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株主総会と取締役会の違い

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この記事の監修専門家
M&A総合研究所 公認会計士
高谷 俊祐

株主総会と取締役会は決議できる事柄や議事録の作成方法が異なっており、それぞれの機関の特徴や手続きも異なります。株主総会と取締役会の違い、株主総会と取締役会の議事録の違い、株主総会と取締役会の権限移譲について解説します。

目次

    株主総会と取締役会の違い

    株主総会と取締役会といえば会社に設置されている機関としてよく耳にするかと思います。

    しかし株主総会と取締役会、よく似た名前で違いがわかりにくいため、経営者の方でも間違えることがあります。

    株主総会と取締役会は名前だけでなく、決議できる事柄や議事録の作成方法も異なっており、その違いは正確に把握しておく必要があります。

    今回は株主総会と取締役会の違いを中心に、それぞれの機関の特徴や手続きの行い方などをお伝えしていきます。

    株主総会と取締役会の違い

    まずは株主総会と取締役会の基本的な違いについてお伝えしていきます。

    株主総会と取締役会はそれぞれ会社の経営に関する重要な事柄に対して決議を行ったり、特定の事柄に関して何かしらの承認を与える機関ですが、その成り立ちは異なっています。

    ここではそれぞれの違いについてお伝えしていきます。

    ①株主と取締役の違い

    まずは株主総会を構成する株主と取締役会を構成する取締役の違いについてお伝えしていきます。

    そもそも株主は文字通り「株式を持つ人」を指します。

    より正確にいうなら株主は株式を所有する個人・法人を指しており、株式を通じて会社に出資している人であり、その出資の度合いに比例して会社の経営に対して強い発言権・影響力を持つようになります。

    ただ、裏を返せば株式の保有している数が少ない株主は経営に対してあまり影響力を持つことはできません。

    対して取締役は会社の役職の一つであり、会社の代表として業務執行を行います。

    取締役会は株式会社であれば必ず設置しておかなければならない役職であり、株主から選任されます。

    わかりやすく要約すると、株主が「会社の内部・外部に関わらず株式を取得して出資している人」であり、取締役が「会社内に設けられた役職に就任している人」を指しているという具合です。

    前者が会社の「スポンサー」あるなら、後者は会社の「一員」であるともいえるでしょう。

    株主と取締役は兼任が可能であり中小企業であれば取締役が株式を所有していることで株主になっているということは珍しくありません。

    ②株主総会と取締役会は決議できるものが違う

    株主総会と取締役会の違いはそれぞれ「株主が参加するもの」、「取締役が参加するもの」という部分だけでなく、実はそれぞれで決議できるものが異なっています。

    そのため決議したい事柄に応じて株主総会、取締役会を使い分ける必要があります。

    株主総会、取締役会で決議できる内容はそれぞれ以下の通りです。

    株主総会

    株主総会で決議できる事柄は以下のようになっています。

    • 定款の変更、会社の解散、合併などの組織再編など、会社組織そのものに関する事柄
    • 会社の計算書類の承認や株主の利益に直結するような事柄
    • 会社の取締役などの役員の選任および解任
    • 役員報酬
    • 法律を逸脱しないようにするための取り決めについて

    株主総会はいうなれば会社のスポンサーとの協議という側面もあります。

    株主は会社に出資し、経営を支えてくれる立場である一方、株式を通じて株主自身が利益を得ているため、会社の経営の変化が株主に対して何かしらの不都合を行うようであれば、それを未然に防ぐようなこともあります。

    そのため株主総会で決議される事柄は会社の組織や経営の流れが大きく変化するような事柄です。

    株主総会は株式を持つ株主がいる限り、彼らの権利や利益を守る為に必ず開催しなければなりません。

    そのため前述したような事柄を株主総会を挟まずに決定したようなことになれば、株主が反発した場合は白紙に戻されることもあり得ます。

    ちなみにM&Aのような経営手法の中には、スキームによっては株主総会の開催が必須になっているものもあります。

    もし株主総会を行わなければ契約が無効になってしまうこともあります。

    株主総会が必須になっているなど、手間がかかるスキームが必要なM&Aを行うのであれば、M&A総合研究所にご相談ください。

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    取締役会

    株主総会に対して取締役会で決議できる事柄は意外と多くありません。

    ざっくり言うと取締役会で決議できる事柄は「株主総会で決議を取るほどのものではない事柄」であり、主に会社の財産や社債、株式に関する事柄、株式総会を開催するかどうかなどを決議できます。

