2021年4月28日更新会社・事業を売る

事業スキームとは?事業スキーム作成のコツと有効活用する方法

事業スキームは、単なるプランやフレームワークとは違い、継続的かつ具体的な計画をさします。主な内容は、事業コンセプト/ビジョン・事業ドメインなどです。本記事では、事業スキームと事業プランの違い・事業スキームの種類と内容・作成のコツ・有効活用の方法を解説します。

目次
  1. 事業スキーム
  2. 事業スキームの内容
  3. 事業スキーム作成のコツ
  4. 事業スキームの使い方・有効活用する方法
  5. 事業スキームのまとめ
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事業スキーム

事業スキーム

ビジネスに関わっていると、事業スキームという言葉を耳にする機会があります。事業スキームはただ漠然と使用するケースも多い言葉ですが、その意味を深く知らない方も少なくありません。

そこで本記事では、事業スキームを有効活用するため、事業スキームの意味を再確認したうえで種類・作成のコツ・使用方法などについて幅広く解説します。

事業スキームとは

はじめに、事業スキームの概要を解説します。本来スキームは、「枠組みが伴う計画・構想」や「計画性のある枠組み」を意味し、組織のもとで継続的に実行する計画のことです。これを踏まえて、事業スキームは、組織が継続的に遂行する事業計画を意味します。

営業や資金調達などのシーンで事業スキームが用いられる際は、事業計画書をさす場合が多いです。なお、事業スキームに関連するビジネス用語には「課金スキーム」もありますが、これは事業のサービス利用者(顧客)から料金を徴収する継続的な計画を意味します。

事業スキームは日本ではなじみのある用語ですが、英語圏(特にアメリカ)では英単語のスキーム(scheme)として、上記以外にも「謀略」や「陰謀」を意味します。そのため、外国人とのやりとりでスキームの単語を用いる際は、誤解を招かないように注意が必要です。

【関連】M&Aのスキームを解説!特徴やメリット・デメリット、事例も紹介します

事業スキームと事業プランの違い

ビジネスシーンには、○○プランと呼ばれる用語が多く存在します。具体的にいうと、営業計画をさす「営業プラン」や「成果プラン」などです。また、事業スキームと類似する言葉として「事業プラン」も挙げられますが、両者の言葉の意味は異なります。

英単語のプラン(Plan)は、スキームと同じ「計画」の他に「予定」の意味も持ちます。そのため、「事業プラン」は構想段階で用いる抽象的な計画であるのに対して、「事業スキーム」は実行段階で用いる具体的な計画であると区別が可能です。

以上を踏まえて、ビジネスシーンでは「事業プラン」と「事業スキーム」を明確に使い分けましょう。事業スキームと類似する意味を持つ言葉としては、フローやロジックなども挙げられます。フローとは、業務の流れを意味し、仕事の始まり・途中経過・終わりまでの一連の流れのことです。

そしてロジックとは「考えの道筋」を示し、複雑な物事をわかりやすく簡潔に伝えるための考え方のことです。簡単にまとめると、「スキームは計画」「フローは手順」「ロジックは論理」となり、3つの言葉には明確な相違が見られます。

事業スキームの内容

事業スキームの内容

ビジネスシーンでは、予測し得ないトラブルが起きたり、思うように収益が上がらなかったりする状況に陥るおそれがありますが、事業スキームはこうした事態を防ぐためにも活用可能です。そこで本章では、事業スキームの作成時に盛り込む内容のうち特に重要な5つを取り上げます。

  1. 事業コンセプト・ビジョン
  2. 事業ドメイン
  3. マネタイズの仕組み
  4. 自社の強み
  5. 財務計画

それぞれの項目を順番に詳しく紹介します。

①事業コンセプト・ビジョン

まずは事業を行う理由を明確にするために、事業コンセプトを盛り込みましょう。事業コンセプトとは、事業の概要そのものであり、事業スキームの基礎となる部分のことです。具体的には、事業で果たす使命・顧客が得られるメリットなどを記載します。

また、事業コンセプトに関連してビジョンも明確化しましょう。ここでは、3年〜5年後を見据えて、実現可能性の高い事業ビジョンを構想すると良いです。その一方で、実現可能性の低いビジョンを掲げると、事業スキームとして不適切だといえます。

事業ビジョンを考える際は、いつまでに(when)・どこで(where)・何を売って(what)・どのくらい稼ぐのか(howmuch)という具体的な視点が重要です。

②事業ドメイン

事業ドメインとは、事業活動の領域・範囲をさします。事業ドメインを考える際は、市場の将来性・自社の強みなどさまざまな要素の考慮が重要です。ここでは、SWOT分析やPPM分析などのフレームワークを有効活用できます。

