2021年4月29日更新会社・事業を売る

企業価値の評価方法とは?代表的な3つのアプローチを解説

企業価値の評価次第で、M&Aの成功可否は左右されます。投資判断、相続(事業承継)、経営戦略の策定の場面で企業価値の算定は大事です。コストアプローチ、インカムアプローチ、マーケットアプローチによる企業価値の評価方法を解説します。

目次
  1. 企業価値の評価方法
  2. 企業価値の評価とは
  3. 企業価値の評価方法とコストアプローチ
  4. 企業価値の評価方法とインカムアプローチ
  5. 企業価値の評価方法とマーケットアプローチ
  6. 企業価値の評価を活用するタイミング
  7. まとめ
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企業価値の評価方法

M&Aで重要な要素に企業価値があります。企業価値の評価次第で、M&Aの成功可否は変わるといっても過言ではありません。

売り手、買い手に関係なく企業価値の評価は重要です。この記事では、企業価値の評価方法を詳しく解説します。

※関連記事
企業価値評価とは?評価方法を知って企業価値を高めよう

企業価値の評価とは

まずは、企業価値の評価について解説します。

企業価値の評価の概要

企業価値とは会社の価値を意味し、ビジネスではEV(エンタープライズバリュー)と呼ばれます。収益性や将来性、保有資産などを総合的に考慮したうえで、会社の価値は決まります。

評価する人によって企業価値は異なる場合が多く、M&Aでは買い手と売り手で価値は異なります。買い手側はリスクを厳格に見積もり極力低い企業価値評価を行う一方、売り手側は自社の無形資産(ノウハウなど)を過大に見積もる傾向があります。

両者の企業価値が異なる場合、企業価値は公正な評価方法を用いて算出します。企業価値の評価方法は、コストアプローチ、インカムアプローチ、マーケットアプローチの3種類です。アプローチごとに着眼点が異なり、用いる評価対象も違います。企業価値の評価方法は、評価対象の状況や目的に応じて選択します。

動画でも解説しておりますので、ぜひご覧ください。

企業価値評価を行う場面

企業価値の評価方法を用いる場面は、M&Aだけではありません。この項では、企業価値の評価方法を利用する場面を3つ紹介します。

投資判断

金融機関が企業に融資する際、融資対象企業の安全性や収益性を重視します。判断材料として、企業価値を評価するケースがあります。ベンチャーキャピタルがベンチャー企業に対して融資する際も、企業価値の評価を実施します。合理的な投資判断を行ううえで、公正な企業価値の評価方法を利用することは大切です。

相続(事業承継)

相続(事業承継)では、会社の全株式を後継者に引き継ぎます。財産の移動に伴い税金が発生しますが、未公開株式には正確な価値がないため、企業価値を評価する必要があります。相続の際は、国税庁が示す「財産評価基本通達」に則って、企業価値の評価方法を利用します。

経営戦略の策定

自社の経営戦略策定にも、企業価値の評価は有効です。将来の収益性を加味した企業価値を評価することで、中長期的な経営戦略をイメージできます。

※関連記事
企業評価とは?企業評価方法や企業評価のメリット・デメリット

企業価値の評価方法とコストアプローチ

この項以降では、具体的に企業価値の各評価方法をご説明します。まず、コストアプローチから解説します。

評価方法の概要

コストアプローチとは、評価対象の純資産に主眼を置く企業価値評価方法の総称です。M&Aではネットアセットアプローチとも呼ばれ、これまでの利益の蓄積に着目した評価方法です。

貸借対照表と最低限の知識さえあれば、簡便に企業価値を評価できる点や、客観性に長けた企業価値評価を実行できる点がメリットです。

これまでの蓄積に着目する評価方法であるため、企業価値に将来性を含有できないデメリットがあります。

どのような企業に適した評価方法か?

コストアプローチは創業時点から現在までの蓄積に着目しているため、成熟企業や衰退傾向にある企業の価値評価に適しています。現時点のありのままの企業価値を表す観点から、清算や相続を行う企業の価値評価にも最適です。

一方、将来性を企業価値に含められないため、M&Aや投資評価には不適です。つまりコストアプローチは、今後経営を続行しない(成長を目指さない)企業に適した評価方法です。

コストアプローチによる評価方法

コストアプローチに属する企業価値の評価方法として、今回は3つ紹介します。

純資産価額法

純資産価額法では、純資産価額をベースに企業価値を評価します。純資産価額には、状況に応じて時価と簿価のどちらかを適用します。

年買法

年買法とは、純資産額に営業権(のれん代)を足した金額を企業価値とする評価方法です。一般的には営業利益の5年分程度を営業権と設定するケースが多く、中小企業のM&Aでは非常に多用されています。

以下の動画で弊社M&Aアドバイザーが計算例を用いて分かりやすく解説しておりますので、是非ご覧ください。

清算価値法

清算価値法は、全資産を売却して入手できる金額から負債総額を差し引いた金額を基準とする評価方法です。
上記の金額(資産売却利益−負債総額)は正味売却価格と呼ばれ、最終的に経営者の手元に残る金額です。清算する会社の企業価値に特化した評価方法であり、他の場面では原則利用しません。

※関連記事
コストアプローチ

企業価値の評価方法とインカムアプローチ

次に、インカムアプローチについて説明します。

評価方法の概要

インカムアプローチは、評価対象の将来的な収益性やキャッシュフローに主眼を置く企業価値評価方法の総称です。コストアプローチとは異なり、これからの利益に着目する評価方法です。将来的な収益性を企業価値に加味するため、M&Aやさまざまな場面に利用可能です。

予測の精度や評価する人の主観に企業価値が左右されやすいデメリットもあり、正確性や客観性の担保がこの評価方法の課題です。

どのような企業に適した評価方法か?

