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2019年6月18日公開
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旅行代理店における事業売却(M&A)とは?メリット・デメリットを解説

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この記事の監修専門家
M&A総合研究所 公認会計士
高谷 俊祐

OTAの台頭や旅行者のニーズの変化により、旅行代理店業界は大きな変化を迎えつつあります。また、旅行代理店は様々な外的影響を受けやすい体質である以上、会社として経営基盤を強化することも重要な課題だといえます。

目次
  1. 旅行代理店における事業売却とは?
  2. 旅行代理店業界の現状
  3. 旅行代理店の事業売却におけるメリット・デメリット
  4. 旅行代理店の事業売却における注意点
  5. 旅行代理店の事業売却の事例
  6. 旅行代理店の事業売却はM&A仲介会社の専門家に相談
  7. まとめ

旅行代理店における事業売却とは?

M&Aは大企業のみならず、中小企業・零細企業も行う経営手法となっており、日本のM&A件数は年々増加しています。ただ、M&Aを実際に行う際には自分と同じ業界・業種の傾向を把握しなければなりません。業界・業種によってM&Aの積極さは全く異なるからです。

今回は旅行代理店の事業売却についてお伝えしていきます。旅行代理店の業界の動向、事業売却などといったM&Aにはどんな特徴があるのか、ぜひ参考にしてみてください。

旅行代理店業界の現状

最初に旅行代理店業界の現状についてお伝えしていきます。

国際的なイベントが後押しに

現在、日本は様々な国際的イベントが控えており、それらが旅行代理店業界の後押しになっています。代表的なものとしては2020年の東京オリンピック、2025年の大阪万博などが挙げられます。また、これらのような国際的なイベントは自然と訪日外国人観光客を増やしてくれるため、その流れにうまく乗ることができれば収益を増やせる可能性が高まります。

昨今の日本は「クールジャパン」と銘打って日本産のコンテンツを世界中に発信しており、海外では和食がブームになるなど、日本に来る動機付けは今後も積極的に行われると考えられます。訪日外国人観光客をターゲットに据えるのであれば、現在の状況は活かしておきたいところです。

旅行者のニーズの変化に注意

国際的なイベントが後押しになってはいるものの、旅行代理店業界が注意すべきものとして旅行者のニーズの変化が挙げられます。昨今は「近い場所で安く短期間で旅行する」という旅行者が増えており、かつてのように国内や海外の遠い場所へ旅行する傾向は弱まっています。そのため、長期間の大型の旅行プランはあまり売れなくなっており、ニーズに合わせて旅行を企画する必要が出てきています。

当然リーズナブルな旅行を企画しても利益は低いものです。そのため、今後の旅行代理店はいかに確実に収益を上げるかが経営上の重要な課題になってくるといえます。それでも、独自性のある商品を提供できるようになれば旅行者のニーズを集めることができるようになるでしょう。

また、昨今はインターネットの普及もあって旅行者が口コミや情報を共有しやすくなっており、自分で旅行の情報を集めたり、自分で乗車券や宿泊施設の確保もできるようになっています。加えて自分で自由に観光することを好む旅行者も多く、旅行代理店自体を利用しないことも今では珍しくありません。つまり旅行代理店に頼らずに旅行する旅行者が増えており、今後その傾向が強まれば旅行代理店は不利にならざるを得ません。そのため、旅行代理店の価値を顧客に認知してもらう努力も必要になります。

利益が不安定になりやすい

旅行代理店業界の難点としては、利益が不安定になりやすいところです。
天候の変化や自然災害、景気の変動などの影響で旅行者数や旅行数は大きく変わるものです。海外旅行ともなればテロや政治情勢、諸外国の法改正や税制改正なども影響を及ぼしてくることもあります。これらの点を踏まえると旅行代理店は事業を続けていくうえで多くの事柄の影響を意識していく必要があるといえます。

過去の出来事でいうなら東日本大震災やリーマンショックのような大規模な事件があれば、旅行者数は一気に減るため、旅行代理店の収益は多く激減することになります。当然ながらこれらのような大規模な事件を予測することは難しく、予期せぬタイミングで大損害を被ることも少なくありません。

