M&Aとは?意味や動向とM&Aを行う目的・メリットなどをわかりやすく解説!
2023年9月22日更新会社・事業を売る
企業価値評価とは?評価方法を知って企業価値を高めよう
企業価値評価には3つの方法があり、企業価値をする理由によって評価方法が異なります。企業価値評価方法を知ることで、企業価値をどのように高めるべきかを知ることができるはずです。企業価値評価の基礎知識を知って、自社の企業価値評価を高めましょう。
目次
企業価値評価とは
企業価値評価とは、企業価値をはかることです。
そもそも、企業価値とは、企業全体の経済価値のことを指します。企業の持つヒト・モノ・カネ・情報などの事業価値を金額で表したものです。
企業価値は株価の算定やM&Aでの売却価格の算出、相続による企業資産の算出などで使われます。
ですが、こういった企業価値評価をする場面が直近でなかったとしても、企業価値は常に高めておくべきです。企業価値を高めることで、銀行からの融資が受けやすくなったり倒産のリスクを回避するなどのメリットを得られます。
企業価値は事業を運営する上で知っておくべき概念ですが、実際には詳しく知っている経営者はそう多くはいません。
まずは、「企業価値評価」という言葉の意味をしっかりと理解するために、時価総額との違いや株価との関係を確認しておきましょう。
1ー1.企業価値と時価総額の違い
企業価値と時価総額は似ているようで、全く違うビジネス用語なので注意しましょう。
企業価値と時価総額の違いは、将来価値が含まれているかどうかにあります。
時価総額とは株式時価総額の略で、株式市場においてどれくらいの価値があるかを測るための数字です。株価×発行株式総数で算出することができます。そのため、時価総額が分かるのは株式市場で日々株価が公開されている上場株式会社のみです。
一方、企業価値は、株価の算定やM&Aの売却価格の算出などに使われる数字となっています。将来発生する収益(キャッシュフロー)を見込んだ上で企業価値を評価するのです。
ちなみに、時価総額は株式市場内での終値で計算されます。もちろん、将来性があると株価は上がり、将来性がないと株価は下がるため、一概に将来の価値が加味されていないとは言い切れません。しかし、株主や投資家にとっての価値判断によって株価が決まり、時価総額も決定されます。
このように、企業価値と時価総額は全く違うものであると覚えておきましょう。
ただし、企業価値評価をするときに、上場企業であれば時価総額を元にするケースは多いです。ですから、正しく知っておくことで自社の価値を見極めてどのように伸ばしていくべきなのかの指針にも役立つでしょう。
1ー2.企業価値と株価の関係
上場企業であれば、企業価値と株価は密接に関係しています。
なぜなら、将来性があると企業価値は向上し、企業価値が高まると株価も上昇するからです。
逆に、企業価値評価をするときに、上場企業であれば時価総額から負債を差し引いて算出する方法もあります。このように、企業価値と株価には相関関係があると言えるのです。
ここまで企業価値評価の概要についてお伝えしてきました。
では、実際にはどのように計算されているのでしょうか。次の項目で一緒に見ていきましょう。
企業価値評価の方法
企業価値評価の方法は以下の3つがあります。
- コストアプローチ
- マーケットアプローチ
- インカムアプローチ
それぞれの企業価値評価の方法を詳しく確認していきましょう。
動画でも解説しておりますので、併せてご覧ください。
方法1.コストアプローチ
コストアプローチとは、会社の「純資産」に着目した企業価値の評価方法です。
貸借対照表上の純資産を株主価値として企業価値を計算する「簿価純資産価額法」や、資産と負債を時価評価した上で算出した時価純資産額を株主価値とする「時価純資産価額法」があります。
貸借対照表のみあれば簡単に企業価値を算出できる点や、客観性の高い企業価値を算出可能である点がこの評価方法のメリットです。
一方でこの評価方法には、将来性を全く企業価値に加味できないデメリットもあります。コストアプローチは、事業を継続しない会社(清算等の場面)や社歴の長い中小企業に適した評価方法です。
方法2.マーケットアプローチ
マーケットアプローチとは、市場や類似会社に着目する企業価値の評価方法です。
数ヶ月分の平均株価を用いる「市場株価法」や類似会社のPERやEBITDAを用いる「マルチプル法」があります。客観性の高い企業価値を算出可能な点や、十分な利益を得ていないベンチャー企業でも活用できる点がこの評価方法のメリットです。
類似企業や類似取引が見つからなければ、妥当な企業価値を算出できないデメリットもあります。マーケットアプローチは、上場企業や未上場のベンチャー企業のM&Aで活用される評価方法です。
