2020年12月24日更新会社・事業を売る

中小企業の廃業理由とは?廃業数・廃業率の推移と相談窓口も紹介

民間調査会社のデータによると中小企業の廃業件数は増加しています。また、近年は廃業を視野に入れている中小企業の経営者も増加しています。そこでこの記事では中小企業の廃業に関する現状や廃業理由、また、廃業に関して相談できる窓口などについて紹介します。

目次
  1. 中小企業の廃業理由とは?
  2. 中小企業の廃業数・廃業率の推移
  3. 中小企業が廃業を決めてから実際にかかる期間
  4. 中小企業が廃業を検討する際の相談窓口
  5. 中小企業が廃業を検討する前にするべきこと
  6. まとめ
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中小企業の廃業理由とは?

中小企業の廃業理由とは?

中小企業の廃業理由とは?

中小企業の廃業数は増加しています。その理由は様々あると考えられていますが、廃業数の増加を抑えないと日本経済は衰退していきます。そこでこの記事では中小企業の廃業について解説します。

中小企業とは

まずは中小企業の定義について紹介します。中小企業の定義は規定されている法律によって異なっていますが、この記事では中小企業基本法に基づく中小企業の定義を紹介します。中小企業の範囲は資本金と従業員数で決められており、以下の基準のうち、どちらかを満たすと中小企業と認められます。

業種 資本金 従業員数
製造業その他 3億円以下 300人以下
卸売業 1億円以下 100人以下
サービス業 5000万円以下 100人以下
小売業 5000万円以下 50人以下

中小企業に認定されると様々な補助金を受けることができます。例えば、ものづくり補助金やJAPANブランド育成支援事業などがあります。

廃業とは

廃業とは何かしらの理由で経営者・事業者がその事業を自主的にやめることをいいます。似た言葉として休業があります。休業は会社の経営活動を一時的に停止することをいい、条件が整えば、再び事業を行うことが前提となっています。

一方で廃業は事業を再開させることを前提とはしていません。廃業では債務に対する清算や資産が残っているようであれば、株主にその資産を分配する手続きを行う必要があります。廃業に関する手続きについては後ほど紹介しますが、廃業させるためには時間と手間がかかります。

中小企業が廃業を考え始める理由

次は中小企業が廃業を考え始める理由を紹介します。その理由は様々あり、1つだけではありませんが、その代表的なものとして以下の8つを紹介します。

  • 業績が悪化したから
  • 後継者がいないから
  • 会社の将来が厳しいから
  • 自分の代で終わるつもりだから
  • 高齢になったから
  • 従業員の確保が難しいから
  • 技能の引継ぎがむずかしいから
  • 事業用資産が老朽化しているから

第2部 中小企業のライフサイクル

1.業績の悪化

中小企業が廃業を考え始める理由1つ目は業績が悪化しているからです。経営難で廃業させることを指しています。この場合、経営者は事業を引き継がせること自体消極的になるため、後継者を探そうとはしません。

また、M&Aによる事業承継を考えた時もM&A先が見つからないのではと考えてしまうため、M&Aの専門家などに相談に行かなくなります。

2.後継者問題

中小企業が廃業を考え始める理由2つ目は後継者問題です。つまり、後継者が見つからないということです。親族内で後継者を探そうとしたとき、子どもなどにも職業選択の自由があるため、簡単に後継者になってもらえるわけではありません。

また、従業員がいないような中小企業の場合、そもそも親族外で後継者を見つけることが困難です。黒字であるにもかかわらず、後継者問題を抱えている企業は積極的にM&Aによる事業承継を考える必要があります

【関連】後継者と事業承継の現状、後継者選びのポイントを解説

3.会社の将来性

中小企業が廃業を考え始める理由3つ目は会社の将来性です。業界の将来性を見据えると厳しくなるため、積極的に後継者探しをしていないパターンです。しかし、業界が厳しくても後継者に強い意思と独自の思考があれば、乗り切れる可能性があります

実際に中小企業白書によると39歳以下の後継者に事業を引き継がせると40%超の中小企業で利益が増加したというデータが得られています。つまり、会社の将来性が厳しいことは廃業を考え始める理由にはならないことを示しています。

