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2020年1月29日更新
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企業評価とは?企業評価方法や企業評価のメリット・デメリット

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この記事の監修専門家
M&A総合研究所 公認会計士
高谷 俊祐

M&A、事業承継において企業評価は欠かせません。状況や用途に合わせて企業評価方法を選びましょう。企業評価の方法は大きく3つあるので、今後自社の企業価値を知るうえでも活用し、幅広い経営戦略を選択できるようにしましょう。

目次
  1. 企業評価
  2. 企業評価とは
  3. 企業評価の活用
  4. 企業評価の方法
  5. インカムアプローチによる企業評価
  6. コストアプローチによる企業評価
  7. マーケットアプローチによる企業評価
  8. まとめ

企業評価

会社を経営するうえで自社の価値を知ることは重要であり、経営戦略としてM&Aを検討しているケースでは、特に重要だといえるでしょう。企業評価は、健全な会社経営には欠かすことができません。ここでいう企業評価とは、会社の価値を定量的に推し量ることであり、一つの指標となります。

近年は、企業評価を経営に役立てる会社が徐々に増えつつあり、ベンチャー企業をはじめ環境の不確実性や経済のグローバル化に伴い、論理的な戦略立ての重要性が増しているためです。企業評価を向上させることで、市場での競争力を高めることができます。

また、企業評価額を知りたい経営者も多いと思います。そのため、会社経営にとって非常に重要となります。また、企業評価には様々な方法があり、目的に応じて使い分ける必要がありますが複雑です。

そこで今回は、「企業評価の手法」「企業評価をM&A等にどう役立てるか」についてご紹介します。経営者にとっては必見の知識です。

企業評価とは

企業評価とは、企業の価値を定量的に(金額で)表すことです。効率的な経営を遂行するうえで、企業評価の活用は非常に有用です。専門的に企業価値を算出する手法だけではなく、ROE(自己資本利益率)や総資本経常利益率なども企業評価手法の一種です。

近年は、将来得られる収益に重点を置いた企業評価が主流となっています。過去よりも将来を見据えた経営戦略が重要になっており、その中でも企業評価は大切な手段のひとつです。

企業評価の目的

企業評価はこれまで株価算定、計算の際にも用いられてきましたが、競争のグローバル化や国内市場の縮小によって、市場で生き残ることが困難になってきた昨今では、M&Aの増加やベンチャー企業の躍進により、これまで以上に企業評価が重要視されています。

変化の激しい現在では、過去のやり方を突き通していてはもはや通用せず、自社の企業評価を行うことで将来への戦略策定に役立てる必要がでてきました。しかし、非上場企業の場合は従来通り、売上の向上に固執している傾向が強く、多くの非上場企業は自社の企業価値を把握できていません。

今後市場で生き残っていくためには、自社の企業評価を正確に把握し価値を向上させる必要があります。

企業評価の活用

企業評価を活用する場面として、主に以下の3つが挙げられます。

  1. M&A
  2. 事業承継(相続)
  3. 経営戦略

①M&A

M&Aとは、日本語に訳すと「合併と買収」という意味で、会社同士で合併したり、他の企業(事業)を買収(売却)することをさします。

M&Aを活用することで、多角化や規模の拡大などの事業戦略を効率的かつスピーディーに遂行することができるため、M&Aを実行する企業の件数は近年増加の一途を辿っており、今後もM&Aの件数は増加すると見込まれています。

M&Aの買収価格は、企業評価を基に決定されます。M&Aは売り手企業の将来性を評価して行うため、企業評価を基に買収価格を決定することは非常に合理的です。特に非上場企業の場合は、客観的な価値である株価が不明なため、企業評価が特に重要となります。

後継者不足に悩む中小企業が増加するにつれて、中小企業のM&Aも増加すると予想されるため、M&Aの企業評価もますます重要になってくるでしょう。企業評価を正確に行うことは決して簡単なものではないため、専門家のサポートが必要となります。実際に企業評価を行う際には、M&A総合研究所にご相談ください。

M&A総合研究所では、M&Aに豊富な知識と経験を持つプロがこれまでに培ったノウハウをもとに、M&Aの交渉から成約までをフルサポートいたします。費用に関しても国内最安値水準で、完全成功報酬制となっておりますので着手金といった費用は一切かからないため、安心してお問い合わせください。

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②事業承継(相続)

事業承継とは、親族などの後継者に企業を引き継ぐことです。多くの中小企業(非上場企業)では経営者の高齢化に伴い、事業承継の件数も増加しています。事業承継の際には不動産や事業設備、企業の株式などさまざまな資産を引き継ぎます。

資産を引き継ぐ際に発生する相続税や贈与税といった税金は、その資産の価値を基に算出されますが、非上場企業の場合指標となる株価が不明です。株価は基本的にその企業の客観的な評価を表しているため、非上場企業が事業承継をする際には、企業評価を行うことで必要な税金の額を算出することになります。

