M&A・事業承継の理解を深める M&A総合研究所ポータル(旧M&A STORY)

Logo

この記事は、約 2分で読めます。
印刷会社M&Aの売却/買収事例とは?買う・売る方法、費用の相場を解説

印刷会社M&Aの売却/買収事例とは?買う・売る方法、費用の相場を解説

目次

    印刷会社のM&A

    印刷会社のM&Aとは?

    後継者不足や事業承継問題などの経営上の様々な問題を解決するためにも、M&Aは効果的な手法です。これは印刷業界も例外ではありません。

    近年、印刷業界の市場は縮小傾向にあります。その要因としては、デジタル化によって電子媒体が急速に普及したことなどが挙げられます。

    今後の印刷業界はデジタル化に対応するため、IT分野への積極的な進出も予想されますが、競争激化のために市場がさらに縮小する可能性もあります。

    このような動向に対応するために、M&Aが活発化するものと思われます。

    例えば同業者同士のM&Aによって事業内容・領域を拡大し、競争力を強化するといった方法があります。

    印刷会社のM&Aについて、まず業界の特徴や動向を踏まえてご紹介します。

    印刷会社・業界の特徴

    まず、印刷会社・業界の正確な定義を確認しておきましょう。

    総務省の「日本標準産業分類」によると、製造業の中に「印刷・同関連業」という分類があり、この中に印刷業、製版業、製本業、印刷物加工業、印刷関連サービス業などが含まれています。印刷会社は、これらのサービスを提供する会社となります。

    また、印刷会社は小規模事業所が多いという特徴もあります。凸版印刷や大日本印刷のように売上高が1兆円を超える大手企業もありますが、業界全体としては小規模事業所が大半を占めている状況です。

    次に、印刷会社の業態を整理しておきます。

    業態としては、広告などの商業用印刷による「商業印刷」、事務用品一般やビジネスフォームといった事務用印刷物による「事務用印刷」、書籍や雑誌などの出版印刷物による「出版印刷」、包装やラベルなどを対象とする「包装印刷」といった種類があります。

    全日本印刷工業組合連合会の「平成29年度「印刷業経営動向実態調査結果」」によると、製品別の売上高は、商業印刷が44.2%、事務用印刷が20.9%、出版印刷が13.4%、包装印刷が10.6%で上位4製品となっています。

    このうち、包装印刷は徐々にシェアを高めています。一方で、上位3製品となる商業印刷、事務用印刷、出版印刷のシェアが低下傾向にあります。

    上位2製品の商業印刷と事務用印刷は比較的安定していますが、出版印刷は特にシェアの低下が目立つ状況です。これは、デジタル化による電子媒体の普及などが影響していると言えます。

    このような業態のある印刷会社・業界ですが、一つ一つの製品の売上が低いという問題があります。例えば事務用印刷は、手帳や封筒、名刺といった事務用品一般や、ビジネスフォーム(帳票・伝票)を対象とし、製品自体の需要は高いです。

    一方で、一つ一つの製品として考えると、売上は低い傾向があります。

    印刷物は設備投資も多くなります。印刷機や加工機など、ある程度多額の投資が必要となります。

    一方で、製品ごとの売上が安価になってしまうため、印刷物に対しては費用対効果がしばしば問題となります。

    また、商業印刷なども含めて印刷物の種類が多いため、製品ごとの印刷工程が複雑になります。そのために原価計算が難しいという特徴もあります。

    インクや紙などの資材においては、原油価格の高騰に影響されるという問題もあります。原油価格の相場によって資材調達にかかるコストが変わり、製品の価格設定に大きな影響を及ぼします。そのため、高い価格交渉力も求められます。

    印刷会社・業界の動向とM&A

    印刷会社・業界の特徴をふまえ、その動向や問題点、M&Aの関係について詳しく見ていきましょう。

    市場の縮小傾向

    先ほども述べたように、印刷業界の市場は縮小傾向が見られます。特に出版印刷の売上の減少が目立っています。出版印刷はデジタル化の影響が強く、書籍や雑誌の発行部数の減少に伴い、印刷の需要も減少傾向にあります。

    印刷業界は基本的にエンドユーザーに左右されます。出版社や新聞社といったエンドユーザーの売上の減少は、それぞれの印刷会社にも大きな影響を及ぼします。そのため、出版印刷の売上が特に課題点となっています。

    パンフレットやチラシなどの需要も縮小傾向にあるため、商業印刷のシェアも低下傾向となっています。ただ、商業印刷のシェアは40%台で推移しており、低下傾向が見られるものの比較的安定しています。

