

マーケットアプローチのメリットとデメリット

マーケットアプローチのメリットとデメリット

マーケットアプローチの具体的なメリットとデメリットについて、ご紹介します。

①マーケットアプローチのメリット

マーケットアプローチのメリットは以下のとおりです。

  • 偏った評価にならず平等性を保てる
  • 市場の需要や流行を反映できる
  • 同じ業界にいるが故に見えなかったものが見えてくる
  • 公表されている計算式に当てはめるだけで、手軽に評価が完了できる

②マーケットアプローチのデメリット

一方で、マーケットアプローチには以下のようなデメリットもあります。

  • 税金を差し引いた純利益が、会計の方針や資本政策、特別損益の影響を受けやすい
  • 市場に振り回される可能性がある

市場はいつも正しいわけではなく、時にめまぐるしい変化を見せます。投機的な取引によって株価の乱高下が生じたり、天災の影響も受けます。

このように、マーケットアプローチには、比較的簡素な手順で価値が明らかになり、業界についてもさらに深く知れるメリットがある一方で、政策や特別損益の影響を受けて株価が変動しやすいデメリットもあります。

マーケットアプローチは、M&Aを実施する際に用いられますが、あまり一般的でないM&Aの内情が含まれる場合であるといえるため、その内情と算定方法の特徴とを考え合わせる必要があります。

目の前のM&Aのケースでは、どのバリュエーション方法を用いるのが適切か、見極めなければいけません。その見極めが、M&Aの豊富な知識と経験を持つM&A総合研究所であれば可能です。

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まとめ

まとめ

本記事では、マーケットアプローチについて解説しましたが、マーケットアプローチを使用するのは専門家がほとんどです。

理由としては、マーケットアプローチは対象となる業界内の中で、「類似の商品やサービスの平均価格」を知っている必要があるからです。

市場の平均値を理解した上で、対象となる会社の価値を決めなくてはいけません。そうなると自然と業界や評価に詳しい専門家が必要になります。

マーケットアプローチは、固定の数式を見ると複雑で理解が難しい場面もありますが、逆に当てはめるだけなので比較的簡単に評価が行えます。

しかし市場は常に大きく変化をするので、「マーケットアプローチを使用するべきであるのか否か」を見極めなくてはいけません。

したがって、評価時だけでなく常に市場に意識を向けておく必要があります。要点をまとめると下記になります。

・マーケットアプローチとは 
→市場取引の観点から企業を評価する手法

・類似業種比準方式の活用場面 
→相続税の節税実施

・類似会社比準方式の活用場面
→非上場企業の株価を算定

・マーケットアプローチのメリット
→平等性のある評価、市場の需要や流行を反映、計算の手軽さ

・マーケットアプローチのデメリット
 →評価が市場環境に左右されやすい

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