会社の将来性が厳しくても積極的に事業承継を考えるようにしましょう。

4.自分の代で終わるつもり

中小企業が廃業を考え始める理由4つ目は自分の代で終わるつもりだからです。このような考えを持っている経営者であれば、廃業を止めることは困難です。しかし、会社の業績が良好で将来性も明るいのであれば、従業員や役員が事業継続を促すようにしましょう

5.高齢になった

中小企業が廃業を考え始める理由5つ目は経営者自身が高齢になったからです。この理由は複合的な理由を含んでいます。もし、経営者自身が高齢であっても、後継者がいたり、会社の業績が良好であれば、事業承継が考えられます

そのため、ただ高齢を理由で廃業を考えている経営者がいれば、その本当の理由を聞いてあげて、廃業の方向にならないようにしてあげましょう。

6.従業員の確保が難しい

中小企業が廃業を考え始める理由6つ目は従業員の確保が難しいからです。特に国家資格など特殊技術を持つ従業員を確保する場合は困難になることが多いです。この場合は、同じ業界の大手企業に事業を売却するという戦略があります。

これは大手企業であれば、資金力があるからです。また、自社に差別化できる部分があれば、事業を高値で売却できる可能性があります。もし、この理由で廃業を考えている経営者がいれば、一度M&A専門家に相談してみましょう。

7.技能の引継ぎがむずかしい

中小企業が廃業を考え始める理由7つ目は技能の引継ぎが難しいからです。この技能は経営能力のことを指します。経営者には安定して売上を上げるための能力や従業員を管理する能力など経営に幅広い能力が求められます。

しかし、この技能を完全に引き継ぐには実務経験が必要になり、一般的な事業承継では5~10年かかるといわれています。引退まで5年もない中小企業であれば、廃業を考えてしまうことはやむを得ないことなのかもしれません。

8.事業用資産の老朽化

中小企業が廃業を考え始める理由8つ目は事業用資産の老朽化です。事業用資産を買い替えるためには多額の資金が必要になります。それに加えて経営者自身が高齢であれば、さらに廃業しようと考える経営者は増加します。

中小企業の廃業理由でもっとも多いのは?

では、実際に廃業を決定した理由は何でしょうか?この記事では以下の6つの理由について解説します。

  • 経営者の高齢化、健康問題
  • 事業の将来性に不安があるから
  • 主要取引先との取引が終了したから
  • 経営者の家族に問題があるから
  • 事業のさらなる経営悪化を回避させるため
  • 後継者がいないから

第3部 中小企業・小規模事業者が担う我が国の未来

1.経営者の高齢化、健康問題

中小企業の廃業理由1つ目は経営者の高齢化、健康問題です。先ほど述べたように事業を引き継ぐには時間がかかります。しかし、引退年齢までに時間がなかったり、突然健康問題を抱えてしまうと事業を継続することが困難になります。

この時の経営者の心理もネガティブになっていることが多いため、これがきっかけで廃業に踏み切る中小企業経営者は少なくありません

2.事業の将来性不安

中小企業の廃業理由2つ目は事業の将来性の不安です。これを理由に中小企業を廃業してしまう経営者もいます。その最大の要因は後継者に大きな負担を負わせないようにするためです。事業の将来性に不安を感じている場合、経営者は積極的に事業を承継してもらおうとは感じません

事業の後継者に大きな負担を負わせるくらいなら、自分の代で廃業しようと考える経営者が多いようです。

3.主要取引先との取引終了

中小企業の廃業理由3つ目は主要取引先との取引が終了したからです。特に下請けのように特定の取引先に売上を依存している中小企業に見られる理由です。当然ですが、主要取引先との取引が終了すると売り上げが大きく減少します。

その取引先への依存度が高いと操業停止点を下回るため、営業を続けたとしても赤字が増加することになります。短期的にでも売り上げの回復が見込まれない場合は積極的に事業を廃業させる経営者は多いです。

4.経営者の家族問題

中小企業の廃業理由4つ目は経営者の家族問題があるからです。中小企業には親族や家族で事業を行っているところが多いため、中小企業独特の廃業理由になります。例えば、経営者とその配偶者との離婚や親族内のもめごとなどにより働き手が減ると事業を続けることは困難になります。