    印刷業界の中で売上高が最も高い業態として、今後も高いシェアを維持するものと思われます。

    また、市場が縮小する傾向にある中で、包装印刷は徐々にシェアを伸ばしています。全ての業態で売上高の低下が目立つわけではありません。

    このような市場傾向においては、事業内容・領域の拡大が重要な選択肢となります。その際に、同業者同士でのM&Aが一つの手法となります。

    印刷会社は小規模事業所が圧倒的に多い状況ですが、印刷会社同士のM&Aによって事業拡大を図ることはできます。

    例えば中堅の印刷会社同士のM&Aであれば、事業規模の拡大や競争力の強化といったメリットがあります。

    また、お互いのノウハウを活かすことで、効果的なコスト削減や価格交渉力の向上、サービスの質の向上などにつなげることもできます。

    また、特定の地域に特化した印刷会社を買収するといった方法で、事業領域の拡大につなげることもできます。

    シェアが安定化している分野や、徐々にシェアを伸ばしている分野を自社の事業に取り込むことは、縮小傾向にある市場での競争力を強化することができます。

    M&Aにはこのようなメリットがあるため、市場の縮小傾向の中でM&Aはますます活発化するものと考えられます。

    紙媒体以外の事業の展開

    出版印刷をはじめ、印刷業界はやはり紙媒体への評価に左右されることになります。電子媒体が普及しつつも紙媒体が再評価されれば、それだけ印刷業界にも良い影響を与えます。

    ただ、紙媒体が再評価されても、電子媒体が衰退することはないと言えます。そのため、どうしても紙媒体の立場は弱くなる傾向にあります。

    こうした状況の中、紙媒体以外の事業も進める必要性が高まっています。例えばデータ入力と印刷、データ管理サービスなど、印刷業界の強みを紙媒体以外で活用するといったケースです。

    他の分野で新規に事業を開始する場合もあります。大手の印刷会社が印刷分野以外でも幅広く事業を展開しているように、多岐に渡る視点が必要と言えます。

    小規模事業所の場合、他分野への参入は難しいことも事実です。

    このような状況においても、M&Aが効果的な解決法となります。例えば、紙媒体以外の事業も進めている企業からの買収を狙い、傘下に入るといった方法です。

    また、紙媒体以外の事業も進める企業を買収し、その分野における新規参入を短期間で実現するという方法もあります。

    紙媒体以外に事業を展開している印刷会社にとっても、同じ印刷会社を買収することはメリットがあります。

    例えば買収対象となる企業が特定の地域に強みがあれば、紙媒体以外のサービスも含めて事業領域を広げることが可能です。

    このように、他分野への参入という意味でも、M&Aは効果的な手法となるのです。

    印刷会社のM&Aの現状と動向

    印刷会社のM&Aでは、地方の中堅印刷会社が都心の小規模事業所を買収するというケースが増加しています。

    印刷会社の受注先は、都市部に集中している傾向が見られます。そのため、印刷会社も都市部に集まる傾向がありますが、地方で活躍する印刷会社もあります。

    このような印刷会社が都市部での拠点を構築するためには、都心の小規模事業所をM&Aによって買収することに大きなメリットがあります。

    買収対象となる企業のサービス領域を活用することで、比較的短期間で都市部での事業展開を可能とします。

    また、大手企業の場合、海外展開のためにM&Aを活用するケースも見られます。

    国内での市場縮小に対応するため、成長している海外市場へアプローチを図るという事例は、今後も増加すると思われます。

    さらに、銀行や投資ファンドによるM&Aも増加しています。

    中小企業は事業承継問題を抱えているケースが多く、銀行や投資ファンドに売却・事業譲渡を行うことで事業承継を図る事例が増えています。

    印刷会社のM&Aの相場と費用

    印刷会社のM&Aでは、億単位の取引価格になることもあります。ただし、印刷業界以外の業界を含めた事例があることや、印刷会社によってM&Aの目的が異なることを踏まえると、一概に相場と費用を把握することは困難と言えます。

    特に今後の印刷会社は他分野への進出も積極的に行われる可能性があり、M&Aの事例も多様化することが予想されます。

    相場と費用を検討する際には、似た事例は重点的に分析する必要があります。

    M&Aは、後継者不足問題の解決、経営基盤の強化、事業領域の拡大といった様々な目的があります。似た事例を探す際には、それぞれの目的と、M&Aの当事者となる企業の規模を踏まえ、検討することが大切です。

    印刷会社の買収とは?買う・買いたい場合

    印刷会社を買収するケースは、同業者による買収が多いと言えます。地方の中堅の印刷会社が都市部の小規模印刷会社を買収するといった事例は、まさに同業者による買収の代表例です。

    同業者による買収は、やはり事業領域の拡大が一つのメリットとなります。買収対象企業が持つ事業領域を活用することで、新しいエリアにおける事業の開始を比較的短期間で実現できます。

