2020年3月30日更新業種別M&A

印刷会社M&Aの売却/買収事例とは?買う・売る方法、費用の相場を解説

電子媒体の普及により低迷が続いている印刷会社では、生き残りをかけたM&Aや事業承継のためのM&Aなどが行われています。この記事では。印刷会社の現状を踏まえたうえで、売却や買収を行う方法、費用の相場、実際に行われた印刷会社のM&A事例を紹介していきます。

目次
  1. 印刷業界におけるM&Aの動向
  2. 印刷会社と印刷業界の特徴とは?
  3. 印刷業界の現状
  4. 印刷業界におけるM&Aの相場と費用
  5. 印刷会社の買収で注目するポイントとは?買う・買いたい場合
  6. 印刷会社の売却で注目するポイントとは?売る・売りたい場合
  7. 印刷業界におけるM&Aの成功事例
  8. まとめ
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印刷会社のM&A・事業承継

印刷業界におけるM&Aの動向

印刷業界におけるM&Aの動向

印刷会社のM&Aでは、地方の中堅印刷会社が都心の小規模事業者を買収するケースが増加中です。印刷会社の受注先は都市部に集中する傾向にあり、それに伴って印刷会社も都市部に集まる傾向があります。

地方で活躍する印刷会社が都市部で拠点を構築するためには、M&Aで都心の小規模事業者を買収することが大きな有効策となります。買収企業のサービス領域を活用すれば、比較的短期間でかつリスクの低い参入が可能となり、都市部における事業展開を実現できます。

また、印刷業界は今後も国内市場が縮小していく見込みであり、そのために成長中の海外市場へアプローチする事例が増えています。したがって、大手印刷会社が海外展開を狙うときにも、M&Aは大いに活用できます。

さらに、中小企業や小規模事業者は事業承継問題を抱えているケースも多く、同業他社や銀行、投資ファンドに売却・事業譲渡をすることで、事業承継を図るM&A事例も増えています。

印刷会社の経営戦略としてもM&Aは活用できる

近年の印刷業界においては、デジタル化によって電子媒体が急速に普及していることを主因として市場が縮小しており、とくに中小規模の印刷会社では今までの経営を継続していては生き残りが困難であるとされています。

そのため、中小規模の印刷会社においても、事業承継のための解決策としてM&Aを活用するだけでなく、他の分野への進出や生き残りをかけた経営戦略としてのM&Aも視野に入れておく必要があり、M&Aであれば中小規模の印刷会社でも事業展開は可能です。

実際、同業者同士でM&Aを実施して事業内容や営業領域を拡大して競争力を強化した事例も多いです。電子媒体が急速に普及している現状を踏まえると、スピーディーに対応できるM&Aはこれからさらに一般的な経営戦略の手法になっていくでしょう。

また、以下の記事では事業展開を成功させるためにM&Aの活用した事例やメリットを紹介しているので、こちらもご確認ください。

【関連】事業展開を成功させるには?事例やM&Aを活用した事業展開のメリットをご紹介

印刷会社と印刷業界の特徴とは?

印刷会社と印刷業界の特徴とは?

はじめに、印刷会社・印刷業界の定義を確認しておきます。総務省の「日本標準産業分類」によると、製造業のなかに「印刷・同関連業」という分類があり、ここには印刷業・製版業・製本業・印刷物加工業・印刷関連サービス業などが含まれます。

印刷会社は、上記サービス(印刷・同関連業)を提供する会社です。印刷会社には小規模事業者が多いという特徴があり、凸版印刷や大日本印刷といった売上高1兆円超の大手企業もありますが、業界全体としては小規模事業者が大半を占めています。

印刷会社の業態

つぎに、印刷会社の業態を解説します。印刷会社の代表的な業態は、以下のとおりです。

  • 商業印刷
  • 事務用印刷
  • 出版印刷
  • 包装印刷

まず、商業印刷は広告などの商業用のものを印刷する業態であり、事務用印刷は事務用品一般やビジネスフォームなどの事務用印刷物を扱います。出版印刷は書籍や雑誌などの出版印刷物を扱い、包装印刷は包装やラベルの印刷を行う業態です。

全日本印刷工業組合連合会が公表している「平成29年度印刷業経営動向実態調査結果」によれば、製品別の売上高は、商業印刷が44.2%・事務用印刷が20.9%・出版印刷が13.4%・包装印刷が10.6%で上位4製品となっています。

