M&Aとは?意味や動向とM&Aを行う目的・メリットなどをわかりやすく解説!
2025年4月17日更新業種別M&A
不動産管理会社のM&A動向!相場・案件例・買収や売却のポイントを解説
不動産管理業界では、多様化するニーズや競争の激化への対応力強化を狙い、M&Aを検討する不動産管理会社が増えています。この記事では、不動産管理会社におけるM&Aの現状・動向、M&Aの相場や費用、M&Aの成功事例などを紹介します。
目次
不動産管理会社とは?
不動産管理会社とは、不動産の運用を総合的にサポートする業務を行う会社のことです。例えば、入居者のクレーム対応・家賃回収・維持管理(メンテナンス)・入居者募集など、不動産の運用で必要不可欠の業務を総合的に行います。
不動産投資を行うオーナーは、単純に不動産を購入したのみでは家賃収入の獲得は望めません。入居者を集め、クレームに対応し、物件自体が万全の状態で維持されるようメンテナンス業務を行う必要があります。しかし、オーナーが上記の業務をすべて実施することは困難です。
そこで、不動産管理会社が入居者対応・物件の維持管理など、不動産の運用を総合的にサポートしているのです。つまり、不動産投資のオーナーと入居者の間に立って、物件の維持管理や入居者対応などを実施しています。
このように多くの業務を行うため、中小規模の不動産管理会社では、低コストかつ高品質なサービスの実現は困難とされています。したがって、M&Aにより大手企業に事業譲渡を行うことで、安定した経営を目指す不動産管理会社が少なくありません。
不動産管理業界の現状と今後の動向
ここからは、不動産管理会社が属する以下2つの業界に関して、現状と今後の動向を取り上げます。
- 不動産業界
- 不動産管理業界
これら2つの業界の現状と今後の動向を順番に紹介します。
不動産業界は比較的順調に推移している
不動産業界とは、土地や建物などの不動産に携わる業界のことです。不動産管理会社以外には、ビル・マンションを開発するデベロッパー・ハウスメーカー・不動産仲介会社・住宅販売会社などが含まれます。不動産管理会社だけでなく、不動産業界にはさまざまな業種が存在します。
2022年のマンション管理費市場は、管理費ベースで8,206億円と推計され、前年比で2.2%の増加となりました。新築分譲マンションの竣工戸数はやや減少傾向にあるものの(国土交通省推計による)、新築価格の上昇や人件費の高騰に伴い、管理費も上昇基調が続いており、市場全体としては堅調な成長を維持しています。
一方、2022年の共用部修繕工事市場は、工事金額ベースで前年比21.0%減の5,746億円と推計され、大きく縮小しました。
これは、マンションの計画修繕周期の影響によるもので、特に2008年前後に竣工した物件の初回大規模修繕にあたる時期ですが、当時はリーマンショックの影響で供給戸数が少なかったことから、2022年の修繕工事件数が例年より少なかったことが主な要因と考えられます。
参考:矢野経済研究所「マンション管理市場に関する調査を実施(2024年)」
不動産管理業界の需要は増加傾向にある
ここでは不動産業界の中でも、不動産管理業界を詳しく紹介します。不動産投資・購入の需要が高まっている昨今、不動産管理会社の需要も増加傾向にあります。なぜなら、不動産投資による不動産運用では、不動産管理会社のサポートが大きな役割を担っているためです。
またニーズの高まりとともに、不動産管理会社に求められるサービスの質も向上しています。 物件の維持管理や入居者対応などを主要な業務としているものの、近年では不動産投資のオーナーに対する経営上のアドバイス・提案なども積極的に実施する会社が少なくありません。
不動産投資の需要が増加しており、「経営面でのアドバイス・提案を受けたい」というオーナー側のニーズが高まっているため、こうした業務内容の拡大は自然な流れといえます。そのため、不動産管理会社では、これまで以上にトータル・サポートを提供できる体制を構築しなければなりません。
多様化するニーズに対応するため、各不動産管理会社がさまざまな事業戦略を策定する中で、不動産管理会社同士の競争激化が目立っています。
多様なニーズに対応できる不動産管理会社と、そうでない不動産管理会社の差が目立っており、今度もさらに競争が激化する可能性が高いです。
以上のことから、とりわけ中小規模の不動産管理会社では、生き残りをかけてM&Aを実施するケースが増えています。
不動産管理業界におけるM&Aの目的
不動産管理業界におけるM&Aの目的には相互関連性が見られるものの、本記事では以下の3ケースに分けて紹介します。