    また、競争力の強化のために同業者を買収する事例もあります。

    市場の縮小が見られる印刷業界では、価格交渉力やサービスの質の向上など、様々な点で競争激化に備える必要があります。

    同業者同士がM&Aによって統合すれば、お互いのノウハウを活かして競争力の向上を図ることができます。

    印刷会社の売却とは?売る・売りたい場合

    M&Aにおける売却側の企業は、後継者不足問題の解決、経営基盤の安定化、創業者利益の獲得、個人保証や担保の解消、従業員の雇用の維持といった様々なメリットがあります。

    これは印刷会社も例外ではなく、経営上の問題を解決するために売却を実行するケースは多いです。

    印刷会社は大半が小規模事業所となります。今後の市場縮小を踏まえると、自社だけで安定した財務基盤を維持することは難しいと言えます。

    また、中小企業は後継者不足など問題を抱えているケースも多く、何とか後継者を見つけて事業を継続したいと考える企業は多いです。

    このような問題を解決するためにも、売却は大きなメリットがあります。

    売却側が魅力的なサービスを提供していれば、その企業の価値が評価され、資金力のある企業が買収に名乗り出る可能性があります。例えば特定の地域に特化している印刷会社や、包装印刷のようなシェアを伸ばしている分野に強みがある印刷会社など、買収する側にとっては魅力が高くなります。

    また、他社にはない独自の技術やスピード、価格交渉力などを持っていれば、さらに魅力は上がります。

    効果的な売却を実現するためにも、自社の強みを固めておくことが重要です。

    印刷会社のM&Aの成功・失敗事例

    印刷会社のM&Aの成功事例には、2017年の凸版印刷によるMax Speciality Films Limitedの関連子会社化や、2016年の小松印刷によるマツオカと三幸の子会社といった事例が挙げられます。

    凸版印刷の事例は、M&Aによって海外市場へ事業拡大した例となります。

    関連子会社化したMax Speciality Films Limitedは、インドや海外市場向けにBOPPフィルム(包装用、ラベル、書籍カバー用など)の製造・販売を行っています。

    このM&Aにより、凸版印刷はインドのパッケージ市場や海外市場への事業拡大を進めます。

    特にインドのパッケージ産業は世界的にも成長率が高く、今後の市場拡大が見込まれています。凸版印刷によるMax Speciality Films Limitedの関連子会社化は、拡大するインドのパッケージ市場へのアプローチとして大きな意味を持っています。

    小松印刷の事例は、事業内容の拡大を可能としたM&Aです。

    小松印刷は新聞の折り込み広告の印刷を主力とした事業展開を行っています。また、子会社した株式会社マツオカは巡拝用品の販売を行い、寺社の参拝で使用する納経帳で国内シェアの多くを占めています。同じく子会社化した有限会社三幸も、巡拝用品の販売を事業内容としています。

    これらの企業の子会社化により、小松印刷は事業内容の拡大を進め、グループのネットワークを活かしたサービスの提供を図っています。

    印刷会社のM&Aは、現段階では目立った失敗事例は少ないと言えます。ただし、印刷会社のM&Aが活発化することで、今後は事例の多様化が見込まれます。

    その中で目立った失敗事例が発生する可能性もあります。そのため、業界の動向も踏まえて様々な事例に注目する必要があります。

    時代や産業構造の変化によって印刷業界は大きく変わろうとしています。

    海外進出や事業拡大など、M&Aによって事業を成功に導くためにも、数多くの事例を徹底して分析・検討することが大切です。

    まとめ

    印刷会社のM&Aに関して、動向や相場、成功・失敗事例について解説しました。
    買い手、売り手によってM&Aを選択する目的は異なるため、メリット・デメリットをしっかり判断した上でM&Aを選択しましょう。
    大きな意思決定であるM&Aは注意点も多いため専門家を活用しましょう。

    M&A・事業承継のご相談ならM&A総合研究所

    M&A・事業承継のご相談なら専門の会計士のいるM&A総合研究所にご相談ください。
    M&A総合研究所が全国で選ばれる4つの特徴をご紹介します。

    M&A総合研究所が全国で選ばれる4つの特徴

    1. 業界最安値水準!完全成果報酬!
    2. M&Aに強い会計士がフルサポート
    3. 圧倒的なスピード対応
    4. 独自のAIシステムによる高いマッチング精度
    >>M&A総合研究所の強みの詳細はこちら

    M&A総合研究所は会計士が運営するM&A仲介会社です。
    企業会計に強く、かつM&Aの実績も豊富です。全国にパートナーがいるので案件数も豊富。
    また、業界最安値水準の完全成果報酬制のため、M&Aが成約するまで完全無料になります。
    まずはお気軽に無料相談してください。

    >>【※国内最安値水準】M&A仲介サービスはこちら

    電話で無料相談WEBから無料相談
    • 02
    • 03
    • 04
    • 05
    ご相談はこちら