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2019年11月26日更新
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事業スキームとは?事業スキーム作成のコツと有効活用する方法

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この記事の監修専門家
M&A総合研究所 公認会計士
高谷 俊祐

事業スキームは単なるプランやフレームワークとは異なり、継続的かつ具体的な計画でなくてはいけません。事業コンセプト・ビジョンやマネタイズの仕組み、事業スキームといった、内容があります。事業スキームと事業プランの違い、事業スキームの種類と内容、事業スキーム作成のコツ、事業スキームを有効活用する方法について解説します。

目次
  1. 事業スキーム
  2. 事業スキームの内容
  3. 事業スキーム作成のコツ
  4. 事業スキームの使い方・有効活用する方法
  5. まとめ

事業スキーム

ビジネスに関わる方であれば、事業スキームという言葉を耳にした経験があると思います。何となく使っている事業スキームですが、意外とその意味を深く知らない人も少なくありません。

事業スキームを有効活用するためにも、今回は、事業スキームの意味を再確認するとともに、種類・作成のコツ・使用方法などについて解説します。

事業スキームとは

まず初めに、事業スキームの概要を解説します。本来スキーム(scheme)とは、「枠組みが伴う計画」や「計画性のある枠組み」という意味を持ち、組織立って継続的に実行する計画を指します。

つまり、事業スキームとは、組織が継続的に遂行する事業計画です。営業や資金調達の場面で事業スキームと呼ぶ場合には、事業計画書を指します。

事業スキームに関連したビジネス用語に「課金スキーム」もあり、事業のサービス利用者(顧客)から料金を徴収する継続的な計画を意味します。

事業スキームは日本では馴染みのある用語ですが、英語圏(特にアメリカ)では英単語のスキーム(scheme)となり、上記の意味以外に「謀略」や「陰謀」という意味も存在します。

外国人とのやりとりでスキームという単語を発する場合は、誤解を招かないように注意が必要です。

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事業スキームと事業プランの違い

ビジネスの現場には、○○プランと呼ぶ用語が様々あります。具体的には営業計画を指す「営業プラン」や「成果プラン」などです。同様に、事業スキームと似た言葉に「事業プラン」というビジネス用語がありますが、両者の意味は異なります。

英単語のプラン(Plan)には、スキームと同じ「計画」の他に「予定」という意味も含まれているのです。したがって、「事業プラン」は構想段階で用いる抽象的な計画であるのに対して、「事業スキーム」は実行段階で用いる具体的な計画であると区別できます。

ビジネスの現場では、「事業プラン」と「事業スキーム」を明確に使い分けましょう。

事業スキームの内容

ビジネスの現場では、予測し得ないトラブルが起きたり、思うように収益が上がらなかったりするケースがあります。

そのような事態を防ぐためにも事業スキームは役立ちます。事業スキームを作成する際に盛り込む内容のうち、今回は特に重要なものを5つ紹介します。

⑴事業コンセプト・ビジョン

まずは事業を行う理由を明確にするために、事業コンセプトを盛り込みましょう。事業コンセプトとは事業の概要そのものであり、事業スキームの基礎となる部分です。その事業で果たす使命や顧客が得られるメリットを記載します。

また、事業コンセプトに関連してビジョンも明確化しましょう。3~5年後を見据えて、実現可能性の高い事業ビジョンを構想することが大切です。実現可能性の低いビジョンを掲げると、事業スキームとしては不適切となります。

事業ビジョンを考える際には、いつまでに(when)・どこで(where)・何を売って(what)・どのくらい稼ぐのか(howmuch)という視点が重要です。

⑵事業ドメイン

事業ドメインとは、事業活動の領域・範囲を指します。事業ドメインを考える際は、市場の将来性や自社の強み、様々な要素を考慮することが重要です。SWOT分析やPPM分析といったフレームワークが有効活用できます。

事業ドメインは「物理的定義」と「機能的定義」に分類されます。前者は顧客に提供する「製品そのもの」でドメインを定義する方法で、後者は「製品を提供する機能」によりドメインを定義する方法です。