- 競争力強化のためのM&A
- 事業拡大や顧客基盤拡充のためのM&A
- 経営上の問題を解決するためのM&A
これら3つのケースのポイントを押さえて、不動産管理業界におけるM&Aの目的を確認しておきましょう。
競争力強化のためのM&A
不動産管理会社には、競争激化の状況で生き残るために、多様化するニーズへの対応力が求められています。これまで以上にトータル・サポートを実現する必要がありますが、自社のノウハウのみでは総合的なサポートの提供ができずに競争に敗れてしまうおそれがあります。
とりわけ中小規模の不動産管理会社では、自社のみで大手企業のような幅広いサポート体制を構築できません。そこで、同業の不動産管理事業を行う会社とのM&Aにより、それぞれのノウハウ・サービス体制を生かしながら、トータル・サポートの実現を目指すケースが増えています。
不動産管理会社では競争激化に伴い、こうした同業者同士のM&Aが今後も増える可能性が高いです。もしも自社で競争力に懸念材料を抱えているならば、同業者とのM&Aを検討することが有効策といえます。
事業拡大や顧客基盤拡充のためのM&A
不動産管理業界では、関連事業を展開する会社とM&Aを行うケースも多く見られます。例えば、グループ事業として不動産管理事業を行っている会社が、不動産開発や不動産販売を行う会社とM&Aを実施して、事業拡大や顧客基盤拡充などにつなげるといったケースが代表的です。
関連事業を行う会社とM&Aすると、多様化するニーズに対応できるようになります。これは、不動産管理事業に求められるニーズが幅広くなればなるほど、関連事業の幅が増える可能性があるためです。
ちなみにM&Aによって事業規模が拡大すれば、幅広いニーズに対応できるサポート体制を構築しつつ、競争力強化も図れます。例えば、特定の業務が得意な会社と、それ以外の業務が得意な会社がM&Aすれば、各会社の特化分野を相互に生かしつつ競争力の強化が狙えるのです。
以上のことから、関連事業も含めたM&Aは、これまでより多くのニーズに応えられるようになります。顧客の要望にこれまで以上に応えたいならば、関連事業を行う会社とのM&Aを積極的に検討することが有効策です。
なお、自社で新しく関連事業を開始するよりも、すでにその事業を行う会社とM&Aした方が、効率的な事業拡大を目指せます。例えば、ある関連事業を展開する会社を買収すれば、比較的短期間でその事業に新規参入する可能性が高まります。
経営上の問題を解決するためのM&A
不動産管理会社の間では、経営上の問題を解決するためのM&Aも盛んに実施されています。特に中小規模の不動産管理会社の場合、大手と比較すると経営が不安定になりやすいです。さらに後継者がなかなか見つからず、事業継続が困難となるケースも少なくありません。
こうした経営上の問題を解決するための手法として、M&Aは広く活用されています。例えば、資金力のある大手企業に自社を売却すれば、安定した財務基盤のもとで事業の継続が可能です。
また、他社に売却して経営を任せることで、後継者不足の問題を解決できます。特に近年では、企業の経営者の高齢化が目立っています。経営者が高齢になり引退を考えても、後継者が見つからずスムーズに引退できない問題が深刻化しています。
こうした状況への対応として、M&Aによる売却で他社に事業を継続してもらうケースが増えています。他社に事業を引継いでもらえば、身近に不動産管理会社の後継者がいなくても会社を存続させられるのです。
他社に安心して経営を任せられれば、高齢の経営者も安心して引退でき、後継者不足の問題を解決できるメリットが得られます。
このように、M&Aによる売却は、経営上の問題を解決するためにも有効です。不動産管理会社でも経営者の高齢化が進んでおり、これを対処するためのM&Aが今後も増加する可能性が高いです。
もしも後継者不足の問題に悩んでいるなら、M&Aによる売却(事業承継)の検討が大切といえます。
不動産管理会社のM&Aの相場と費用
不動産管理会社のM&Aを検討する際、M&Aの相場と費用を意識する経営者の方が多いです。結論からいうと、不動産管理会社のM&A相場や費用を具体的に数値化することは非常に困難です。これは、M&Aの売却価格は、さまざまな要素を考慮して決められるためです。
ここで代表的なM&A事例を1つ挙げておくと、2億5,000万円の売上高の不動産管理会社が、1億円で売却されたケースが過去に存在します。しかし、目安額に関しては一概に述べることはできません。
