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2019年11月26日更新
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株式交換の登記

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この記事の監修専門家
M&A総合研究所 公認会計士
高谷 俊祐

株式交換は子会社化を実現する手段として、多くの場面で活用されています。株式交換を実行する際、登記が必要となる場合があります。新株予約権や発行した新株を交付等、株式交換株式交換で登記が必要となるケース、また、株式交換契約書や株主名簿といった株式交換の登記に必要な書類について解説します。

目次
  1. 株式交換の登記
  2. 株式交換とは
  3. 株式交換の手続き
  4. 株式交換と登記
  5. まとめ

株式交換の登記

株式譲渡や事業譲渡など、M&Aには多様な手法が存在します。

各企業ごとに、M&Aを実行する目的は千差万別です。

M&Aを成功させるには、目的に合った手法を用いなくてはいけません。

手法によって、用いる場面や手続き、メリットが異なります。

ですので、各手法の特徴を把握しておくことが重要です。

そんなM&A手法の一つに、株式交換があります。

合併や事業譲渡と比べると、あまり馴染みはないかと思いますが、株式交換は、非常に役立つ方法です。

ただし株式交換を実行する際には、法務的な専門知識が必要です。

その中でも悩ましいのが、登記の必要性です。

株式交換で登記が必要なのかは、多くの方は知りません。

株式交換の実施方法次第で、登記の有無は変わってきます。

この記事では、株式交換と登記の関係性について詳しく解説します。

株式交換とは

登記の有無をお伝えする前に、株式交換がどんな方法かをご紹介します。

⑴株式交換の手法

株式交換とは、自社の全発行済株式を、既存の他社に取得させる方法です。

株式交換の取得先としては、株式会社だけでなく合同会社を指定するのも可能です。

また、新しく設立する会社に株式を取得させる方法は、株式移転と呼ばれます。

株式交換は、主に100%親子会社関係を構築する目的で実施されます。

完全子会社となる企業の株主が保有する全株式を、完全親会社となる会社の株式と交換する形で行います。

それにより、子会社の全株式を親会社側が保有します。

一方で子会社株主は、親会社の株式を保有する事となります。

その結果、完全親子会社関係が成立します。

なお株式交換は、少数株主の影響を除外した上で実行可能です。

⑵株式交換のメリット

株式交換が聞き慣れない手法である理由は、新しい制度だからです。

株式交換制度は、平成11年に導入されました。

子会社化の際、従来は多額の買収資金が必要でした。

しかし株式交換制度の導入により、株式を対価として組織再編出来る様になりました。

資金調達や多額の出費を伴わずに済むのは、株式交換の大きなメリットです。

⑶株式交換のデメリット

株式交換では、全株式を既存他社に取得させます。

つまり、基本的には会社の全てを買収する形となります。

その為、一部分のみ欲しい場合には活用できません。

また会社の全てを取り込むので、偶発債務や不要資産等も取得してしまいます。

偶発債務とは、後々債務に可能性がある要素です。

債務化した場合、甚大な損失が発生する場合もあります。

また売り手側にとっても、株式交換にはデメリットがあります。

対価を株式で受け取るのが一般的な為、現金が欲しい場合には不向きな手法です。

加えて株式を現金化するのも困難です。

契約によって、取得した株式を売却できないケースが多いからです。

また、非上場企業の株式を対価として受け取った場合、現金化はほぼ不可能となります。

他の手法と同様に、株式交換は一長一短の方法です。

⑷有限会社の株式交換

現在は法律上、有限会社を設立するのは不可能です。

しかし、法改正以前に設立された有限会社は、そのまま有限会社として存在できます。

現在残っている有限会社は、特例有限会社と呼ばれます。

有限会社は、株式交換を実行出来ません。

よって株式交換を実施する際には、株式会社に組織変更する必要があります。

有限会社が株式会社に組織変更する際には、登記手続き等が必要となります。

よって登記手続き等が必要な分、株式交換に手間と時間を要します。

※関連記事

株式交換によるM&A

株式交換の手続き

次に、株式交換の手続きを解説します。

登記手続きの前にも、株式交換には様々な手続きが存在します。

ここでは、株式交換の手続きをざっくりご紹介します。

⑴株式交換契約の締結

まず最初に、株式交換契約を当事会社間で締結します。

株式交換契約では、主に下記の内容を取り決めます。

  • 株式交換の対価
  • 株式交換比率
  • 株式交換の効力発生日

⑵書面の事前開示

契約が完了したら、株式交換に関して一定事項を記載した書面等を開示しなくてはいけません。

なお通常は、株主総会の二週間前までに、事前開示を実行する必要があります。

事前開示には、主に下記内容を盛り込みます。

  • 株式交換の内容
  • 株式交換の対価
  • 債務履行に関する事項
  • 計算書類等の内容

⑶株主総会の特別決議

株式交換を実行する為には、特別決議による承認が原則必須です。

全議決権の過半数を有する株主が出席する総会にて、3分の2以上の賛成を得なくてはいけません。

ただし、「簡易組織再編」もしくは「略式組織再編」に当てはまる株式交換では、特別決議が不要となります。