OTAの台頭

旅行代理店業界にとって、今後の転換点になりそうなものが「OTA」です。
OTAとはオンライン型の旅行代理店のことを指しており、店舗を持たずにインターネットを通じて旅行プランの販売などを行います。OTAの最大の強みはまさにインターネットで全ての手続きを完了できることであり、スムーズに旅行を行いたい昨今の旅行客のニーズとマッチしています。そのためOTAは旅行代理店業界の中で勢いを増しており、従来の店舗型の旅行代理店の優勢を脅かしています。

それもあって昨今は店舗型の旅行代理店の大手がM&Aを実施し、OTAを買収するケースが増えています。そうすることでOTAのノウハウを取り入れ、そのシステムを活かして新たな事業展開を行うわけです。従来の旅行代理店はいかに店舗を増やし、事業エリアを拡大していくかに重きが置かれていました。しかしOTAの台頭によってその流れは大きく変わりつつあります。とりわけ店舗型の中小規模の旅行代理店にとってこの状況はシビアなものであり、苦境に立たされている旅行代理店も少なくありません。

旅行代理店の事業売却におけるメリット・デメリット

旅行代理店の事業売却にはどのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか?

旅行代理店の事業売却のメリット

旅行代理店の事業売却のメリットは買い手・売り手によって異なります。

買い手のメリット

さきほども触れましたが、買い手は事業売却を行っている旅行代理店、とりわけOTAを買収できれば、そのシステムやノウハウをまるごと手に入れることができます。

OTAはインターネットをフル活用するのが特徴ですが、事業に使えるシステムをゼロから立ち上げることは決して簡単なことではありません。時間やコストがかかることはもちろん、システムを構築できるノウハウを持った人材の存在も不可欠であり、たとえ大手でも手こずってしまうものです。ただ、事業売却を行っているOTAを買収することができれば、その手間をまとめてスキップすることができます。その後上手く経営統合ができれば買い手の事業に大きく利することになるでしょう。

売り手のメリット

売り手の事業売却のメリットは以下のようなものがあります。

更なる事業展開の実現
事業売却は売り手にとって更なる事業展開を実現できるものです。旅行代理店に限らず、中小企業や零細企業はその規模の都合上、たとえ優れたノウハウや好調な事業があったとしても、事業展開に限界を迎えることがあります。しかし、事業売却を行い、大手の資本の傘下に入ることができれば経営基盤を強化できるため、更なる事業展開ができるようになるでしょう。

このような経営戦略は今では珍しくなく、M&Aの本場である欧米ではベンチャー企業が初めからM&Aありきで企業を立ち上げることも多いです。

経営再建
経営不振に陥っている旅行代理店であれば、経営再建のために事業売却を行うというのも有効的な選択肢に入るでしょう。

「更なる事業展開の実現」でもお伝えしましたが、事業売却が成功すれば財務基盤が強化できるため、売り手は経営状態を再建できる可能性が高まります。加えて買い手のノウハウやブランド、システムも使えるようになるため、元々あった事業の弱みを補完することもできるでしょう。最近は経営不振の会社を積極的に買収する大手も多く、たとえ赤字経営でも条件さえ合えば事業売却は成功する見込みがあります。

事業承継
後継者不在に悩んでいる旅行代理店であれば、事業売却は事業承継にも使えます。

昨今は中小企業や零細企業を中心に後継者不在が問題化しており、事業承継ができない会社が続出しています。従来の「後継者に選定して経営者を引き継がせる」という手法はもはや難しくなっているといっても過言ではありません。しかし、事業売却のようなM&Aを駆使すれば、第三者に事業承継ができるようになります。

もし後継者がおらず、事業承継ができないのであれば、事業売却を利用して第三者に経営を託すのもいいでしょう。これなら事業はもちろん、雇用も守ることもできます。

旅行代理店の事業売却のデメリット

旅行代理店の事業売却のデメリットは、事業売却の手法である事業譲渡それ自体にあるといえます。

事業譲渡は契約の範囲内で承継する資産や負債などを選択することができるなど、融通が利きやすい手法だといえます。事業譲渡であれば、もし買い手が引き継ぎたくない負債や資産があるなら、売り手が譲渡したくないものがあるならあらかじめ取り除くことができます。しかし、その分手間がかかることは考慮しておかなければなりません。