③経営戦略

企業の経営戦略の一つとして、財務状況の判断のために企業評価を役立てることができます。現状の企業価値を知ることで取るべき戦略や方向性が見えてくるため、「将来どのように成長していくのか」を考えるうえで、企業評価は非常に効果的です。

金融機関が企業に融資する際にも、企業の将来性を確かめるために企業評価を活用することができます。お金を貸す側からすると、確実に将来返済してくれる、返済資金を稼ぐことが見込める企業に融資したいと考えるのは自然なことです。

企業評価の方法

企業評価には、大きく分けて以下の3つの方法があります。

  1. インカムアプローチ
  2. コストアプローチ
  3. マーケットアプローチ

実際に企業評価を行う際には、これらの中から場面や目的に合った方法を用いるのが重要です。企業評価は、評価対象となる企業の内情によっても結果が左右されるため、条件の合う売り手を見つけられるかどうかが重要だといえるでしょう。

条件の合う売り手を探している場合は、M&A総合研究所のM&Aプラットフォームをご利用ください。独自のAIを搭載したM&Aプラットフォームを活用すれば、買収ニーズを登録するだけで条件の合う売り手をマッチングすることができます。

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インカムアプローチによる企業評価

インカムアプローチとは、企業の将来性・収益性に着目した企業評価方法で、対象企業の将来性を評価するもので、特にM&Aの場面で好まれて活用される評価手法です。

メリット

最も大きなメリットは、将来性を加味した企業評価を行える点です。M&Aは、将来的に収益を獲得することを期待し実施されるため、M&Aにおいては最も正当な企業評価を下るといえます。

後述するコストアプローチは限られた場面でしか活用できませんが、インカムアプローチは事業及び設備の投資評価や貸倒引当金の設定など、M&A以外にも多様な場面で活用することができます。

デメリット

企業の将来性を評価できる反面、その点がデメリットになり得ます。あくまで将来獲得できる収益は予想に過ぎず、企業評価から予想する人の主観を完全に排除することはできないため、恣意的な企業評価になる恐れがあります。

M&Aや融資を受ける場合、今後の事業計画を良く見せることで資金調達を実行し、その結果M&Aや投資が行われた後、予想よりも利益が得られないといった事態に陥る可能性があります。

こうしたデメリットを軽減するためには、極力現実に即した計画を策定することで、算出される企業評価を実現可能なものとする必要があります。インカムアプローチによって企業評価をする際には、公平な第三者に企業評価を依頼することで、恣意的な判断を避け公平さと現実性を重視するのがポイントです。

インカムアプローチを用いる場面

インカムアプローチは、主に以下のような場面で企業評価を実行することができます。

  • M&Aの買収価格決定
  • 事業・設備の投資可否判断
  • 資産の価値評価
  • 減損の認識
  • 金融機関による融資可否判断
将来性を検討するならばいつでも活用できる企業評価方法ですが、企業を清算するような企業が存続しない場面での企業評価はできないため、別の企業評価方法を用いる必要があります。

インカムアプローチによる企業評価手法

インカムアプローチに属する、以下2つの企業評価手法をご紹介します。

  • DCF法
  • 配当還元法

DCF法

DCF(ディスカウントキャッシュフロー)法とは、将来得られるFCF(フリーキャッシュフロー)を用いる企業評価手法です。FCFとはその企業が自由に使える資金のことで、毎年のFCFを現在価値(現時点での価値)に割り引いて、足し合わせることで企業評価を行います。

中堅企業から大企業のM&Aでは、企業評価にDCF法が用いられる事例が多く、フリーキャッシュフローを用いるので、M&Aと非常に相性の良い企業評価手法だといえます。

配当還元法

配当還元法とは、配当金額を基準に用いる企業評価手法です。配当金が変動しやすいと毎回算出される企業評価が変動するため、この手法を用いて企業評価する際には配当金額が安定している必要があります。

配当金が変動しやすい大企業の企業評価には向いておらず、配当金が変動しにくい中小企業に適しているため、中小企業の事業承継場面で多用される企業評価手法です。同族株主以外が株式を引き継ぐ際には、原則配当還元法を用いて株価を算定する必要があります。

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インカムアプローチ

コストアプローチによる企業評価

コストアプローチとは、貸借対照表の純資産に着目する企業評価方法です。純資産とは、貸借対照表の資産額から負債額を差し引いた金額のことで、実務上では「ネットアセット・アプローチ」とも呼ばれています。

インカムアプローチは将来性を重視する企業評価方法ですが、コストアプトーチはこれまでの蓄積(過去)を重視する企業評価方法になります。

メリット

基本的に貸借対照表はどの企業でも作成方法が統一されているため、貸借対照表に虚偽や間違いがない限り、いつ誰が評価しても同じ企業価値となる、客観性・公平性の高い企業評価を行うことができます。

インカムアプローチを活用するには、専門知識や事業プロジェクトの策定が必要ですが、コストアプローチの場合は貸借対照表さえあれば企業評価を実行することができるため、簡単に企業評価を把握することができます。

デメリット

コストアプローチでは、これまで会社が蓄積してきた利益である純資産を基準に企業評価を行うため、将来的な収益性を企業評価に全く加味することができず、M&Aや設備投資などの将来性を重視する場面には向いていません。