    取締役会では定款を変更するような事柄や会社の組織再編に関わるような事柄を決めることはできませんが、それでも会社の経営判断を左右するようなことを決議します。

    一方、中小企業の中には取締役会を設置していない会社も少なくありません。

    俗にいうワンマン経営が行われているような中小企業では取締役会がなく、そのまま経営者が経営判断を行うような形態になっています。

    意思決定のプロセスそれ自体はかなりスピーディーになっているといえますが、取締役会がないということは経営の舵取りをする者がいなくなったら、会社の経営を動かせる立場がすぐになくなってしまう状態ともいえます。

    その意味では取締役会は重要な機関だといえるでしょう。

    株主総会と取締役会の議事録の違い

    株主総会と取締役会はそれぞれイベントの内実が違っていますが、それぞれの議事録の作り方も違っています。

    正確に言うと株主総会と取締役会の議事録は記載事項、保管事項、開示方法などが異なっており、その違いは会社法で制定されています。

    株主総会と取締役総会の議事録はそれぞれ下記のようになっています。

    ①株主総会の議事録

    株主総会の議事録においてまず書かなければならない事項は下記の通りです。

    • 株主総会の開催日時、開催場所
    • 株主総会に出席している株主の一覧。加えて出席していない株主の議決権の行使についても記載
    • 株主総会での議事の経過やその結果、参加者の発言やその内容について記載

    以上のことを記載した株主総会の議事録の扱いも会社法では定められており、本社では株主総会があった日から10年間議事録の原本を保管し、支社では株主総会があった日から5年間議事録のコピーを保管します。

    そして株主総会の議事録は株主や債権者の要求があれば閲覧や謄写が可能であり、会社側も極力対応しなければいけません。

    しかし株主総会議事録の閲覧や謄写は正当な目的である場合のみ可能であり、もし正当な目的がないと判断されれば会社側は閲覧や謄写を拒否することができます。

    ②取締役総会の議事録

    取締役会の議事録に記載する事項は株式総会と似通っていますが、異なる点も多くあります。

    基本的に取締役会の議事録に記載する事項は以下の通りです。

    • 取締役会の開催日時、開催場所
    • 取締役会に参加している取締役の一覧。参加していない取締役の議決権の行使についても記載。利害関係がある取締役がいた場合はその取締役の氏名も記載する
    • 取締役会の議事の経過や結果についても記載。その取締役会に特別取締役が参加していたり、取締役外から招集があった場合はその内容についても記載する

    ここまでお伝えしたのは一般的な取締役会ですが、もしみなし決議や報告の省略といった形式が使われていた場合にはさらに記載すべき内容が増えます。

    みなし決議の場合は、その内容やみなし決議を提案した取締役の氏名、決議があったものとみなされた日時の記載、報告の省略の場合には取締役会への報告が必要ないとされた事項に関する内容と、必要ないと判断した日時についての記載が必要となります。

    そして取締役会の議事録は原本を本社に10年間保管しておくことは株主総会と同じですが、議事録のコピーを支社に保管しておく必要はありません。

    そして取締役会の議事録の開示に関しては株主総会同様、株主などは閲覧・謄写の請求することができます。

    ただ監査役を設置している会社や監査などの委員会を設置している会社、指名委員会などを設置している会社に関しては取締役会の議事録の閲覧・謄写の請求は裁判所の許可を得る必要があります。

    株主総会と取締役会の権限移譲

    株主王会と取締役会をそれぞれ持っている会社であれば、意思決定のプロセスや会社経営の効率化を進めて言う過程で株主総会と取締役会それぞれの権限をいずれかに移譲するようなことを考えることもあるかと思います。

    ただ、株主総会と取締役会はそれぞれの権限が法律で定められているものであり、取締役会を設置している会社であるかどうかでどういう権限のすみわけになっているかも変わってきます。