出版印刷でのシェア低下が目立っている

印刷会社における業態上位4つのうち包装印刷については、徐々にシェアを高めています。一方で、上位3製品の商業印刷・事務用印刷・出版印刷のシェアが低下傾向にあり、上位2製品の商業印刷と事務用印刷は比較的安定しているものの、出版印刷はとくにシェア低下が目立つ状況です。

この傾向は、デジタル化による電子媒体の普及が大きく影響しています。また、印刷会社・印刷業界には幅広い業態があるものの、一つ一つの製品の売上が低いという問題を抱えています。たとえば、事務用印刷は手帳・封筒・名刺といった事務用品一般や、ビジネスフォーム(帳票・伝票)を扱っています。

これらの製品自体の需要は高いのですが、1つ1つの製品として捉えると単価は安く、大量の発注を受けなければ売上は低くなってしまいます。

投資コストの回収可能性を見通しにくい

印刷業界では、印刷機や加工機といった比較的多額の設備投資が必要となります。製品ごとの売上が安価になってしまうため、製品における費用対効果がしばしば問題となります。くわえて印刷物の種類が多く、製品ごとの印刷工程が複雑になりがちです。

そのため、印刷業界は原価計算が難しいという特徴も見られます。さらに、インクや紙などの資材は原油価格の高騰に大きく影響され、原油価格の相場によって資材調達にかかるコストが変わり、製品の価格設定に大きな影響を及ぼすことから、高い価格交渉力も求められます。

このようなことから、投資コストを回収できる可能性の見通しが立ちにくく、とくに中小規模の印刷会社では設備投資をしたくてもリスクの方が高いとして、なかなか投資に踏み切れないのが現状です。

印刷業界の現状

印刷業界の現状

これまでに紹介した印刷会社・業界の特徴をふまえ、印刷業界の動向や問題点・M&Aの関係について詳しく解説します。ここでは、以下2つのポイントに分けて見ていきます。

  1. 印刷業界の市場は縮小傾向
  2. 紙媒体以外での事業展開の必要性
これら2つのポイントについて、順番に把握していきましょう。

①印刷業界の市場は縮小傾向

前述のとおり印刷業界の市場は縮小傾向にあり、とりわけ出版印刷の売上減少が目立っています。出版印刷はデジタル化の影響を強く受け、書籍や雑誌の発行部数の減少に伴い、印刷の需要も減少傾向にあります。

印刷業界は基本的にエンドユーザーの動向に左右されます。出版社や新聞社といったエンドユーザーの売上が減少すれば、印刷会社に大きな影響を及ぼします。そのため、出版印刷の売上が大きな課題点です。

また、パンフレットやチラシなどの需要も縮小傾向にあり、商業印刷のシェアも低下傾向です。ただ、商業印刷のシェアは40%台で推移しており、比較的安定しているといえます。印刷業界のなかで売上高が最も高い業態として、商業印刷は今後も高いシェアを維持する見込みです。

しかし、こうした市場が縮小する傾向にあるなかで包装印刷は徐々にシェアを伸ばしており、印刷業界の全業態で市場が縮小しているわけではありません。

事業内容・事業領域の拡大が有効策

印刷業界の市場傾向を踏まえると、「事業内容や領域の拡大」が有効策となります。この際、同業者同士のM&Aが重要な選択肢の1つです。印刷会社は小規模事業所が圧倒的に多い状況ですが、印刷会社同士のM&Aでは規模の拡大が図れます。

M&Aをせずに事業規模を拡大することは非常に困難であり、多くの時間やコストを費やしてしまいます。ところがM&Aを活用すれば、短期間で実現できるうえにリスクも少なくできることが多いです。たとえば、中堅印刷会社同士でM&Aをすると事業規模拡大や競争力強化などを短期間で実現できます。

お互いのノウハウが活かせれば、コスト削減や価格交渉力・サービスの質の向上などが目指せます。この他にも、M&Aにより特定地域に特化する印刷会社を買収すれば、事業領域の拡大につなげられます。

また、シェアが安定化している分野や徐々にシェアを伸ばしている分野を自社事業に取り込めば、縮小傾向にある市場での競争力強化が狙えます。このように、M&Aにはさまざまなメリットがあるため、市場の縮小傾向のある印刷業界においてM&Aは非常に有効な策だといえます