事業譲渡のやっかいな点は、実行すると様々な契約が白紙になってしまうという点です。事業譲渡を行うと取引先との契約や従業員との雇用契約など、様々な契約が白紙になってしまうため、締結し直す必要がでてきます。とりわけ注意しておきたいのは従業員との雇用契約です。雇用契約が白紙になれば、それをきっかけに従業員が離職しやすくなるため、事業売却に反対する従業員が流出しやすくなります。そのため、各契約の締結をし直すだけでなく、従業員への対応も配慮しなければなりません。

また、事業譲渡は事業の許認可を取り直したり、不動産の承継にコストがかかるなど、他にも様々な手間があります。そのため、円滑に進めることが難しい一面があります。

旅行代理店の事業売却における注意点

旅行代理店の事業売却における注意点は「タイミング」です。

現在、旅行代理店業界はM&Aが盛んに行われており、事業売却を行うならいい機会だといえます。ただ、M&Aが盛んに行われていることは、同時に業界再編が進んでいるということでもあります。やがて業界は大手の寡占化が進み、それに比例してM&Aも行われてなくなっています。そのため、事業売却を行うことを考えたのであれば、なるべく早めに行うことがおすすめです。

「思い立ったが吉日」というわけではありませんが、M&Aは手間がかかる経営手法である分、買い手も売り手も迅速に進めたがるものです。そのため、いざ事業売却に乗り出したら、すでに買い手となり得る会社はM&Aに興味を失くしていた…なんてこともあり得るでしょう。実際に事業売却を行うなら、M&A仲介会社などのような専門家のサポートを得るようにしておくことがおすすめです。

旅行代理店の事業売却の事例

ここでは実際にあった旅行代理店の事業売却の事例についてお伝えします。

エイチ・アイ・エス×インデックス

旅行代理店大手であるエイチ・アイ・エスは2016年にインデックスから「アクティビティジャパン」を買収しています。

アクティビティジャパンとはインターネットで展開されるアクティビティ予約サイトであり、エイチ・アイ・エスはこれを利用してオンラインでの事業展開の強化を図っています。昨今は、店舗型を展開してきた大手の旅行代理店がオンラインでの事業展開強化のためにM&Aを積極的に行うケースが増えており、これは典型的な事例だといえます。

旅行代理店の事業売却はM&A仲介会社の専門家に相談

実際に事業売却を行うのであれば、M&A仲介会社のような専門家に相談することがおすすめです。

そもそもM&Aは半年から1年半以上時間をかけることもある一方で成功率が3割~5割程度と難易度が高いものです。また、M&Aはデューデリジェンスやバリュエーションといった法務・税務・財務などといった専門的な知識が必要なプロセスをこなしますし、交渉や契約締結の場面では経験も重要になってきます。そのため、事業売却を行う際はM&A仲介会社に相談したうえで、そのサポートを得ながら行うようにしましょう。MA&仲介会社であれば経験も知識も豊富なアドバイザーがサポートしてくれるため、M&Aが円滑に進むだけでなく、その成功率も引き上げることができます。

おまけに最近は特定の業界・業種のM&Aを専門的に扱っているM&A仲介会社や、業界・業種を問わず幅広くM&Aを手掛けた経験があるM&A仲介会社も多く、以前より有益なサポートを受けやすくなっています。依頼する際の心配の種になりがちな報酬の面でも、最近はリーズナブルな報酬で相談・サポートを請け負ってくれるM&A仲介会社も多いため、気楽に仕事を依頼できるでしょう。

ただ、悪質な業者が中にはいることには注意を払っておかなければなりません。そのため、M&A仲介会社を選ぶ際には評価や実績などをちゃんと調べておくようにしましょう。

まとめ

OTAの台頭や旅行者のニーズの変化により、旅行代理店業界は大きな変化を迎えつつあります。また、旅行代理店は様々な外的影響を受けやすい体質である以上、会社として経営基盤を強化することも重要な課題だといえます。

これらの点を踏まえると、事業売却は旅行代理店を更に発展させたり、事業を存続させるうえで有効的な選択肢になり得るといえます。

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