以下の動画で弊社M&Aアドバイザーが計算例を用いてマルチプル法について解説しておりますので、是非ご覧ください。
方法3.インカムアプローチ
インカムアプローチとは、会社の将来的に得られる収益やキャッシュフローに着目する企業価値の評価方法です。
フリーキャッシュフローの現在価値を用いる「DCF法」や当期純利益の現在価値を用いる「収益還元法」があります。将来性を加味できる為、様々な場面に活用できる点がこの評価方法のメリットです。
一方この評価方法には、恣意性や主観性が企業価値に加味されやすいデメリットも伴います。デメリットこそありますが、インカムアプローチはM&Aや事業投資等あらゆる場面で活用できる評価方法です。
それでは、ここからは企業価値評価に最もよく使われる『DCF法』に焦点を当てて具体的な数字を見ていきましょう。
M&Aで一番採用されるDCF法による企業価値評価
ディスカウンテッド・キャッシュ・フロー(Discounted Cash Flow)を略してDCF法と呼びます。DCF法は現在の会社の価値から将来予想される事業価値を足して企業価値評価を行う方法です。
そのため、簡単に計算式を表すと以下の通りとなります。
- 企業価値=事業価値+現在持っている企業価値(現金)
このように表すと、DCF法は簡単に見えるかもしれません。しかし、実際はとても複雑な計算をしていく必要があるのです。
もし、DCF法について詳しく知りたい場合は『DCF法による企業価値の算定』で解説していますので、こちらも参考にしてみてください。
この記事では、DCF法を理解する上で知っておきたい以下3つのポイントを紹介します。
- 事業計画を綿密に策定する必要がある
- 割引率が重要な要素となる
- 無形資産についても知っておく
それぞれ確認しておきましょう。
ポイント1.事業計画を綿密に策定する必要がある
1つ目のポイントが「事業計画を綿密に策定する必要がある」ということです。
DCF法ではキャッシュフローを計算に使用します。ですから、事業計画から推測される将来のキャッシュフローの値によって金額は大きく変わってしまうのです。
また、必要となる事業計画は5年分ですから「年度ごとの細かい情報」も必要となります。
このことから、DCF法で計算をすることを念頭に置いて事業計画を作成するなら以下のような情報を細かく集めていきましょう。
- 将来性はどのようなものがあるのか
- 市場のシェア率や動向はどうか
- 競合他社との競争はどうなっているのか
- 経営状態と今後の利益
- 今後必要となる設備投資について など
これらを細かく調べて、できるだけ正確かつ具体的な数値を求めていくことが、安心して目安とできる企業価値を出す大切な要素となります。ですから、フリーキャッシュフローまで丁寧に考えて綿密な事業計画を策定してみてください。
ポイント2.割引率が重要な要素となる
2つ目のポイントが「割引率が重要な要素となる」ことです。
DCF法での割引率は『資本コスト』と呼ばれる企業が資金を調達するために必要な費用となります。この割引率を正しく設定できないと今の資本と将来の資本に違いが出てくることで正しく算出できなくなるのです。
DCF法では将来5年分の事業計画をもとに算出するので割引率も丁寧に調べておかなくてはなりません。
もし、割引率など細かく調べることができないのであれば会計士やM&A仲介会社などの専門家に依頼しましょう。丁寧に算出してくれるので具体的な企業価値評価につながるはずです。
ポイント3.無形資産についても知っておく
3つ目のポイントが「無形資産についても知っておく」ことです。
無形資産とは名前の通り、形のない資産のことになります。具体的にはのれんやブランド、従業員の技術力などです。保有している技術や資格などによっても無形資産は変わってきます。
DCF法では無形資産も収益と関連性の深い要素として計算に入れますから、自社の無形資産がどの程度あるのか知っておく必要があるわけです。
ただし、無形資産を過大評価してしまうことは避けなければなりません。正しく計算して現状を見据えるためにも客観的かつリスクも含めて見ていくようにしてください。そうすることで、無形資産による利益も含めた企業価値評価を出すことができるようになるはずです。
ここまで企業価値評価のポイントを含めて解説してきましたが、そもそも企業価値評価がなぜそこまで注目されているのでしょうか。
次の項目で確認してみましょう。
企業価値評価が重視される理由
企業価値評価を重視する背景には以下4つの理由があります。
- M&Aにおいて高い価格で会社を売却できる