とはいえ、M&Aを実行する際は、事前に相場や費用を考慮する必要があります。ある程度は金額の目安を付けておかないと、想定外の費用が発生することになりかねないためです。その後の事業展開に支障をきたすおそれもあるため、M&Aにおける費用は十分に検討しなければなりません。
そこで、M&Aを検討するならば、自社と類似する規模・事業内容の会社が行ったM&Aを探し、費用の目安を付けておくことが大切です。このときにM&Aの目的・M&A当事会社の規模・対象事業の規模や内容・会社の業績・従業員数・M&A手法などを総合的にチェックする必要があります。
そして、相場・費用をより正確に把握するには、M&A仲介会社・M&AアドバイザリーなどM&A専門家に相談することが望ましいです。不動産管理会社や不動産管理事業など、不動産業界全体に精通したM&A専門会社であれば、より正確な情報を入手できます。
不動産管理会社のM&Aでお悩みの際は、ぜひM&A総合研究所にご相談ください。M&A総合研究所には、経験豊富なM&Aのアドバイザーが多数在籍しており、ご相談からクロージングまでフルサポートいたします。
料金体系は成約するまで完全無料の「完全成功報酬制」です(※譲渡企業様のみ。譲受企業様は中間金がかかります)。相談料は無料ですので、M&Aをご検討の際はお気軽にご相談ください。
不動産管理会社のM&A買収側が意識するポイント
ここでは、不動産管理会社におけるM&Aの買収側が意識すると良いポイントとして、以下の3つを紹介します。
- 高い相乗効果が獲得できる相手先を選ぶ
- M&A相場や費用についてしっかりと考慮する
- デューデリジェンスを怠らずに実施する
それぞれのポイントを順番に詳しく紹介します。
高い相乗効果が獲得できる相手先を選ぶ
不動産管理会社の買収側は、強化したい・参入したい分野を分析して決めて、高い相乗効果(シナジー効果)を獲得できる相手先を選ぶよう意識すると良いです。不動産管理会社が同業他社を買収すれば、事業強化・拡大・事業エリア拡大などを通じて、競争力強化につなげられます。
また、不動産管理事業自体に求められるニーズが増えているため、こうしたニーズへの対応としてM&Aを活用するケースも少なくありません。さらに、自社が未進出の事業エリアに実績のある不動産管理会社を買収すれば、比較的短期間で事業エリアを拡大できます。
このように、不動産管理会社を買収すれば、競争力や事業基盤強化など相乗効果によるメリットが得られます。ところが、これらのメリットを自社の事業へと生かすには、事前にM&Aで実現したいことを決めておかなければなりません。
M&A戦略を策定せず、ただ漠然とM&Aで会社を買収しても、期待するメリットは得られないためです。そのために、M&Aの買い手側としては、不動産管理業界に精通するM&Aの専門家に相談したうえで、自社に最適な売り手を見つけてもらうことが望ましいです。
M&A相場や費用についてしっかりと考慮する
M&Aの買い手側は、相場や費用面を忘れずに考慮しておかなければなりません。買収費用と仲介費用を合わせると、M&Aでは多くの金額を支払う必要があるためです。
以上のことから、M&Aによる買収を実際に進める際は、M&A専門家に相談したうえで、M&Aでどれだけの金額を支払うことになるのかを事前に確認しておくことが大切といえます。
デューデリジェンスを怠らずに実施する
不動産管理会社の買収側は、デューデリジェンスを怠らずに実施することも意識しておくべきです。デューデリジェンスとは、M&Aを実施する際に、相手側企業の価値やリスクなどを調査する行為をいいます。
事前にデューデリジェンスをしっかりと行い、安全性が確認できた段階でM&Aによる買収を実施することが大切です。デューデリジェンスを怠ってしまうと、期待した収益を得られなかったり、簿外債務をはじめとする隠れた債務によるトラブルが後々に発生したりするおそれがあります。
これらの問題がM&A後に発生してしまうと、買収側としては大きな不利益を被ってしまいかねません。M&Aの成否にも大きな影響を与えるため、デューデリジェンスを怠らずに実施することが大切です。
不動産管理会社のM&A売却側が意識するポイント
次に、不動産管理会社におけるM&Aの売却側が意識すると良いポイントとして、以下の2つを取り上げます。
- 自社と買い手側の強みを比較検討する
- 自社の企業価値を高めておく
それぞれのポイントを順番に詳しく紹介します。
自社と買い手側の強みを比較検討する
不動産管理会社を売却する場合、経営上の問題の解決を目的とするケースが比較的多いです。その中でも、経営者の高齢化が進んで後継者が見つかっておらず、売却によって事業を他社に継続してもらいたいというケースがメインです。
