M&A・事業承継の理解を深める M&A総合研究所ポータル(旧M&A STORY)

Logo

この記事は、約 2分で読めます。
吸収合併とは?M&Aにおける吸収合併や子会社の吸収合併を解説

吸収合併とは?M&Aにおける吸収合併や子会社の吸収合併を解説

Medium
この記事の監修専門家
M&A総合研究所 公認会計士
高谷 俊祐

吸収合併とは

吸収合併とは、複数の会社のうち1社が存続して、ほかの会社を吸収して解散、消滅することを言います。 例えば、A社とB社があり、A社が存続会社でB社が消滅する会社とします。 A社はそのまま存続しますが、B社は解散して消滅して、その権利義務(従業員や資産・負債など)のすべてをA社が承継することになります。 吸収合併は、一般的に会社の規模が大きい方が規模の小さい会社を吸収する場合が多くみられます。 また、親会社が子会社を吸収合併するケースもあり、子会社を吸収合併することでシナジー効果や経費の削減につながることを前提としている場合もあります。 吸収合併に伴う法律上の手続きは、合併契約締結から始まり合併書類事前備置開始、株主総会招集通知をして、債権者保護手続き、構成取引委員会への届け出をします。 その後、株主総会招集通知を受けて、株主の株式買取請求が実施され、株主総会の承認を経て、合併の効力発生日が決まります。 その後、合併書類事後備置開始となり、登記・財産等の名義変更手続きなどが実施されて、吸収合併が成立します。 また、吸収合併による会計についても、適切な方法で会計処理しなければなりません。 企業結合に該当する場合と該当しない場合では、会計処理が異なるので会計士の助言を受けた方が良いでしょう。 企業結合において「取得」となった場合は、パーチェス法が適用されるので、会計処理を正しく実施する必要があります。 税務についても、課税対象になる要件によって、税率が変化するので、正しい方法で納税できるように税理士の助言が必要になります。 企業グループ内の再編の場合は、100%の資本関係がある場合と100%未満50%超の資本関係の場合で適格合併であるか、非適格合併であるかによって、株式のみなし配当及び譲渡損益に発生して、課税させる場合があります。 吸収合併は、複数の会社が合併する時の方法の一つですが、適切な法務や財務、税務の処理を実施する必要があります。 そのためには、専門家である弁護士や会計士、税理士の助言や協力を受けるようにした方が良いでしょう。

M&Aにおける吸収合併

M&Aにおける吸収合併は、吸収する会社と吸収される会社との取引になり、吸収する会社は、吸収する会社の権利や義務などのすべてを承継することになります。 これによって、吸収された会社は消滅することになり、これまでの事業についても吸収した会社によって運営されることになります。 M&Aにおける吸収合併については、会社法でも定義されており、「会社が他の会社とする合併であって、合併により庄メルする会社の権利義務の千部を合併後存続する会社に承継させるものをいう。」(会社法二条二十七)と記載があります。 そのため、M&Aにおける吸収合併は、包括承継となるので会社に資産や負債もすべて引き継ぐことになります。 そのため、デューデリジェンスをしっかりと実施する必要があり、法務や財務、税務について細かく監査をしなければなりません。 M&Aにおける合併は、吸収合併が選択されることが多く、その理由には手続きが簡単であることが挙げられます。 例えば、吸収合併される会社が運営上で必要な許認可や免許を保有していた場合は、吸収した会社でも継続して使用することができます。 また、吸収した会社はそのまま存続することになるので、印刷物や社名変更の手続きが不要になります。 その分、経費も削減でき経済的であることもM&Aにおける吸収合併が多い理由になります。 M&Aにおける吸収合併では、存続している会社のブランドイメージと会社の名前が一致しやすいので、吸収合併を選択される場合が多くあります。 そのほかには、吸収合併によって存続している会社の組織体制の構築を大きく変える必要はなく、これまでの組織体制に吸収した会社の取締役などの役員を加える程度で済む場合が多くあります。 M&Aにおける吸収合併の場合は、吸収した会社の組織体制やシステムをそのまま活用するパターンが多く、新しく組織体制を構築し直すことはあまり行いません。