- 融資を受けやすくなる
- 顧客の信頼が高まる
- 株価が上がる
企業価値が重視される理由を知れば、企業価値を無視できなくなるはずです。順番に確認していきましょう。
理由1.M&Aにおいて高い価格で会社を売却できる
企業価値を高めることで、いざM&Aで会社売却をするときに高い価格で交渉することができます。
企業価値が高い=企業(事業)の将来性があるということと同義です。上場をしていない企業には時価総額がありませんが、企業価値が高ければ自社にはこれほどの価値がありますと主張することができます。
具体的になぜ企業価値が高いのか、理由を述べられるようにすることでより高い売却価格を交渉できるでしょう。理由を述べるためには、3年〜5年程度の事業計画を充実させることが重要です。
将来性を高め、企業価値を高めることで、M&Aで有利な交渉ができるようになります。
理由2.融資を受けやすくなる
企業価値を高めておくことで、銀行などの金融機関からの融資が受けやすくなります。
新しい事業を始めたり、新しい機械を導入するなどの設備投資をするためには、どうしてもまとまった資金が必要です。こんなとき金融機関は事業の将来性を見て融資すべきかどうかの判断を行います。
融資を受けるときには、事業計画書はとても大切です。なぜなら、事業の将来性は事業計画書でしか判断できないからです。根拠のある事業計画書を作成すれば事業の将来性は高まり、企業価値は向上します。
金融機関の融資が受けやすいということは、倒産を防ぐことにも繋がります。さらに、企業を発展させるための選択肢が増えることでもあるのです。融資を受けやすくするためにも、常に企業価値を高めておく必要があると言えるでしょう。
理由3.顧客の信頼が高まる
企業価値を高めておくことで、顧客の信頼が高まります。
顧客の信頼度が上がると、売り上げの向上に繋がるでしょう。なぜ、企業価値が高いと顧客の信頼が高まるかというと、企業価値が高い状態とは以下のような状態であるからです。
- 将来性がある
- 財務状況が良い
- ブランド力がある
ほかにも企業価値を高める要因はたくさんあります。
このように企業価値が高い会社と取引をしたい、企業価値が高い会社からサービスを受けたいと思うのは当然のことです。このように、企業価値を高めることで、顧客の信頼が高まり、売上の向上へと繋がります。
理由4.株価が上がる
企業価値が上がると、株価も上昇します。
はじめにもお伝えしたように、将来性があると企業価値は向上し、企業価値が高まると株価も上昇します。逆に、企業価値評価をするときに、上場企業であれば時価総額から負債を差し引いて算出する方法もあります。
このように、企業価値と株価には相関関係があるといえるのです。
企業価値の高い企業には、株の投資をしたいと思います。また、株主配当も期待ができるので、企業価値の高い企業の株を考える人も多くなるのです。
上場していない会社であっても、はじめ株価を決めるときには企業価値が重要となります。今後上場を目指している会社も、株価を上昇させるために企業価値を高めておくべきと言えるでしょう。
企業価値評価を高める手段
企業価値を高めておくべき理由を紹介しましたが、どのように企業価値を高めるべきかわからない経営者もいると思います。
そこで、企業価値評価を高めるための手段を5つご紹介します。
- 収益を高める
- 投資効率性を高める
- 従業員を育てる
- 適切な財務状況にする
- 顧客と株主の利益を高める
順番に手段を確認し、自社の企業価値評価を高めていきましょう。
手段1.収益を高める
最も効果的であるのは、収益力の向上です。ビジネスモデルや経営戦略の見直し、営業体制の強化により、売上高や利益増大を図る施策が有効となります。
なぜなら、過去から安定して収益があり、今後も収益を出し続けることができると判断されれば企業の経済価値は高まるからです。
清算管理の徹底やアウトソーシングにより、費用を圧縮する方法も企業価値を高める事に効果的です。しっかりと、事業の売り上げを伸ばして無駄なコストを削減するように心がかけましょう。
このように、企業価値を高めるためには、収益を高めるために取り組む事が一番大事だといえます。
手段2.投資効率性を高める
企業価値を高める為には、投資効率性を高めることも不可欠です。簡単に言うと無駄な資産を持たなければ、企業価値の向上に繋がります。遊休資産や回転率の低い在庫等無駄な資産を削減すれば、投資効率性が向上します。
投資効率性の向上は企業価値の向上に繋がるだけでなく、M&Aの買い手に対する印象を良くする効果も期待できます。