しかし、事業承継を狙うとはいえ、「ただ事業を継続してくれさえすれば、どの会社に売却しても良い」と考えるのは禁物です。同業の不動産管理会社に売却するのであれば、不動産管理事業における自社の強みと買い手側の強みを比較検討することが求められます。
そのうえで、しっかりと相乗効果が期待できるのか、安心して経営を任せられるのかを総合的に判断しなければなりません。また、買い手側に魅力を感じてもらうためにも、自社の強み・魅力をわかりやすく示す必要があります。
相手側が売り手の事業を分析し、買収により高い相乗効果を期待できると判断すれば、それだけ多くの企業が買い手に名乗り出てくれます。その中から自社に最適な買い手を見つければ、不動産管理会社のM&A成功確率は高まります。
そのためにも、まずは売り手側から自社の強み・魅力をしっかりアピールしなくてはなりません。計画どおりのM&Aを実行したいなら、交渉力も必要とされます。不動産管理会社を希望どおりに売却したいなら、実績が豊富なM&A仲介会社に相談することが大切です。
自社の企業価値を高めておく
M&Aによる不動産管理会社の売却を検討しているならば、事前に自社の企業価値を高めておくことも大切です。自社の企業価値を高めておくと、M&Aで自社の希望どおりの価格で会社を売却しやすくなります。
企業価値を高める際は、自社の従業員・取引先・シェアなどに着目すると良いです。一般的に、事業に関連する技術や資格を持つ従業員数が多ければ多いほど、買い手にとって魅力的な売却案件となります。
そのほか、大手企業をはじめとする魅力的な取引先を抱えていたり、特定分野で大きなシェアを誇っていたりすれば、買い手の目に魅力的に映るため、自社の企業価値を高めるポイントとなります。
M&Aでの売却までに時間的余裕がある場合、まずは従業員・取引先・シェアの3つの要素に着目し、自社の企業価値を高めておくと、希望どおりのM&Aに近づけることが可能です。
不動産管理会社におけるM&Aの成功事例
不動産管理会社のM&Aの成功事例を見ておくと、自社のM&A戦略に役立てられます。不動産管理会社における代表的なM&Aの成功事例を紹介します。
ASIAN STARによる亜信の子会社化
2024年9月、ASIAN STARは、第三者割当増資の引受けにより、株式会社亜信の株式51%を取得し、同社を連結子会社化することを決定しました。
ASIAN STARはこれまで、中国人投資家を対象に日本の不動産販売や管理を行ってきましたが、主に横浜を中心に展開していたため、東京都内の収益不動産に関する情報収集に課題を抱えていました。
こうした背景のもと、日創資本株式会社と共同で、東京都内の優良物件を中国投資家に販売する事業の推進を協議しています。新設された亜信をその受け皿として、9400万円の第三者割当増資をASIAN STARと日創資本が共同で引き受けることで合意に至りました。
本件により、ASIAN STARは東京都内の不動産分野における展開を強化し、収益基盤の拡大と企業価値の向上を目指します。
ヤマイチ・ユニハイムエステートによる富士物産の子会社化
2023年12月、ヤマイチ・ユニハイムエステートは、富士物産の発行済株式をすべて取得し、同社を連結子会社化することを決定しました。ヤマイチ・ユニハイムエステートは、分譲マンションや戸建住宅の開発、不動産賃貸、管理事業などを手がけています。
一方、富士物産は不動産の売買や賃貸事業を展開しており、地域密着型の不動産会社として地元に根ざした事業基盤を持っています。
今回の株式取得は、富士物産が保有する賃貸不動産を安定的な収益源として取り込むとともに、将来的な再開発用地としての活用を見据えたものであり、グループ全体の成長戦略を加速させ、企業価値の向上を図る狙いがあります。
リログル―プによるステージプランナーの子会社化
2022年10月、リログループは、ステージプランナーの全株式を取得し、子会社化することを決定しました。リログループは、賃貸管理や社宅管理、海外赴任支援、福利厚生、観光事業など幅広く展開する総合サービス企業です。
一方、ステージプランナーは、首都圏を中心に約7,000戸の賃貸物件を管理する不動産管理会社で、住宅賃貸需要の高いエリアで強みを持っています。
今回のM&Aにより、両社の賃貸管理に関するノウハウを共有し、サービスの相互連携を強化することで、顧客満足度の向上と事業シナジーの創出を目指します。
不動産管理会社のM&A案件一覧
本章では、弊社M&A総合研究所が取り扱っている、不動産管理会社を含む不動産業界のM&A案件を一覧にして紹介します。