②紙媒体以外での事業展開の必要性

出版印刷をはじめ印刷業界では、紙媒体への評価に左右されます。電子媒体が普及しつつも紙媒体が再評価されれば、印刷業界に良い影響を及ぼすのです。ただし紙媒体が再評価されても、電子媒体が衰退することはないといえます。

そのため、どうしても紙媒体の立場は弱くなる傾向にあるのです。こうした状況のなか印刷業界では、紙媒体以外の事業を進める必要性が高まっています。たとえば、データ入力と印刷・データ管理サービスなど、印刷業界の強みを紙媒体以外で活用するケースです。

他分野で新規に開始した事業が軌道に乗るケースも多く、大手印刷会社が印刷分野以外でも幅広く事業を展開しているように、多岐にわたる視点を持たなければなりません。なかには、化粧品事業やイベント運営事業など、印刷とは離れた分野の事業で安定した売上を出す印刷会社もあるほどです。

印刷分野以外の事業を行う会社とのM&Aが有効策

一見すると八方塞がりのような状況であっても、M&Aは効果的な解決法となります。たとえば、紙媒体以外の事業も手掛ける企業に買収されて傘下に入れば、その企業や関連会社から安定した受注を受けられ、自社の従業員も落ち着いて業務に取り組むことができます。

また、紙媒体以外の事業も進める企業を買収し、その分野での新規参入を実現する方法もあります。M&Aによる買収では、事業の新規参入がスピーディーに行えるのが魅力です。ゼロから立ち上げることによるリスクも少ないため、新事業に取り組むならM&Aの活用が効果的です。

なお、紙媒体以外の事業を展開する印刷会社にとっても、同じ印刷会社の買収はメリットがあります。たとえば、買収対象となる企業が特定の地域に強みがあれば、紙媒体以外のサービスも含めて事業領域を広げることが可能です。

しかし、M&Aにはさまざまなメリットがあるものの、成功させることは決して簡単ではありません。成功させるためには、業界のことを知るだけでなくM&Aの専門家のサポートを受けることが不可欠だといえます。

また、以下の記事ではM&Aのメリットについて解説しているので、気になる人は併せてご確認ください。

【関連】M&Aのメリットとは?買い手・売り手のメリットやM&A戦略策定・手法別のメリットを紹介

印刷業界におけるM&Aの相場と費用

印刷会社のM&A・事業承継
印刷会社のM&A・事業承継
印刷業界におけるM&Aの相場と費用

印刷会社のM&Aでは、大規模であれば億単位の取引価格に及ぶこともあり、小規模な印刷会社のM&Aでは、数千万円程度の事例が多いです。印刷業界以外の業界でのM&A事例があることや、印刷会社ごとにM&Aの目的が異なることなどを考慮すれば、相場と費用の具体的な把握は困難です。

M&Aの売買価格は、売上・事業エリア・従業員数といったさまざまな要因で決まります。とくに印刷会社は他分野への進出も積極的に行われており、M&A事例が多様化しています。相場と費用を知りたいときは、自社と類似する会社が実施したM&A事例を分析すると良いです。

具体的な価格を知りたい場合はM&A総合研究所に相談

自社の具体的な売却価格や、M&Aを狙う印刷会社の具体的な買収価格が知りたいときは、M&Aの専門家に相談することをおすすめします。専門家に相談すれば、具体的な売買価格を計算してもらえます。この際、なるべく印刷業界に詳しい専門家に相談することがポイントとなります。

印刷業界に詳しい専門家をお探しの場合は、ぜひM&A総合研究所へご相談ください。M&A仲介会社であるM&A総合研究所には各業界に精通しているアドバイザーや知識や経験が豊富なアドバイザーが在籍しております。

企業価値の算定やM&Aの相談、クロージングに至るまでフルサポートいたしますので、お気軽にお問い合わせください。

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※関連記事

M&Aの相場

M&Aの費用

印刷会社の買収で注目するポイントとは?買う・買いたい場合

印刷会社の買収で注目するポイントとは?買う・買いたい場合

印刷会社を買収するときは、以下のポイントに注目して買収先企業を決めると良いです。

  • 工場の規模や立地に魅力があるか
  • 企画やデザインの能力を備える人材が在籍しているか
  • 特定分野において大きなシェアを占めているか
  • 設備・人材・技術に対して適切に投資がなされているか
  • その他、自社にはない強みを持っているか