機能的定義によってドメインを決定することで、事業に将来的な発展性を含ませることができます。昨今はM&Aによる事業の多角化が積極的に行われていますが、その際にも事業ドメインを考慮しなければなりません。

もし事業ドメインから大きく外れた状態で多角化をしてしまうと、かえって不利益を被る恐れがあるからです。事業ドメインを意識しながらM&Aを行いたい場合は、M&A総合研究所にご相談ください。

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⑶マネタイズの仕組み

事業を継続する為には、利益を稼がなくてはいけません。事業スキームを構築する上で、マネタイズの仕組みを考えることは非常に重要です。マネタイズとは収益を上げる方法です。参考にマネタイズの種類をいくつか挙げてみましょう。

まず「広告モデル」が該当します。新聞・雑誌・ラジオなどの情報媒体を通して広告を展開し、広告主から収益を得る方法です。次に課金モデルがあります。ユーザーに無料でサービスを提供し、高機能なサービスを利用する場合には課金制限を設ける方法です。

そのほか、EC(Electronic Commerce)モデルもマネタイズの一つです。インターネット上で商品を販売する手法として知られています。Amazonや楽天などはその最たる例といえるでしょう。

このように利益を生み出す仕組みはさまざまあるので、それぞれのシチュエーションに応じて適切なものを選択するようにしてください。また、その際に資金を回収する仕組みや取引相手との取引プロセスも明確にするのが一般的です。

⑷自社の強み

事業スキームを構築する上で、自社の強みを活用しない手はありません。自社の強みを活かせる事業の方が成功率が高くなるからです。具体的には、技術力や人材、ノウハウ、販路、ブランド力などが自社の強みとなります。

自社の強みを考える際には、VRIO分析の活用がおすすめです。VRIO分析とは、「価値(Value)」「希少性(Rarity)」「模倣可能性(Imitability)」「組織(Organization)」の四つの観点から、自社の経営資源の優位性を分析する手法です。

価値と稀少性が共存し、容易に他者から真似されず、それを組織全体で有効活用できる場合には、自社の強みとなります。

⑸財務計画

利益を生み出す為には保有する資金を適切に使うことが大切です。そのため、目標の売上高や利益はもちろん、いつどのくらいの資金を利用するのかを定める財務計画も事業スキームには必要となります。

財務計画を立てるのに大切なのが最悪のケースを考えておくことです。計画通りにいかない事態を想定することで、経営面や営業面で対応しやすくなるほか、新規事業における撤退基準も明確になります。

財務計画を立てる際にもポイントがあります。数字の羅列だけだと要点がつかみにくいため、基本的に一目でわかるようにグラフ化することをおすすめします。

その際には、費目の割合を示すときは円グラフ、金額の増減を月ごとに比較する場合は棒グラフなど、内容に応じてグラフの種類を使い分けると効果的です。

事業スキームは、枠組みが伴っている具体的な計画でなくてはいけません。その点、財務計画を事業スキームに加えることで、単なる事業プランに具体性も与えられます

事業スキーム作成のコツ

事業スキームは必要な項目だけを設定すればよいわけではありません。作成の仕方を間違えると、第三者に不信感を与えたり、計画を進めづらくなったりする恐れがあります。

事業スキームを実践的に役立てられるように、この項では事業スキーム作成に際するコツを3つ紹介します。

⑴事業内容を簡潔に説明する

事業スキームに記す内容は、簡潔である必要があります。冗長な内容にしてしまうと、かえって事業スキームの本質が不明瞭となります。目安として一項目あたり1〜2分で説明できる内容にすれば、明瞭な事業スキームとなります。

ただし、簡潔にしようとすると専門用語を使ってしまいがちです。すると、特定の分野に精通している人のみにしか内容が伝わりづらくなります。そのため、事業スキームを作成する際には、専門用語を多用しないように注意しましょう。

特に資金調達を目的に外部の人に説明する機会がある場合、事業スキームの内容が分かりづらくなっていないかどうかを入念にチェックすることが大切です。要点が伝わりやすいように大事な部分に太字やカラーを取り入れるのも一つの方法といえます。