トラブルの理由がより深刻であると関係性が簡単に修復できないことから廃業に追い込まれる中小企業は少なくありません。

5.事業のさらなる経営悪化の回避

中小企業の廃業理由5つ目は事業の更なる経営悪化を回避させるためです。これは従業員の将来を考えた時の廃業理由になります。後継者にいくら意思や責任感があったとしても、経営能力が低かった場合、事業の将来性と関係なく経営状況が悪化することが予想されます

そうなると一番影響を受けるのが従業員です。このような予測が見込まれるときには経営者は躊躇なく事業を廃業させるようです。

6.後継者問題

中小企業の廃業理由6つ目は後継者問題です。後継者を見つけることができなければ、事業を継続させることができません。さらに将来性に不安がある場合、事業継続に後ろ向きになります。このような状況にある経営者は廃業を選択します。

中小企業の廃業数・廃業率の推移

中小企業の廃業数・廃業率の推移

中小企業の廃業数・廃業率の推移

続いては中小企業の廃業数・廃業率の推移について紹介します。東京商工リサーチによると休廃業・解散企業の件数は2013年は約3.5万件でしたが、2018年は約4.6万件と増加しています。一方で、廃業率の推移は中小企業白書によると2017年の3.8%から2019年には3.5%と減少しています。

これは好景気により開業件数が増加し、全体の企業数が増加したため廃業率は低下しています。しかし、廃業数は経営者の高齢化や後継者問題などにより増加している現状です

また、休廃業した企業のうち60%程度が黒字企業であることから、日本経済のために休廃業を阻止し、積極的にM&Aによる事業承継を進めるべきであることがわかります。

【関連】廃業率の推移とランキング

中小企業が廃業を決めてから実際にかかる期間

中小企業が廃業を決めてから実際にかかる期間

中小企業が廃業を決めてから実際にかかる期間

中小企業を廃業させるためには手続きを行う必要があります。そのため、廃業を決めてから実際に廃業できるまでには約3か月かかります。一般的な株式会社の廃業手続きは以下のようになります。

  1. 営業の終了日を確定させる
  2. 株主総会を開催し、そこで廃業の承認を得る
  3. 官報で解散公告を出し、関係者に周知させる
  4. 自社の資産や負債の清算を行う
  5. 法人の確定申告などそのほかの手続きを完了させる

廃業の手続きには最低4万円かかります。そこに専門家への報酬や会社の規模による手数料の差額などによりさらに費用がかかります。廃業の際には資金面も準備しておく必要があります。

【関連】廃業手続きとは?廃業手続きの流れと費用

中小企業が廃業を検討する際の相談窓口

中小企業が廃業を検討する際の相談窓口

中小企業が廃業を検討する際の相談窓口

中小企業の経営者が廃業を決断したとしてもどのような手続きで廃業になるのかわからない経営者はたくさんいます。ここからは中小企業の廃業の仕方やその必要性について相談できる以下の6つの窓口を紹介します。

  • 中小企業支援センター
  • よろず支援拠点
  • 経営安定特別相談室
  • 全国職業相談センター
  • 顧問会計士・税理士・弁護士
  • 取引先の金融機関

1.中小企業支援センター

中小企業が廃業を検討する際の相談窓口1つ目は中小企業支援センターです。中小企業センターは中小企業庁の管轄で、各都道府県に設置されています。創業を考えている人から経営上の相談、事業承継まで相談することができます。

廃業を回避する方法はないか、廃業する際の費用はどれくらいかなど廃業に関する具体的な相談にも対応してもらうことができます

2.よろず支援拠点

中小企業が廃業を検討する際の相談窓口2つ目はよろず支援拠点です。独立行政法人中小企業基盤整備機構が各都道府県に設置している経営に関する相談窓口です。2019年の実績では相談内容の約70%が売り上げ拡大に関する相談となっています。

また、これ以外にも事業再生や事業承継・廃業など企業の危機に対する相談にも応じてもらうことができます

3.経営安定特別相談室

中小企業が廃業を検討する際の相談窓口3つ目は経営安定特別相談室です。経営安定特別相談室は各商工会議所に設置されており、中小企業診断士など専門家を中心に構成されています。

経営安定特別相談室は主に倒産の恐れのある企業を対象としており、相談を受けるとまず専門家らによって財務状況など相談企業の分析を行います。その分析結果をもとに法的手続き等の指導を行っています。経営難により廃業を考えている経営者の方は一度経営安定特別室に相談されることをおすすめします。