これらのポイントを基準にして買収先を選ぶと、M&Aによって希望どおりのメリットを獲得しやすいです。印刷会社を買収するケースでは、同業者による買収が多く、地方中堅の印刷会社が都市部の小規模印刷会社を買収する事例は、まさに同業者による買収の代表例といえます。

買収の目的を明確にすると買収先企業を決めやすい

同業者による買収では、事業領域の拡大が大きなメリットです。買収対象企業が持つ事業領域を活用すれば、新規エリアにおいて比較的短期間で事業を始められます。また、同じ印刷会社という業種でも、それぞれの会社で強みは異なります。

買収により自社にはない強みを手に入れることで競争力を強化でき、経営の安定化を図ることができます。他業種の買収においても、印刷業界への参入や印刷会社の強みを活かしたデータ入力やデータベース管理を取り込めば、主業種のさらなる発展に期待できます。

このように、買収にはさまざまなメリットがありますが、買収先の選定においては買収をする目的を明確にし、それを踏まえて企業を選ばなくては十分なメリットが得られなくなります。そのため、まずは買収にあたりなにを得たいのかを明確にするようにしなくてはなりません。

また、以下の記事では会社を買う際の注意点やメリット・デメリットを解説しています。注意点を知らなければ、会社を買ったあとに思わぬトラブルが発生する場合もあるので、こちらもご確認ください。

【関連】会社を買う際の注意点と会社購入のメリット・デメリット

印刷会社の売却で注目するポイントとは?売る・売りたい場合

印刷会社の売却で注目するポイントとは?

印刷会社を売却するときは、自社について事前に以下のポイントに注目しておくと良いです。

  • 資格や高い技術力を持つ人材を抱えているか
  • 特定分野で大きなシェアを誇っているか
  • 大手企業など魅力的な取引先を抱えているか
  • その他、相手企業にアピールできる強みを持っているか

これらのポイントに注目して、M&A前にできるだけ企業価値を高めておけば、多くの企業から魅力的な売却案件であると判断されます。その結果、希望どおりの売却価格でM&Aできる可能性が高まります

M&A前にできる限り自社の強みを固めておく

売却価格の獲得以外にもM&Aにおける売却側では、後継者不足問題の解決・経営基盤の安定化・個人保証や担保の解消・従業員の雇用の維持といったメリットが得られ、印刷会社においても経営上の問題を解決するために売却を実行するケースも多いです。

ところが、事業の引き継ぎ先は簡単には見つかるわけではなく、売却側が魅力的なサービスの提供を行っていると評価されなければ買収に名乗りでてもらえる可能性が低くなります。たとえば、特定地域に特化している、シェアを伸ばしている分野に強みがある印刷会社は買収する側にとって魅力度が高いです。

さらに、他社にはない独自の技術・スピード・価格交渉力などを持っていれば売却できる先が多く現れ、優位に交渉を進めていくこともできることから、確実に事業を引き継いでいくためにも、M&A前にできる限り自社の強みを固めておくことが重要となります。

自社の強みはしっかりと相手に伝える

どんなに自社を売り込めるだけの強みを持っていたとしても、それを買収の相手にうまく伝えられなければ魅力的だと評価してもらうことは難しいです。そのため、自社の強みはしっかりと相手に伝えられるよう入念に準備しておかなくてはなりません。

また、M&Aの交渉においては専門家にサポートしてもらうのも重要です。M&A仲介会社などの専門家に依頼すると、相手企業の選定やその後の交渉も行ってくれますし、できる限り高値で売却できるようサポートしてくれます。

M&A総合研究所においても、知識と経験が豊富なアドバイザーが少しでも高く売却できるようフルサポートいたします。また、M&A総合研究所ではスピーディーなサポートを実践しており、平均3ヶ月という期間で成約を実現させます。

さらに、ご相談は無料で費用についても国内最安値水準の完全成功報酬制となっておりますので、お気軽にお問い合わせください。

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また、以下の記事では会社を売る際のメリット・デメリット、高値で売れる会社の条件を解説しています。

【関連】会社を売るには?メリット・デメリット、高い値段で売れる会社の条件を解説

印刷業界におけるM&Aの成功事例

印刷業界におけるM&Aの成功事例

最後に、印刷会社のM&A成功事例として、以下の6つを紹介します。

  1. IMAGICA GROUPが主婦の友インフォスを子会社化
  2. 凸版印刷がMax Speciality Films Limitedを関連子会社化
  3. 小松印刷がマツオカ・三幸を子会社化
  4. 日本創発グループが宏和樹脂工業を買収
  5. 共立印刷が西川印刷を買収
  6. ナカバヤシが八光社を買収
では、これら6つの事例を順番に見ていきます。