簡易組織再編とは、交付対価額が純資産額の5分の1以下となる株式交換です。

一方で略式組織再編は、特別支配会社間の株式交換です。

つまり親会社が子会社議決権のうち、90%以上を保有している場合には、特別決議を省略可能です。

また状況次第では、特殊決議や総株主の同意が必要となるケースもあります。

株式交換を行う際には、どのケースに当てはまるか確認しましょう。

ただし専門的な分野ですので、各種専門家にアドバイスを受けるのがベストです。

⑷債権者保護手続き

株式交換では、原則債権者保護手続きは不要とされています。

資産や負債の変動がなく、債権者が損する事態は想定し難いからです。

ただし株式以外を対価とする際には、債権者保護が必要となります。

その場合には、官報による公告と、株主への個別催告を要します。

⑸効力発生と登記申請

①効力発生

株式交換は、登記によって効力が生じる訳ではありません。

最終契約で定めた日に、株式交換の効力が発生します。

法務局の営業日とは無関係な為、土日祝日を効力発生日に設定出来ます。

②登記申請

株式交換の効力は、契約で定めた日に発生します。

ただし、一部のケースでは登記申請が必要となります。

株式交換における登記の必要有無は、後ほど詳しく解説します。

株式交換時の登記に関しては、いつ登記すべきか具体的に決められています。

登記手続きの期限は、株式交換の効力発生日から2週間以内です。

ただし登記申請に関しては、一点注意すべき点があります。

親会社の変更登記と子会社の変更登記は、同時に実行されなくてはいけません。

具体的には登記申請書に、連番を記載して申請する必要があります。

※関連記事

株式交換契約書

株式交換と登記

最後に、株式交換における登記について解説します。

結論から述べると、株式交換では登記が不要である場合が大半です。

よって基本的には、登記は要らない認識で大丈夫です。

ただし、登記が必要となるケースも存在します。

ここでは、株式交換にて登記が不要のケース(原則)と、必要となるケースに分けて解説します。

また、株式交換の登記で必要な書類についてもご紹介します。

⑴株式交換で登記が不要のケース

株式交換の際、発行済株式のみを交付する場合には、登記は不要となります。

何故なら、発行済株式数や資本金の額に変動が無いからです。

大半の株式交換は、自社の発行済株式を対価として交付します。

したがって、基本的には登記申請しなくても、株式交換は完了となります。

⑵株式交換で登記が必要となるケース

一方で一部の株式交換では、登記が必要となります。

例えば親会社側が、新規発行した株式や新株予約権を交付するケースでは、株式交換の際に登記が必要です。

また子会社側にも、株式交換によって登記が必要となる場合があります。

具体的には、新株予約権を親会社側に取得させる株式交換です。

以上が、株式交換にて登記が必要となるケースです。

⑶株式交換の登記に必要な書類

株式交換で登記が発生する場合、必要な書類を揃えなくてはいけません。

株式交換で必要な書類は、各ケースによって様々です。

株式交換の登記で必要となる、主な書類は下記になります。

  • 株式交換契約書
  • 債権者保護手続きの書類
  • 株式交換契約を承認した株主総会議事録
  • 親会社の登記事項証明書
  • 資本金の計上証明書
  • 株券提供公告の実施を証明する書類
  • 株主名簿
  • 子会社の印鑑証明書
  • 司法書士への委任状

状況次第では、上記書類の中でも不要なものが出てきます。

もしくは登記の際に、上記以外の書類が必要となる場合もあります。

株式交換で登記が発生した際には、司法書士に相談するのを強く勧めます。

株式交換の登記には、専門的な知識が必要です。

加えて、必要な手続きも面倒です。

専門家に相談した方が、登記手続きをスムーズに完了できます。

※関連記事

株式交換と株式移転の違いとは?手続きや事例、メリット・デメリットを解説

まとめ

今回は、株式交換と登記の関係性についてお伝えしました。

完全親子会社関係を構築する上で、株式交換は非常に有効な方法です。

ただし、手続きが面倒である点を忘れてはいけません。

株式交換では、特別決議や書面の事前開示等の手続きが必要です。

そして株式交換が完了すると、登記が必要となるケースがあります。

基本的な株式交換では、登記は不要となります。

ただし、新株を発行したり新株予約権を交付する際には、株式交換の登記が必要となります。

株式交換の登記を実行する為には、膨大な書類を揃えなくてはいけません。

自力で全ての登記手続きを実行するのは、非常に骨が折れます。

株式交換の登記は、司法書士等の専門家に依頼することがオススメです。

要点をまとめると下記になります。

  • 株式交換とは

→自社の全発行済株式を、既存の他社に取得させる方法

  • 有限会社の株式交換

→株式会社に変更する為の登記手続きが必要

  • 株式交換の手続き
  1. 株式交換契約の締結
  2. 書面の事前開示
  3. 株主総会の特別決議
  4. 債権者保護手続き
  5. 効力発生と登記申請
  • 株式交換で登記が不要のケース

→発行済株式のみを交付する株式交換

  • 株式交換で登記が必要となるケース

→新株予約権や発行した新株を交付する株式交換

  • 株式交換の登記に必要な書類

→株式交換契約書や株主名簿など

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