将来的な収益力を加味するため、M&Aや設備投資、金融機関の投資判断など、幅広く活用されています。今後経営を存続しない清算会社などには不適な評価方法ですが、経営を存続しないケースはあまり考えません。幅広い場面で利用できる点がこの評価方法の強みであり、企業価値の評価では最も合理的です。

インカムアプローチによる評価方法

インカムアプローチに属する評価方法は、DCF法が最も有名かつさまざまな場面で利用されています。DCF(ディスカウント・キャッシュフロー)法とは、評価会社が将来獲得するフリーキャッシュフローを現在価値に割り引き(ディスカウント)、それを足した金額を企業価値とする評価方法です。

フリーキャッシュフロー(FCF)は企業が自由に利用できる資金を意味し、税引き後営業利益に減価償却費を足し、そこから運転資本や投資増価額を差し引くことで算出されます。フリーキャッシュフローを割り引く際は、WACCという割引率を利用します。

WACCとは加重平均資本コストのことで、債権者と株主の双方を考慮した資本コストです。DCF法はインカムアプローチの中でも特に合理的な評価方法であるものの、企業価値を評価するときに高度な専門知識や計算が必要です。

M&Aを検討されている場合は、ぜひM&A総合研究所へご相談ください。M&A総合研究所には専門的な知識や経験が豊富なアドバイザーが在籍しており、さまざまなM&Aに携わってきたノウハウを活かしてM&Aをフルサポートいたします。

料金体系は成約するまで完全無料の「完全成功報酬制」です。(※譲渡企業様のみ。譲受企業様は中間金がかかります)無料相談をお受けしておりますのでお気軽にお問い合わせください。

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インカムアプローチ

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企業価値の評価方法とマーケットアプローチ

最後に、マーケットアプローチをご紹介します。

評価方法の概要

マーケットアプローチとは、評価対象と類似する会社の財務指標や取引を基準にする企業価値評価方法の総称です。コストアプローチやインカムアプローチとは異なり、外部の環境を基に企業価値を評価する方法です。

通常、類似会社は上場企業を用いるため、客観性の高い企業価値を評価できます。比較対象によっては、根拠に乏しい企業価値と見なすデメリットもあります。

どのような企業に適した評価方法か?

マーケットアプローチは、主に創業したばかりで十分な利益がない未上場企業の企業価値評価に用いられるケースが多いです。上場企業を基準に用いるため、十分な利益や資産がなくても客観性に長けた企業価値を算定できます。

相続では、類似業種比準方式という評価方法が適しています。上場企業のM&Aでは、市場株価法が採用される傾向にあります。市場株価法を利用すれば、市場による企業価値への影響を抑えることができます。

マーケットアプローチによる評価方法

ここでは、類似会社比準方式に焦点を当てます。類似会社比準方式とは、類似する上場企業の財務指標を基に企業価値を算定する評価方法です。

PERやEVITDAの指標を用いて、未上場企業がM&Aを行う際の企業価値を評価します。正確な企業価値を評価するためには、可能な限り類似度の高い上場企業を選定することが大切です。

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マーケットアプローチ

企業価値の評価を活用するタイミング

M&Aを行う際、2つのプロセスの後に最終的な譲渡価額が決まります。譲渡企業と仲介会社の話し合い、そして譲渡企業と譲受企業で実施する譲渡価額のすり合わせです。前者では、仲介会社がM&Aの交渉の際に基準とする「譲渡企業にどれほどの市場価値があるか」を算出します。

企業価値評価は、譲渡企業が仲介会社との秘密保持契約・アドバイザリー契約が終わった時点で行います。M&Aの交渉において、譲渡企業・譲受企業は目安の譲渡価額がなければ検討を始めるのは不可能です。

譲渡企業にとって、M&A後にどれくらいの金額が残るかはとても重要であり、譲受企業もM&Aでどれくらいのお金が動くのか推測できれば、M&A後の事業計画を行いやすくなります。

まとめ

今回は、企業価値の評価方法をご紹介しました。企業価値の評価方法は状況や目的に応じて最適な方法を選ぶことが大事です。M&Aに限れば、将来性を重視するインカムアプローチがおすすめです。インカムアプローチが利用できない場合は、他の方法を模索しましょう。要点をまとめると、下記になります。

企業価値の評価とは?
→収益性や将来性などを考慮した「会社の価値」を見積もること

企業価値評価を行う場面は?
→投資判断、相続(事業承継)、経営戦略の策定

コストアプローチとは?
→①評価対象の純資産に主眼を置いた企業価値評価方法、②成熟企業や衰退傾向にある企業、清算や相続を行う企業に適している、③純資産価額法、年買法、清算価値法が具体的な評価方法

インカムアプローチとは?
→①将来的な収益性やキャッシュフローに主眼を置く企業価値の評価方法、②あらゆる場面に適した評価方法、③DCF法が具体的な評価方法

マーケットアプローチとは?
→①評価対象と類似する会社の財務指標や取引を基準にする企業価値の評価方法、②創業したばかりで十分な利益がない未上場企業などに適している、③類似業種比準方式や市場株価法、類似会社比準方式が具体的な評価方法

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