事業ドメインは、「物理的定義」と「機能的定義」に2つに分類されます。前者は顧客に提供する「製品そのもの」でドメインを定義する方法であり、後者は「製品を提供する機能」でドメインを定義する方法です。

機能的定義によってドメインを決定すると、事業に将来的な発展性を付与できます。なお、昨今はM&Aによる事業の多角化が積極的に実施されていますが、ここでも事業ドメインを考慮しなければなりません。もしも事業ドメインから大きく外れた状態で多角化してしまうと、むしろ不利益を被るおそれがあります。

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③マネタイズの仕組み

事業を継続するには、もちろん利益を稼がなければなりません。そのため、事業スキームを構築するうえで、マネタイズの仕組みの検討は非常に重要です。マネタイズとは、収益を上げる方法を意味します。ここからは、マネタイズの種類を取り上げるのでチェックしておきましょう。

まずは広告モデルです。これは、新聞・雑誌・ラジオなどの情報媒体をとおして広告を展開し、広告主から収益を得る方法をさします。次に課金モデルです。これは、ユーザーに無料でサービスを提供しつつ、高機能なサービスを利用する場合に課金制限を設ける方法を意味します。

そのほか、EC(Electronic Commerce)モデルもマネタイズの一つです。これは、インターネット上で商品を販売する手法として知られており、Amazonや楽天などが代表例として挙げられます。

このように、利益を生み出す仕組みはさまざまあるため、各シチュエーションに応じて適切な種類のマネタイズを選択しましょう。ここでは、資金を回収する仕組み・取引相手との取引プロセスなども明確化させておくのが一般的です。

④自社の強み

事業スキームを構築するうえで、自社の強みは積極的に活用すべきです。自社の強みを生かせる事業であれば、成功確率を高められます。具体的には、技術力・人材・ノウハウ・販路・ブランド力などが企業特有の強みとなる代表例です。

自社の強みを考える際は、VRIO分析を活用しましょう。VRIO分析とは、「価値(Value)」「希少性(Rarity)」「模倣可能性(Imitability)」「組織(Organization)」の4つの観点から、自社の経営資源の優位性を分析する手法です。

上記の分析により、価値と希少性が共存しつつ容易に他者からまねされないうえに、それを組織全体で有効活用できると判断される場合は、自社にとって大きな強みといえます。

⑤財務計画

利益を生み出すには、保有する資金を適切に使うことが大切です。そのため、目標の売上高や利益はもちろん、いつどのくらいの資金を利用するのか定める財務計画も、事業スキームに盛り込むべきといえます。財務計画を策定する際のポイントは、最悪のケースを考えておく点です。

計画どおりにいかない事態を想定しておくと、経営面・営業面などで対応しやすくなるうえに、新規事業における撤退基準を明確化できます。また、数字の羅列のみでは要点をつかみにくいため、一目でわかるようにグラフ化しておくと良いでしょう。

ここでは、「費目の割合を示すときは円グラフ」「金額の増減を月ごとに比較するときは棒グラフ」など、内容に応じてグラフの種類を使い分けると効果的です。事業スキームは具体的な計画でなければなりませんが、財務計画を事業スキームに加えると単なる事業プランに具体性を付与できます。

【関連】事業ドメインとは?設定方法やフレームワーク、メリット・注意点をご紹介

事業スキーム作成のコツ

事業スキーム作成のコツ

事業スキームは、単純に必要な項目のみを設定すれば良いわけではありません。作成方法を間違えると、第三者に不信感を与えたり、計画を進めにくくなったりするおそれがあるため注意が必要です。本章では、事業スキームを実践的に役立てられるよう、事業スキーム作成に際するコツを3つ取り上げます。

  1. 事業内容を簡潔に説明する
  2. 実施項目を明確に示す
  3. 客観的な事実を盛り込む

それぞれの項目を順番に詳しく紹介します。

①事業内容を簡潔に説明する

事業スキームに記す内容は、簡潔でなければなりません。冗長な内容にしてしまうと、むしろ事業スキームの本質が不明瞭になるためです。目安として、1項目あたり1〜2分で説明できる内容にすると明瞭な事業スキームを作成できます。

ただし、簡潔にしようとすると専門用語を使ってしまいやすく、特定分野に精通している人のみにしか伝わらない内容になってしまいがちです。そのため、事業スキームを作成する際は、専門用語を多用しないよう注意しましょう。

とりわけ資金調達を目的に外部の人に説明する機会がある場合、事業スキームの内容がわかりにくくなっていないかどうか入念にチェックすることが大切です。ここでは、要点が伝わりやすいように大事な部分を太字にしたり文字の色を変えたりするのも一つの方法といえます。