⑵実施項目を明確に示す

事業スキームは単なるプランではないので、実際に遂行しなければ意味がありません。将来的なビジョンを示しつつも、一つ一つやるべきことを明らかにして初めて、優れた事業スキームとなります。

そのため、実施すべき内容を明確化することが重要です。しかし、実行内容を抽象的に定めてしまうと、何をすべきかがわかりづらくなります。

その点、実施項目を具体化するためには他部署と連携しつつ、現場の声を拾い上げることが大切です。顧客の反応が悪いことや、クレームが多くなっている点など、それぞれが抱える実情を把握することで課題が浮き彫りになります。

課題が明確になれば実施項目も定まりやすくなり、結果として事業スキームもより具体的に仕上がっていくことでしょう。

⑶客観的な事実を盛り込む

仮に事業スキームの内容が魅力的であったとしても、実行不可能な計画であれば利益に直結しません。あくまでも事業スキームは現実的な計画です。

したがって、仮説や予想だけで構成する事は好ましくありません。結果に結びつくためには根拠のある計画であることが求められます。市場規模やライバル企業の売上高など、客観的な事実を事業スキームに落とし込むことが必要です。

客観的事実を盛り込めば説得力のある事業スキームとなり、実践的に活用できるようになります。

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事業スキームの使い方・有効活用する方法

単に作成するだけでは、事業スキームの存在意義はありません。事業スキームは活用して初めて、作成した意味があるといえます。そこで、事業スキームを活用する機会について知るとともに、効果的な活用方法を2つ紹介します。

⑴経営戦略の見直し・再構築

資金繰り悪化や売上高減少が生じた際には、経営戦略の見直しや再構築が必要です。見直しや再構築の際には、まず一度事業スキームを作成することをおすすめします

事業スキームを作成することで改善点や今後の方向性を視覚化できるため、効果的に経営戦略を見直すことが可能です。事業スキームと併せて、SWOT分析や5C分析を活用すると、更に経営戦略の構築が効率的に進みます。

また、M&Aを経営戦略に加えることも有効的な手段でしょう。ただ、事業の拡大や多角化のためにM&Aを行う場合、売り手が見つからないケースが少なくありません。

その際には、M&A総合研究所のM&Aプラットフォームを活用してください。独自のAIを使うことにより、買収ニーズを登録するだけで理想的な売り手をマッチングします。

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⑵資金調達

会社を経営していると、運営資金の調達が必要となる場合があります。銀行からの借り入れやベンチャーキャピタルからの出資を募る際には、事業スキームを提示するケースがほとんどです。

相手は資金の回収を目的に融資や出資を行うので、事業が成功する可能性を相手に伝えることが大切です。そのため、他者に見せる事業スキームは、自社内で活用するものより質の高さを意識しなくてはいけません。

先ほどご紹介した事業スキーム作成のコツを意識して、自社の魅力を最大限に伝える計画を作成しましょう。

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まとめ

今回は、事業スキームに関してご紹介しました。事業スキームは単なるプランやフレームワークとは異なり、継続的かつ具体的な計画でなくてはいけません。

事業コンセプト・ビジョンやマネタイズの仕組みなど、事業スキームに盛り込む内容はさまざまあり、作成に際してもコツがあります。

事業スキーム作成の際は、簡潔さや明確さを意識して、客観的なデータを盛り込みましょう。そうすることで資金調達や経営戦略の構築に役立つ事業スキームとなります。

要点をまとめると下記になります。

  • 事業スキームとは

→組織により継続的に遂行する事業の枠組みを表す計画

  • 事業スキームと事業プランの違い

→事業スキームが具体的な行動を伴う計画である一方で、事業プランはまだ構想段階であったり実行プロセスが定まっていない計画を指す

  • 事業スキームの具体的な内容

→事業コンセプト・ビジョン、事業ドメイン、マネタイズの仕組み、自社の強み、財務計画

  • 事業スキーム作成のコツ

→事業内容を簡潔に説明する、遂行計画を明確に示す、客観的な事実を盛り込む

  • 事業スキームの有効活用方法

→経営戦略の見直し・再構築、資金調達

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