吸収合併のメリット・デメリット

吸収合併によるメリットは、同業他社同士の吸収合併によって、多くのシナジー効果が見込める点にあります。 通常のM&Aの場合は、株式譲渡や事業譲渡が選択される場合が多いですが、その場合は買収した会社と売却した会社がそのままの形で存続されます。 すると、それぞれに会社が独立して運営されますが、吸収合併の場合は2つ以上の会社がひとつにまとまり、存続する会社に事業が集中されます。 それによって、事業をまとめることができ、社内の関係も良好であれば同じ目的を持った社員が集中して事業を行えます。 綿密な関係性が構築できれば、優秀な人材が集まり適切な事業を運営できます。 また、同業他社との吸収合併によって、競合他社が減ることにもつながるので、ライバルが減る、と考えることもできます。 吸収合併によって、2つ以上の会社がひとつになるので社員同士の一体感も強くなり、協力体制が整って、仲間意識が強くなることで業績が上がる可能性もあります。 しかし、吸収合併によって吸収された会社の社員同士だけで協力しあうなどの派閥が生まれる可能性もあり、社内制度を整えて吸収した会社の社員と吸収された会社の社員のコミュニケーションが取れるように、ケアをしていく必要があります。 吸収合併によって、会社の規模が大きくなり従業員も増えたことによって、販路の拡大や大量仕入れ、大量仕入れが可能になり生産性が高まることもメリットになります。 そのほかには、吸収合併は包括的な承継がされるので、吸収された会社が持っていた権利や債務をすべて承継される一方で、取引先との契約や従業員の雇用も守られるので、新しい顧客の獲得や優秀な人材の確保にもつながります。 M&Aの場合で吸収合併を選択した場合は、先にも述べたように包括的な承継が可能になるので、後継者不在や経営者の高齢化などが問題になっている会社が吸収される側の場合、後継者不在や経営者の高齢化などの問題が解消されて、安心して会社を消滅させることができることもメリットと言えるでしょう。 資金面から見たメリットについては、管理会計の導入がしやすく、会社の経営陣は管理会計上の数値を用いて経営管理ができるようになります。 消費税についても、課税売上割合が高い会社を吸収合併することで節税できるメリットがあります。 また、自社株評価を引き下げて相続税対策を講じることもできます。 ただし、相続税対策が目的となった吸収合併は税務署からペナルティを受ける場合があるので、税理士に相談して慎重に実施する必要があります。 損益についても、通算できるので黒字会社と赤字会社が合併した場合は損益通算が可能になって、黒字会社にとっては節税につながり、赤字会社にとっては損失をカバーできるというメリットがあります。 吸収合併によるデメリットについては、 吸収合併にデメリットについては、吸収された会社が消滅することから様々な手続きが必要になります。 株主総会の特別決議や契約書の備置、開示、債権者の異議手続きなどがあります。 そのほかには、社内の統制を図り、吸収した側に会社の社員と吸収された側の会社の社員との統制を図らなければなりません。 吸収合併は2つ以上の会社が1つになったので、これまでのやり方やマニュアルを基に事業を進める場合もあります。 この時に、吸収した側の会社にやり方やマニュアルを優先させる傾向があるので、吸収された側の会社の社員にも周知していかなければなりません。 新しい人間関係も生まれるので、それに対してストレスを抱える社員も出てくるので、会社が配慮していく必要があります。 また、人事評価委制度や経理処理の一般化などもしていく必要があります。 吸収合併によって、かかるコストも増えることが予測できます。 従業員の人数も増えますし、設備なども増える可能性があります。 これによって、予測していたよりも人件費がかかったり、設備投資に費用が掛かりすぎたりする可能性もあります。 これは、会社にとって予測していた範囲なのか、範囲を超えるものなのかしっかりと精査していかなければなりません。 吸収合併によって、社員もそれぞれの業務を確実に運営していかなければなりませんが、従業員が増えたことで、責任の所在があいまいになる場合もあります。 事業の部門ごとに責任の所在を明確にして、スムーズな運営ができるように働きかけなければなりません。 資金面から見たデメリットについては、事業部門ごとの業績がまとめにくくなることです。 吸収合併によって、事業が統合されたことによって、事業部門ごとの数字が把握しにくくなります。 会計の整理として、業績が明確にわかるようにしておくことが重要になります。 吸収合併によって、会社の規模が大きくなるとそれだけ税負担も大きくなります。 M&Aを活用して、吸収合併をした場合は優遇措置が受けられる場合もありますが、資本金が多くなると、優遇措置を受けられなくなるケースもあります。 また、株価への悪影響も考えられます。 吸収合併によって、確実な成果が出るまでに時間がかかる場合もあります。 そのため、業績を判断する材料がないので株価が一時的に下落することも考えられます。 これらが、吸収合併におけるデメリットとして考えられるでしょう。