【北海道・管理戸数2,800戸超】不動産管理・売買業
北海道にて2,800戸以上(空室率4%未満)を管理しており、新築販売も行う会社です。入居率は95%超となり、直近期一過性の大幅赤字があるも、毎年安定した管理収入が見込まれます。道内に複数箇所支店を保有しており、有資格者も多数在籍しています。
エリア | 北海道 |
売上高 | 5億円〜10億円 |
譲渡希望額 | 1000万円〜5000万円 |
譲渡理由 | 事業存続に対する不安、資金調達 |
【北関東×不動産管理業】1,200戸以上の管理物件保有
管理戸数:約1,250戸(アパート、テナント、駐車場、土地など)、テナント管理戸数は地域トップクラスです。地域密着の企業として長年の業歴があり、土地仕入・建築・管理まで行っています。
金融機関とのコネクションが強固であるため土地情報が安定的に入ってきます。新築建築・リフォーム工事を手掛けているのも強みです。
エリア | 関東・甲信越 |
売上高 | 5億円〜10億円 |
譲渡希望額 | 2.5億円〜5億円 |
譲渡理由 | 後継者不在(事業承継) |
不動産管理会社のM&Aに関する相談先
不動産管理会社のM&Aに関する相談先をご紹介します。
金融機関
投資銀行や商業銀行、証券会社などの金融機関が、M&Aにおいてファイナンシャル・アドバイザー(FA)を務めるケースがあります。特に外資系投資銀行や日系証券会社は、大規模なM&Aを得意とし、成功報酬の目安は外資系で2億円以上、日系で2,000万円以上とされています。
商業銀行では、メガバンクで2,000万円以上、地方銀行では数百万円規模が一般的です。金融機関をFAとして活用するメリットは、高度な専門知識と資金調達に関するアドバイスが受けられる点です。
一方で、M&Aの規模が小さい中小企業の場合は、金融機関の得意領域から外れることが多く、適切な支援が得られにくいことがあります。また、報酬が高額になる点も大きなデメリットです。
公的機関(商工会議所)
商工会議所などの公的機関は、主に中小企業を対象にM&A支援を行っており、政府が策定した「事業承継ガイドライン」でもM&Aは重要な手法として位置付けられています。
公的機関の強みは、中小企業に特化した豊富な支援実績と、買い手・売り手双方が中小企業である場合でも、業界特有の文化や課題への理解が深い点です。
一方で、商工会議所の支援を受けるには、会員登録が必要であり、年会費などの費用がかかる点がデメリットです。会員になればM&Aに関する初期相談や着手支援を無料で受けられる場合もありますが、利用前に費用面をよく確認しておくことが重要です。
M&A仲介会社
M&A仲介会社は、M&Aに特化したサービスを提供する専門機関です。ただし、各社の経験や得意分野には差があるため、自社に合った仲介会社を選ぶことが重要です。
メリットとしては、M&Aに特化しているため、幅広いネットワークから買い手・売り手候補を提案してもらえる点が挙げられます。また、銀行や証券会社と比べて、ファイナンシャル・アドバイザーとしての報酬が比較的リーズナブルなことも魅力です。
一方で、報酬を目的にM&Aの成立を急がせるような対応をする仲介会社も一部存在し、相談者の利益よりも成約重視となるリスクもあります。信頼できる仲介会社を見極めることが成功のカギとなります。
不動産管理会社のM&Aまとめ
不動産管理会社は不動産投資のオーナーと入居者の間に立ち、さまざまな業務を行います。特に不動産投資の需要が高まっている昨今、不動産管理会社に求められるサービスも多様化している傾向が強いです。
こうしたニーズに応えるため、それぞれの不動産管理会社では多種多様な事業戦略を策定しており、M&Aを検討する会社も増加中です。同業者同士のM&Aによって双方の強みを生かし、トータル・サポートを実現してニーズに対応するなど、不動産管理会社のM&Aではさまざまなメリットを享受できます。
不動産管理事業をはじめ、今後の不動産業界は比較的順調に推移する見込みであり、M&Aを活用した事業戦略は狙い目といえます。 業界動向も踏まえM&A事例を検討しつつ、多様な観点から分析することが大切です。
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株式会社日本M&Aセンターにて製造業を中心に、建設業・サービス業・情報通信業・運輸業・不動産業・卸売業等で20件以上のM&Aを成約に導く。M&A総合研究所では、アドバイザーを統括。ディールマネージャーとして全案件に携わる。