4.全国職業相談センター

中小企業が廃業を検討する際の相談窓口4つ目は全国職業相談センターです。全国職業相談センターは労働者が転職の際の相談について専門家が対応する機関です。廃業を考えている経営者にとっては廃業後、どのように生活していくかも考える必要があります

高齢の経営者であれば、年金生活していくことは可能です。しかし、やむを得ず現役の年齢で廃業をした場合、何もしなければ生活していくことはできません。そのような経営者に対して廃業後の就職先等の相談窓口になれるのが全国職業相談センターです。

5.顧問会計士・税理士・弁護士

中小企業が廃業を検討する際の相談窓口5つ目は顧問会計士・税理士・弁護士です。顧問会計士・税理士・弁護士の場合、その人自体がM&Aの専門家でないことが多いです。しかし、相談することで廃業の相談窓口となり、M&A仲介会社や廃業相談ができる機関を紹介してもらうことができます

気軽に相談できる相手ですので、一度相談してみましょう。

6.取引先の金融機関

中小企業が廃業を検討する際の相談窓口6つ目は取引先の金融機関です。金融機関もM&A仲介会社や廃業相談できる機関を紹介してもらうことができるので相談窓口になります。また、自社の財務状況も把握してもらっているのでそれに応じた対応をしてもらうことができます

中小企業が廃業を検討する前にするべきこと

中小企業が廃業を検討する前にするべきこと

中小企業が廃業を検討する前にするべきこと

中小企業を廃業させることは簡単ではありません。最後は中小企業が廃業を検討するまでにするべきことについて以下の2つを紹介します。

  • 専門家への相談
  • 事業承継やM&Aの検討

専門家への相談

中小企業が廃業を検討する前にするべきこと1つ目は専門家に相談することです。自社の状況によっては廃業が最も好ましい選択ではない可能性があります。専門家であれば、あらゆる選択肢から自社に応じた方向性を提案してもらうことができます

廃業を考えている経営者は必ず一度は専門家に相談してみましょう。

事業承継やM&Aの検討

中小企業が廃業を検討する前にするべきこと2つ目は事業承継やM&Aの検討です。先ほども紹介しましたが、廃業を行うには費用がかかり、かつその事業を終わらせることになります。その一方で事業承継やM&Aであれば、売却益が得られるので最終的には黒字になる可能性があります

また、事業は継続するので経営者の意思を引き継いでもらうことができます。以上のことから廃業を検討している経営者は一度事業承継やM&Aを検討してみましょう。

おすすめのM&A仲介会社

先ほど紹介したように廃業を検討する前には専門家に相談する必要があります。また、廃業を回避し、M&Aを行うことになったとしても専門家にサポートしてもらう必要があります。そこでおすすめのM&A仲介会社がM&A総合研究所です。

M&A総合研究所では、M&A・事業承継に関する実績・知識がともに豊富なアドバイザによるフルサポートを行っています。

また、着手金・中間金・その他手数料は無料の完全成功報酬型である報酬体系を採用しています。つまり、最初の費用を大幅に抑えることができ、経営難でM&Aを考えている事業者も利用しやすくなっています。

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まとめ

中小企業の廃業 まとめ

中小企業の廃業 まとめ

今回は中小企業の廃業理由について紹介しました。廃業理由には企業によってさまざまですが、廃業することが唯一の現役引退の方法ではありません。ほかの選択肢をとることで経営者が得をする可能性もありますので、一度専門家に相談してみましょう。

【中小企業が廃業を考え始める理由】

  • 業績が悪化したから
  • 後継者がいないから
  • 会社の将来が厳しいから
  • 自分の代で終わるつもりだから
  • 高齢になったから
  • 従業員の確保が難しいから
  • 技能の引継ぎがむずかしいから
  • 事業用資産が老朽化しているから

【中小企業の廃業でもっとも多い理由】

  • 経営者の高齢化、健康問題
  • 事業の将来性に不安があるから
  • 主要取引先との取引が終了したから
  • 経営者の家族に問題があるから
  • 事業のさらなる経営悪化を回避させるため
  • 後継者がいないから

【中小企業が廃業を検討する際の相談窓口】

  • 中小企業支援センター
  • よろず支援拠点
  • 経営安定特別相談室
  • 全国職業相談センター
  • 顧問会計士・税理士・弁護士
  • 取引先の金融機関

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