子会社の吸収合併

親会社が子会社を吸収合併する時には、「無対価合併」といいます。 これは、会社法(会社法七九四条一項二号、会社計算規則第三六条二項)に適応するもので合併する時に対価を交付しないで合併をするケースです、 また、無増資合併という場合もあり、この場合も株式会社である子会社を消滅会社として、株式会社である親会社を存続会社として吸収合併を実施する時に「無増資合併」と言う言い方をします。 もともと親会社が消滅する会社の株式を100%保有している場合は、親会社が保有する子会社の株式などに対して株式や金銭等の対価を割り当てることが認められていません(会社法七四九条一項三号、同条三項)。 そのため、吸収合併に伴う対価の交付ができないので「無対価合併」となります。 子会社を吸収合併する時には、簡易合併、略式合併とされる合併方法が用いられます。 簡易合併委は、親会社である存続会社が吸収合併によって子会社である消滅会社の資産と負債を受け入れる時に、消滅会社の株主に新株等の対価を交付する時は、その対価の金額が存続会社の純資産額の20%以下の時は、株主総会の承認決議が不要としています(会社法七九六条三項)。 そのため、株主総会の招集などの必要がなく簡易的に実施できるので「簡易合併」と言います。 「略式合併」については、当時会社の双株主の議決権の90%以上を保有している場合は、子会社において株主総会の承認決議が不要となっています(会社法七八四条一項、同法七九六条一項)。 簡易合併についても、略式合併についても、100%子会社となっている会社が消滅する場合が多いので、存続会社が要件を満たし、完全子会社について略式合併の要件を満たすケースがほとんどなので、両社において株主総会の承認決議が必要ないとされています。

吸収合併の注意点

吸収合併の手続きは、手順が多く時間がかかるものがたくさんあります。 そのため、順序立てて手続きの漏れがないように注意しなければなりません。 合併の契約を結べば、吸収合併が完了するわけではなく、株主総会の承認を経て吸収合併が成立するまでには、法律上の手続きをしなければなりません。 合併契約書の事前開示、株主総会の承認、官報公告、株主を保護する措置、債権者保護の措置、吸収合併の効力発生日の対応、登記手続きが必要になります。 吸収される側の会社も消滅の登記手続きをしなければならず、漏れがないように法律上の手続きを実施します。 そのほかには、従業員への対応についても注意しなければならない点があります。 吸収した会社と吸収された会社の従業員がいるので、互いに協力できる体制づくりをしなければなりません。 2つ以上の会社がひとつになっているので、派閥や協力体制が十分に取れない状態が続くと、事業に影響を与える可能性があります。 そのためにも、早期に統制を図って派閥などができないように配慮する必要があります。 吸収された会社の従業員の雇用が守られる契約をしている時は、告知なしにリストラをしたり、人員整理をしたりしないように気を配らなければなりません。 吸収合併については、法律や財務、税務などの手続きなどに専門的な知識を必要とします。 専門家のアドバイスやサポートを受けながら進めていくのが重要なポイントとなります。

まとめ

吸収合併は、一般的に大きな規模の会社が小さい規模の会社を吸収合併する場合が多いです。 そのため、知らず知らずのうちにパワーバランスが、吸収した会社の従業員の方が強く感じる場面もあるでしょう。
吸収合併には、多くの法律上の手続きも発生するので、漏れがないように適切に対応をすべきです。
M&Aでも吸収合併の手法を取る場合がありますが、専門的な知識が必要になるのでM&A仲介会社を活用した方が適切な方法で吸収合併を進めることができるでしょう。

M&A・事業承継のご相談ならM&A総合研究所

M&A・事業承継のご相談なら専門の会計士のいるM&A総合研究所にご相談ください。
M&A総合研究所が全国で選ばれる4つの特徴をご紹介します。

M&A総合研究所が全国で選ばれる4つの特徴

  1. 業界最安値水準!完全成果報酬!
  2. M&Aに強い会計士がフルサポート
  3. 圧倒的なスピード対応
  4. 独自のAIシステムによる高いマッチング精度
>>M&A総合研究所の強みの詳細はこちら

M&A総合研究所は会計士が運営するM&A仲介会社です。
企業会計に強く、かつM&Aの実績も豊富です。全国にパートナーがいるので案件数も豊富。
また、業界最安値水準の完全成果報酬制のため、M&Aが成約するまで完全無料になります。
まずはお気軽に無料相談してください。

>>【※国内最安値水準】M&A仲介サービスはこちら

電話で無料相談WEBから無料相談
  • 02
  • 03
  • 04
  • 05
ご相談はこちら