    ここでは取締役会を設置していない会社と設置している会社でそれぞれの権限移譲の違いについてお伝えしていきます。

    ①取締役会を設置していない会社の権限移譲

    取締役会を設置していない会社は非公開会社に多いですが、そういった会社において株主総会は会社(株式会社)における一切の事柄を決議できます。

    そもそもこういった非公開会社は株主の数も少なく、また取締役が株主になっているケースも珍しくないため、取締役へ権限移譲を行うメリットはあまりありません。

    権限移譲を行う動機としては株主総会の招集手続きなどの手間を省くために取締役の権限を強めることで意思決定のプロセスをスムーズにしたい…といったものが多いようです。

    ただ株主総会が株式会社で最も強烈な意思決定機関である以上、会社法で株式総会が決議すべき事柄だと定めているものへの決議の権限を移譲することはできないので気を付けてください。

    一方、取締役が決められる事柄に関しては基本的に株主総会でも決議することができます。

    ②取締役会を設置している会社の権限移譲

    取締役会が設置している場合、株主総会で決議ができる事柄でも、取締役会に権限を移譲することができます。

    例えば自己株式の取得や剰余金の配当などであれば定款にあらかじめ定めておけば取締役会で決議を取れるようになります。

    こうしておけば株主総会の手間が省けるので経営者にとってはかなり楽になるでしょう。

    しかし定款で取締役会に決議できるように定めたとしても、株主総会の決議に関する権限全てを奪うことはできません。

    もし株主側が株主総会で決議を取る必要があると判断して請求した場合は会社側は答えないといけませんし、株主側の利益に関係するような事柄を決議する権限を取締役会が持ってしまうと株主の反発を受ける可能性は充分に考えられます。

    会社側としては開催の度に招集通知や会場の設置、日時の設定など手間がかかる株主総会の手間を減らしたいという気持ちはあるでしょうが、株主総会の権限移譲は株主の反発を受けやすいことを念頭に置いておきましょう。

    場合によっては権限移譲のための定款を通すことすら難しくなることも考えられます。

    対して取締役会の権限を株主総会に移譲することに関しては基本的にどんな事柄でも問題ありません。

    いうなれば取締役会の権限は何でも株主総会に移譲することが可能になっています。

    しかし株主総会に権限移譲を行いすぎると会社の経営と所有の分離を招くことになります。

    そうなると取締役会を初めとする会社を経営する立場から会社をコントロールすることが難しくなるため、権限移譲のさじ加減はある程度意識しておく必要があります。

    また、さきほどもお伝えしたように株主総会は手間がかかるプロセスでもあります。

    株主総会の権限を強めすぎると意思決定のプロセスが鈍化する恐れがあるので、この点も注意しておきましょう。

    まとめ

    今回の記事をまとめると以下のようになります。

    • 株主は会社の内外に関わらず経営に対して発言権・影響力を持つ株式の所有者。
    • 取締役は会社を代表して業務執行を行う者を指し、会社の特定の地位にいる。
    • 株主総会と取締役会はそれぞれ決議できる内容が異なっており、株主総会の方が会社の経営に関する重要な事柄の決議を取ることができる。
    • 株主総会と取締役会は議事録の取り方や保管方法なども異なっている。
    • 株主総会と取締役会の権限移譲は取締役会を設置しているか、設置していないかによって変わってくる。
    • 権限移譲では基本的に株主総会の決議の権限を全て奪うことはできない。

    株主総会と取締役会の違いは意外と多く、経営者の方であれば知っておくべきものだと思います。

    ただ、全体的に株主総会の方が会社にとって重要な事柄に対する決議の権限が強い傾向があり、取締役会と比べて重要性がかなり強いと考えてもいいでしょう。

    実際、株主総会は会社の外部の人間が株主として参加することもあり、彼ら自身の利益や権限を会社側は保証しておく必要があります。

    しかしだからといって株主総会に権限移譲しすぎると会社の意思決定や経営の効率性に影響が出てくる可能性もあります。

    株主総会や取締役会の権限を設定する際には両者のバランスを鑑み、理想的な意思決定のプロセスを構築できるように、経営者の方は熟慮した方がいいでしょう。

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