小規模な企業のM&Aには用いられるケースもありますが、他の企業評価方法と比較しても算出される企業評価が低くなるため、M&Aの売り手側にとっては用いるメリットがありません。比較的容易に企業評価を行うことが可能ですが、用いられる場面が限られている企業評価手法となります。

コストアプローチを用いる場面

この企業評価方法は将来性を重視する場面には向いていないため、現時点においてどれだけの資産を持っているのかを重視する、将来経営を継続しない清算の場面においての企業評価に最適の方法です。経営不振に陥っている企業のM&Aや、相続時の株価算定などにも用いられる場合があります。

コストアプローチによる企業評価手法

コストアプローチに属する、以下2つの企業評価手法をご紹介します。

  • 純資産価額法
  • 清算価値法

純資産価額法

純資産価額法とは「純資産価額」を基に企業評価を行う手法です。純資産価額とは、純資産から法人税などを差し引いた金額のことで、「時価純資産」もしくは「簿価純資産」を用います。時価純資産を用いる場合には、資産を適切に時価評価することがポイントとなります。

②清算価値法

清算価値法とは、企業の正味売却価格に着目する企業評価方法です。正味売却価格とは、全資産を売却して得られる代金から全ての負債を引いた金額のことで、解散した時に経営者側に残る金額のことをさします。コストアプローチの中でも、清算場面に特化した企業評価手法になります。

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コストアプローチ

マーケットアプローチによる企業評価

マーケットアプローチとは類似する企業や市場の取引に着目した、他社・市場との比較による企業評価方法です。比較対象の企業や事例が自社と類似しているほど、精度の高い企業評価を実行することができます。

メリット

この企業評価方法では、類似企業の株価を基準にしており、株価は市場全体の意思を反映しているものなので、正確かつ客観性の高い企業評価を下すことができます。

インカムアプローチやコストアプローチでは、赤字企業や創業したばかりのベンチャー企業を評価するのは困難ですが、マーケットアプローチであれば類似する企業さえ見つかれば、これらの企業でも精度の高い企業評価を行うことができます。

市場の株価には将来への期待も含まれており、市場成長性の高い市場であれば企業評価の額も高く算出されるため、M&Aにおいても活用することができます。

デメリット

市場の株価は、短期的に国際情勢などの影響で本来の企業価値とは無関係に変動する場合があります。客観性はあるものの市場の影響を受けやすいため、算出される企業評価が正確でない可能性も否定できません。

企業評価を行う際に用いる、類似する企業や取引事例そのものが見つけにくいこともあり、類似企業や取引事例が見つからなければ、そもそも企業評価を実行することができないというデメリットもあります。

マーケットアプローチを用いる場面

マーケットアプローチは、ベンチャー企業の企業評価に好んで用いられます。将来性を加味するインカムアプローチの場合、利益が出ておらず将来が不透明なベンチャー企業にとっては適用しにくい手法ですが、マーケットアプローチであれば正当性のある企業評価を出すことができます。

後述する「類似業種比準方式」と呼ばれる方法であれば、相続時の企業評価にも活用されます。

マーケットアプローチによる企業評価手法

マーケットアプローチに属する、以下2つの企業評価手法をご紹介します。

  • 類似会社比準方式
  • 類似業種比準方式

類似会社比準方式

類似会社比準方式とは、自社と類似する企業の財務指標を用いて企業評価を行う手法で、実務では「マルチプル法」とも呼ばれます。類似する企業のEBITDAやPERなどの指標を用いるのが一般的です。

特に中小ベンチャー企業のM&Aでは、EBITDAを指標として用いる場合が多いです。実務上は複数の指標・類似企業を用いるケースもあり、この場合いくつか企業評価のデータを取り、それらの平均を正式な企業評価として用います。

類似業種比準方式

類似業種比準方式とは、自社の属する業種と類似する上場企業を基に企業評価を行う手法で、事業承継や相続の際に相続財産を評価するために、この企業評価手法が用いられます。

誰が算出しても同じ額になる一方で、買い手ごとに指標とする部分が違うため企業価値の異なるM&Aの企業評価においては、向いていない手法です。ベンチャー企業、スタートアップ企業のM&Aでは、前述した類似会社比準方式を活用します。名称は似ていますが、全く用途や算出方法が異なるので注意しましょう。

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マーケットアプローチ

まとめ

今回は、企業評価について詳しく解説しました。M&Aや事業投資を成功させるうえで、企業評価は欠かせません。経営戦略の成功には企業評価が左右します。企業評価には多種多様な方法があります、状況や用途に合わせて企業評価方法を選びましょう。

企業評価が重要視されている現在、経営者が企業評価の方法を知ることは大切です。加えて、各評価方法の使い方、活用場面をしっかり把握しておくことで正確な企業評価を実施することができます。

企業評価は専門性が高いため、第三者に客観的に企業評価してもらえることからも、専門家に企業評価の依頼をすることがオススメです。要点をまとめると下記になります。

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