投資効率を高めるためには、投資した資産がどれだけのキャッシュを生み出しているのかに注目すべきです。値上がりが期待できる有価証券や常に稼働している機械は、投資効率が高いと言えます。
このように資産そのものの価値ではなく、投資をした後のリターン部分に注目することで、投資効率の良い・悪いを判断することができるでしょう。
手段3.従業員を育てる
社内にいる従業員を優秀な従業員に育て上げることも、企業価値の向上へと繋がります。
なぜなら、事業を運営しているのは従業員一人ひとりだからです。技術者や開発者、研究者のノウハウの向上を目指せば、企業のサービス向上に直結します。営業マンの力を伸ばせば、売り上げも向上するでしょう。
このように、従業員個々の能力は企業価値を押し上げる要因の1つです。また、M&Aを実施する際、優秀な従業員の有無は売却価格へ直結します。企業価値を高めるために従業員教育をしっかりと行い、個々の能力を伸ばしましょう。
手段4.適切な財務状況にする
財務状況を改善することで、企業価値の向上に繋がります。
負債の比率を増加させる事で、「負債利用の節税効果」や「財務レバレッジ効果」により企業価値が向上するからです。少しでもリスクが見えると、経済価値はないと判断されてしまう傾向にあります。会計処理を適切に行い、取引先との適切な契約を結ぶように今一度チェックしてみましょう。
どれだけ収益が上がっていたとしても、リスクがあれば企業価値は下がってしまいます。
ただし、本格的に理解する為にはファイナンスの専門知識が必要となるので、専門家に相談しましょう。倒産リスクが過大にならない程度に負債を利用すれば、企業価値を高めることが出来ます。
手段5.顧客と株主の利益を高める
顧客や株主の利益を高めることも、企業価値を高めることに繋がります。
まず、顧客の利益とは、サービスや商品の価値のことです。サービスや商品の価値を高めることで顧客は利益を得たと感じます。そのためには、常に世の中の流れを読み、顧客のニーズを汲み取る努力をしなければなりません。
もちろん、顧客のニーズに合わせたサービスや商品を提供するために、技術力の向上なども必要です。
また、株主の利益とは、株価を押し上げたり、株主配当を充実させることで高めることができます。投資したいと思わせる何かがなければ、株を買ってくれる人はいません。
企業は顧客の支払う代金や株主の投資によって成り立っていることを忘れず、関係者に利益をもたらす企業であり続けましょう。そうすることで、企業価値は自然と向上するはずです。
自社の企業価値や企業価値を高める方法をお知りになりたいとお考えの場合は、ぜひ一度M&A総合研究所へご相談ください。M&A総合研究所には、知識・支援実績豊富なアドバイザーが多数在籍しています。
現在の企業価値評価からどうすれば価値を磨き上げられるのか、何がリスクとしてあるのかなど具体的にアドバイス・サポートいたします。無料相談をお受けしておりますので、お気軽にご連絡ください。
M&Aで譲渡価格を高めるポイント
企業価値を高めるポイントをご紹介しましたが、さらにM&Aで会社売却をするときに焦点を当ててみましょう。
M&Aで会社売却をする際、譲渡価格を高めるポイントは以下の4つが挙げられます。
- 独自の技術力・開発力を持っている
- 将来性がある
- シナジー効果のある会社へ売却する
- M&A仲介会社に相談する
それぞれのポイントを確認し、M&Aでの譲渡価格を高めましょう。
ポイント1.独自の技術力・開発力を持っている
独自の技術力や開発力を持っている企業は、譲渡価格が高くなる傾向にあります。
特に、独占している技術力や開発力であれば、なお譲渡価格は高まるでしょう。なぜなら、企業は常にサービスや商品を生み出そうとしているものだからです。そのためには、出来るだけ自社に技術力や開発力を集中させたいと考えます。
企業が独自の技術力や開発力を持っているということは、企業に優秀な従業員が在籍していることど同じです。独自の技術力・開発力を発揮できる従業員も一緒に買収したいと買い手企業は考えます。そうなると、自然に譲渡価格を高めるための交渉は有利に働くこととなるのです。
ポイント2.将来性がある
買い手企業に、自社がいかに将来性のある企業であるかをアピールしましょう。
そのためには、事業計画書の内容が重要です。事業計画書とは、今後企業がどのように成長し、利益を獲得していくのかを表した資料のことを指します。企業価値を評価する際、この事業計画書によって企業価値は大きく左右されます。
また、最新のIT技術を持っていることは将来性があると判断されやすいでしょう。どの企業にとっても、IT技術がなければ企業が発展しない時代となっています。メーカーや店舗展開している会社でも、ECサイトの構築や在庫管理などのIT技術で利益向上のための効率化を図っているからです。