②実施項目を明確に示す

事業スキームは単なるプランではなく、実際に遂行しなければ意味がありません。将来的なビジョンを示しつつも、一つひとつ行うべきことを明らかにして初めて優れた事業スキームといえます。そのため、実施すべき内容を明確化することが重要です。

その一方で、実行内容を抽象的に定めてしまうと、何をすべきかわかりづらくなります。実施項目を具体化するには、他部署と連携しつつ現場の声を拾い上げることが大切です。顧客の反応が悪い点やクレームが多くなっている点など、それぞれが抱える実情を把握すると課題が浮き彫りになります。

課題が明確になれば実施項目が定まりやすくなり、結果的に事業スキームも具体的に仕上がります。

③客観的な事実を盛り込む

仮に事業スキームの内容が魅力的であったとしても、実行不可能な計画であれば利益には直結しません。あくまでも事業スキームは現実的な計画であるため、仮説や予想のみでの構成は避けるべきです。結果に結び付けるには、根拠のある計画でなければなりません。

ここでは、市場規模やライバル企業の売上高など客観的な事実を事業スキームに落とし込むと良いです。客観的事実を盛り込めば説得力のある事業スキームとなり、実践的に大いに活用できます。

【関連】経営に求められる判断

事業スキームの使い方・有効活用する方法

事業スキームの使い方・有効活用する方法

事業スキームは活用して初めて意味を持ち得るもので、単に作成するのみでは存在意義を持ちません。そこで本章では、事業スキームの活用機会を交えて効果的な活用方法を2つ取り上げます。

  1. 経営戦略の見直し・再構築
  2. 資金調達

それぞれの項目を順番に詳しく紹介します。

①経営戦略の見直し・再構築

資金繰りの悪化・売上高の減少などが生じた際は、経営戦略の見直しや再構築が必要です。見直しや再構築の際は、まず事業スキームの作成をおすすめします。事業スキームを作成すると、改善点や今後の方向性を視覚化できるため、効果的に経営戦略を見直すことが可能です。

合わせて、SWOT分析や5C分析などを活用すると、経営戦略の構築がさらに効率的に進みます。また、M&Aを経営戦略に含める判断も有効的です。ただし、事業の拡大・多角化などのためにM&Aを行う場合、売り手が見つからないケースも珍しくありません。

こうした場合は、M&A総合研究所のM&Aプラットフォームをご活用ください。独自の人工知能(AI)を駆使しており、経営者の方は買収ニーズを登録するのみで理想的な売り手企業とのマッチングが期待できます。

そのほか、M&Aをスピーディーに成功させたい場合も、M&A総合研究所にお任せください。通常M&Aには半年から1年程度の期間がかかりますが、M&A総合研究所ではスピーディーなクロージングを目指しており、最短3カ月での成約実績を有しております。

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②資金調達

会社を経営していると、運営資金の調達が必要となるシーンがあります。銀行からの借り入れやベンチャーキャピタルからの出資を募る際は、事業スキームを提示するケースがほとんどです。相手側は資金回収を目的に融資や出資を行うため、事業の成功可能性を相手に伝える必要があります。

そのため、相手側に見せる事業スキームは、自社内で活用するモノよりもクオリティの高さを意識しましょう。本記事で紹介した事業スキーム作成のコツを意識しながら、自社の魅力を最大限に伝える計画を作成すると良いです。

【関連】経営改善の手法とは?損益分岐点分析やKPI管理の活用

事業スキームのまとめ

事業スキームのまとめ

本記事では、事業スキームについて幅広く紹介しました。事業スキームは単純なプランやフレームワークとは異なり、継続的かつ具体的な計画です。また、事業スキームに盛り込む内容は事業コンセプト・ビジョンやマネタイズの仕組みなどさまざま存在するため、作成時にはコツが求められます。

事業スキーム作成時は、簡潔さや明確さを意識しながら客観的なデータを盛り込むと良いでしょう。これにより、資金調達や経営戦略の構築などに役立つ事業スキームを作成できます。本記事の要点は、以下のとおりです。

・事業スキームとは
→組織により継続的に遂行する事業の枠組みを表す計画

・事業スキームと事業プランの違い
→事業スキームは具体的な行動を伴う計画、事業プランはまだ構想段階であったり実行プロセスが定まっていなかったりする計画

・事業スキームの具体的な内容
→事業コンセプト・ビジョン、事業ドメイン、マネタイズの仕組み、自社の強み、財務計画

・事業スキーム作成のコツ
→事業内容を簡潔に説明する、遂行計画を明確に示す、客観的な事実を盛り込む

・事業スキームの有効活用方法
→経営戦略の見直し・再構築、資金調達

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