①IMAGICA GROUPが主婦の友インフォスを子会社化

2019年、IMAGICA GROUPが主婦の友インフォスを子会社化しました。IMAGICA GROUPはテレビドラマやアニメーション作品など映像コンテンツの企画や作成を行っている会社であり、主婦の友インフォスはライトノベルの出版事業や写真集の発行などを行っている会社です。

この買収は、IMAGICA GROUPがコンテンツビジネスで重要となるIP(知的財産)を取得するために行われた事例です。

②凸版印刷がMax Speciality Films Limitedを関連子会社化

2017年、凸版印刷はMax Speciality Films Limitedを関連子会社化しました。凸版印刷は日本の大手印刷会社であり、Max Speciality Films Limitedはインドや海外市場向けにBOPPフィルム(包装用・ラベル・書籍カバー用など)の製造・販売を行っています。

インドのパッケージ産業は世界的にも成長率が高く、今後も市場拡大が見込まれています。このM&Aにより凸版印刷は、インドのパッケージ市場や海外市場への事業拡大を進められるようになり、拡大するインドのパッケージ市場へのアプローチとして大きな意味を持っています。

③小松印刷がマツオカ・三幸を子会社化

2016年、小松印刷はマツオカと三幸を子会社化しました。小松印刷は、新聞の折り込み広告の印刷を主力とした事業展開を行っており、マツオカは参拝用品の販売を手掛けており、寺社の参拝で使用する納経帳で国内シェアの多くを占めています。

同じく子会社化した三幸も、巡拝用品の販売を事業内容としています。これら2つの企業を子会社化したことにより、小松印刷は事業内容の拡大を進め、グループのネットワークを活かしたサービスの提供を図っています。

④日本創発グループが宏和樹脂工業を買収

2017年、日本創発グループは宏和樹脂工業を買収しました。日本創発グループは、一般印刷物や特殊素材への印刷・3Dプリンティングなどを手掛ける総合印刷会社です。買収した宏和樹脂工業は、ラミネート加工や樹脂コーティングなどの特殊印刷を得意分野としています。

このM&Aによって日本創発グループは、業界内で高い評価を受ける宏和樹脂工業の技術力の獲得に成功し、需要が拡大している表面加工印刷に関する技術力を組み合わせることで、収益性の向上を目指しています。

⑤共立印刷が西川印刷を買収

2015年、共立印刷は西川印刷を買収しました。共立印刷は、関東を拠点に事業を手掛けている総合印刷会社であり、西川印刷は九州を拠点とした印刷会社でダイレクトメールのほか、情報に基づいて内容を変更しながら印刷する(バリアブル印刷)設備・技術力を備えています。

西川印刷の設備や技術力は、需要に対応する体制整備を進めていた共立印刷との親和性が高いものであり、このM&Aによって両企業ともに、需要が高まりつつある印刷サービスに対応可能となりました。拠点が離れていることもあり、需要を取り合うことがない面でも大きな恩恵を得ています。

⑥ナカバヤシが八光社を買収

2016年、ナカバヤシは八光社を買収しました。ナカバヤシはビジネス印刷物を得意としつつ、ラベル印刷も手掛けている印刷会社であり、八光社はラベル印刷を得意分野としており、需要が高まっている小ロットのラベル印刷にも対応しています。

印刷機器の購入とM&Aという選択肢のなかから、ナカバヤシはより短期間で事業拡大が狙えるM&Aの手法を採用することとし、八光社を買収して小ロット印刷への対応を実現しました。

また、以下の記事では他の会社で行ったM&Aの成功事例を紹介しているので、気になる人はこちらもご確認ください。

【関連】M&A成功事例とは?大手・中小企業、スタートアップやベンチャー企業のM&A成功事例を解説

まとめ

印刷会社のM&Aに関して、動向・相場・成功事例などについて解説しました。M&Aはさまざまな問題の解決策や多くのメリットが得られるため、業界が低迷しつつある印刷会社では、会社の存続や事業拡大のために今後はM&Aが活発化すると予想されます。

しかし、M&Aは簡単に行えるものではなく、成功させるためには専門家のサポートが不可欠となります。印刷会社でM&Aをお考えの場合は、M&A総合研究所のようなM&Aの専門家に相談することをおすすめします。

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