最新のIT技術があれば、どんな会社もクライアントになりえるため、将来性があるとみなされます。
ポイント3.シナジー効果のある会社へ売却する
シナジー効果のある会社へ売却することは、譲渡価格を押し上げるために大切なことです。
M&Aや業務提携のような複数の企業が合同で事業に取り組む、またはお互いのノウハウを統合などにより合わせることで生まれる相乗効果などをシナジー効果と呼びます。
基本的に定義に該当すればシナジー効果は「相乗効果」と一括りに解釈しても構わないものですが、実際には様々な種類のシナジー効果があるのです。
- 売り上げシナジー
- コストシナジー
- 経営シナジー
- 投資シナジー
このように様々なシナジーがあります。シナジー効果のある会社へ売却するためには、自社の強みや特徴を分析し、どのような会社にシナジー効果があるのかを検討しましょう。
シナジー効果を感じることができる会社へ売却すれば、その会社にとって自社の価値は高くなります。
たとえば、関西エリアをメインに営業しているA社が関東にも進出したいと考えていたとしましょう。そんなとき、関東をメインに営業している同業のB社を買収すれば、手っ取り早く関東へ進出することができます。
このように、自社の特徴をまずは整理し、どのような会社にシナジー効果を感じてもらえるのかを検討するようにしましょう。
ポイント4.M&A仲介会社に相談する
M&Aにおける譲渡価格を高めたいのであれば、M&A仲介会社に相談するのがベストでしょう。
M&A仲介会社とは、M&Aを総合的にコンサルティングしてくれる存在です。M&A仲介会社は譲渡価格を高めるために以下のようなことを行ってくれます。
- 企業価値評価の算定
- 自社をアピールするための事業計画書作成のアドバイス
- シナジー効果のある買い手企業の提示・選定
- 利益拡大のための実務指導
- 資金調達・資金繰りの実務指導
このように、M&Aにおける様々なアドバイスや指導を行ってくれるのです。逆にM&A仲介会社に相談せずに自社内でM&Aを完結しようとしても、情報量が少なく適切なM&A戦略を立てることは難しいといえます。
M&A仲介会社に相談することで、企業価値評価をしてもらえます。M&Aで会社売却をしたい時に、いくらくらいの譲渡価格になるのかおおよその額を算出してくれるのです。
このようにメリットが多いので、M&A仲介会社に相談し、譲渡価格を高めましょう。
M&A仲介会社に相談して交渉をスムーズに進めよう
M&A仲介会社に相談をすれば、譲渡価格面だけでなく、様々な交渉をスムーズに進めることができます。
M&A仲介会社が行ってくれる業務は以下の通りです。
- M&Aのスケジュールや戦略の策定
- M&Aの買い手企業の情報提供・選出
- 買い手企業へ提示する資料作成やアプローチ
- 買い手企業との交渉での同席・アドバイス
- 基本合意契約や最終契約などの書類作成のアドバイス
- デューデリジェンスの対応
- 専門家の紹介
- 統合作業のアドバイス
このように、様々な業務を任せることができます。M&Aを実施するほとんどの経営者が、初めてのM&Aを行うことになります。
もし、社内にM&A専用の部署があれば問題ありませんが、そうでない場合M&A仲介会社を頼りましょう。専門家としてのアドバイスをもらいながら、膨大な業務を任せられます。M&Aを成功させるためにも、M&A仲介会社へ相談しましょう。
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まとめ
企業価値評価とは、企業価値をはかることです。そもそも、企業価値とは、企業全体の経済価値のことを指します。企業の持つヒト・モノ・カネ・情報などの事業価値を金額で表したものとなります。
企業価値評価をする方法は以下の3つです。
- コストアプローチ
- マーケットアプローチ
- インカムアプローチ
中でもDCF法が、M&Aにおいては採用されます。また、企業価値評価を高めるための手段には以下の5つが挙げられます。
- 収益を高める
- 投資効率性を高める
- 従業員を育てる
- 適切な財務状況にする
- 顧客と株主の利益を高める
また、M&Aにおける譲渡価格を高めるためには、M&A仲介会社に相談するのがベストです。
譲渡価格以外にも、スムーズに交渉を進めたり、トラブルを回避するといったメリットがあります。M&Aを成功させるためにも、M&A仲介会社に相談しましょう。
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